生理を早めたり遅らせたりするには? 

  毎年ゴールデンウィーク前と夏のレジャーシーズン前と年末年始の時期には、「生理の日をずらしたいんです」とおっしゃる方が増えます。せっかくの旅行やレジャーに、月経が重なったら嫌ですものね。そろそろ夏のレジャーシーズンが近づいてきたのか、最近連日で月経移動の方を拝見しています。

 月経をずらす方法はふたつあります。月経を予定より早く来させるか、予定の後に来るように遅らせるかです。

 月経を早めたい場合、ずらしたい月経の前の月経5日目から約14日間中用量ピルを服用します。例えば、7月18日~20日に予定があって、6月20日から月経が来ているのであれば、6月24日~7月7日の14日間服用します。すると、7月10日か11日くらいに月経が来て、ちょうど予定がある頃には月経が終わっていることになります。

 月経を遅らせたい場合は、ずらしたい月経の予定日1週間前から、月経が来ていい日の2日前まで中用量ピルを服用します。上記のパターンで、月経予定日が7月19日だとしたら、7月12日から7月18日まで服用することで、月経が7月21日以降にずらせるというわけです。

 元々の月経周期が短めの方は、月経を早める方法がとれない場合があります。早める方法の方が、旅行などの予定がある期間中に薬を服用しなくていいですし、月経直後のスッキリした状態で予定予定の日を迎えられるというメリットがあるのですが、十分に早めきれなくて月経の終わりごろが予定と重なってしまう危険性もあります。

 月経を早めた方がいいのか遅らせた方がいいのかは、月経周期や予定の期間によっても異なりますので、処方時に医師と相談するといいでしょう。また月経不順で次の月経がいつ来るのか全く読めないという場合は、予定がある1か月くらい前に受診しておくと、ある程度どのようなパターンにも対応できます。

 月経移動に使うのは中用量ピルですから、低用量ピルよりも吐き気やむくみなどの副作用が出る可能性があります。また、高度な肥満がある方やヘビースモーカーの方には処方できない場合もあります。月経移動を希望する場合は、せめて処方時から服用中は禁煙することをお勧めします。