子宮頸がんの検査

 子宮頸がんの早期発見には、検診を受けるしかないのですが、子宮頸がん検診は色々ある検診の中でも最も検診を受ける意味があるとされています。それは、検診で異常を発見できる確率が他のがん検診に比べてとても高いからです。さらに、子宮頸がんは癌の一歩手前又はごくごく初期の段階で発見できれば、子宮の出口の一部を切り取るだけでほぼ完治が期待できます。若い人がかかりやすいということは、将来の妊娠のチャンスを失わないように、癌によって子宮を失ってしまうことをできるだけ避ける必要がありますからね。そういった意味でも、いかに初期の段階で見つけるかが重要なんです。

残念ながら、日本女性の子宮がん検診受診率はまだまだ非常に低くて、全部の年齢を合わせても約20%の人しか受けていないんですよ。特に、本来一番受けて欲しい10代~20代の若い人たちはほとんど検診なんて受けていません。「がん検診」と聞くと怖いイメージを持ってしまう方もいらっしゃるようですが、検査自体は1分もかからない簡単なものです。内診台にあがる必要があるので、下着を取ることそのものに抵抗はあると思いますが、子宮の出口を綿棒でちょこちょこっとこするだけですから痛みもそんなに感じずにあっという間に終わります。

 

検診の結果は1~5の「クラス」に分かれていて、クラス1~2は正常・クラス3はグレーゾーン(癌とは言えないが細胞に変化が見られる)・クラス4~5は癌の可能性が高い又は明らかに癌であると解釈します。結果が「正常」であれば、引き続き年に1回の検診を受けていれば問題ありません。

 

 「グレーゾーン」という結果だった場合、医学的には「子宮頸部異形成」という状態になるのですが、細胞の変化の強さによってその後の対応が異なってきます。細胞の変化が軽い「軽度異形成」の時は、大体3ヶ月ごとに検査を繰り返して様子をみていきます。この段階では、まだ治療は必要ありません。細胞の変化がだんだん強くなってきたり「高度異形成」が疑われる時は、子宮の出口を少しかじり取る「組織診」という検査をして治療の必要性を判断していきます。