卵巣腫瘍の検査・診断|超音波・MRI・腫瘍マーカー

 

卵巣腫瘍の検査では、まず超音波で大きさと内部の形を確認し、必要に応じてMRI・CTや腫瘍マーカーを追加します。
 
ただし、画像や血液検査だけで良性・境界悪性・悪性を完全に確定できるとは限りません。最終診断は、原則として手術で摘出した組織の病理検査で行います。[1][2]

 
 

卵巣の腫れを指摘された後の検査の流れ

  1. 症状、月経、妊娠希望、既往歴、家族歴を確認する
  2. 内診・経腟超音波で卵巣の大きさと形を確認する
  3. 月経周期との関係をみて、必要なら一定期間後に再検査する
  4. MRIやCTで性状・周囲への広がりを詳しく調べる
  5. 必要な腫瘍マーカーを測定する
  6. 悪性の可能性を評価し、経過観察・手術・専門施設紹介を決める

超音波検査

経腟超音波は、卵巣腫瘍を評価する基本的な検査です。性交経験がない方や経腟検査が難しい方では、経腹超音波などを検討します。

超音波で確認する項目

  • 左右どちらの卵巣か
  • 最大径と体積
  • 内部が液体か、充実部分があるか
  • 単房性か、多房性か
  • 壁の厚さ、不整、乳頭状部分の有無
  • 内部の血流
  • 腹水、周囲臓器との関係

単純な機能性嚢胞に見える場合は、月経周期を変えて再検査すると消失することがあります。一方、充実部分や不整な壁、腹水などがある場合は、精密検査を急ぎます。

MRI・CT検査

MRI

腫瘍の内容が脂肪、血液、粘液、充実組織のどれに近いかを詳しく調べます。成熟嚢胞性奇形腫、子宮内膜症性嚢胞、良性腫瘍、悪性腫瘍の推定に役立ちます。

CT

悪性が疑われる場合に、リンパ節、腹膜、肝臓、肺などへの広がりを調べます。造影剤を使う場合は、アレルギー歴、腎機能、妊娠の可能性などを確認します。

MRI・CTでも確定診断できないことがあり、手術中または手術後の病理診断が必要です。

腫瘍マーカー検査

腫瘍マーカーは、診断を補助し、治療効果や治療後の経過を確認するための血液検査です。単独で良性・悪性を判定する検査ではありません。

主なマーカー 使用される場面・注意点
CA125 上皮性卵巣がんなどで上昇。子宮内膜症、月経、妊娠、炎症などでも上昇する
CA19-9・CEA 粘液性腫瘍や消化管由来の病変などを考える材料
HE4 CA125などと組み合わせて悪性リスク評価の補助に使うことがある
AFP・hCG・LDH 若年者に多い胚細胞腫瘍などが疑われる場合に測定
ホルモン関連マーカー 性索間質性腫瘍など、腫瘍の種類に応じて測定

CA125が正常でも卵巣がんを否定できず、高値でも卵巣がんとは限りません。平均リスクで無症状の方にCA125を測ることは、有効な卵巣がん検診にはなりません。[2][3]

良性・悪性の可能性をどう判断しますか?

  • 年齢、閉経前か閉経後か
  • 腫瘍の大きさと増大速度
  • 超音波・MRIの内部構造
  • 両側性か、腹水があるか
  • 腫瘍マーカー
  • 症状、家族歴、乳がん・卵巣がんの既往

これらを組み合わせて「悪性の可能性が低いか、高いか」を推定します。悪性を疑う場合は、手術前から婦人科腫瘍専門医のいる施設へ紹介することが重要です。

確定診断は病理検査

卵巣は腹腔内の深い場所にあり、原発性卵巣がんが疑われる病変へ皮膚から針を刺して組織を採る検査は、通常の第一選択ではありません。腫瘍内容の漏出や診断精度などを考慮し、手術で摘出した組織を詳しく調べます。

手術中に迅速病理診断を行い、その結果で手術範囲を決めることがあります。ただし迅速診断と術後の最終診断が異なる場合もあります。手術前の生検が必要かどうかは、病気の広がりや治療方針に応じ、専門施設で判断します。

経過観察では何を確認しますか?

  • 腫瘍が小さくなった、消失した、変わらない、増大した
  • 内部の形や血流が変化した
  • 痛み、腹部膨満などの症状が出た
  • 腫瘍マーカーが変化した

再検査の時期は、機能性嚢胞を疑うのか、良性腫瘍として観察するのか、閉経前後、腫瘍の種類によって異なります。「毎年でよい」と自己判断せず、指定された時期に受診してください。

卵巣腫瘍の検査についてよくある質問

Q. 超音波だけで良性・悪性が分かりますか?

典型的な形から強く推測できることはありますが、完全には区別できません。必要に応じてMRI、CT、腫瘍マーカー、病理検査を組み合わせます。

Q. CA125が高いので卵巣がんですか?

CA125は子宮内膜症、月経、妊娠、炎症などでも上がります。数値だけで診断せず、年齢や画像所見と合わせて判断します。

Q. 卵巣のう腫はすぐに手術が必要ですか?

すべてに手術が必要ではありません。自然に消える可能性、症状、大きさ、増大、画像所見、年齢、妊娠希望から判断します。

横浜駅近くで卵巣腫瘍の検査をご希望の方へ

横浜駅から徒歩6分、女性医師が症状と妊娠希望を伺い、婦人科診察・経腟超音波検査を行います。必要に応じて血液検査を行い、MRI・CT、手術、婦人科腫瘍専門医の診療が必要な場合は適切な医療機関へご紹介します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月17日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本婦人科腫瘍学会.卵巣腫瘍.
  2. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 検査.
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス.卵巣がん・卵管がん・腹膜がん 予防・検診.