不妊症
「妊活」って何をすること?
妊活は特別なこと?(横浜市の婦人科)
時々、患者様からも、「そろそろ妊活を始めようと思うんですけれど何から始めたらいいですか?」と聞かれることがあります。
医学的に「妊活」の定義がないので、あくまで一般用語として使われている「妊活」の定義を見てみると、「妊娠を希望しているカップルが妊娠するために行う活動全般」なのだそうです。
では、「妊娠を希望しているカップルが妊娠するために行う活動」とは何でしょうか?
医学的には、「避妊せずに妊娠しやすい時期に性行為を行う」。
これだけです。
そして、何らかの理由で、ただ性行為を行うだけでは妊娠に至らない方が行うのが「不妊治療」です。
「妊活」を意識したらまずすること(横浜市の婦人科)
医学的にみると、これ以上の「妊活」はないのですが、一般の方が「妊活」として意識されていることはおそらく次のようなことかなと思われます。
*妊娠前に健診や検診を受けておく
*食生活に気を付ける
*運動習慣をつける
*サプリメントを飲む
*体を温める(温活?)
*腸の環境を整える(腸活?)
少しナチュラル思考の方だと
*コーヒーをやめてハーブティーを飲む
*使い捨てナプキンをやめて布ナプキンにする
*あらゆる薬をやめる
なども「妊活」に入ってくるのかもしれませんね。
もちろん、これらは、妊娠を意識した時点で「それをやっていなければ」やっておいた方がいいことに入るでしょう。
でも、健診を受けたり食事や運動の習慣を整えたりすることは「妊活のため」に「特別に」必要なことでしょうか?
日ごろから意識する必要はないけれど、妊娠を前提にした時点で意識した方がいいのは「葉酸をサプリメントで摂取する」ことくらいです。
他は、妊娠を希望しているかどうかは関係なく「健康を維持するうえで」大事なことなのです。
これらの「日頃からやっておいた方がよいこと」を、わざわざ「妊活」として意識しすぎると、実は妊娠が遠ざかってしまうのです。
なぜ「妊活」を意識しすぎると逆効果なのか?(横浜市の婦人科)
例えば、日頃からコツコツと勉強している人は、試験前に慌てて「勉強しなきゃ!」とは思わないわけですよね。
試験で必要な得点をとることを「余裕でしょ」と認識している人は、「勉強頑張らないと!」とは思わないわけですよね。
慌てて、「何からしたらいいんだ~」と徹夜で勉強するのはどういう時でしょうか?
もう、「妊活」を意識しすぎると、逆に妊娠しにくくなる理由がお分かりですよね。
妊娠するために「特別なこと」をしようとすると、脳は「あなたは妊娠が日常の流れの中で自然に起きるものだとは考えていないのですね」と認識します。
妊娠が、「非日常」で「特別なもの」だと認識されたり、「日頃から妊娠しやすい体作りをしていない」と認識されると、妊娠は「難しいもの」になってしまうのです。
あなたにとって「妊活」で行うことが、日常的に当たり前にするには、日墓どのように過ごしたらいいのかを考えてみましょう。
葉酸サプリは飲まない方がいい?なぜ妊活に葉酸が重要なのか?【横浜ベイクウォーター近くの婦人科】
★★★妊活中に葉酸のサプリメントが必須な理由★★★(横浜市の婦人科)
妊娠を希望している場合、食事の内容や生活習慣に意識を向けることはとても重要
です。
特に、「お母さん」は自分の体が赤ちゃんが育つための「土壌」になるわけですから、お母さん自身の栄養状態が良い方が、赤ちゃんにとってもよい環境を作ることができます。
