子宮体がん(子宮内膜がん)とは?症状・検査・治療

 

子宮体がんの最も多い症状は、不正出血です。特に、閉経後に少量でも出血した、血の混じったおりものや褐色のおりものが出た場合は、早めに婦人科を受診してください。

 

子宮体がんの多くは、子宮の内側を覆う子宮内膜から発生する「子宮内膜がん」です。子宮頸がんとは、発生する場所、主な原因、検査方法、予防法が異なります。[1]

 

子宮体がんとは

子宮は、妊娠したときに胎児を育てる子宮体部と、腟につながる子宮頸部に分かれます。子宮体部の内側にある子宮内膜から発生するがんが、子宮体がんの大部分を占めます。

比較項目 子宮体がん 子宮頸がん
発生する場所 主に子宮内膜 子宮の入口にあたる子宮頸部
主な関連因子 エストロゲンの影響、肥満、排卵障害、遺伝的要因など 主にハイリスクHPVの持続感染
代表的な症状 不正出血、閉経後出血 初期は無症状。進行すると不正出血など
主な検査 子宮内膜細胞診・組織診、超音波 子宮頸部細胞診、HPV検査

子宮頸がん検診を受けていても、子宮体がんを調べたことにはなりません。月経以外の出血や閉経後出血がある場合は、「検診」ではなく症状の診察として受診する必要があります。

子宮体がんの原因とリスクが高くなる要因

子宮体がんには、エストロゲンの影響を受けて発生するものと、エストロゲンとの関連が少ないものがあります。エストロゲンの刺激が黄体ホルモンで十分に調整されない状態が長く続くと、子宮内膜が増殖しやすくなります。[2]

  • 肥満
  • 排卵が少ない月経不順、PCOS・PMOS
  • 妊娠・出産歴がない
  • 閉経が遅い
  • 糖尿病などの代謝異常
  • 子宮がある方が、黄体ホルモンを併用せず全身用エストロゲンだけを使用している
  • 乳がん治療薬タモキシフェンの使用
  • リンチ症候群などの遺伝的要因

リスク因子があっても、必ず子宮体がんになるわけではありません。また、タモキシフェンは乳がん治療上の重要な利益がある薬です。不正出血があっても自己判断で中止せず、処方医と婦人科へ相談してください。

子宮体がんの主な症状

  • 閉経後の出血
  • 月経以外の不正出血
  • 月経が長引く、出血量が増える
  • 血の混じったおりもの、褐色のおりもの
  • 進行した場合の下腹部痛、腰痛、性交時痛
  • 下肢のむくみ、排尿・排便の変化

出血量が少なくても、子宮体がんを否定することはできません。特に閉経後は、一度だけの少量出血でも婦人科で確認してください。

子宮体がんの症状と受診目安を詳しく見る

子宮体がんの検査

  1. 問診:出血の時期、閉経年齢、月経、服薬、妊娠歴、家族歴を確認
  2. 内診・経腟超音波:子宮内膜の厚さや子宮・卵巣の状態を確認
  3. 子宮内膜細胞診:子宮内膜の細胞を採取する
  4. 子宮内膜組織診:内膜組織を採取し、確定診断を行う
  5. 子宮鏡・子宮内膜全面掻爬:必要に応じて病変を詳しく確認する
  6. MRI・CT:がんと診断された後に、筋層浸潤や転移を評価する

超音波で内膜が薄い、細胞診が陰性という結果だけで、症状が続く方の子宮体がんを完全に否定できるとは限りません。必要に応じて組織診や子宮鏡検査を検討します。[3]

子宮体がん検診と内膜検査を詳しく見る

子宮内膜異型増殖症とは

子宮内膜異型増殖症は、子宮体がんの前がん病変と考えられる病気です。旧分類の「単純型」「複雑型」という呼び方だけではなく、現在は主に細胞の異型があるかどうかを重視して診断・治療します。

異型のない子宮内膜増殖症では、黄体ホルモン治療と定期的な内膜検査を行うことがあります。異型がある場合は、子宮体がんが同時に存在する可能性も考えて詳しい組織検査を行い、原則として子宮全摘術を検討します。妊娠を強く希望する方では、条件を確認した上で専門施設で妊孕性温存治療を検討する場合があります。[4]

子宮体がんの治療

子宮体がんでは、手術が可能な場合は子宮と両側の卵巣・卵管を摘出する手術が基本です。病気の広がりや再発リスクに応じて、リンパ節の評価、化学療法、放射線治療、免疫療法、分子標的薬、ホルモン療法などを組み合わせます。[5]

ごく早期の類内膜がんで一定の条件を満たし、将来の妊娠を強く希望する場合は、高用量黄体ホルモン療法によって子宮を残す選択肢があります。ただし標準的な子宮摘出術とは異なり、病変が残る・再発する可能性があるため、経験のある専門施設で厳密に管理します。

子宮体がんの治療・妊孕性温存・予防を詳しく見る

子宮体がん検診はありますか?

現在、日本で一般の無症状女性を対象として国の指針に定められた子宮体がん検診はありません。子宮体がんは不正出血をきっかけに発見されることが多いため、症状が出たときに検診を待たず受診することが重要です。[2]

「40歳を過ぎたら全員が毎年内膜細胞診を受ける」というものではありません。閉経後出血や不正出血がある方、月経不順・肥満・タモキシフェン使用などのリスクがある方は、症状と背景に応じて内膜検査を行います。

子宮体がんについてよくある質問

Q. 閉経後に一度だけ少量出血しました。受診が必要ですか?

はい。萎縮性変化やポリープなど良性の原因も多いですが、少量でも子宮体がんを除外する必要があります。

Q. 子宮頸がん検診が正常なら子宮体がんも大丈夫ですか?

子宮頸部細胞診やHPV検査では子宮体がんを調べられません。不正出血がある場合は別の検査が必要です。

Q. 月経不順があると必ず子宮体がんになりますか?

必ず発症するわけではありません。ただし排卵が少ない状態が長く続くと内膜増殖症のリスクが高くなるため、月経不順を放置せず相談してください。

横浜駅近くで不正出血・閉経後出血がある方へ

ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、出血の状態やリスクを確認し、内診、経腟超音波、必要に応じて子宮内膜の検査を行います。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月19日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん)について.
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん)予防・検診.
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん)検査.
  4. 日本婦人科腫瘍学会.子宮体がん.
  5. 日本婦人科腫瘍学会.子宮体がん治療ガイドライン2023年版.