子宮頸がんの検査|検診から精密検査・診断まで

 

子宮頸がんの検査は、「検診」「精密検査」「がんと診断された後の広がりを調べる検査」の3段階に分かれます。
 
検診で異常が出ても、直ちに子宮頸がんという意味ではありません。細胞診やHPV検査で病変の可能性を見つけ、コルポスコピー下の組織診で確定診断を行います。[1]

 
 

検診と診察・精密検査の違い

段階 対象・目的 主な検査
検診 症状のない方から、前がん病変やがんの可能性がある方を見つける 細胞診、HPV検査単独法
精密検査 検診異常の原因と病変の程度を確かめる コルポスコピー、組織診、必要に応じ頸管内の評価
診断後の検査 子宮頸がんの大きさ、周囲への広がり、転移を調べて病期を決める 診察、MRI、CT、PET、超音波など

性交後出血、不正出血、血の混じるおりものなどがある場合は、症状のない方を対象とする「検診」ではなく、保険診療で原因を調べる診察が必要です。次回の検診を待たずに受診してください。

子宮頸部細胞診とは

細胞診は、腟鏡で子宮頸部を見える状態にし、ブラシやヘラで表面の細胞を採取して顕微鏡で調べる検査です。検査自体は短時間ですが、器具を入れる時の圧迫感や細胞採取時の刺激を感じることがあります。

現在は、NILM、ASC-US、LSIL、ASC-H、HSIL、AGC、AIS、SCCなどの「ベセスダ分類」で判定します。以前使われていたクラス1~5はベセスダ分類と一対一で対応しないため、「クラス3a」とだけ書かれている場合は、正式な判定と精密検査の指示を確認します。

細胞診は確定診断ではありません。異常細胞が見つかった場合は、結果に応じてHPV検査、コルポスコピー・組織診などへ進みます。

NILM・ASC-US・LSIL・HSILなどの意味と次の対応を見る

旧分類の「クラス3a」と言われた時の確認方法を見る

ハイリスクHPV検査とは

ハイリスクHPV検査は、子宮頸がんとの関連が強いHPV型の感染があるかを調べる検査です。HPV陽性は「ウイルスが検出された」という意味で、がんや前がん病変の確定診断ではありません。

HPV検査は主に、次の場面で使われます。

  • 細胞診がASC-USだった時の振り分け
  • 自治体のHPV検査単独法による検診
  • 前がん病変の治療後など、再発リスクを評価する場面

HPV検査単独法では、HPV陽性の場合に同じ検体で細胞診を行い、「要追跡検査」または「要確定精検」に振り分ける仕組みがあります。HPV陽性・細胞診異常なしでも、持続感染を確認するための1年後の追跡検査を忘れないことが大切です。[2]

検診を受ける年齢と間隔

検診方法 国の指針での対象 原則的な間隔
細胞診 20歳以上 2年に1回
HPV検査単独法 30歳以上。精度管理体制を整えた自治体で実施 HPV陰性なら原則5年に1回。陽性後は結果に応じて1年後の追跡または精密検査

自治体がどちらの方法を採用するかを決めるため、受診者が検査方法を選択できないことがあります。対象年齢、自己負担、受診場所はお住まいの自治体の最新案内をご確認ください。[2][3]

過去の異常、治療歴、免疫機能の低下などがある方は、一般の検診間隔とは異なる管理が必要です。医師から再検査・精密検査の時期を指定された場合は、その指示を優先してください。

検診結果が異常だった時

主な結果 一般的な次の検査
ASC-US ハイリスクHPV検査で振り分け。陽性ならコルポスコピー・組織診
LSIL・ASC-H・HSIL・SCC 原則としてコルポスコピー・組織診
AGC・AIS・腺がん疑い コルポスコピー・組織診、頸管内の評価。年齢や出血状況により子宮内膜検査も検討
HPV陽性・細胞診異常なし HPV検査単独法では通常1年後の追跡検査

