低用量・超低用量ピル(OC・LEP)の効果・副作用・処方の流れ

 低用量ピルは、毎日服用することで排卵を抑え、避妊や月経困難症の治療などに用いる薬です。避妊目的で承認されている低用量経口避妊薬を「OC」、月経困難症や子宮内膜症の治療に用いる低用量・超低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬を「LEP」と呼びます。

ピルには避妊以外にも、生理痛を軽くする、月経量を減らす、月経周期を整えるなどの効果が期待できます。一方、体質や持病によっては使用できず、まれですが血栓症などの重い副作用もあります。当院では、服用目的、年齢、喫煙、血圧、片頭痛、既往歴、服用中の薬などを確認し、その方に適した方法をご提案します。

当院は横浜駅から徒歩6分の婦人科クリニックです。女性医師が診療を担当しています。

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当院のピル処方の流れ

婦人科でのピル処方の流れや、検査をせずにピルだけ処方してもらえるかについて説明します。

1.問診表の記入

ピルを希望する目的、最終月経、妊娠の可能性、喫煙状況、片頭痛の有無、血栓症や高血圧などの既往歴、家族歴、服用中の薬を確認します。健康状態や併用薬によっては、ピル以外の方法をご提案することがあります。

2.血圧と体重の測定

エストロゲンを含むピルを安全に使用するため、処方前に血圧を確認します。体重・BMIは服用後の変化を確認するための参考にします。

3.医師による診察・ご相談

避妊、生理痛、月経量、PMS、月経移動など、希望する目的と症状を伺います。期待できる効果、起こり得る副作用、飲み方、飲み忘れた場合の対応を説明し、適した薬を一緒に選びます。

4.必要に応じた検査

避妊目的でピルを開始する際、問診と血圧に問題がなければ、内診・子宮頸がん検査・血液検査が一律に必要というわけではありません。ただし、妊娠の可能性がある場合や、不正出血、強い生理痛、月経過多などの症状がある場合は、妊娠検査、超音波検査、血液検査などをご提案します。

月経困難症や子宮内膜症などの治療目的では、症状と経過に応じて超音波検査などを行い、原因となる病気がないか確認します。内診に不安がある方は、診察方法について遠慮なくご相談ください。

なお、ピルの処方とは別に、年齢に応じた子宮頸がん検診などの定期検診をおすすめしています。

5.服用方法の説明

開始日、毎日の飲み方、休薬期間、飲み忘れ、嘔吐・下痢があった場合の対応、注意が必要な症状をご説明します。薬の種類によって対応が異なるため、処方時にお渡しする説明と添付文書をご確認ください。

6.処方・お会計

診察後、院内でピルをお渡しします(一部の種類は院外処方となります)。初回や薬の変更時は、体調を確認しながら処方します。継続中も血圧や健康状態、併用薬の変化を定期的に確認します。

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ピルとは?OCとLEPの違い

一般に「低用量ピル」と呼ばれているのは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)を組み合わせた薬です。避妊目的で発売されているのが「OC(低用量ピル)」であり、自費での処方となります。月経困難症や子宮内膜症などの治療に用いられるのが「LEP(低用量・超低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)」で、診断・処方条件を満たす場合は保険診療となります。

LEPにも排卵を抑える作用はありますが、日本では避妊薬としてではなく、対象疾患の治療薬として承認されています。避妊を主目的とする場合はOCをご相談ください。

>>ピルについて詳しく

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ピルの作用

OC・LEPは、主に次の働きによって効果を示します。

– 排卵を抑える
– 子宮内膜が厚くなるのを抑える
– 子宮頸管の粘液を変化させ、精子が子宮内へ進みにくくする

避妊目的では、決められた方法で正しく継続することが重要です。飲み忘れがあると避妊効果が低下する可能性があります。また、ピルは性感染症を予防しないため、性感染症予防にはコンドームをご使用ください。

>>ピルについて詳しく

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ピルのメリット

 高い避妊効果が期待できる

毎日正しく服用すれば高い避妊効果が期待できます。ただし、飲み忘れ、服用後の嘔吐・激しい下痢、一部の薬やサプリメントとの併用などで効果が下がることがあります。

 生理痛を軽くする

排卵と子宮内膜の増殖を抑えるため、生理痛の改善が期待できます。月経困難症と診断された場合は、LEPが保険適用になることがあります。

月経量を減らし、貧血の改善につながることがある

子宮内膜が薄くなることで月経量が減り、月経過多に伴う鉄欠乏性貧血の改善につながることがあります。ただし、出血量が多い場合には、子宮筋腫など別の原因がないかを確認することが大切です。

