ピルユーザーは禁煙すべき?

 低用量ピルは、避妊だけでなく、生理不順・生理通・子宮内膜症・月経全症候群・プレ更年期症状などなど、様々な治療にも活用できるため、当院でも積極的に処方させていただいています。
 私自身、8年以上ピルを飲み続けて、その安全性や有効性は身をもって体験しているので、自信を持ってお勧めすることができます。
 もちろん、ピルに対して抵抗がある方やできるだけ自然な治療をご希望の方に無理にお勧めすることはありませんからご安心下さいね。ただ、選択肢の一つとして覚えておいて頂きたいので、一通りご紹介しています。
 ピルをお勧めする上で一番よく引っかかるのが「タバコを吸っている方」です。35歳以上で1日15本以上吸っている方には、ピルは「絶対処方してはいけません」ということになっています。
 では、20歳で1日20本吸う方は大丈夫なのでしょうか?
 40歳で1日10本吸う方はどうでしょう?
 
 ピルとタバコが相性が悪いのは、どちらも血栓症のリスクを高めてしまうからです。
 血栓症は血液の塊が血管に詰まってしまうため、心筋梗塞や脳梗塞など重篤な副作用につながる危険性があります。
 そのため、基本的に、ピルを飲んでいただくのであれば禁煙することが大前提になります。
 どうしてもすぐにやめることができないという方には、まず本数を減らすことを前提に処方させて頂いていますが、リスクがあることには変わりありません。
 特に40歳以上の方は、血栓症のリスクが高くなりますので、今後の卵巣機能やお肌の美しさを保ちたいのであればなおさら、完全に禁煙を目指していただきたいなと思います。