おりものについて

おりものとは?

おりものとは、子宮の出口や膣の壁から分泌されたものが混ざった分泌物です。口の中が唾液や目の中の涙と同様に、潤いを保ち雑菌の増殖を防ぐ役割があります。また、妊娠を希望している時は、精子を子宮内に導きやすくする役割もあります。

時期・個人差・年齢によって分泌量が違う?

おりものの量はホルモンの影響を受けるため、年齢や月経周期によって分ピル長が異なります。一般的に、ホルモンの活動がない思春期前や閉経後はおりものはほとんどなく、月経周期がある間は排卵期に増える傾向があります。

おりものの特徴

正常時のおりもの

透明~白濁しており、少し酸っぱいにおいがするのが正常なおりものです。やや粘り気があり、乾燥すると固くなります。

異常時のおりもの

色→赤色・茶色・ピンク色・緑色・濃い黄色・灰色がかった黄色

正常→水っぽくてさらさらしている・泡立っている・ぽそぽそした塊状になっている

臭い→いつもより臭いが強い・魚が腐ったような臭い・鼻にツンとくる臭い

おりもの異常から疑われる病気は?

異常時のおりものの原因として、下記の病気が疑われます。

  • カンジダ膣炎
  • 細菌性膣炎
  • トリコモナス膣炎
  • クラミジア頸管炎
  • 淋菌性頸管炎
  • 細菌性膣症
  • 不正出血
  • 子宮頸がん
  • 子宮体がん
  • 子宮頚管ポリープ

おりものと女性ホルモンの関係は?

女性ホルモンが働き始めるとおりものも増えるため、排卵期や月経前はおりものが多めになります。逆に、女性ホルモンが働いていない年齢ではおりものはほとんどありません。

異常なおりものでクリニックを受診した際にどんな検査・治療方法がありますか?また、そのそれぞれの特徴は?

検査

膣分泌物培養

おりものをぬぐい取る検査(ほぼ全例に行います)

クラミジア・淋菌同時検査

おりものをぬぐい取る検査(性行為の経験がある人に行います)

子宮頸部細胞診

子宮頸がんの検査・子宮の出口の細胞をこすり取る検査(不正出血が疑われる場合に行います)

子宮内膜細胞診

子宮体がんの検査・子宮の奥の細胞をこすり取る検査(不正出血が疑われる場合に行います)

治療

感染がある場合は結果に応じて膣剤または内服薬の投与をします。

カンジダ膣炎

内服または膣剤

細菌性膣炎・細菌性膣症

膣剤

トリコモナス膣炎

内服薬

クラミジア頸管炎

内服薬

淋菌性頸管炎

点滴

おりもの診療の流れ

1. 問診票記入

一般的な婦人科診療と同じく最終月経・性交経験の有無・妊娠出産歴・これまでしたことのある病気などを記入します。

2. 医師との面談

いつからどのような症状があるのかを詳しく確認し、どのような検査が必要なのかを説明します。

3.内診&検査

おりものの性状を確認し必要な検査を行います。検査の最後に膣内を消毒して膣剤を入れることもあります。

4.会計

通常は当日は処方せず結果を確認してから薬を処方します。

おりもので検査・治療を受ける際のそれぞれの費用は?

保険診療は使える?

通常は保険が使えます。
初診料・膣分泌物培養検査・クラミジア淋菌同時検査は痒み等の症状がある場合に保険適応となります。

以下の費用は10割負担の場合の値段です。

初診料

2,880円

一般培養検査

3,200円

クラミジア・淋菌同時検査

4,360円

子宮頸部細胞診

3,760円

子宮内膜細胞診

6,700円

淋菌点滴治療

1,570円

膣剤や内服薬の処方

治療は投薬内容によって異なります。膣剤や軟膏の処方のみなら約1,000円(の3割)。