逆に、たばこやお酒など、害になるものは、「お母さん」が摂取してしまうとダイレクトに赤ちゃんに影響してしまいます。
少なくとも、妊娠を考えている人は、たばこは直ちにやめることをお勧めします。「妊娠がわかってからやめよう」では遅すぎるのです。
★妊娠3か月前から葉酸サプリメント摂取★
妊娠前から、「サプリメントで」しっかり補っておいた方がよい栄養素が「葉酸」です。厚生省が、「食事に加えて」サプリメントで1日400μgの葉酸を摂取するように提唱しています。
通常は、バランスの良い食事をとれば、十分な栄養を摂取できます。
ただ、妊娠前から妊娠初期に必要な葉酸の量は、通常の食事ではカバーしきれない可能性が高いため、「食事をとっていてもサプリメントでプラスしましょう」と言われているのです。
栄養素によっては「過剰摂取」といって、取りすぎることによって逆に害が出るものもあります。
特に、脂溶性のビタミンなどは摂取量に注意が必要です。
葉酸は、水溶性ビタミンの1種なので、取りすぎても害になることはほとんどありません。
もちろん、サプリメントも規定量を大幅に超えて摂取すると、弊害がある場合もありますので、葉酸の場合は1日1000μgは超えないようにしましょう。
そもそも、なぜ妊娠前や妊娠初期に葉酸を摂取した方がいいのかというと、葉酸の摂取量と赤ちゃんの先天的な異常のひとつである「神経管閉鎖障害」の発生が関係しているからです。
妊娠初期の、赤ちゃんの細胞がどんどん作られている時期に葉酸が不足すると、神経管の癒合不全が起きて、脊椎(背中にある神経の束)が二つに分かれてしまう「二分脊椎」などの障害が発生しやすくなります。
妊娠する3か月前から、葉酸を十分量摂取することで、この先天的な異常のリスクを下げることが可能です。
ただ、「妊娠する3か月前」がいつなのかは予測できませんよね?
なので、「妊活を開始したら直ちに」サプリメントで葉酸の摂取を開始した方がよいと言えます。
クリニックでも、妊活中の方も妊娠中の方も安心して摂取していただける葉酸サプリメントをご案内しています。
購入をご希望の方は、「ヘルシーパス 患者様用オンラインショップ」からご購入いただくか、クリニックにお問い合わせください。
注:オンラインショップをご利用の際に「紹介クリニックのID」が必要になります。IDをご存じない方は当院までお問い合わせください。
日付:2025年4月26日 カテゴリー:不妊症
妊活中にとった方がいいサプリメント(栄養素) 葉酸サプリは飲まない方がいいの?
★★妊活中はどのような栄養を意識すべき?★★(横浜市の婦人科で相談)
妊活を開始すると、栄養のバランスや生活習慣など、いろいろ気にするようになった、という方もいらっしゃるかもしれませんね。
妊活中の人が意識した方がいい栄養素は、「鉄分」「亜鉛」「葉酸」です。
<鉄分>
「鉄分」は、不足すると鉄欠乏性貧血になります。また、鉄分不足だと妊娠率が低下するため、妊活中には要チェックな栄養素です。
月経がある女性は、毎月血液を失うため、鉄分が不足しがちです。
普通の健康診断で、貧血かどうかを見るときは「血色素(ヘモグロビン)」の値を見ますが、体内の「蓄え」としての鉄分が足りているかを見たい場合は「フェリチン」という項目をチェックします。
実は、血色素が正常でもフェリチン値が低い「隠れ貧血」の人がとても多いのです。
妊娠を望む人の、血中のフェリチンの数値は、どのくらいが適切なのでしょうか?
