女性は注意 地震後の犯罪対策

 阪神淡路大震災の時も、震災から少したった時期に犯罪が増えたそうです。
 特に女性はDVやレイプの被害に合う事もありますので、注意するとともに相談先を把握しておく事も重要です。
 少し長いですが、COBS ONLINEから記事を引用します。
 大規模な災害が起きた後、周りのみんなが一つになって協力し合い、未来へ向かおうとする姿には心を打たれますが、残念ながら美しい話ばかりではなく、強盗などの犯罪が起きているのも事実です。
3月17日付中日新聞(http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2011031702000193.html)では、「略奪相次ぐ、石巻署が警戒 貴金属やレジの現金、食料品」と題し、震災の混乱の中で「通行人を刃物で脅し、食料品を奪い取る事件」が発生していたことを伝えています。
 そこで、過去の震災時に女性がどのような問題を抱えていたのか、その対策を含めて記載している「『災害と女性』情報ネットワーク」(http://homepage2.nifty.com/bousai/index.html)の記事を参考に、災害後に注意するべき点について、女性を意識した事例をまとめてみました。
*暗やみで歩く際は、ブザーや笛を
 女性が夜道を一人で歩くのは普段でも避けたいことですが、停電になった場合、通常の夜道よりもさらに暗くなり危険度が高くなります。
 近所の人と集団で帰宅する計画を立てたり、家族、身内、近所の人、信頼できる男友達らに送迎を依頼するなど、対策を立てておきましょう。
 それができない場合は、防犯ブザーを持ち歩くこともお勧めです。特に携帯ランプに防犯ブザーがついたものは停電時にも役に立ちます。防犯グッズとして推奨されている笛も同様に有効です。
 これらのアイテムは、万が一、再び地震が起こって危険な状態になった場合に、自分の居場所を救助隊に知らせる役目もはたします。
*いちばん頼りになるのはご近所とのおつきあい
 計画停電が実施されていますが、明かりのない部屋に女性が一人でいるのは不安なものです。友人数名で協力し合い、それぞれの家に集まるなど一人にならない対策を立てることが望まれます。
 それらが難しい場合は、ピッキング予防具や窓と窓をしっかりロックする防犯器具の設置について近くのホームセンターなどで相談し、犯罪者が侵入しにくい環境作りに努めましょう。
 さらに、異変があったときに近所の人に気づいてもらえるように、あらかじめ隣人や同じマンション・アパートの人たちとコミュニケーションをとっておくことが重要です。地震など有事の際の行動についても、「いちばん頼りになるのはご近所とのおつきあいだった」という例はとても多いのです。
*自転車やバイクなどの盗難に注意
 これは、特に男女別被害としての事例ではないですが、車やスクーター、自転車に乗る場合にも注意が必要です。
3月17日付けの朝日新聞(http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103170165.html)は「物資不足で被災地の盗難増加 ガソリンや食品など被害」と題し、車やバイクからガソリンを抜き取られる被害が発生していることを伝えています。
同様に、神奈川県開成町はホームページで(http://www.town.kaisei.kanagawa.jp/forms/info/info.aspx?info_id=20404)、「震災後、自転車やバイクなどの盗難事件が多発しています」と注意を呼びかけています。
 スクーターなどのバイクはキーロックを確実にする、自転車は、チェーンで外の柱にくくりつけるといった万全の対策をしておきましょう。
*災害後に増えるDVは所定の団体に相談を
 前述の「『災害と女性』情報ネットワーク」のサイトには、災害後に夫や恋人からの暴力(DV)が増えたという報告がなされています。
 DVの問題は、身内の事情だからこそ他人に打ち明けることもできず、一人で悩んでしまいがちです。しかし同じような被害にあっている人が多くいることや、DVは社会の問題であることを認識し、一人で抱え込まずに相談できる友人や下記のような相談できる団体を当たってみましょう。
「災害と女性」情報ネットワーク
http://homepage2.nifty.com/bousai/index.html
配偶者からの暴力(DV) 被害者支援情報
http://www.gender.go.jp/e-vaw/index.html
女性に対する人権侵害の相談窓口(法務局・地方法務局)
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken20.html
*女性は義援金詐欺の被害にあいやすい
 最後に、震災のたびに問題になるのが、義援金を利用した詐欺行為です。警察庁が今年1月に発表した「振り込め詐欺の認知・検挙状況等について(平成23年1月)」(http://www.npa.go.jp/sousa/souni/hurikomesagi_toukei.pdf)によると、振り込め詐欺の被害にあった女性は全体の73.8%と、男性の21.8%を大幅に上回っており、女性が被害に遭いやすい傾向がうかがえます。
警察庁は「振り込め詐欺」のホームページ(http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki31/1_hurikome.htm)で、こう呼びかけています。
「募金を求める電話等があった場合には、直ちに振り込んだりすることなく、相手方をよく確認し、詐欺の被害に遭わないように注意するとともに、不審な電話等があった場合には警察へ通報、相談してください」
 被災者支援の振り込みを求める詐欺の多くが「電話にて口座の振込先を指定してくる」うですが、なかには市役所職員を名乗り、家庭を訪問したり、募金を求めたりする者もいます。
 「公的機関・団体が、一般家庭等に対して、個別に電話・ファックス・訪問等によって義援金等の振込を求めることは通常あり得ない」(警視庁)ので、募金をする際には信頼できる機関かどうかを自ら問い合わせ、確認した後に行いましょう。
 震災の傷跡が深い今、心の傷をさらに深めないようにするために、周りの人たちと声をかけあって一つでも多くの犯罪を防ぎたいものです。