生理不順・無月経の検査|ホルモン検査・超音波・内診の流れ

結論:生理不順・無月経の検査では、最初に妊娠の可能性を確認し、月経歴、体重変化、食事・運動、薬、妊娠希望などを詳しく伺います。必要に応じてホルモンの血液検査と子宮・卵巣の超音波検査を組み合わせます。すべての方に同じ検査や内診を行うわけではありません。[1]

 

受診前に分かる範囲で準備すること

  • 最後に月経が始まった日
  • 直近6回ほどの月経開始日、周期、出血日数
  • 性交の時期、避妊法、妊娠検査の結果
  • 最近の体重変化、食事制限、運動量
  • ニキビ、多毛、乳汁分泌、頭痛、ほてりなどの症状
  • 服用している薬・サプリメント・ホルモン剤
  • 妊娠希望の有無と希望時期

月経管理アプリの画面やお薬手帳をお持ちいただくと確認がスムーズです。分からない項目があっても受診できます。

 

初診で行う問診

いつから周期が乱れたか、初経から不規則だったか、以前は規則的だったかを確認します。急な体重減少があれば機能性視床下部性無月経、初経から続く希発月経とニキビ・多毛があればPCOS、乳汁分泌があれば高プロラクチン血症、ほてりがあれば卵巣機能低下などを考えます。

「ホルモンバランス」という一つの検査があるわけではありません。症状と経過から、どのホルモンを調べるかを選びます。

 

妊娠検査

月経が来ない場合は、年齢や避妊状況にかかわらず、妊娠の可能性を最初に確認することが基本です。尿または血液のhCG検査を行います。妊娠検査が陽性の場合は、週数と症状に応じて超音波検査などで妊娠の場所と経過を確認します。[1]

 

主な血液検査

検査 主に確認すること
FSH・LH・エストラジオール(E2) 視床下部・下垂体・卵巣のどの段階に原因がありそうか
プロラクチン 高プロラクチン血症の有無
TSH・甲状腺ホルモン 甲状腺機能異常の有無
テストステロンなど ニキビ、多毛などがある場合のアンドロゲン過剰
血算・生化学・電解質 貧血、栄養状態、全身状態。強い食事制限がある場合など
血糖・HbA1c・脂質 PCOSや代謝リスクが疑われる場合

検査値は単独で診断するものではなく、月経周期、年齢、体重、超音波所見、服薬状況と合わせて解釈します。ピルなどのホルモン剤を使用中は結果に影響するため、自己判断で中止せず必ずお知らせください。

 

超音波検査

超音波検査では、子宮内膜の厚さ、子宮筋腫などの有無、卵巣の大きさや卵胞の状態を確認します。PCOSを疑う材料にもなりますが、超音波で小さな卵胞が多く見えるだけではPCOSとは診断できません。月経周期異常、アンドロゲン過剰、血液検査などを合わせて判断します。[2]

 

内診は必ず必要ですか?

必ずではありません。年齢、性交経験、症状、検査の目的、ご本人の希望を踏まえて方法を選びます。経腟超音波が適している場合もあれば、経腹超音波などから始める場合もあります。診察や内診に不安がある方は、始める前にお伝えください。説明し、同意を確認しながら進めます。

 

月経の何日目に受診すればよい?

無月経や周期が予測できない場合、受診日を月経に合わせる必要はありません。まず受診し、必要な検査時期を医師と決めてください。検査によっては月経周期の特定の時期に再検することがあります。

 

検査費用はどのくらい?

症状があり、医師が必要と判断した診察・検査は保険診療となることがあります。費用は、妊娠検査、採血項目、超音波検査の有無、自己負担割合などによって異なるため一律ではありません。受診時に必要性を説明し、検査内容をご相談します。

 

検査で原因が分からないこともありますか?

一度の検査で確定できないことはあります。ホルモン値は変動するため、再検査や経過観察が必要な場合があります。また、下垂体疾患などが疑われればMRI、早発卵巣不全が疑われれば追加の原因検索など、専門施設と連携することがあります。

 

よくあるご質問

Q. 基礎体温をつけてから受診した方がよいですか?

記録があれば参考になりますが、基礎体温をつけるまで受診を待つ必要はありません。測定負担が大きい方や睡眠が不規則な方では判定しにくいこともあります。

Q. AMHだけでPCOSや卵巣年齢が分かりますか?

AMHだけでPCOSを診断したり、自然妊娠できる年齢を正確に予測したりすることはできません。PCOSでは2024年の国内基準の一項目として扱われますが、月経異常やアンドロゲン・LH所見と合わせ、ほかの病気を除外して判断します。

Q. 10代でも血液検査や超音波検査を受けられますか?

受けられます。年齢と症状に応じて必要な項目を選び、診察方法にも配慮します。思春期は成人とPCOSの診断方法が異なる点にも注意します。

 

横浜で生理不順・無月経の検査をご希望の方へ

ポートサイド女性総合クリニック ビバリータは横浜駅から徒歩6分です。「内診が心配」「どの検査が必要か分からない」という方も、まずは問診からご相談ください。

生理不順の初診予約はこちら

関連ページ:生理不順・無月経の原因と放置リスク治療方法


執筆・医学監修:清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医/ポートサイド女性総合クリニック院長

<掲載日:2026年8月11日>

<更新日:2026年8月11日>

参考文献

  1. Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine. Current evaluation of amenorrhea: a committee opinion. 2024.
  2. 日本産科婦人科学会 生殖・内分泌委員会.本邦における多嚢胞性卵巣症候群の診断・治療に関する検討.日本産科婦人科学会雑誌.2024.
  3. Teede HJ, et al. Recommendations from the 2023 International Evidence-based Guideline for PCOS. Hum Reprod. 2023;38:1655-1679.
  4. ESHRE/ASRM/CRE-WHiRL/IMS Guideline Group. Evidence-based guideline: Premature Ovarian Insufficiency. 2024.