HPVワクチンについてよくある質問
患者様や保護者の方からよく頂くご質問についてまとめました
Q:本当に副作用は大丈夫だと言えるのですか?
A:ワクチンも「薬剤」なので副反応が全くないとは言い切れません。ごくまれに副反応が発生する場合があり、それが例え1万分の1の確率であっても、あなたが1万人に1人に該当することもあり得ます。ただ、統計学的には、ワクチン未接種の方と接種後の方の健康状態には大きな差がないという結果が出ています(名古屋スタディ参照)。風邪薬やサプリメントでも、健康被害が出ることはあります。そのリスクは気にせず、ワクチンだけを「特別に」恐れてしまうのはなぜなのかを考えてみるとよいかもしれません。
Q:これまでに重篤な副作用が出た人はいますか?
A:当院で2025年にHPVワクチンを接種した方は、延べ369名でした。このうち、重篤な副作用が出た方はいらっしゃいません。接種後に、迷走神経反射で気分不良や一時的な意識消失がみられた方が、2名いらっしゃいましたが、いずれも数分で回復なさり、その後の体調に問題はありませんでした。当院では、ワクチン接種前に血圧を測定させていただき、血圧が低めの方には「ベッドに横になった状態での接種」「接種後の安静時間を延長」「いきなり立ち上がらず段階的に安静解除」という対策をとらせていただいております。
Q:ワクチンを接種しなくても子宮頚がんになる人はそれほど多くないのではないですか?
A:日本では年間約1万人(人口10万人対16.4人)が子宮頚がんに罹患し、約2,700人(人口10万人対4.4人)が亡くなっています。特に20〜30歳代の若年層で罹患率・死亡率ともに増加傾向にあり、20代女性のがんの過半数を占めています。「年間1万人」が多いと感じるのか、「それほどでもない」と感じるのかは個人の判断となります。しかし、オーストラリアでは「ほぼ撲滅される可能性が高い」と言われている子宮頚がんが、日本ではまだ年間1万人「も」発生していることは、患者様の健康を守る立場としては憂慮すべき事態と考えています。
Q:検診を毎年受けていれば大丈夫なのではないですか?
A:検診は、がんになる前に「早期発見」することで、「進行した癌によって命を落とす」ことを予防するためのものです。がんになる前又は早期のがんの段階で治療を行うことにも大変意味があります。しかし、「子宮の手術が必要になる」ことを防ぐことができるわけではありません。高度異形成や上皮内癌に対して行う「円錐切除」という手術は、子宮頚部の長さが短くなるため、不妊や早産のリスクを作ることになります。また、子宮全摘を行えば、将来の妊孕性(妊娠できる可能性)がなくなります。たとえ手術が必要な段階まで進行しなくても、「異形成」というグレーゾーンの段階と診断されると、定期的な組織診が必要になったり、「いつか癌になるかもしれない」という不安を抱えたまま過ごさなければならなくなります。異形成を予防するためには、ワクチンが必要です。
Q:性行為の経験があるとワクチンを接種する意味がなくなりますか?
A:ワクチンはHPVへの感染前に接種することが重要です。そのため、感染リスクが発生する前、つまり、性行為の経験がないうちに接種することが推奨されています。ただ、たとえ性行為の経験があっても、短期間で数種類のHPVに同時に感染してしまうリスクは低いため、ワクチンの効果が「ゼロ」になるわけではありません。海外のデータでは、26歳までの接種であれば一定の効果はあるという結果も出ています。公費で接種できる年齢には上限がありますので(高校1年生まで)、できるだけ早く接種することをお勧めします。










