腟カンジダの薬を入れると白いカス・おりものが増える?

腟カンジダの腟錠を入れた後に、白いカスや粉状・クリーム状のおりものが出ることがあります。多くは、腟内で溶けた薬の成分や基剤が分泌物と一緒に出てきたものです。量や出る時期は製品、腟内の水分量、入れた位置などで異なり、数日続くこともあります。

かゆみや赤みが改善していて、強い臭い、発熱、下腹部痛、出血がなければ、すぐに異常とは限りません。ただし、腟錠がほぼ原形のまま早く出た、症状が悪化した、治療後もかゆみが続く場合は、追加で薬を入れずに処方元または婦人科へご相談ください。

 

白いカスは薬?それともカンジダのおりもの?

考えられるもの 特徴の目安 対応
腟錠の残り 薬を入れた後に、白い粉、カス、ペースト状のものが出る 薄いおりものシートを使い、腟内を洗わず経過をみる
カンジダのおりもの 白くぽろぽろ・酒かす状で、強いかゆみや赤みを伴うことがある 症状が続く場合は診察・分泌物検査
別の腟炎・子宮頸管炎 強い悪臭、灰白色・黄緑色、泡状、血が混じるなど カンジダと決めつけず、原因に合う検査
薬による刺激・アレルギー 使用後に強い灼熱感、腫れ、発疹、痛みが増える 使用を中止し、早めに医療機関へ相談

見た目だけで確実に区別できないことがあります。カンジダの症状は他の腟炎や皮膚疾患でも起こるため、治療しても改善しない時は再検査が必要です。[1]

腟錠を入れた後の過ごし方

  • 薬は処方時の説明または添付文書どおりに使用する
  • 白いカスが出ても、指やシャワーで腟の中を洗わない
  • 必要に応じて薄いおりものシートを使い、こまめに交換する
  • タンポンは薬を吸収する可能性があるため、使用可否を医師・薬剤師に確認する
  • 腟錠がほぼ原形のまま出ても、自己判断で2回分を入れない
  • 治療中の性行為は刺激で症状が悪化することがあるため控える

腟剤の中には、コンドームや避妊用ダイアフラムなどラテックス製品の強度に影響するものがあります。使用中と使用後の注意期間は製品ごとに異なるため、添付文書をご確認ください。

腟錠が出てきたら、もう一度入れますか?

溶けた白いカスが出ただけなら、通常は予定どおり次の使用を続けます。腟錠がほぼ原形のまま出た場合は、出てきた時刻や形、製品が1回用か連日用かによって対応が異なります。

出てきた錠剤を入れ直したり、追加でもう1錠使用したりせず、処方元または薬剤師に確認してください。自己判断で倍量を使うと、刺激症状が強くなる可能性があります。

白いカスが出た時に受診した方がよい症状

  • 強い臭い、黄緑色・灰色・血の混じるおりものがある
  • 発熱、悪寒、強い下腹部痛、背中の痛みがある
  • 水疱、潰瘍、外陰部の強い腫れや痛みがある
  • 薬を使った後に、灼熱感、発疹、腫れが悪化した
  • 処方された治療を終えても改善しない
  • 市販薬を使用しても症状が続く、または2か月以内に再び症状が出た
  • 短期間に何度も繰り返す
  • 妊娠中、妊娠の可能性がある

初めての症状や、いつものカンジダと違う症状は、他の腟炎・性感染症・皮膚疾患の可能性があります。[1]

腟カンジダとは

腟カンジダは、カンジダという真菌が腟や外陰部で増えて炎症を起こす病気です。カンジダは症状のない人にも存在することがあり、検査で菌が見つかっただけでは必ずしも治療が必要とは限りません。かゆみ、赤み、痛み、おりものなどの症状と検査結果を合わせて診断します。

腟カンジダは通常、性感染症には分類されません。性交経験がない方にも起こり、症状のないパートナーを一律に治療する必要はありません。パートナーに亀頭や包皮の赤み・かゆみがある場合は、医療機関へご相談ください。[1]

カンジダが増えるきっかけ

  • 抗菌薬の使用
  • 妊娠や女性ホルモンの影響
  • 血糖値が高い・糖尿病がある
  • 免疫を抑える治療や免疫機能の低下
  • 外陰部の蒸れや刺激で症状を感じやすくなる

多くは明確な原因を一つに決められません。不潔だから発症する病気ではなく、洗いすぎはかえって刺激になります。

腟カンジダの検査

外陰部の赤みやおりものを確認し、腟分泌物の顕微鏡検査や培養などを行います。症状だけではカンジダと確定できず、細菌性腟症、トリコモナス、かぶれなどとの区別が必要です。問診だけで腟炎の原因を正確に診断することは難しいとされています。[2]

治りにくい場合や短期間に繰り返す場合は、カンジダの菌種、薬の効きにくさ、糖尿病などの背景を確認することがあります。

腟カンジダの治療

主にアゾール系抗真菌薬の腟錠・クリームを使用し、状態によって内服薬を選びます。外陰部の症状が強い場合は外用薬を併用することがあります。薬の種類と日数は、初回か再発か、妊娠の有無、症状の強さ、菌種によって異なります。

妊娠中は薬の選び方が異なり、一般に腟内へ使うアゾール系薬を一定期間使用します。経口フルコナゾールを自己判断で使用しないでください。[1]

市販の腟カンジダ薬を使ってよいのはどんな時?

日本の市販の腟カンジダ薬は、以前に医師から腟カンジダと診断・治療されたことがある方の「再発」が対象です。初めて症状が出た方、妊娠中・妊娠の可能性がある方、短期間に繰り返している方、発熱・下腹部痛・異常出血・悪臭の強いおりものなどがある方は、自己治療せず受診してください。[3]

市販薬を使用しても症状が続く、または治療後2か月以内に再び症状が出た場合は、診察と検査が勧められます。[1]

カンジダを何度も繰り返す場合

目安として1年に3回以上症状を繰り返す場合は、再発性外陰腟カンジダ症として詳しい評価を行います。培養で菌種を確認し、通常より長い初期治療や再発を抑える治療を検討します。[1]

症状が繰り返していても、毎回カンジダとは限りません。接触皮膚炎、硬化性苔癬、細菌性腟症などが隠れていることがあるため、検査をせずに市販薬だけを繰り返さないことが大切です。

腟カンジダの薬についてよくある質問

Q. 腟錠の翌日に白いカスが出ても大丈夫ですか?

溶けた薬の成分や基剤が出ていることが多く、すぐに異常とは限りません。強い臭い、発熱、下腹部痛、出血、症状の悪化があれば受診してください。

Q. 白いカスを腟の中から洗い流してよいですか?

腟内洗浄はしないでください。薬まで流したり、粘膜を刺激したりする可能性があります。外陰部だけをぬるま湯でやさしく洗いましょう。

Q. 薬が出たら治療に失敗していますか?

溶けた薬が少し出るのは珍しくありません。ほぼ原形の錠剤が出た場合は、自己判断で追加せず、処方元または薬剤師に確認してください。

Q. 腟カンジダはパートナーからうつった病気ですか?

通常は性感染症には分類されません。性交経験がなくても起こります。症状のないパートナーを一律に治療する必要はありません。

Q. おりものが白ければカンジダですか?

白いおりものは正常なこともあり、腟錠の残りや別の腟炎でもみられます。かゆみなどの症状と診察・分泌物検査を合わせて判断します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年9月5日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。

 

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