報告により多少バラツキがありますが、最低でも30ng/mLから50ng/mLは必要という報告や、常時50ng/mL程度以上に維持した方がよいという報告があります。
そのため、妊活中の方は、フェリチンを40ng/mL以上を目安に、鉄分を摂取していただくことが多いです。
食物に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があります。日本人の食べる食材には非ヘム鉄が多く含まれますが、吸収率が高いのは肉や魚に含まれるヘム鉄です。
非へム鉄:
野菜や海藻などの植物性食品に含まれ、吸収率は5%以下と低い。食物繊維や、コーヒー・お茶に含まれるタンニンが吸収を阻害する。
非ヘム鉄が多い食材はほうれん草、きくらげ、プルーン、海草類など。
ヘム鉄:
肉や魚などの動物性食品に含まれ、吸収率は10~30%と、非ヘム鉄の5~10倍も吸収される。
ヘム鉄が豊富な食材はレバー、赤身肉、牛肉、鶏肉、鰹、マグロ、イワシ、煮干し、せんまい、あさりなど。
吸収率の高いヘム鉄を含む食材を、意識して摂取していただくのですが、食事だけでは十分量摂取するのが難しかったりします。
なので、足りない分はサプリメントで補う必要があります。
当院で扱っているサプリメントでも、一番ニーズがあるのが「ヘム鉄」です。
<亜鉛>
亜鉛も、妊娠には重要な役割を持っています。
亜鉛と聞くと、男性の妊活にとって重要な栄養素として思い浮かべる方も多いと思いますが、実は、女性の妊活にとっても大事な栄養素と言えます。
亜鉛は成人の体内に約2g含まれます。成人ではそのほとんどは筋肉と骨中に含まれますが、皮膚、肝臓、膵臓、前立腺などの多くの臓器に存在し、さまざまな酵素のサポートをしています。
亜鉛は、卵胞刺激ホルモンや黄体化ホルモンの働きを高めてくれます。亜鉛が不足すると、性腺機能障害を引き起こし、妊娠しにくくなります。排卵や着床に関係する多くのホルモンに亜鉛が必要不可欠と言えます。
亜鉛は細胞分裂にも関係するので、不足する事で、精子・卵子の細胞分裂にも影響があります。
亜鉛が不足すると、疲れやすい、やる気が出ないなどの「うつっぽい」症状が出ることがあります。
通常の健康診断では、亜鉛の値は見ませんので、病院で採血する際に亜鉛も採血項目に入れてもらうと確認できます。
亜鉛は、カキやカタクチイワシなどの魚介類に多く含まれます。また、牛肉も亜鉛を多く含む食品です。
なので、動物性たんぱく質が不足しがちな食事をとっていると、亜鉛不足になりやすいのです。
亜鉛も、薬やサプリメントで補うことが可能ですが、過剰摂取は弊害が出ることがあります。
補充する場合は、定期的に採血をして、摂取量の調整をしましょう。
<葉酸>
葉酸は、妊活中の方にはお馴染みの栄養素ですね。
妊娠を希望する女性は、胎児の神経管閉鎖障害発症リスク低減のために十分な葉酸摂取(400μg/日)が必要となります。
神経管閉鎖障害は、お母さんのお腹の中で赤ちゃんの脳や背中の神経が作られる途中で発生する、先天的な異常です。発生すると、運動機能や排泄機能に不具合が出たり、命に関わることもあります。
神経管閉鎖障害を予防するには、少なくとも妊娠1ヵ月以上前から妊娠3ヵ月まで、1日400μg以上の葉酸摂取が有効です。
しかし、非妊娠時の 30 歳未満の女性の葉酸摂取量は 300μg/日にも達しておらず、葉酸の摂取源の一つである緑黄色野菜の摂取量も十分ではありません。
葉酸は、水溶性のビタミンなので、蓄積率が低く、とり過ぎる心配はほとんどありませんが、毎日摂取する必要があります。
そのため、厚生省は、妊娠を希望している女性は「普通の食事に加えて」、葉酸を1日400μg摂取することを推奨しています。
つまり、妊娠を希望したら、葉酸のサプリメント摂取は必須であるということです。
