不妊症の検査|女性・男性それぞれ何を調べる?
不妊症の検査は、女性だけでなく男性も可能な限り同時に進めます。女性では排卵、子宮・卵巣、卵管の通過性などを、男性では精液所見などを確認します。検査には月経周期に合わせて行うものがあり、1回の受診ですべてが分かるわけではありません。[1][2]
年齢、不妊期間、月経の状態、過去の病気や手術、これまでの検査結果によって必要な検査は異なります。「検査を全部受ける」こと自体が目的ではなく、今後の方針を決めるために必要な情報を効率よく集めることが大切です。
初診で確認すること
- 妊娠を希望している期間、避妊をやめた時期
- 月経周期、最終月経、月経痛・過多月経の有無
- 性交の頻度、性交や射精の困難の有無
- 妊娠・出産・流産・中絶の既往
- 子宮内膜症、クラミジア感染、手術、がん治療などの既往
- 服薬、サプリメント、喫煙、飲酒、体重変化
- パートナーの病歴、精巣の病気、服薬など
基礎体温をつけている方は持参すると参考になりますが、記録がなくても受診できます。過去の検査結果や健診結果があればお持ちください。
女性側の主な検査
| 検査 | 分かること | 主な時期 |
|---|---|---|
| 経腟超音波検査 | 子宮筋腫・内膜ポリープ、子宮内膜、卵巣、卵胞の発育など | 目的により月経中~排卵前など |
| 基礎ホルモン検査 | FSH、LH、エストラジオールなど | 一般に月経開始後早期 |
| 排卵の評価 | 月経歴、尿中LH、超音波、必要に応じ黄体期プロゲステロンなど | 排卵前~黄体期 |
| 甲状腺・プロラクチン等 | 排卵や妊娠に影響する内分泌異常 | 症状・病歴に応じて |
| AMH | 卵巣内に残る卵胞数の目安、治療時の卵巣反応の予測 | 多くは周期を問わず |
| 卵管通過性検査 | 卵管の閉塞・狭窄、子宮腔の形 | 通常は月経終了後~排卵前 |
| 感染症検査 | クラミジアなど、必要な感染症 | 随時 |
月経周期が規則的でも、卵管の通過性や精液所見までは分かりません。反対に月経不順があっても、原因を確認して適切な治療につなげられる場合があります。
AMHで妊娠しやすさは分かりますか?
AMHは卵子の「質」や自然妊娠できる確率を直接示す検査ではありません。主に卵巣に残る卵胞数の目安となり、体外受精などで卵巣刺激にどの程度反応しそうかを考える材料です。
AMHが低くても自然妊娠する方はいます。一方、AMHが高くても妊娠が保証されるわけではなく、PCOSでは高値になることがあります。年齢、超音波所見、ほかの検査と合わせて解釈します。妊娠経験のない健康な方の将来の自然妊娠を、AMHだけで正確に予測することはできません。[1]
卵管の検査
卵管が閉塞・狭窄していると、卵子と精子が出会いにくくなります。主な検査は子宮卵管造影検査(HSG)や超音波を用いる卵管通過性検査です。検査法、造影剤、痛みへの対応、感染予防は施設により異なります。
検査は妊娠の可能性が低い月経終了後から排卵前に行うのが一般的です。過去にクラミジア感染、骨盤内炎症、子宮外妊娠、腹部・骨盤手術がある場合は、特に重要になることがあります。
当院では卵管通過性検査を行っていません。必要と判断した場合は、不妊治療専門施設へご紹介します。
男性側の主な検査
男性側の基本検査は精液検査です。精液量、精子濃度、運動率、形態などを確認します。不妊原因には男性側の要因も関係するため、女性の検査がすべて終わってからではなく、できるだけ早い段階で行うことが勧められます。[1]
精液所見は体調、発熱、禁欲期間、採取条件などで変動します。異常があった場合も1回だけで確定せず、再検査や泌尿器科・男性不妊外来での評価が必要になることがあります。
当院では精液検査を行っていません。パートナーの検査を含む評価が必要な場合は、専門施設へご紹介します。
当院で行う初期評価と紹介する検査
当院でご相談・実施できる内容
- 妊娠歴、月経、病歴、服薬などの問診
- 婦人科診察、経腟超音波による子宮・卵巣の評価
- 症状に応じたホルモン検査・感染症検査
- 基礎体温、排卵検査薬、超音波を参考にしたタイミング法の相談
専門施設へ紹介する主な内容
- 卵管通過性検査
- 精液検査・男性不妊の精査
- 不妊治療としての排卵誘発
- 人工授精、体外受精、顕微授精
年齢や病歴から専門施設での評価を急いだ方がよい場合は、初期検査をすべて当院で終えることにこだわらず、早めにご紹介します。
不妊症の検査についてよくある質問
Q. 検査は1日ですべて終わりますか?
月経中、排卵前、排卵後など適した時期が異なるため、通常は複数回に分けて行います。年齢や病歴によっては、専門施設で並行して検査を進めます。
Q. AMHが低いと妊娠できませんか?
AMHだけで自然妊娠の可否は判断できません。卵胞数の目安であり、卵子の質を直接測る検査ではありません。年齢やほかの検査と合わせて考えます。
Q. 女性だけ先に検査してもよいですか?
受診を始めることはできますが、男性側の要因も少なくないため、精液検査は女性の検査と同時期に進めるのが効率的です。
横浜駅近くで不妊症の初期評価をご希望の方へ
横浜駅から徒歩6分、女性医師が月経や婦人科疾患を確認し、必要な初期評価とタイミング法についてご説明します。
当院は不妊治療認定施設ではなく、対応はタイミング法までです。卵管通過性検査、精液検査、排卵誘発、人工授精、体外受精・顕微授精が必要な場合は専門施設へご紹介します。
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この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月12日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・検査に代わるものではありません。
参考文献
- American Society for Reproductive Medicine. Fertility evaluation of infertile women: a committee opinion. 2021.
- 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.CQ318.
- 日本生殖医学会.生殖医療Q&A(旧 不妊症Q&A).










