私の妊活法をご紹介します

 クリニックをご利用の患者様の中にはお気づきの方もいらっしゃると思いますが、現在2人目を妊娠中です。

 2人目の妊娠は、前回よりも自分の年齢が上がっていることを考えると、もっと苦労するかなと思っていたのですが、実は避妊をやめて1クール目ですぐに妊娠が成立しました。
 産後から次の妊娠の時期を色々考えて、できる妊活はずっと行ってきたので、それがある程度効果的だったのかもしれないですね。
 あくまで個人の「経験談」レベルですが、私が行ってきた妊活法をご紹介したいと思います。

 

1)定期的な運動=加圧トレーニング
 産後2ヶ月目から、加圧トレーニングのジム通いを再開しました。
 ダンスのレッスンも再開していましたが、時間的にコンスタントに通うことが難しかったので、クリニックと同じテナントビルに入っている加圧スタジオにお世話になったんです。
 産後の体型戻しという目的も大いにありましたが、一番の目的はトレーンイングによるインスリン抵抗性の改善です。
 私は「形態学的多のう胞性卵巣症候群」のために排卵障害の傾向があるので、インスリン抵抗性(血糖値が急激に上がりやすくインスリンというホルモンがうまく働きにくい)という体質的な「弱点」があります。このインスリン抵抗性は、妊娠を目指す人にとっては、妊娠前も妊娠中も大敵なんですね。
 加圧トレーニングによって成長ホルモンの分泌が促されることが、インスリン抵抗性の改善につながるというデータもあるようです。また、加圧トレーニングでなくても、コンスタントな運動はインスリン抵抗性の改善に有効です。
 さらに、トレーニングによって血行が良くなるので、骨盤内の血行改善や冷え性の改善にも有効だったのではないかと思われます。

2)食事改善=SS8ダイエットプログラム
 授乳中は極端なカロリー制限はできませんので、断乳してすぐにクエスト社のSS8というダイエットプログラムを実行しました。
 ダイエットと言っても、私の場合は体重を落とすことが目的ではなく、糖質制限によるインスリン抵抗性の改善が目的です。
 プログラム実行前のヘモグロビンA1cが5.2という年齢的には微妙な高さだったのですが、半年で4.9まで下げることができました。ちなみ、30代ではヘモグロビンA1cは5未満が理想です。

3)体質改善=漢方&アレルゲン除去食
 妊娠を目指す2ヵ月前から、駆お血剤である漢方を継続的に飲みました。駆お血剤の中には妊娠中は飲まない方がいい物もあるため、私は妊娠を目指す直前まで服用して、避妊をやめるタイミングからは飲まないようにしましたが、種類を選べば妊娠成立直前まで飲んでも問題ありません。
 また、遅延型フードアレルギー検査で卵と小麦に強い反応があったので、3ヵ月間はそれらの食品を完全除去し、その後も卵はできるだけ避けるようにしていました。

4)避妊&卵巣保護=低用量ピル
 ちょうど娘の1歳のお誕生日の前日に月経が再開したこともあり、断乳直後から低用量ピルの服用を再開しました。仕事の都合で確実な避妊が必要でしたし、何よりも次の妊娠に備えて卵巣と子宮をきちんとお休みさせてあげておきたかったからです。
 ピルは排卵を抑えるために、卵巣にとっては毎月無駄な排卵を繰り返すという重労働から解放してくれる、とっても優しいお薬なんです。また、私のように排卵障害がある人にとっては、ホルモンバランスを整えて服用後の排卵がスムーズになるようにしておけるので、「数か月後に妊娠希望」という場合にはお勧めの卵巣保護方法です。 

5)排卵誘発=セキソビット&HCG
 上の子の妊娠も同じ治療を行いましたが、今回も初めから排卵誘発をしました。年齢を考慮すると、自然サイクルで数か月を無駄にするより、妊娠率を上げる方法をとって効率よく妊娠を目指した方がいいと思われたからです。また、ピルを飲み終えたあとすぐの方が卵巣が元気なので、できるだけ服用中止後から時間をおかずに妊娠できるようにと考えました。
 同じ排卵誘発剤であるクロミッドではなくセキソビットを選んだのは、私の排卵障害が軽度であり「自然排卵もするけど時間がかかる」という程度であることと、ピル服用直後は子宮内膜が薄くなっているからです。セキソビットには、子宮内膜を厚くしてくれる効果があるので、排卵を後押しするのと内膜の厚みを回復させるという両方の目的で使用しました。
 

 これらのどの「妊活」が功を奏してすぐに妊娠したのかは分かりません。
 ただ、排卵誘発以外はいわゆる「治療」ではなく、当たり前に行える日ごろのケアなんですね。
 これから妊娠を目指したい人も、すでに妊娠を目指している人も、こういった日々の積み重ねを大切にしていってほしいなと思います。