HPV感染とは|陽性結果・自然消失・がんとの関係
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、性的接触のある方なら誰でも感染する可能性がある、ごく一般的なウイルスです。HPV検査が陽性でも、子宮頸がんという意味ではありません。多くの感染は免疫によって検出されなくなりますが、一部の高リスク型が持続感染すると、前がん病変やがんにつながる可能性があります。[1]
HPV陽性という結果から、感染した時期や相手を特定することはできません。感染から長期間たって検出されることや、以前は検出されなかったウイルスが再び検出されることもあります。
HPVとは
HPVには多くの型があり、性器周辺に感染する型は、病気との関係から大きく二つに分けられます。
| 分類 | 主に関係する病気 |
|---|---|
| 高リスク型HPV | 子宮頸部、腟、外陰部、肛門、中咽頭などの前がん病変・がん |
| 低リスク型HPV | 尖圭コンジローマなど。代表的な型は6型・11型 |
尖圭コンジローマの原因となる型と、子宮頸がんに関係する高リスク型は、主に別の型です。ただし複数の型へ同時に感染することはあります。
HPVの感染経路
HPVは、性器・肛門・口腔などの皮膚や粘膜の接触によって感染します。挿入を伴わない性器周辺の接触でも感染する可能性があります。
コンドームは感染リスクを下げますが、覆われていない皮膚から感染することがあるため、完全には防げません。HPVに感染したことは、不特定多数との性的接触があったことを意味するものではありません。
HPVは自然に排除されますか?
HPVに感染しても、多くの場合は免疫によってウイルス量が減り、検査で検出されなくなります。[1]
一方、一部では高リスク型の感染が長期間持続し、子宮頸部異形成などの前がん病変へ進むことがあります。HPV陽性になった時点で将来がんになると決まるわけではありませんが、推奨された時期に再検査や精密検査を受けることが大切です。
HPV検査で分かること
婦人科で行う高リスクHPV検査は、主に子宮頸がん検診や細胞診異常後の管理に使用します。一般的な性感染症検査のように、感染の有無を一度確認して終わる検査ではありません。
- 高リスク型HPVが子宮頸部から検出されるか
- 一部の検査では16型・18型などの型別結果
- 再検査による一時的感染か持続感染かの評価
HPV検査だけで、前がん病変やがんの有無は確定できません。結果に応じて、細胞診、コルポスコピー、組織検査などを組み合わせます。
HPV陽性の治療
現在、無症状のHPV感染そのものを直接消す薬はありません。治療対象となるのは、HPVによって生じた尖圭コンジローマや子宮頸部異形成などの病変です。
HPV陽性でも病変がなければ、結果に応じた時期に再検査を行います。自己判断で通院を中断せず、案内された検査時期を守ることが重要です。
パートナーへの説明
HPVは非常に一般的で、感染時期を特定できません。現在のパートナーにHPVが見つからない場合でも、どちらか一方だけが感染源だったとは判断できません。
一般の男性に対して、女性の子宮頸部HPV検査に相当する定期的なスクリーニング検査は確立していません。いぼや皮膚病変がある場合は、泌尿器科・皮膚科などへ相談します。
HPVワクチンと子宮頸がん検診
HPVワクチンは、新たなワクチン対象型HPVの感染を予防します。すでに感染しているHPVや、できている病変を治療するワクチンではありませんが、未感染の型に対する予防効果が期待できます。
ワクチンですべての高リスク型を防げるわけではないため、接種後も子宮頸がん検診が必要です。ワクチンによる感染予防と、検診による早期発見を組み合わせます。[2]
HPV感染についてよくある質問
Q. HPV陽性は子宮頸がんという意味ですか?
いいえ。HPV陽性は高リスク型HPVが検出されたという意味です。多くは検出されなくなりますが、持続感染の有無を確認するため、結果に応じた再検査が必要です。
Q. HPVが自然排除されたか確認できますか?
時間をあけた再検査で陰性になれば、検出できない状態になったと判断します。ただし、完全に体内から消失したかを証明する検査ではありません。
Q. HPV陽性ならパートナーの浮気が原因ですか?
そうとは限りません。感染から長期間たって検出されることがあり、結果だけで感染時期や感染源を特定することはできません。
HPV検査・子宮頸がん検診についてご相談ください
HPV陽性後の再検査や、細胞診異常後の精密検査は、結果に応じて時期が異なります。検査結果をご持参のうえご相談ください。
横浜駅から徒歩6分、女性医師が診察します。WEB予約はこちら
この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の検査結果の判定に代わるものではありません。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮頸がん 予防・検診.
- 厚生労働省.HPVワクチンに関するQ&A.
- CDC. Human Papillomavirus Infection.










