生理痛がひどい時は?受診の目安と考えられる病気
生理痛で動けない、学校や仕事を休む、鎮痛薬が効かない、以前より悪化している場合は、婦人科を受診する目安です。突然の激痛、失神、強い出血、発熱、妊娠の可能性を伴う痛みは、通常の生理痛以外の緊急疾患も考え、救急医療機関へご相談ください。
ひどい生理痛は、子宮や卵巣に明らかな病変がない機能性月経困難症のこともあれば、子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、卵巣の病変などが原因のこともあります。痛みの強さだけで原因を判断せず、症状の経過と必要な検査を組み合わせます。[1][2]
すぐに医療機関へ相談した方がよい痛み
- 突然始まった、これまでにない激しい下腹部痛
- 意識が遠のく、失神、冷汗、顔面蒼白、強いめまい
- 妊娠検査が陽性、または妊娠の可能性があり、腹痛や出血がある
- 38度前後の発熱、悪臭のあるおりもの、強い吐き気を伴う
- 1〜2時間でナプキンがいっぱいになる出血が続き、ふらつく
異所性妊娠、卵巣茎捻転、卵巣出血、骨盤内感染症などは「生理が来たから月経痛」とは限りません。夜間・休日に上記症状がある場合は、診療時間を待たず救急相談・救急医療機関を利用してください。
早めに婦人科を予約した方がよい生理痛
- 生理のたびに学校・仕事・家事・部活動を休む
- 市販の鎮痛薬を正しく飲んでも効きにくい
- 鎮痛薬の量や回数が増えている
- 初経の頃より痛みが強くなっている、年々悪化する
- 月経前から痛み、月経後も痛みが残る
- 性交痛、排便痛、排尿時痛、月経以外の骨盤痛がある
- 出血量が多い、血の塊が多い、貧血症状がある
- 妊娠を希望しており、強い生理痛がある
痛みの点数が同じでも、日常生活への影響は人によって異なります。「救急車を呼ぶほどではないから」と受診を先延ばしにする必要はありません。
ひどい生理痛で考えられる主な原因
| 主な原因 | みられやすい特徴 |
|---|---|
| 機能性月経困難症 | 初経後数年から。月経開始前後に強く、1〜3日程度で軽くなることが多い |
| 子宮内膜症 | 年々悪化する月経痛、性交痛、排便痛、月経以外の骨盤痛。不妊を伴うこともある |
| 子宮腺筋症 | 強い月経痛と過多月経。子宮が大きくなることがある |
| 子宮筋腫 | 過多月経、貧血、圧迫感。場所や大きさにより痛みを伴う |
| 卵巣嚢胞・卵巣腫瘍 | 片側の痛み、急な激痛。捻転や破裂では緊急受診が必要 |
| 骨盤内感染症 | 発熱、おりものの変化、性交痛、月経に限らない下腹部痛 |
| 子宮・腟の形態異常 | 初経後早期から極めて強い痛み、月経血の流出障害など |
10代では多くが機能性月経困難症ですが、治療しても改善しない場合は子宮内膜症を含む二次性の原因を再評価します。子宮内膜症は、超音波で異常がなくても完全には否定できません。[2][3]
生理痛がひどい時に自分でできる対処
- 処方薬・市販薬は説明書どおりに使用し、同じ成分の重複を避ける
- 痛みが強くなり切る前、月経開始または痛みの始まりに合わせて鎮痛薬を使う
- 腹部を温め、無理のない姿勢で休む
- 月経日、痛みの点数、出血量、飲んだ薬と時刻、効果を記録する
NSAIDsは月経困難症に有効ですが、胃潰瘍、腎疾患、NSAIDsで悪化する喘息、アレルギー、妊娠の可能性、他の薬との併用などに注意が必要です。[4]自己判断で規定量を超えたり、複数の鎮痛薬を重ねたりしないでください。
婦人科では何を調べますか?
問診では、いつから痛いか、月経の何日前から何日目まで痛いか、日常生活への影響、出血量、鎮痛薬の使い方、月経以外の痛み、妊娠の可能性を確認します。
必要に応じて妊娠検査、血液検査、超音波検査を行います。内診や経腟超音波が難しい方は、年齢・性交経験・症状・ご希望に応じ、経腹超音波などの方法を相談します。すべての方に同じ検査を行うわけではありません。
ひどい生理痛の治療
治療は鎮痛薬だけではありません。痛みの程度、月経量、背景疾患、年齢、妊娠希望に応じて次の選択肢を組み合わせます。
- NSAIDsなどの鎮痛薬
- 低用量・超低用量ピル(LEP)
- 黄体ホルモン製剤
- ミレーナ(LNG-IUS)
- 貧血があれば鉄剤
- 子宮内膜症、腺筋症、筋腫などに対する専門治療・手術
低用量ピルは機能性月経困難症の痛みを軽減し、連続・延長投与では出血と痛みが起きる回数を減らせることがあります。[5]ただし、治療法は安全性と希望を確認して選びます。
ひどい生理痛についてよくある質問
Q. 生理痛がひどいのに超音波で異常なしと言われました
機能性月経困難症は画像に明らかな異常がなくても強い痛みが起こります。また、子宮内膜症には超音波で見えない病変もあります。痛みの経過と治療への反応をみながら再評価します。
Q. 毎月鎮痛薬を飲んでもよいですか?
適した薬を用法どおり数日使用することは一般的な治療です。ただし、毎回効かない、必要量が増える、副作用がある場合は、薬の選び方や背景疾患を見直します。
Q. 生理痛が強いと将来、子宮内膜症になりますか?
強い・持続する生理痛は子宮内膜症を疑う手掛かりですが、必ず子宮内膜症になるという意味ではありません。症状が続く場合は、適切な評価と治療を受けることが重要です。
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ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、痛みを我慢できるかではなく、日常生活への影響と症状の経過を重視します。横浜駅から徒歩6分、女性医師が診察します。
この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断に代わるものではありません。
公開日:2026年8月26日
最終医学確認:2026年8月19日
参考文献
- 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026.CQ305.刊行物案内.
- Becker CM, et al. ESHRE guideline: endometriosis. Hum Reprod Open. 2022;2022(2):hoac009. ESHRE.
- National Institute for Health and Care Excellence. Endometriosis: diagnosis and management (NG73). Updated 2024.
- Marjoribanks J, et al. Nonsteroidal anti-inflammatory drugs for dysmenorrhoea. Cochrane Database Syst Rev. 2015;(7):CD001751. Cochrane.
- Schroll JB, et al. Combined oral contraceptive pill for primary dysmenorrhoea. Cochrane Database Syst Rev. 2023;7:CD002120. PubMed.










