国内初のミニピル「スリンダ錠」が発売されました
避妊用のミニピル(POP)は国内初(横浜市の婦人科)
これまで、経口避妊薬として国内で承認されていたのは、トリキュラー(ラベルフィーユ)やマーベロン(ファボワール)といった「低用量ピル」のみでした。
ピルはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)が混ざった合剤です。エストロゲンの副作用として「血栓症」のリスクが上がるため、これまで血栓症リスクが高い方が確実な避妊をしたい場合、子宮内ホルモンシステム「ミレーナ」しか選択肢がありませんでした。
ミニピル(POP)はプロゲステロン(黄体ホルモン)のみが含まれた薬剤です。エストロゲンが含まれないため、血栓症のリスクが上がりません。
これまで国内で発売されていた、黄体ホルモン単剤の薬剤は「ディナゲスト(ジエノゲスト)」という月経困難症や内膜症の治療薬や、「ヒスロン」「ノアルテン」「デュファストン」といった生理不順の治療薬のみでした。
ディナゲストも、服用中は排卵が抑えられますが、「確実な避妊効果」が得られるかどうかの確証がありません。そもそも治療薬なので、避妊の目的で処方することはできず、「避妊専用」のミニピルの発売が長く待たれていたのです。
6月30日に発売された「スリンダ錠28」は、国内初の「避妊専用」のミニピルです。
ピルとミニピルの違い(横浜駅近くの婦人科)
前述の通り、ピルはエストロゲンとプロゲステロンの合剤で、ミニピルはプロゲステロン単剤です。
ピルとミニピルには、以下のような共通点があります。
*正しく服用すれば避妊効果は99%以上
*排卵を抑える作用がある
*子宮内膜を薄くする作用がある
*頸管粘液の粘度をあげる作用がある
*飲み忘れると避妊効果が下がる
エストロゲンが含まれていないことによるミニピルの特徴は以下のようなものがあります。
*血栓症リスクが上がらない
*ピルに比べて不正出血が起きやすい
*ピルに比べて頭痛や吐き気が起きにくい
*消退出血が来なくなることがある
ミニピルをお勧めしたいのはこんな人(横浜市の婦人科)
ミニピル(POP)は「血栓症リスクがない」ことが最大の特徴です。
そのため、これまで血栓症が心配でピルが服用できなかった人にも、お勧めすることができます。
確実な避妊をしたいのにピルが飲めないと悩んでいた方には強くお勧めします。
ミニピルをお勧めしたいのは次のような方です。
もちろん「避妊の必要性がある」ことが大前提です。
*40歳以上
*前兆を伴う片頭痛がある
*肥満(BMI28以上)
*タバコがやめられない
*過去に血栓症になったことがある(現在は治療していない)
*年齢的にミレーナにしたがPMSが気になる
*吐き気や頭痛のせいでピルが飲めない
「スリンダ錠28」の服用方法(横浜駅近くの婦人科)
「スリンダ錠28」は、ヤーズやドロエチと同じ配列になっています。つまり、24錠の実薬+4錠の偽薬が1シートに含まれており、28日サイクルで服用します。
ピルと同じく、1日1錠を一定の時刻に服用します。飲み遅れると避妊効果が下がるため、定時に服用することが基本ですが、2~3時間のずれは誤差範囲内と認識しても大丈夫です。
現在はピルで避妊をしているけれど、年齢的に血栓症が気になるのでスリンダ錠に移行したいという場合、ピルを服用し終えた翌日からスリンダ錠を服用できます。
「スリンダ錠28」の主な副作用は不正出血(横浜市の婦人科)
エストロゲンが含まれていないため、どうしてもピルよりも不正出血が起きやすくなります。
製剤のデータ的には、飲み初めの半年間の期間で不正出血が起きた人は半数以上となっています。
服用を継続していくうちに、不正出血の期間や量は減っていきますが、飲み始めてしばらくはダラダラ出血する可能性はあると思って服用を開始した方がよさそうです。
また、ピルよりも内膜を薄くする作用は強くなるため、人によっては、長く継続しているうちに消退出血が来なくなることがあります。偽薬期間中にまったく出血しなくても異常ではありませんが、妊娠を完全に否定しきれない場合は妊娠検査薬で確認することをお勧めします。
「スリンダ錠28」もオンライン処方できます(横浜駅近くの婦人科)
当院では、スリンダ錠28は1シート3300円(税込み)で処方いたします。
初診の方は初診料・再診の方は再診料がかかります。
新しいお薬なので、飲み始めてから3~4シートは必ず対面受診していただきます。
服用に慣れてきて、特に問題なければ、オンライン処方も可能です。オンライン処方の場合は、薬剤を宅急便で配送するため、配送料がかかります。
詳細はご予約時にご確認ください。