もちろん、バランスのよい食事を心がけることは不可欠です。食事に加えて、1日400μgの葉酸をサプリメントで摂取しましょう。
葉酸サプリメントを飲み始める時期ですが、「妊娠1ヵ月前から」摂取するというのは、理論上無理なので、妊活を開始したらすぐに飲み始めるのがよいでしょう。
妊娠3ヵ月までは、摂取し続けるものですから、妊娠中でも飲める成分のものを選ぶと安心です。
日付:2025年4月22日 カテゴリー:不妊症
働く女性のためのプレコンセプションケアと妊娠への準備
プレコンセプションケアとは(横浜市の婦人科)
プレコンセプションケアとは、文字通り訳すと「妊娠前のケア」です。具体的には、女性が妊娠する前から、今後の妊娠や出産に備えて行う健康管理のことを指します。
それには、生活習慣の見直しや必要なワクチンの接種、適切な栄養補給などが含まれます。また、既に何らかの疾病を抱えている女性の場合、その管理や治療を適切に行うことも大切なプレコンセプションケアの一環となります。
例え、現在妊活中であったり、近いうちに妊娠を考えている状況ではなくても、プレコンセプションケアを行うことが、妊娠前の年齢の女性にとっては、大きなメリットになると言えます。
プレコンセプションケアの目的(横浜駅近くの婦人科)
プレコンセプションケアの目的は、母体となる女性の健康状態を最適化し、胎児の健康を保つことです。
特に、肥満や喫煙、過度のアルコール摂取などは、女性自身の健康はもちろん、胎児の発育にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、そういったリスクを低減するために、妊娠する前からの健康管理が重要となります。
また、妊娠に関する知識を深め、自身の体や妊娠に対する理解を深めることも大切な目的の一つです。それは、女性が自己の体と健康を守ることができるだけでなく、その結果として安全で健康的な妊娠、出産を迎えることができるからです。
プレコンセプションケアの重要性(女医のみの婦人科)
プレコンセプションケアの重要性は言うまでもありません。
まず一つに、妊娠と出産は女性の体に大きな負担をかけるものです。そのため、それらを無事に乗り越えるためには、妊娠前から体調を整えておく必要があります。そのための手段としてプレコンセプションケアは非常に重要となります。
また、出生前の初期段階で健康状態を管理することで、妊娠初期の流産や先天性異常のリスクを減らすことができます。例えば、妊娠1カ月前から葉酸を1日400㎍ずつサプリメントで摂取することで、胎児の神経管異常(先天的な異常の一つ)のリスクを減らすことができます。
さらに、母親の健康状態が子どもの将来の健康にも影響を及ぼすという研究結果もあるため、母親の健康管理は子どもの健康管理にも直結しているのです。
母体の妊娠前の体重が少なすぎたり、妊娠中の体重増加が不十分だと、胎児の体重が十分に伸びなかったり、その胎児が成人してから生活習慣病になるリスクが高まります。
このように、妊娠のかなり前から、「将来の妊娠を意識した健康プラン」を考えることが、母親本人だけではなく、世代間にわたる健康増進につながるのです。
プレコンセプションケアの対象者(横浜の婦人科)
プレコンセプションケアの対象者は、妊娠を希望しているすべての女性です。
年齢や既婚未婚の有無、既往症の有無を問わず、これから妊娠を予定している女性はすぐにでもプレコンセプションケアを始めることが推奨されます。
また、特に重要とされるのは、遺伝的な疾患の家族歴がある女性や、既に何らかの疾患を持っている女性です。プレコンセプションケアを行うことで、妊娠や出産に関連するリスクを把握し、それらに対する対策を講じることが可能となります。
そのため、これから母となるすべての女性にとって、プレコンセプションケアは必要不可欠なものと言えるでしょう。
日付:2025年4月20日 カテゴリー:不妊症
妊活に基礎体温は必須?
