性器ヘルペス|女性の症状・検査・治療と再発予防

 

性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型または2型によって、性器・肛門周囲などに水疱や潰瘍、痛みを起こす感染症です。口唇ヘルペスの原因となる1型も、オーラルセックスなどによって性器へ感染することがあります。[1]

 

症状がない時にもウイルスが排出されることがあるため、感染機会を完全に特定することは困難です。診断されたからといって、最近感染したとは限りません。

 

性器ヘルペスの症状

  • 外陰部、腟の入口、会陰、肛門周囲などの水疱・潰瘍
  • ヒリヒリする痛み、かゆみ、違和感
  • 排尿時の強い痛み
  • 足の付け根のリンパ節の腫れ
  • 初感染時の発熱、倦怠感

病変は外陰部だけでなく、腟内、子宮頸部、肛門周囲などにできることがあります。初めて症状が出た時は強くなることがありますが、軽い傷や湿疹のように見える場合もあります。

感染経路と無症状時の感染

水疱や潰瘍への直接接触のほか、症状がない時の皮膚・粘膜からのウイルス排出によって感染する場合があります。腟性交だけでなく、オーラルセックスや性器周辺の接触でも感染します。

感染後、ウイルスは神経節に潜伏し、疲労、発熱、月経、ストレスなどをきっかけに再発することがあります。感染時期から長期間たって初めて症状が出ることもあります。

性器ヘルペスの検査

水疱や潰瘍がある時に、病変部から検体を採取して核酸検査、抗原検査、培養などを行います。病変が治りかけていると、感染していても陰性になることがあります。

血液の抗体検査は補助的に用いられることがありますが、感染部位や感染時期を特定できません。口唇の感染でも陽性になるため、抗体陽性だけで現在の性器病変をヘルペスと診断することはできません。

性器ヘルペスの治療

治療の基本は抗ウイルス薬の内服です。初発、再発、症状の重さ、妊娠の有無などに応じて薬剤と服用期間を選びます。症状が出始めて早い時期に治療を始めるほど効果が期待できます。

再発時の治療

前兆や症状が出た時に短期間服用する方法があります。再発を繰り返す方は、薬をあらかじめ用意して早期に服用する方法を相談できます。

再発抑制療法

再発が多い、症状による負担が大きい、パートナーへの感染リスクを減らしたい場合には、抗ウイルス薬を毎日服用する再発抑制療法を検討します。感染リスクは低下しますが、完全にゼロにはなりません。

パートナーへの感染を減らすために

  • 水疱、潰瘍、違和感などがある時は性的接触を避ける
  • 症状がない時もコンドームを使用する
  • 再発が多い場合は再発抑制療法を相談する
  • パートナーへ無症状時にも感染の可能性があることを伝える

コンドームはリスクを下げますが、覆われていない皮膚から感染する可能性があるため、完全には予防できません。

妊娠中・妊娠希望の方へ

妊娠中、特に妊娠後期に初めて性器ヘルペスへ感染すると、分娩時の赤ちゃんへの感染が問題になります。妊娠中に水疱、潰瘍、外陰部痛が出た場合は、速やかに産婦人科へご相談ください。

過去に性器ヘルペスと診断されたことがある方は、妊娠時に担当医へ伝えてください。分娩方法や妊娠後期の再発予防を含めて管理します。

早めに受診した方がよい症状

  • 排尿できないほど痛い
  • 水疱や潰瘍が急速に広がる
  • 発熱、強い頭痛、意識の変化がある
  • 目の周囲に病変がある
  • 妊娠中に初めて疑わしい症状が出た

性器ヘルペスについてよくある質問

Q. 性器ヘルペスは一生治らないのですか?

ウイルスは体内に潜伏しますが、症状は抗ウイルス薬で治療できます。再発頻度は人によって異なり、再発をほとんど経験しない方もいます。

Q. 陽性なら最近のパートナーから感染したのですか?

断定できません。感染後長期間無症状で、後になって初めて症状が出ることがあります。

Q. 症状がない時は感染しませんか?

症状がない時にもウイルスが排出されることがあります。コンドームや再発抑制療法などでリスクを下げますが、完全にゼロにはできません。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。

参考文献

  1. CDC. Genital Herpes.
  2. 日本性感染症学会.性感染症診断・治療ガイドライン2026.