※実際の対応は、年齢、妊娠、過去の結果、HPV型、免疫状態、検診制度によって変わります。結果票や紹介状の指示を優先してください。

コルポスコピー・組織診

コルポスコピーは、子宮頸部に酢酸を塗布し、拡大鏡で表面の変化や血管を観察する検査です。異常が疑われる部分から小さな組織を採取し、病理医が顕微鏡で調べます。観察だけでは病変の程度を確定できないため、必要な場合は組織診を組み合わせます。[1][4]

組織診では、異常なし、CIN1、CIN2、CIN3、AIS、浸潤がんなどと診断されます。細胞診がLSILでも組織診が異常なしのことがあり、反対に細胞診より高いグレードの病変が見つかることもあります。

コルポスコピー・組織診の流れ、痛み、検査後の注意を見る

子宮頸がんと診断された後の検査

組織診で子宮頸がんと診断された場合は、治療方針を決めるために、がんの大きさ、子宮頸部周囲への広がり、リンパ節・他臓器への転移を調べます。

  • 内診・直腸診
  • MRI:子宮頸部周囲への広がりなどを詳しく確認
  • CT:リンパ節や胸腹部への広がりを確認
  • PET:必要な場合に転移や再発を評価
  • 超音波検査
  • 必要に応じて膀胱鏡・直腸鏡など

すべての検査を全員に行うわけではありません。病理結果と診察所見から必要な検査を選び、FIGO分類などに基づいて病期を決めます。

受診前に確認すること

  • 検診結果票、紹介状、精密検査依頼書を持参する
  • 過去の細胞診・HPV検査・組織診・治療歴が分かる資料を持参する
  • 月経中、とくに出血量が多い日は予約先へ相談する
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある場合は必ず伝える
  • 血液を固まりにくくする薬を使用している場合は伝える
  • 治療を見据え、将来の妊娠希望があれば早い段階で伝える

検診結果が正常でも受診した方がよい症状

  • 性交後の出血が繰り返す
  • 月経以外の出血、閉経後出血
  • 血の混じったおりもの、水っぽいおりもの、悪臭のあるおりもの
  • 下腹部痛、腰痛、性交時痛

検診は、症状の原因をすべて調べる検査ではありません。症状がある場合は、検診でNILMまたはHPV陰性でも婦人科を受診してください。

子宮頸がんの検査についてよくある質問

Q. 細胞診と組織診は同じ検査ですか?

違います。細胞診は表面の細胞を採取するスクリーニング検査、組織診は病変が疑われる部分の組織を採取して診断する精密検査です。

Q. HPV陽性・細胞診異常なしなら放置してよいですか?

放置せず、指定された時期に追跡検査を受けてください。HPV検査単独法では一般に1年後のHPV検査で、感染が持続しているかを確認します。

Q. 月経中でも検査できますか?

少量の出血なら可能な場合もありますが、出血量が多いと細胞採取やコルポスコピー観察が不十分になることがあります。予約先へご相談ください。

Q. 妊娠中でも精密検査を受けられますか?

必要に応じて妊娠中も細胞診やコルポスコピーを行います。組織採取の要否や時期は結果と妊娠週数を考慮して判断するため、妊娠中であることを必ず伝えてください。

横浜駅近くで子宮頸がんの検診・精密検査をご希望の方へ

ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、子宮頸がん検診、ハイリスクHPV検査、コルポスコピー・組織診を行っています。他院や自治体の結果票、紹介状、過去の検査結果をご持参ください。

子宮頸がんが疑われる、または治療が必要と判断した場合は、専門医療機関へご紹介します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月20日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・検査方針に代わるものではありません。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮頸がん 検査.
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮頸がん検診について.2026年4月更新.
  3. 厚生労働省.がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針.
  4. 日本産婦人科医会.子宮頸癌:細胞診後のコルポスコピー・組織診.