主な性病

 性病=性感染症は、性交渉でうつる感染症全ての総称です。10代から20代前半を中心に広がっており、特に自覚症状が出にくいタイプの病気が蔓延しつつあります。

 予防はコンドームを初めから正しく使うこと!これしかありません。診断や治療の方法は感染の種類によって異なります。

 

 

・クラミジア感染症

 感染力が強く症状がほとんど出ないために、特に女性の感染者が増えています20-24歳の女性で、症状がない人も含めると6.4%、つまり16人に1人がクラミジアにかかっていることが推定されています。診断方法はおりものの検査か血液検査。治療法は抗生物質の服用です。

 

・淋病

 クラミジアと同様症状が出にくく、また、薬が効かない「耐性菌」が増えているためにじわじわと広がっています。診断方法はおりものの検査のみ。治療は抗生物質を点滴や筋肉注射します。

 

・性器ヘルペス

 「単純ヘルペスウイルス」というウイルスによる感染症です。最近は感染力があるのに自覚症状はない「不顕性感染」が増えているため、特に男性から女性へ気づかずに感染してしまうケースが増えています。

 発症すると外陰部に水ぶくれができて尿がしみたり強い痛みが出ます。診断方法は水ぶくれなどの見た目で判断できますが、血液検査や水ぶくれをこすって検査を行なう事もあります。治療は抗ウイルス薬の塗り薬や飲み薬ですが、重症だと点滴が必要になります。

 

・尖圭コンジローマ

 HPVの6型や11型が原因で外陰部や肛門周囲に「イボ」ができる病気です。コンドームで防ぎきれないことがあるのと、再発しやすいので、かかると厄介。イボを見れば一目で診断できます。治療はイボをレーザーや電気メスで切り取るか、塗り薬を一定期間使用します。

 

HPV感染症

 HPVの中でも子宮頸癌の原因となるハイリスクタイプに感染したら要注意です。性交経験のある女性の7~8割が50歳までに1度はかかると言われているくらいメジャーなウイルス。診断はおりものの検査で行います。

 HPVに対する治療薬はありませんが、9割の人は1度かかっても自然に治ります。また、16型・18型を防ぐワクチンが発売されたので、子宮頸がんの6割はワクチンで予防できるようになりました。

 

・トリコモナス腟炎

 細菌よりも大きな「原虫」が感染して炎症を起こします。おりものが泡立ったようになって、強い痒みが出ることが多いのが特徴。おりものを取って顕微鏡を見ればすぐに診断できます。治療は、飲み薬又は腟剤を10~14日間使って行います。

 

・毛じらみ

 陰毛に特有の「しらみ」が毛から毛へ移動して感染します。痒みや点状の出血で気づくことが多い。診断は毛根についている卵か、しらみそのものを見つけること。治療は毛を全部剃ってしまうか、スミスリンパウダーを毛に振り掛けて洗い流します。

 

・B型肝炎・C型肝炎

 B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる感染症です。性交渉以外にも輸血や医療行為中の血液との接触などによって感染することもあります。感染してもほとんど症状が出ません。診断は血液検査で行ないます。

 

・HIV/AIDS

 HIVウイルスによる感染症で、ウイルスによって免疫不全を発症した状態が「AIDS」です。先進国の中で唯一日本だけが新規感染者が増えており、1日3~4人の感染者が報告されています。特に、20代~30代では異性間での感染が増えているのが特徴です。

 診断は血液検査で行ないます。ウイルスを体から排除する治療薬はありませんが、ウイルスの活動を抑えて発症しないようにすることは可能です。