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妊娠を希望している場合「まず基礎体温をつけましょう」と言われることも多いかもしれませんね。
基礎体温をつけると分かることは
*月経周期が正常範囲かどうか
*高温期と低温期があるか=排卵しているかどうか
*排卵の時期が月経周期の何日目くらいなのか
*高温期の体温が充分高いか
*高温期の継続日数が足りているか
などです。
なので、妊娠を考え始めたら、基礎体温はつけた方がよいと言えます。
ただ、生理周期が2~3日の誤差程度で安定しており、3周期くらい付けた基礎体温がきれいに2相性で高温期もしっかりある場合、「ずっと付け続けないと妊活できない」わけではありません。
周期が安定していて排卵していることが確実な場合は、生理の周期から逆算して妊娠しやすい時期が予測できるため、基礎体温をつけなくてもタイミングを合わせることが可能です。
「生理の周期ー14」が排卵の時期です。
排卵日の2~3日前からタイミングを持つと妊娠率が上がります。
例えば、生理周期が30日の人の場合、生理が来た日を「1日目」とカウントして「16日目」くらいが排卵日になるということです。
なので、「13日目~16日目」にタイミングを合わせるとよいと言えます。
逆に、生理の周期が5日以上のばらつきがある(例:35日の時もあれば42日の時もある)場合は、基礎体温を付けた方がタイミングは合わせやすくはなります。
ただ、基礎体温で『未来の排卵日の予測』は難しいので、周期の一番短い日に合わせてタイミングをとり始め、基礎体温が上がるまで1~2日おきにタイミングをとる必要があります。
基礎体温だけではタイミングを予測しにくいという場合は、婦人科で相談してみるとよいでしょう。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
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日付:2023年6月20日 カテゴリー:不妊症
AMH検査の保険適応について
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4月から不妊治療が保険適応になり、患者様の負担がかなり軽減されます。
ただし、保険が使える条件がかなり限定されていますので、どこまで保険でできるのかは、事前にしっかり確認が必要です。
これまで自費でしか検査ができなかった、AMH(抗ミュラー管ホルモン)の検査も、保険が使えるようになりました。
ただし、体外受精や顕微授精を行う場合に、卵巣を刺激する薬をどのくらいの強さで使うのが適切なのかを見極めるためのに行うときだけ、という限定的な適応です。
「現在の卵子のストックがどのくらいあるか調べたい」という「卵巣予備能の確認」目的で検査を行う場合は、引き続き自費になります。
コロナが落ち着くまで妊活は控えるべき?
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ご妊娠を希望している方から、「コロナが不安なのでちょっと妊活を控えておこうかと思うんですが・・・」というご相談を受けることがあります。感染リスクや、今後の情勢がどうなるのかわからないといった点での不安、そして経済的な不安などによって、「今は妊活しにくいな」と感じていらっしゃる方も多いようです。
医学的に、コロナを理由に妊活を控えるべきというエビデンスは出ていません。緊急事態宣言が発令された時期は、一時的に、不妊専門の医療機関が治療をお休みしたりしていた時期もありましたが、現時点では「コロナは関係ない」という考え方が主流になっています。
まだ、妊娠中にコロナに感染したという事例や、コロナに感染した状態で出産したという事例が非常に少ないため、「こうですよ」と確実に言及できるまでの医学的根拠は集まっていませんが、数少ない症例から推察すると、妊娠はコロナの重症化のリスクにはならないとのことです。
もちろん、妊娠中は肺が圧迫されたり、血液の循環具合も非妊娠時とは異なってきますので、人によっては妊娠によって重症化する可能性もあり得ます。各省の得られない「あるかもしれないリスク」を理由に、妊娠を控える必要性はないですよ、という意味です。