月経周期を整え、月経日を調整できる

服用方法を調整することで、月経周期を安定させたり、予定に合わせて月経時期を移動したりできます。自己判断で変更せず、事前に医師へご相談ください。

ニキビが改善することがある

種類によっては、ホルモンの影響によるニキビの改善が期待できます。ただし、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。

卵巣がん・子宮体がんのリスク低下と関連する

経口避妊薬の使用は、卵巣がんと子宮体がんの発症リスク低下との関連が報告されています。がんへの影響は種類によって異なり、「すべてのがんを予防する」「がんが増えることはない」という意味ではありません。

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ピルのデメリット・副作用

飲み始めに起こりやすい症状

服用開始後に、不正出血、吐き気、頭痛、乳房の張り、むくみなどが起こることがあります。多くは服用を続けるうちに軽くなりますが、症状が強い、長引く、日常生活に支障がある場合はご相談ください。自己判断で中止する前に、薬の変更を含めて医師と検討できます。

血栓症

エストロゲンを含むピルでは、静脈血栓塞栓症のリスクが非使用時より高くなります。健康な若い方では絶対的な発症数は多くありませんが、まれだからこそ、服用前のリスク確認と症状の早期発見が重要です。

次の症状が突然現れた場合は服用を中止し、夜間・休日を含めて速やかに救急医療機関を受診してください。

– 片脚の急な痛み・腫れ、左右差のあるむくみ
– 突然の息苦しさ、胸の痛み
– 経験したことのない激しい頭痛、ろれつが回らない、手足のしびれ・脱力
– 突然の視力低下、見え方の異常

長時間動けない状況や手術の予定がある場合も、あらかじめ処方医へお知らせください。

体重への影響

低用量ピルが大幅な体重増加を直接引き起こすという明確な根拠はありません。ただし、むくみや食欲、生活習慣の変化などにより体重が変動する方はいます。気になる変化があれば、開始前の体重と比較しながらご相談ください。

がんとの関係

ホルモン避妊薬の使用中・使用直後には、乳がんの相対リスクがわずかに高いという報告があります。一方、経口避妊薬の使用は卵巣がん・子宮体がんのリスク低下と関連します。がんの種類、年齢、使用期間、家族歴などによって評価が異なるため、乳がんの既往や気になる家族歴がある方は必ずお知らせください。

将来の妊娠への影響

ピルを服用したこと自体が、将来の不妊の原因になるという根拠はありません。中止後は排卵と妊娠する力が戻りますが、周期が整うまで時間がかかることがあります。また、服用前から月経不順があった方は、中止後に元の症状が再び現れることがあります。

ピルを使用できない方・慎重な判断が必要な方

次に当てはまる場合、エストロゲンを含むピルを使用できない、または慎重な判断が必要になることがあります。

– 血栓症、脳卒中、心筋梗塞などの既往がある
– 前兆のある片頭痛がある
– 高血圧がある
– 35歳以上で喫煙している
– 乳がん、重い肝疾患などの既往・治療中である
– 妊娠中、または産後の一定期間である
– 大きな手術を予定している、長期間動けない状態にある
– 血栓症リスクを高める病気や家族歴がある
– 併用に注意が必要な薬やサプリメントを使用している

該当する項目があっても、年齢、程度、時期などによって判断は異なります。自己判断せず、受診時に詳しくお知らせください。エストロゲンを含まない方法など、別の選択肢をご提案できる場合があります。

診察を受けずにピルだけもらえる?

ピルは医療用医薬品のため、処方には医師の診察が必要です。ただし、避妊目的で健康状態と血圧に問題がない場合、処方前の内診や子宮頸がん検査が一律に必要というわけではありません。

月経痛、過多月経、不正出血、月経不順などの治療を希望する場合は、原因を確認するために超音波検査や血液検査をご提案することがあります。検査の内容は、年齢や症状、経過に応じて判断します。

オンライン診療が適しているか、対面受診が必要かは、症状、血圧、既往歴、処方内容などをもとに医師が判断します。オンラインだけでは安全な判断が難しい場合や検査が必要な場合は、対面診療をご案内します。

