子宮頸がん検診で異常と言われたら|結果の見方と精密検査

子宮頸がん検診で「異常」「要精密検査」と通知されても、直ちに子宮頸がんと診断されたわけではありません。
 
細胞診は、子宮頸部の表面から採取した細胞を調べ、がんや前がん病変の可能性がある方を見つける検査です。異常の種類によって、ハイリスクHPV検査、再検査、コルポスコピー・生検など次に必要な対応が異なります。[1]
 
結果票に書かれたNILM、ASC-US、LSIL、ASC-H、HSIL、AGC、AIS、SCCという記号は、すべて同じ重さではありません。また、横浜市で導入されているHPV検査単独法では、HPV陽性後の細胞診結果によって「要追跡検査」と「要確定精検」に分かれます。まず、ご自身の結果を正確に確認しましょう。

 

結果別:次に必要な対応の早見表

結果 意味 一般的な次の対応
検体不適正 判定に必要な細胞が十分でない 医療機関の指示に従って細胞診を再検
NILM 上皮内病変や悪性を示す細胞を認めない 定期検診。症状があれば結果にかかわらず診察
ASC-US 軽度病変を疑うが、はっきり分類できない扁平上皮細胞 ハイリスクHPV検査。陽性ならコルポスコピー・生検、陰性なら原則1年後に細胞診
LSIL HPV感染または軽度の扁平上皮内病変を示唆 コルポスコピー・生検
ASC-H HSILを除外できない異型扁平上皮細胞 速やかにコルポスコピー・生検
HSIL 中等度~高度病変や上皮内がんを示唆 速やかにコルポスコピー・生検。結果により円錐切除など
SCC 扁平上皮がんを疑う細胞 速やかに精密検査と専門医療機関での評価
AGC 異型腺細胞 コルポスコピー、生検、頸管内の評価。年齢や出血状況により子宮内膜検査
AIS・腺がん 上皮内腺がんまたは腺がんを示唆 速やかに専門医療機関で精密検査

※実際の管理は、年齢、妊娠、過去の検査結果、HPV型、免疫状態、コルポスコピー所見などで変わります。結果票・紹介状に書かれた指示を優先してください。

細胞診の結果と組織診の結果は別ものです

子宮頸がん検診で行う細胞診は、子宮頸部の表面から細胞を採取するスクリーニング検査です。ASC-US、LSIL、ASC-H、HSILなどは、主にこの細胞診で使われる判定名です。[4]

一方、コルポスコピーで異常が疑われる部分から組織を採取して調べる組織診では、異常なし、CIN1、CIN2、CIN3、AIS、浸潤がんなどと診断されます。LSILだから必ずCIN1、HSILだから必ずCIN2・CIN3になるわけではありません。最終的な治療方針は、組織診の結果や病変の範囲などを基に決めます。

CIN1・CIN2・CIN3と診断された後の管理を見る

横浜市のHPV検査単独法で「陽性」だった場合

横浜市では、30~60歳を対象に、原則5年に1回のHPV検査単独法が行われています。HPV陽性の場合は、同じ検体で細胞診によるトリアージ検査が行われます。[2][5]

HPV検査 トリアージ細胞診 判定と対応
陰性 通常は実施しない 精検不要。横浜市から案内される次回時期に検診
陽性 異常なし 要追跡検査。1年後にHPV検査
陽性 異常あり 要確定精検。速やかに婦人科でコルポスコピー・生検など

HPV陽性だけで、がんや前がん病変があると決まったわけではありません。しかし、陽性後の追跡を中断すると、持続感染や細胞変化を見逃す可能性があります。通知書に書かれた時期に必ず検査を受けてください。

HPV陽性の意味、陰性化、再陽性について詳しく見る

コルポスコピー・生検とは

コルポスコピーは、腟鏡を入れて子宮頸部を見える状態にし、酢酸を塗布して拡大観察する検査です。異常が疑われる部分があれば、小さな組織を採取して病理検査に提出します。観察だけなら通常強い痛みはありませんが、生検時には痛みや出血が起こることがあります。

