10代の生理不順・無月経|何か月来なければ婦人科へ?
結論:初経から2〜3年は周期が安定しないことがありますが、10代でも90日以上月経が来ない状態は「思春期だから」と放置しない方がよいサインです。15歳になっても初経がない、急なダイエットや激しい運動後に止まった、強いニキビ・多毛、頭痛・乳汁分泌などがある場合も婦人科へご相談ください。[1]
初経後の生理不順はどこまで正常?
初経直後は、脳と卵巣の連携がまだ成熟しておらず、排卵しない周期が混ざるため不規則になりやすい時期です。それでも、90日以上月経が空くことは多くありません。1回でも3か月以上来なければ評価をおすすめします。[1]
月経周期だけでなく、出血が8日以上続く、1〜2時間でナプキンがいっぱいになる出血を繰り返す、強い痛みで学校生活に支障がある場合もご相談ください。
10代の受診目安
- 15歳になっても初経がない
- 乳房の発育が始まってから3年以上たっても初経がない
- 13歳で乳房などの二次性徴がみられない
- 初経後に90日以上月経が来ない
- 初経から3年以上たっても周期が大きく乱れる
- 21日未満または45日を超える周期を繰り返す
- 急な体重減少、食事制限、運動量の増加がある
- 強いニキビ、多毛、急な体重増加がある
- 乳汁分泌、強い頭痛、視野の異常がある
- 妊娠の可能性がある
日本では15歳以上18歳未満で初経がない状態を「初経遅延」とし、15歳を迎えても初経がなければ精査を考えます。18歳まで待つ必要はありません。[2]
10代に多い原因
初経後の成熟過程
初経後数年は排卵が安定しないことがあります。ただし、長期間の無月経をすべて成長過程と考えることはできません。
食事制限・運動・ストレス
ダイエット、部活動や競技の練習量増加、受験や人間関係のストレスなどにより、機能性視床下部性無月経が起こります。低エストロゲン状態が続くと、骨量を増やす大切な時期に骨密度が低下する可能性があります。[3]
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
月経不順、ニキビ、多毛などがみられます。ただし、思春期では成人と同じ超音波・AMH基準を安易に使わず、月経周期とアンドロゲン・LHの所見を中心に慎重に判断します。[4]
甲状腺・プロラクチン・卵巣機能など
甲状腺機能異常、高プロラクチン血症、早発卵巣不全、先天的な子宮・腟の形態などが隠れていることもあります。初経がなく、毎月腹痛だけがある場合は月経血の流出路の異常も確認します。
妊娠
10代でも性交の機会があれば妊娠を最初に確認します。診療に必要な情報ですので、責めるために質問するものではありません。
婦人科では何をする?
最初に、本人から月経、体重、食事、運動、薬、症状を伺います。必要に応じて妊娠検査、FSH・LH・エストラジオール、プロラクチン、甲状腺などの血液検査、超音波検査を行います。
性交経験のない方に、経腟超音波や内診を一律に行うわけではありません。経腹超音波などを含め、必要性と方法を説明し、ご本人の気持ちに配慮して相談します。
保護者と一緒でないと受診できませんか?
年齢、検査・治療内容、クリニックの運用によって、保護者の同意や同伴をお願いする場合があります。一方で、本人が安心して話せる時間も大切です。予約時に同伴の要否をご確認ください。緊急性がある症状は、同伴の調整だけを理由に受診を遅らせないでください。
治療
原因によって異なります。食事・運動によるエネルギー不足では、栄養と運動量の調整が中心です。PCOSなど慢性無排卵では、子宮内膜保護のため黄体ホルモンや低用量ピルを検討します。エストロゲン不足が続く場合は骨の健康を考えた対応が必要です。
薬で出血を起こすことと、自然な排卵が回復することは同じではありません。治療の目的を本人と保護者へ分かりやすく説明します。
よくあるご質問
Q. 中学生で周期がばらばらでも普通ですか?
初経直後は不規則になりやすいですが、90日以上空く、強い症状がある、3年以上安定しない場合は評価が必要です。
Q. 婦人科では必ず内診されますか?
必ずではありません。年齢、性交経験、症状、希望に応じて、問診・血液検査・経腹超音波などから検討します。
Q. 部活を休まないと生理は戻りませんか?
一律ではありませんが、エネルギー不足や全身状態が悪い場合は、運動量の調整や一時休止が必要です。健康と競技の両方を考えて個別に判断します。
Q. 生理がなくても困っていません。治療は必要ですか?
低エストロゲンによる骨への影響や、慢性無排卵による子宮内膜への影響が隠れることがあります。まず原因を調べ、治療が必要か確認しましょう。
横浜で10代の生理不順をご相談になりたい方へ
ポートサイド女性総合クリニックの院長は日本思春期学会認定の思春期保健相談士です。本人が話しやすい雰囲気と、診察方法への配慮を大切にしています。クリニックも横浜駅から徒歩6分という立地なので、学校帰りにも受診しやすくなっています。
関連ページ:ダイエット・運動による無月経/PCOS
執筆・医学監修:清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医/日本思春期学会認定 思春期保健相談士/ポートサイド女性総合クリニック院長
《公開日:2026年8月9日》
《最終更新日:2026年8月9日》
参考文献
- American College of Obstetricians and Gynecologists. Menstruation in Girls and Adolescents: Using the Menstrual Cycle as a Vital Sign.
- 日本産婦人科医会.原発性無月経の定義.
- Gordon CM, et al. Functional Hypothalamic Amenorrhea: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline. 2017.
- 日本産科婦人科学会 生殖・内分泌委員会.本邦における新しいPCOS診断基準(2024)について.