医学的には、妊娠を控える必要性はありませんが、例えば里帰り分娩の場合は移動後2~3週間は受診を控えなければならなかったり、立ち合い分娩や面会に制限があたりといった、「コロナ前にはなかった制限」が発生する可能性は十分にあります。
2人目や3人目のお産の場合、上のお子さんを病院に同伴できない場合はどうするのか、実家からのヘルプを当てにしていたけれど移動が制限されたらどうするのか、などをあらかじめシミュレーションしておいた方が安心です。
医学的にリスクはなくても、色々不安を抱えながらの妊娠は、妊婦さんご本人の心身の負担になる可能性もあります。かといって、妊娠を先延ばしにしていると、年齢的リスクが上がってしまうという方もいらっしゃいます。
最終的には、「今このタイミングで妊娠したいか」をご家族でよく話し合って決めるとよいでしょう。
日付:2020年11月7日 カテゴリー:不妊症
デヴィ夫人の「不妊の原因は9割9分堕胎手術」は全く根拠がありません
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デヴィ夫人が番組内で「不妊の原因は9割9分堕胎手術」と発言したことが話題になっているようですが、この発言には全く根拠がありません。
人工妊娠中絶手術も、稽留流産に対する手術も、子宮内を「ソウハ」する方法で行われるケースがほとんどです。この「ソウハ」術によって子宮内が傷ついてしまったり、術後に感染が起きたりすると、子宮内が着床に適さない状態になることがあります。
なので、手術によって妊娠しにくくなる可能性は「ゼロではない」のですが、実際に手術が原因で不妊になっているケースはごくごく稀です。
妊娠したことが1度もない人が多数不妊症になっていることからも、手術歴の有無と不妊はほぼ関係ないと言えるでしょう。
この「ソウハ」という方法が子宮に負担になる手術であることは指摘されており、最近では、より安全な「吸引法」や、薬剤による中絶手術ができるようにすべきであるという意見もあります。中絶手術は、女性が最終的に妊娠を継続するかどうかを「自分で決める」ために必要な権利であり、女性の健康を守るためには必要な場合もあります。なので、中絶を「禁止」するのではなく、「より安全に」行えるようにするという視点が必要なのです。
もちろん、予定外に妊娠することがないように、より確実な避妊方法を選択することは重要です。でも、どの避妊方法も避妊効果が100%ではない以上は、「中絶」という選択肢は必要なのです。
不妊症の原因は多岐にわたり、原因が一つだけではなかったり、女性側の要因ではない場合もあります。
心理学的に読み解くと、過去の中絶手術の経験が「心理的ストッパー」になって妊娠しにくくしているケースもありますから、中絶手術や流産の経験が「絶対に不妊症の原因になっていない」とも言い切れないかもしれません。
大事なことは、たとえ過去に手術の経験があっても、その経験が自分の人生の中で「何のために必要だったのか」を紐解いて、未来につなげるということです。デヴィ夫人の発言にいちいち反応するまでもなく、自分にとっての「妊娠・出産」がどのような位置づけなのかしっかりと考えてみることをお勧めします。
日付:2020年10月30日 カテゴリー:不妊症
前回のパートナーで妊娠しなかった理由は?
妊娠を希望しているという主訴で受診なさる方の中には、「前回の結婚の時に結局妊娠しなかったから」「結婚前に他の人と同棲期間があったけれどその時も妊娠しなかったから」という理由で、「この先も妊娠しにくいかもしれない」と心配されている方がいらっしゃいます。
前のパートナーと妊娠を目指していた時よりも自分の年齢も上がっているし、「また妊娠しないかも」と不安になるのはある意味自然な反応かもしれません。
でも、ちょっと待ってください。
「前のパートナー」や「前回の結婚相手」とは、結局別れたわけですよね?
もしその時に妊娠が成立していたら、どうなっていたと思いますか?
子どもがいる状態で別れるのと、子どもがいない状態で別れるのと、様々なハードルが大きく異なります。もし、これから来てくれる赤ちゃんが、今の「未来」を予測して「そのタイミングで来るのを遠慮してくれた」としたらどうでしょう?
あるいは、赤ちゃんから見てどう考えてもその時のパートナーが「お父さんにふさわしくない」と判断されたために、「今はまだ行ってはダメだ」と思ったのだとしたらどうでしょう?
その時「妊娠しなかった」ことは、不安材料になりますか?