オンライン診療のお申し込み方法はこちらをご参照ください

ピルの飲み忘れ・嘔吐や下痢があったとき

飲み忘れた錠数、服用周期のどの時点か、薬の種類によって対応が異なります。特に休薬期間の前後に実薬を飲み忘れると、排卵が起こる可能性が高まります。

自己判断だけで済ませず、薬の添付文書を確認し、当院へご連絡ください。性交の時期によっては緊急避妊を検討する場合があります。服用後まもなく嘔吐した場合や激しい下痢が続く場合も、吸収が不十分な可能性があるためご相談ください。

ピルの料金

◆ 避妊目的の低用量ピル(自費診療)

– 1シート:3,000円(税込)
– 学生の方:学生証の提示で1シート2,000円(税込)

◆治療目的のLEP(保険診療)

月経困難症や子宮内膜症など、保険適用となる病気の診断・処方条件を満たす場合は保険診療です。薬剤、検査内容、自己負担割合によって費用が異なります。

料金は改定される場合があります。受診前に最新の料金表をご確認ください。

最新の料金表はこちら

よくあるご質問

Q:ピルを飲むと太りますか?

低用量ピルが大幅な体重増加を直接起こすという明確な根拠はありません。ただし、むくみなどによる変化を感じる方はいます。体重変化が続く場合はご相談ください。

Q:ピルを飲むと将来妊娠しにくくなりますか?

ピルの使用が将来の不妊につながるという根拠はありません。中止後は妊娠する力が戻りますが、月経周期が整うまで時間がかかる場合があります。

Q:内診なしでも処方してもらえますか?

避妊目的で、問診・血圧・妊娠可能性の確認に問題がなければ、内診が一律に必要なわけではありません。痛み、不正出血、月経過多などがある場合や治療目的の場合は、必要な検査をご提案します。

Q:ピルで性感染症も予防できますか?

予防できません。性感染症予防にはコンドームを使用し、心配な機会があった場合は検査をご相談ください。

Q:何歳まで服用できますか?

年齢だけで一律には決まりません。喫煙、高血圧、片頭痛、血栓症リスクなどを定期的に評価して判断します。特に35歳以上で喫煙している方は、エストロゲンを含むピルが適さない場合があります。当院では、リスクがなく、30代から継続的に服用なさっている場合は、40代の方にもピルを処方しております。

 

横浜で低用量・超低用量ピルについて相談したい方へ

ピルは、避妊だけでなく、生理痛や月経量など毎月の負担を軽くする選択肢の一つです。一方で、効果とリスクは健康状態や希望によって異なります。

ポートサイド女性総合クリニック ビバリータでは、女性医師が目的と体調を伺い、必要な診察・検査と服用方法をご説明します。「自分に合うか分からない」「副作用が心配」「内診が不安」という方も、まずはご相談ください。

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<<この記事の執筆者>>

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医

ポートサイド女性総合クリニック院長

横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。

参考文献:

1. 日本産科婦人科学会・日本女性医学学会.[OC・LEPガイドライン(低用量経口避妊薬・低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬ガイドライン)2020年度版]

2. Centers for Disease Control and Prevention. [U.S. Selected Practice Recommendations for Contraceptive Use, 2024: Combined Hormonal Contraceptives]

3. Stegeman BH, et al. Different combined oral contraceptives and the risk of venous thrombosis: systematic review and network meta-analysis. *BMJ*. 2013;347:f5298. [PubMed]

4. Lethaby A, et al. Combined hormonal contraceptives for heavy menstrual bleeding. *Cochrane Database Syst Rev*. 2019;2:CD000154. [PubMed]doi:10.1002/14651858.CD000154.pub3

5. Mørch LS, et al. Contemporary Hormonal Contraception and the Risk of Breast Cancer. *N Engl J Med*. 2017;377:2228-2239. [PubMed])doi:10.1056/NEJMoa1700732

6. Iversen L, et al. Lifetime cancer risk and combined oral contraceptives: the Royal College of General Practitioners’ Oral Contraception Study. *Am J Obstet Gynecol*. 2017;216:580.e1-580.e9. [PubMed]doi:10.1016/j.ajog.2017.02.002

7. Girum T, Wasie A. Return of fertility after discontinuation of contraception: a systematic review and meta-analysis. *Contracept Reprod Med*. 2018;3:9. [PubMed].doi:10.1186/s40834-018-0064-y

8. 厚生労働省.[オンライン診療の適切な実施に関する指針・関連資料]
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