緊急避妊薬は薬局で買える|服用後こそ婦人科で継続避妊を

 

【2026年2月から緊急避妊薬を薬局で購入できます】

登録された薬局・ドラッグストアでは、医師の処方箋がなくても、要指導医薬品の緊急避妊薬「ノルレボ」を購入できるようになりました。

ただし、緊急避妊薬は「服用したらすべて終了」という薬ではありません。

  • 服用後の性交に対する避妊効果はない
  • 服用しても妊娠を完全には防げない
  • 服用から3週間後に妊娠の有無を確認する
  • 今後の妊娠を避けたい場合は継続的な避妊を始める
  • 性感染症が心配な場合は別に検査を受ける

緊急避妊の経験を、今後の避妊方法を見直す機会につなげることが大切です。

コンドームが破れた・外れた、避妊をしなかった、ピルを飲み忘れたなど、妊娠の可能性がある性交があった場合、レボノルゲストレル緊急避妊薬を性交後72時間以内に服用することで、妊娠する可能性を下げられます。

緊急避妊薬を利用することは、恥ずかしいことでも、責められることでもありません。必要なときに速やかに入手できるようになったことは、女性の健康と自己決定を守るための重要な変化です。

その一方で、緊急避妊薬だけを繰り返すよりも、自分に合った継続的な避妊法を選んだ方が、妊娠への不安を減らすことができます。

 

緊急避妊薬はどの薬局でも買えますか?

2026年2月2日から、一定の条件を満たして登録された薬局・ドラッグストアで、要指導医薬品「ノルレボ」の販売が始まりました。[1]

すべての薬局で購入できるわけではありません。厚生労働省が公開している「販売可能な薬局等の一覧」で確認してください。掲載される薬局は更新・変更されることがあります。[2]

薬局で購入するときの主な条件

  • 服用する本人が薬局へ行く
  • 性交から72時間以内である
  • 研修を修了した薬剤師の確認と説明を受ける
  • 薬剤師から受け取った後、その場で服用する
  • 月経歴、性交日時、服用中の薬、持病などの質問に答える

本人以外が代理で購入して持ち帰ることはできません。また、販売可能な薬剤師が不在の場合や、在庫がない場合もあります。

来店前に、薬局へ電話をして「ノルレボの在庫」と「販売できる薬剤師の勤務状況」を確認してください。

厚生労働省:緊急避妊薬を販売できる薬局等の最新一覧

年齢制限や保護者・パートナーの同意は必要ですか?

薬局で販売されるノルレボには一律の年齢制限はなく、購入に保護者やパートナーの同意は必要ありません。月経があり、妊娠可能な年齢の方であれば、未成年でも服用できる可能性があります。[3]

ただし、購入時には薬剤師がチェックシートを使って服用できるか確認します。性交同意年齢である16歳未満の方や、短期間に繰り返し購入している方には、健康と安全を守るため、産婦人科や小児科の受診が勧められます。[1]

自分の意思に反する性交、断りにくい状況、年齢差の大きな相手からの強要、暴力や脅迫があった場合は、医療機関や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターへ相談してください。

緊急避妊薬はどのように妊娠を防ぐのですか?

ノルレボには、黄体ホルモンの一種であるレボノルゲストレル1.5mgが含まれています。主に排卵を遅らせたり抑えたりすることで、妊娠が成立する可能性を下げます。

緊急避妊薬は中絶薬ではありません。すでに成立した妊娠を中断する作用はなく、妊娠が成立した後に服用しても、その妊娠を終わらせることはできません。

性交後72時間以内に1錠を服用しますが、72時間以内であればいつでも同じ効果というわけではありません。性交から服用までの時間が短いほど効果が期待できるため、翌朝まで待たず、できるだけ早く入手してください。[3]

