どのように健康を目指すかは「自分」で決めること

 がんの治療法や予防法について様々な意見を見るにつけ、極端な自然療法派の方の発信に何とも言えない違和感を感じていました。その違和感をクリアにしてくれる、とてもスマートでまとまった記事があったのでご紹介させてくださいませ。
 
 「私からのお願い

 私は西洋医学を学んだ医者ですが、自然療法を選択したいという方がいらしたらその選択をサポートしますし、「薬」以外の方法で治療したいと言われたら自分自身が試してこれならお勧めできるという代替医療をご紹介することもあります。でも、自然療法を「推奨」しているわけではありません。西洋医学を「否定」しているわけでもありません。
 私にとって、抗がん剤と金の延べ棒のどちらが優れているのかということは重要ではないのです。もちろん、明らかにまがい物で、人の弱みに付け込んだような代替医療もどきがあったら、はっきりとそれはやめるようにお伝えしますが。基本的に、何かを否定している限り病気を作り出す根源はなくならないと感じています。
 私が大切にしているのは、目の前にいらっしゃる患者様にご本人にとっての「ベスト」は何かのかを一緒に考えるということです。一般の方の知識だけでは何が「ベスト」なのかよくわからない、という場合に標準的な治療やご本人を拝見しての印象をふまえて「こうしたらいかがですか?」とご提案します。
 様々な代替医療を学んだり自分で試したり(自分の体で実験しています・・・)しているのは、いらっしゃる方にとって何が「ベスト」なのかがふたを開けてみなければわからないからです。できるだけ提案できる手持ちのカードが多い方が対応できるから、漢方もアロマもキネシオロジーもカウンセリングも学ぶのです。

 自分にとって良いと思われるものが他の人にとっても同じ効果が得られるとは限りません。なので、標準的治療以外の方法を選択した人や、検診は受けない・ワクチンは受けないという選択をした人がそれを体験談として語ることはよくても、その選択を他の人に押し付けてはいけないのです。
 これは、自宅分娩をした人が他の人にそれを勧めてはいけないのと同じです。私は自宅分娩をした人に「何でそんな危険なことをしたんだ!」なんてことは言いません。「素敵な体験ができてよかったですね」といいます。無事に産まれた後ですから。でも、自分自身はどんなに勧められても自宅分娩は選択しません。

 薬に使い方や治療法の選択や予防の方法も、人によって何が必要なのか、何が害なのかは異なります。抗がん剤だって、それが命をつないでくれることもあれば、命を縮めることもあります。一概に、すべての化学療法が「毒」だとは言えないのです。
 先日の記事にも書きましたが、手術をしないという選択をした人が手術をするという選択をした人に対して言及してはいけないのです。特に、それを医療関係者の方が気を使って発信することは避けるべきだと感じています。
 
 がんもその他の病気も、きちんと生活や食事を改善して、予防に努めていれば「検診なんて受けなくても大丈夫」といえるのかもしれません。でも、「病気にならない生活&思想」ができている人は、とてもとても少ないと感じています。
 私自身も、どうすればいいのかは分かっていてもそれが実践できないことは多々あります。例えば、40度のお湯で30分以上しっかり温まった方が健康のためにはよい、と言われてもお湯につかってわずか3分で娘が起きてきて慌てて添い寝に戻ってやらないといけないことだってあるわけです。自分の免疫力を高めれば、ワクチンなんて必要ないと、と言われるかもしれませんが、妊娠中も授乳中も自分で自分の体が守り切れないほどの状態になるわけです。

 どのような治療を選択するのか、どのような予防法を選択するのかは、結局「どのように生きたいのか」につながると思います。
 川島なお美さんのように、積極的な治療を選択せずに生きている時間は短くなっても最後まで「女優」でいる、というのも素敵な生き方だと思います。逆に、一日でも長く生きられるように受けられる治療はしっかり受けるというのも、勇気ある選択だと思います。
 もし私が独り身だったら、もしかしたら積極的な治療は行わないかもしれません。でも、2人の娘がいる今の状態だと、どんなことをしてでも娘たちが大きくなるまでは生きていようとするでしょう。できるだけ入院は避けながら、通院で受けられる治療を選択して、代替医療でそのダメージを緩和するという形をとるかもしれません。

 どのような治療法も予防法も、それを否定するということは、その選択をしている人の「生き方」を否定することになります。だから、私は、そういった発信に対して常に違和感を感じてしまうのです。
 どうか、どのような選択をした人も自分の「健康に戻る力」を信じて、自分の選択を受け入れて欲しいなと思います。
 

プロフィールD.JPG
清水(旧姓:須藤) なほみ
ポートサイド女性総合クリニック
~ビバリータ~ 院長
歌って踊れる産婦人科医
 
「全ての女性は美しくなる権利がある」をコンセプトに、女性の美と健康をサポートするために女性医療を皆様のもとにお届けしています。
5歳から始めたクラシックバレエは、ミュージカルとの出会いでコンテンポラリーダンスに変身しました♪
 
所属学会:日本産婦人科学会・日本思春期学会・日本性感染症学会・日本不妊カウンセリング学会
 
日本家族計画協会認定思春期保健談員
不妊カウンセリング学会認定カウンセラー


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