単純に、前回のパートナーが男性不妊だったという可能性もありますし、その時ご自身が「妊娠したい」と思った理由がずれていたという可能性もあります。
大事なことは、その時に「妊娠しないという選択をした」意味を考えてみるということです。そして、「今回のパートナーだと妊娠してよい理由」を考えてみましょう。
日付:2018年7月30日 カテゴリー:不妊症
【医師が解説】妊娠超初期って?
ネット上には様々な情報が交錯していますが、医師の目から見ると「なんだこれは?」という不思議な用語が使われていたり、明らかに間違った情報が出ていることもあります。以前から、医学的監修を依頼される案件の中で「妊娠超初期について」というテーマのものを何度か見かけていたため「妊娠超初期」で検索したら、わんさか同じような間違った情報がヒットしました。
まず、大前提として「妊娠超初期」という用語は医学的には間違っています。妊娠0週0日~4週0日までを「超」初期と定義しているようですが、そもそも0週0日って月経初日のことですよ?月経中や排卵期に「妊娠」という呼び方をすること自体がおかしいのは分かりますよね?
わかりやすくするために、生理の周期が28日の場合に限定して説明しますと、月経初日を0週0日と数えて、「妊娠が成立していることが分かってから」今日が何週何日ですとカウントします。通常の妊娠検査薬は、3週5日くらいでうっすら陽性が出ます。月経予定日が4週0日ですから「そろそろ生理が来るはずなんだけど来ないな~」というタイミングで調べれば、排卵日がずれていなければ陽性が出ます。なので、妊娠週数のカウントは、どんなに早くても4週0日から、多少フライングで妊娠反応が確認できたとしても3週5日くらいからになるのです。
それを、さかのぼって「妊娠2週0日」というようにカウントすることは間違っています。2週0日は排卵日です。たとえその排卵で受精が成立してもまだ「妊娠」はしていません。受精卵が着床して、それが妊娠組織として無事に育って初めて「妊娠が成立した」と言えるのです。受精してから約1週間後が着床なので3週0日という時期はやっと着床したかどうかというタイミングです。この時期でも、まだ「妊娠」という用語を使うにはふさわしくありません。
あえて、妊娠「超」初期と呼ぶなら、妊娠反応が陽性で出てから超音波検査で子宮内に胎嚢が確認できるまでの、3週5日くらいから4週5日くらいの約1週間の時期になるでしょう。妊娠反応が陽性で出た時点で、体のどこかに妊娠組織があるということは確実です。ですから、「妊娠」の状態ではあるのです。
ただ、まだ超音波検査という「画像」での診断ができないため、妊娠しているけれどはっきり確認できていないごく初期、と言えます。
妊娠を希望している方にとっては、排卵後から次の月経まで、つまり妊娠反応が確認できるまでの時期は、とてもドキドキする時期だと思います。だから、「妊娠しているかもしれない徴候」をネットで集めてしまう気持ちはよくわかります。
基礎体温をつけていれば、高温期が2週間続いていれば妊娠の可能性が高くなりますので、その時点で妊娠反応を確認するといいでしょう。でも、例えば胸がいつも以上に張るとか、においに敏感になるとか、吐き気やめまいがするといった症状は、妊娠の兆候なのか月経前症候群の症状なのかは厳密な意味で判別は不可能です。私も、1人目を妊娠した時は、妊娠反応が出る1週間くらい前から異常な胸の張りがありましたが、2人目の時は全くそのような症状もなく、「今日が生理予定日なんだけどな~」と思って検査をしたら陽性でした。なので、身体症状をあてにするのはあまりお勧めできません。
排卵後は、赤ちゃんが産まれたらどんなことをしてあげたいか、どんな風に自分の愛情を表現してあげたいかをゆったりイメージしながら2週間過ごす方が、ネット情報や基礎体温とにらめっこしているよりも、未来の赤ちゃんはやってきやすいと思いますよ。あまり不確実なネット情報に振り回されず、赤ちゃんの立場に立って妊活をしてみてくださいね。
日付:2018年1月12日 カテゴリー:不妊症