緊急避妊薬を飲んでも妊娠する可能性はあります

レボノルゲストレル緊急避妊薬の妊娠阻止率は約84%と報告されています。これは「服用した人の84%が避妊できる」という単純な意味ではなく、予測された妊娠数を約84%減らしたという指標です。[4]

正しく服用しても、妊娠を100%防げるわけではありません。

特に、すでに排卵した後に服用した場合、性交から服用までの時間が長い場合、服用後に再び避妊をしない性交があった場合などは、妊娠する可能性が残ります。

服用後に必ず行ってほしい3つのこと

1.服用から3週間後に妊娠を確認する

ノルレボの効果は、服用した直後には確認できません。服用から3週間後を目安に、妊娠検査薬を使用するか、婦人科を受診して妊娠していないことを確認してください。[3]

服用後に出血があっても、それだけで「避妊に成功した」とは判断できません。緊急避妊薬による不正出血と、月経や妊娠初期の出血を見分けることが難しいためです。

2.服用後の性交では、あらためて避妊する

緊急避妊薬が予防できるのは、原則として服用前にあった性交による妊娠です。服用後の性交に対する避妊効果はありません。

また、ノルレボは排卵を遅らせることがあるため、服用後に避妊をしない性交があると、その性交によって妊娠する可能性があります。

継続的な避妊法が有効になるまでは性交を控えるか、コンドームを使用してください。

3.婦人科で継続的な避妊法を相談する

今後も妊娠を希望していない場合は、緊急避妊だけで終わらせず、低用量ピル、ミニピル、子宮内避妊具などから、自分に合った方法を選ぶことをおすすめします。

婦人科では、避妊効果だけでなく、年齢、喫煙、片頭痛、血圧、生理痛、月経量、飲み忘れの可能性、将来の妊娠希望などを確認して提案します。

3週間後を待たずに婦人科を受診した方がよい症状

  • 月経が予定より7日以上遅れている
  • 妊娠検査薬が陽性になった
  • 月経とは異なる出血が続く
  • 強い、または片側に偏った下腹部痛がある
  • めまい、失神、肩に響くような痛みがある
  • 出血、吐き気、倦怠感、眠気などが7日以上続く
  • 服用から2時間以内に吐いた

強い下腹部痛、失神、異常な出血などがある場合は、子宮外妊娠を含む緊急性のある病気を除外する必要があります。

ノルレボを服用してから2時間以内に嘔吐した場合は、十分に吸収されていない可能性があります。自己判断で追加服用せず、速やかに医療機関へ相談してください。[3]

緊急避妊後に選べる継続的な避妊法

避妊法 特徴 向いていることが多い方
低用量ピル(OC) 毎日服用する。避妊に加えて月経周期の調整や生理痛の軽減が期待できる 毎日の服用を続けられ、エストロゲンを使用できる方
ミニピル(スリンダ) エストロゲンを含まない避妊用の黄体ホルモン剤。毎日服用する エストロゲンを含むピルが適さない・希望しない方
ミレーナ(LNG-IUS) 子宮内に装着し、最長5年間避妊できる。月経量や生理痛も軽くなることがある 毎日の服用を避けたい方、過多月経や生理痛がある方
銅付加IUD ホルモンを含まず、子宮内に装着して長期間避妊する ホルモンを使わずに高い避妊効果を希望する方
コンドーム 性感染症予防に重要。使用方法や破損・脱落の影響を受ける ほかの避妊法と併用して性感染症も予防したい方

低用量ピルなどは、医師の指示により緊急避妊薬を服用した翌日から開始する方法があります。開始後7日間は、コンドームを併用するか性交を控えます。[5]

どの方法を選んでも、緊急避妊薬服用から3週間後の妊娠確認は必要です。

ピルを飲めばコンドームは不要ですか?

