妊娠中のトラブル~耳管開放症~

 耳管開放症は妊娠中のみに起こるものではありませんし、頻度もそれ程高いものではありませんが、時々見られるマイナートラブルの1つです。
 耳管というのは耳の奥と中耳(鼓膜の奥)をつないでいる器官で、耳管の入り口が開いたり閉じたりすることで中耳の中の圧力を調整しています。この耳管の入り口がうまく開閉しなくなることで耳に異常が起きてしまうのが耳管開放症です。
 耳管開放症の主な症状は、耳が塞がれた感じ・自分の声が響いて聞こえる・自分の呼吸の音が大きく聞こえる・耳が聞こえにくい・耳鳴り・めまい、などです。
 耳鼻科で検査をしても、耳管開放症だとはっきり分からないこともあるそうです。
 原因はストレスや疲労だと言われていますが、急激な体重減少や妊娠によって引き起こされる事もあります。
 積極的な治療はなく、頭を下にしたり、ダイビングの時にやるような「耳抜き」をすると一時的に聞こえ方が改善する場合があります。また、漢方薬の「加味帰脾湯」が有効な場合もあるそうです。
 妊娠によって引き起こされた耳管開放症の場合は、妊娠が終われば、つまり出産後は改善することが多いので、あまり心配する必要はありません。
 ただ、耳の聞こえにくさが出現した場合、それが耳管開放症によるものなのかどうかは自己判断せずに、一度は耳鼻科で診てもらった方が安心です。