妊娠反応が出たらやるべきこと

 自分で妊娠反応を調べて陽性だった場合、何をすべきなのか分からず「とりあえず電話してみた」という患者様は案外多いものです。
 お住まいの地域によって分娩予約の締め切り時期など若干の差はあると思いますが、妊娠反応を確認した後の「やるべきことリスト」をまとめてみました。

1)まず産婦人科を受診する
 予定外の妊娠だった場合も、計画的な妊娠であった場合も、妊娠反応が「陽性」で出た場合はまず受診が必要です。
 月経予定日から数日以内に確認した場合は、時期が早すぎて超音波検査では何もうつらない可能性がありますので、腹痛や出血がなければ月経予定日から1週間程度過ぎたタイミングで受診してもよいでしょう。
 ただ、月経不順の方の場合はそもそも「月経予定日」が当てになりませんので、アプリなどで表示される「月経予定日」は無視して、妊娠反応が出た段階で受診しましょう。

2)妊娠継続の可否を確認する
 計画的な妊娠の場合は、このステップは不要です。
 予定外の妊娠だった場合は、妊娠継続の可否つまり「産むのか産まないのか」をきちんと考える必要があります。パートナーと相談して、できるだけ早めに結論を出しましょう。
 妊娠に気づいた時が何週だったかにもよりますが、妊娠の継続ができない場合はできれば妊娠10週を過ぎる前に結論を出した方がよいでしょう。
 
3)産む場所を決める
 妊娠を継続する場合、「どこで産むのか」を決める必要があります。病院によっては、かなり初期の段階(妊娠5∼6週)で分娩予約を入れなければ、予約が締め切られてしまう場合があります。特に横浜市内は分娩予約の締め切りが早いので、産みたい病院で予約を取るためにはできるだけ早く予約だけは押さえておく必要があります。候補を挙げたら、まずはその病院に電話をして、分娩予約がとれるかどうかを確認しましょう。また、総合病院ではかかりつけ医からの紹介状が必要な場合も多いので、直接予約がとれるのか紹介状が必要なのかも確認が必要です。
 里帰り分娩の場合も同様です。分娩を考えている病院にまずは電話をして、予約可能かどうかや受診のタイミングや紹介状が必要かどうかを確認しましょう。

4)妊婦健診を受ける病院を決める
 分娩予約を取った病院でそのまま妊婦健診を受けるケースと、近所のかかりつけ医で途中まで妊婦健診だけを受けるケースがあります。後者を希望する場合は、分娩予約を取った病院で、他の病院で妊婦健診を受けてもよいか確認してみましょう。
 また、里帰り分娩の場合は、里帰りするまでの間に妊婦健診を受ける病院を決める必要があります。クリニックですと、夜間や救急時の対応が難しい場合もあるので、必ず緊急対応が可能な病院で妊婦健診を受けるようにしましょう。
 ちなみに、当院では緊急時の対応ができないため、里帰り分娩の方の妊婦健診は承っていません。

5)必要に応じて職場に知らせる
 妊娠の状態がある程度安定してから職場に伝えたいと考える方が多いのですが、妊娠初期に切迫流産やつわりで突然安静が必要になることもあります。また、従事しているお仕事の内容によっては、妊娠が判明したら直ちに部署を変えてもらわないといけない場合もあります。
 必要に応じて、せめて直属の上司にだけは早めに妊娠の事実を一報入れておいた方が、急な欠勤等にも対応してもらいやすくなるでしょう。
 職場に伝える際に診断書が必要な場合は、受診先に言えば書いてもらえますので、受診時に医師に伝えるようにしましょう。

6)母子手帳をもらいに行く
 妊娠が判明してすぐにもらいに行く必要はありません。
 妊娠8~10週の予定日が確定した頃に、地域の役所に行って母子手帳を受け取ります。母子手帳と一緒に、妊婦健診料に使える補助券が一緒にもらえるはずですので、どのタイミングから補助券が使えるのか病院で確認しておきましょう。

 もちろん、ベビー用品をそろえるとか、場合によっては保育園をどうするか決めるなど、もっとやるべきことはたくさんあるのですが、ひとまず妊娠反応が出てから数週間のうちにやらなければいけないことを挙げてみました。