クラミジア

 妊娠初期の検査では、必ずクラミジア感染の有無を調べることになっています。クラミジアはセックスによって感染する性病=STDの一種なんですが、自覚症状がほとんどないために知らないうちに感染していることがあります。

 感染に気付かず、治療しないままにしていると、お産の時に赤ちゃんに産道感染して、新生児の肺炎や結膜炎を引き起こすことも。だから、お産になる前に感染の有無を調べて、あらかじめ治療するようにしてあるんですね。

 

 このクラミジア、10代や20代前半の女性だと17~20人に1人は感染しているというくらい、メジャーなSTDです。症状が出にくいので検査されていないだけで、実際はもっと多いのではないかと考えられています。

 現場での印象でも、過去の感染を含めると10%以上の人が検査で陽性を示すように感じています。これは、妊婦健診と不妊検査に来られた方全員にクラミジアの検査をして発見されたものです。症状を訴えて受診された方からクラミジアが検出される率はもっと高くなります。

 

 クラミジアは妊婦さんだけが注意しなければいけないわけではありません。感染による炎症がお腹の中に広がると、卵管の周りに癒着をおこして、卵管の通りが悪くなることがあります。これらの癒着は、将来の不妊や子宮外妊娠のリスクを高めてしまうんです。10代の頃の感染が、30代になって不妊治療の際に発見される、といったケースも実際にありえるんです。

 クラミジアの感染そのものは、適切な抗生物質を飲めば治療可能です。最近は4錠を一度に飲むだけで、治療はできます。でも、いったんお腹の中に起こった癒着は治りません。

 

 クラミジア感染を予防するためには、セーファーセックスを心がける!これしかありません。セーファーセックスとは、不特定多数の人と関係をもたない・コンドームを正しく使う・パートナーと一緒に定期的に検査を受ける、といった心がけで、STDのリスクを出来るだけ下げようというものです。セックスをする限り100%STDを予防することはできません。コンドームでも防ぐことの難しいSTDもあるんです。

 ただコンドームを使うだけでは実は不十分で、やはりお互いにきちんと検査を受けておくことが大切だと感じています。

 最近はブライダルチェクといって、結婚前に不妊の要素や性感染症がないか調べる検診もあります。結婚して、いざ妊娠を目指したら先に性感染症にかかってしまった、なんて、悲しすぎますからね。

 

 避妊に関して心配する人はまあまあいますが、性感染症に関しては無頓着な人が多いような気がします。性感染症の検査は、特別な人だけがするものではなくて、お互いを思いやって付き合いを深めていく人同士がするものなんですね。

 検査をしようと切り出すのは、とっても勇気が要ることかもしれません。初めは誤解を招くかもしれません。でも、もしそういった話をして離れていってしまうような相手なら、きっとその先いい関係は築いていけないんじゃないかしら。自分がどれだけ真剣にお互いのことを考えて、将来のこともちゃんと考えているのか伝えれば、真意は汲み取ってもらえるんじゃないかと思います。

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清水(旧姓:須藤) なほみ
ポートサイド女性総合クリニック
~ビバリータ~ 院長
歌って踊れる産婦人科医
 
「全ての女性は美しくなる権利がある」をコンセプトに、女性の美と健康をサポートするために女性医療を皆様のもとにお届けしています。
5歳から始めたクラシックバレエは、ミュージカルとの出会いでコンテンポラリーダンスに変身しました♪
 
所属学会:日本産婦人科学会・日本思春期学会・日本性感染症学会・日本不妊カウンセリング学会
 
日本家族計画協会認定思春期保健談員
不妊カウンセリング学会認定カウンセラー


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