災害時の心のケア~子ども編~

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PTSD (保護者用)2011
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被災した子どもさんの保護者の方へ
災害後、お子さんに次のような症状はありませんか?
・表情が少なく、ぼーっとしていることが多い。
・話をしなくなったり、必要以上におびえている。
・突然興奮したり、パニック状態になる。
・突然人が変わったようになり、現実にないことを言い出す。
・そわそわして落ち着きがなくなり、少しの刺激でも過敏に強く反応する。
・いらいらいしていて暴れたりする。
・吐き気や腹痛、めまい、息苦しさ、頭痛、頻尿、おねしょ、眠れない、
 からだの一部が動かないなどの症状を強く訴える。
・今まで、言うことを聞いていたのに反抗をする。
 または、逆に、急に素直になってしまった。
 これらの症状がある場合は、非常に強い恐怖の体験をしたときにおこる、心が混乱した状態です。これを「急性ストレス障害」長期化すれば、「心的外傷後ストレス障害」といいます。
 
 こういう場合には、子どもたちに次のように接してください。
◎ 恐かったことや、悲しかったことをゆっくり聞いてあげてください。
 「もう、大丈夫」
 「お父さんや、お母さんがしっかり守ってあげるからね」
 「心配なことがあったらなんでも言ってね」
 「あなたはちっとも悪くないんだから」
 「○○ができなくなっても恥ずかしくないんだよ」
 これらのことばは、何度繰り返してもかまいません。
◎痛いところがあったらさすってあげましょう。
◎できるだけお子さんを一人にしないであげてください。
 こういった対応は、少なくとも2・3カ月間から半年間、また必要に応じて、それ以降も絶えず繰り返し続けて下さい。なお、ふつうの時でもこのような大人の態度は子育てに必要な望ましい態度です。
 このリーフレットは、中国四国小児心身症学会(現日本小児心身医学会中国四国地方会)により平成13年3月の芸予地震の際に配布されたものです。 
 今回の災害にともなう心のケアのために学会の許可を得て配布しています。
 このリーフレットについてのお問い合せ先:日本小児心身医学会中国四国地方会副会長
 
 広島県立障害者療育支援センターわかば療育園 河 野 政 樹
  〒739-0113 広島県東広島市八本松町米満198-1
  メールアドレス dr.kono@nlpmedics.com
参考文献 日本小児精神医学研究会 編 「災害時のメンタルヘルス」