低用量ピル、ミニピル、ミレーナなどは妊娠を防ぐための方法ですが、クラミジア、淋菌、梅毒、HIVなどの性感染症は予防できません。

性感染症を予防するためには、コンドームの併用が重要です。

特に、コンドームが破れた・外れた、不特定または新しいパートナーとの性交があった、相手の感染状況が分からない場合は、婦人科で性感染症検査についても相談してください。

感染症によって検査に適した時期が異なるため、性交直後の検査ですべてを否定できるわけではありません。必要に応じて時期をずらして再検査します。

緊急避妊薬を繰り返し使ってはいけませんか?

必要な状況で再び緊急避妊薬を使用すること自体を、恥じたり我慢したりする必要はありません。妊娠が心配な性交があった場合は、その都度、速やかに対応することが大切です。

ただし、緊急避妊薬は通常の避妊法より避妊効果が低く、月経周期が乱れることがあり、毎回費用もかかります。また、服用後の性交を継続して守ることはできません。

短期間に繰り返し必要になった場合は、「注意が足りない」と考えるのではなく、現在の避妊法が生活に合っていない可能性があります。飲み忘れにくい薬や、ミレーナなど毎日の操作が不要な方法も含めて婦人科で相談してください。

薬局と婦人科のどちらを利用すればよいですか?

入手方法 特徴
登録薬局・ドラッグストア 処方箋なしで購入可能。本人が来店し、薬剤師の確認後にその場で服用する
婦人科・産婦人科 医師が妊娠の可能性、持病、服用薬を確認し、継続避妊や性感染症についても相談できる

どちらを選んでも、最も大切なのは時間です。利用できる薬局が近くにあり、すぐ購入できる場合は薬局を利用できます。薬局の在庫がない、販売可能な薬剤師が不在、服用できるか判断が難しい場合は、婦人科を受診してください。

性交から72時間を超えている場合も、自己判断で諦めず、できるだけ早く婦人科へ相談してください。経過時間や妊娠・出産歴などによって検討できる方法があります。

緊急避妊薬についてよくある質問

Q. 薬局で買えば、婦人科を受診しなくてもよいですか?

服用自体は薬局で完了できますが、3週間後の妊娠確認が必要です。今後も妊娠を希望しない場合は、継続避妊を選ぶために婦人科を受診することをおすすめします。性感染症が心配な場合も別に検査が必要です。

Q. 服用後に出血があれば避妊に成功していますか?

出血だけでは判断できません。薬による不正出血、月経、妊娠初期の出血を見分けにくいため、服用から3週間後に妊娠検査薬または医療機関で確認してください。

Q. 服用後すぐに性交しても大丈夫ですか?

緊急避妊薬は服用後の性交による妊娠を防ぎません。継続的な避妊法が有効になるまでは、性交を控えるかコンドームを使用してください。

Q. 緊急避妊薬を飲むと不妊になりますか?

ノルレボの服用によって、将来妊娠しにくくなるとは考えられていません。今後の妊娠する力を低下させる薬ではありません。

Q. 月経直後や「安全日」でも必要ですか?

排卵日は体調やストレスなどによって変動するため、妊娠しないと断定できる「安全日」はありません。妊娠を希望せず、避妊ができなかった可能性がある場合は、早めに薬剤師または婦人科へ相談してください。

横浜駅近くで緊急避妊・継続避妊をご相談になりたい方へ

ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~は、横浜駅きた東口から徒歩6分です。担当医は全員女性医師です。

緊急避妊をご希望の場合は予約不要です。性交から72時間以内のできるだけ早い時点で、診療時間内に直接ご来院ください。当院のレボノルゲストレル緊急避妊薬は8,800円(税込)です。

緊急避妊薬を薬局で服用した後の妊娠確認、低用量ピル・ミニピル・ミレーナなどの継続避妊、性感染症検査についてもご相談いただけます。

「緊急避妊して終わり」ではなく、今後安心して過ごせる避妊法を一緒に選びましょう。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年11月2日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。緊急避妊薬の販売薬局、価格、販売条件は変更されることがあります。