ASC-USでハイリスクHPV陽性の場合、またはLSIL、ASC-H、HSIL、SCC、AGC、AISなどの場合に行われます。日本産婦人科医会は、ASC-US以外のこれらの細胞診異常では、原則として速やかなコルポスコピー・生検を勧めています。[1]

コルポスコピー・組織診の流れ、痛み、検査後の注意を見る

「クラス3a」と書かれている場合

クラス1~5は以前よく使われていた分類で、現在主流のベセスダ分類とは完全には一致しません。特にクラス3aにはASC-USやLSILなどが含まれる可能性があり、まれに別の判定が対応することもあるため、クラス3aだけを見て「軽度異形成だから3か月待てばよい」と判断しないことが大切です。

検診施設に、ベセスダ分類による正式な判定、検体の適否、精密検査の指示が書かれた結果票または紹介状を発行してもらい、婦人科へお持ちください。

クラス3aといわれた時の確認方法を見る

「異常なし」でも受診した方がよい症状

子宮頸がん検診は、症状のない方を対象に前がん病変やがんを見つける検査です。NILMやHPV陰性でも、すべての婦人科疾患や現在の症状の原因を否定できるわけではありません。特に腺がんは細胞診で検出しにくい場合があります。[1]

  • 性交後に出血する
  • 月経以外の出血が繰り返す
  • 閉経後に出血した
  • 血の混じったおりもの、悪臭のあるおりものが続く
  • 下腹部痛や性交痛が続く

これらの症状があれば、次の定期検診を待たず、婦人科で診察を受けてください。

精密検査の受診時に持参するもの

  • 検診結果票の原本
  • 紹介状・精密検査依頼書
  • 過去の細胞診、HPV検査、組織診の結果
  • マイナ保険証または健康保険証
  • お薬手帳

月経中は出血で観察しにくいことがあります。妊娠中・妊娠の可能性がある方、血液を固まりにくくする薬を使用している方は、予約時と診察時に必ずお伝えください。

子宮頸がん検診の異常についてよくある質問

Q. 要精密検査なら、がんの可能性が高いのでしょうか?

要精密検査は「がん確定」ではありません。ASC-USやLSILでは、異常なしや軽度病変と診断されることも多くあります。ただし、細胞診だけでは病変の程度を確定できないため、指示された精密検査は受けてください。

Q. ASC-USとLSILは同じですか?

同じではありません。ASC-USは軽度病変を疑うものの確定できない判定、LSILはHPV感染や軽度病変を示唆する判定です。一般にASC-USはHPV検査で振り分け、LSILはコルポスコピー・生検へ進みます。

Q. HPV陽性なら、パートナーから最近感染したのでしょうか?

検査だけで感染時期や感染源は分かりません。以前の感染が長期間検出されず、後から再び陽性になる可能性もあります。HPV陽性は、最近の性行為やパートナーの不貞を示す証拠ではありません。[3]

Q. HPVを消す薬はありますか?

無症状の子宮頸部HPV感染そのものを確実に排除する標準治療薬はありません。大切なのは、定められた間隔で検査を受け、治療が必要な前がん病変を見逃さないことです。

Q. HPVワクチンを接種していても精密検査は必要ですか?

必要です。ワクチンは子宮頸がんの原因となるHPV型を広く予防しますが、すべての型を防ぐわけではなく、接種前の感染を治療するものでもありません。検診異常があれば、接種歴にかかわらず結果に応じた検査を受けます。

横浜駅近くで子宮頸がん検診の精密検査をご希望の方へ

横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~で女性医師が、検診結果に応じてハイリスクHPV検査、コルポスコピー・組織診などをご案内します。

検診結果票をお手元にご用意のうえ、お電話(045-440-5577)でご予約ください。
予約方法・診療時間はこちら

この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年9月13日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・検査・治療方針に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本産婦人科医会.子宮頸癌:細胞診後のコルポスコピー・組織診
  2. 横浜市.子宮頸がん検診 HPV検査.2026年7月確認.
  3. Centers for Disease Control and Prevention. Human Papillomavirus (HPV) Infection.
  4. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026.CQ201~205.
  5. 国立がん研究センターがん対策研究所.HPV検査単独法による子宮頸がん検診.2026.