子宮体がん検診は必要?内膜細胞診・組織診と検査の流れ
現在、日本では、症状のない一般女性全員を対象とした子宮体がん検診は、国のがん検診指針に定められていません。「40歳を過ぎたら毎年、子宮内膜細胞診を受ける」という検診ではなく、閉経後出血や不正出血などの症状がある方が、早めに婦人科を受診して必要な検査を受けることが重要です。[1]
症状があって行う内膜検査は、健康な方を対象にした「検診」ではなく、出血の原因を調べるための診療です。子宮頸がん検診だけでは、子宮体がんを調べることはできません。
子宮体がん検診を全員に行わない理由
がん検診は、症状のない集団に検査を行い、そのがんによる死亡を減らす利益が、検査の負担や不利益を上回ることが確認されている必要があります。
子宮体がんは、不正出血をきっかけに比較的早期に発見されることが多い一方、内膜細胞診には採取時の痛み、出血、十分な細胞が取れないこと、がんがあっても陰性になることなどの限界があります。このため、無症状の一般女性へ一律に行う対策型検診にはなっていません。
子宮内膜の検査を検討する方
- 閉経後に少量でも出血した
- 血の混じったおりもの、褐色のおりものが続く
- 月経以外の出血を繰り返す
- 月経が長引く、出血量が以前より増えた
- 月経不順・無排卵が長く続いている
- 肥満、PCOS・PMOS、糖尿病などのリスクがある
- タモキシフェン使用中に不正出血が起きた
- リンチ症候群、または疑われる家族歴がある
年齢だけで検査の要否を決めるものではありません。40歳未満でも症状とリスクによって内膜検査が必要です。反対に、40歳以上という理由だけで、無症状の方全員に毎年の内膜細胞診が必要になるわけではありません。
子宮体がんを調べる検査の流れ
- 問診で出血の時期、月経・閉経、妊娠可能性、服薬、リスク因子を確認
- 内診・腟鏡診で、腟や子宮頸部を含め出血部位を確認
- 経腟超音波で子宮内膜の厚さ・形、筋腫、ポリープ、卵巣を確認
- 必要に応じて子宮内膜細胞診または組織診を実施
- 採取困難、結果不十分、症状が続く場合は子宮鏡や全面掻爬を検討
- がんと診断された場合はMRI・CTなどで広がりを評価
経腟超音波検査
経腟超音波では、子宮内膜の厚さや不整、子宮内膜ポリープ、子宮筋腫、卵巣の状態などを確認します。閉経後出血では、子宮内膜の状態が内膜組織検査の必要性を判断する材料になります。
閉経前は月経周期によって内膜の厚さが変化するため、「内膜が何mmだからがん」「薄いから必ず大丈夫」と単純には判断できません。閉経後でも、出血が続く場合や画像で病変が疑われる場合は、内膜が薄く見えても追加検査が必要になることがあります。
子宮内膜細胞診
細いチューブやブラシ状の器具を子宮の奥まで入れ、子宮内膜の細胞を採取して、異型細胞がないかを調べます。検査時に下腹部の痛みを感じたり、検査後に少量出血したりすることがあります。
内膜細胞診は確定診断ではありません。「疑陽性」「陽性」の場合は組織診が必要です。また、陰性でも採取細胞が少ない、病変の場所から細胞が取れていないなどの可能性があるため、症状が続く場合は再評価します。[2]
子宮内膜組織診
子宮内膜の一部を細い器具で採取し、組織構造を顕微鏡で詳しく調べます。子宮体がんの確定診断、組織型、悪性度を判断するために重要な検査です。[2]
外来で行う一部組織診で診断できない場合や、病変全体を詳しく調べる必要がある場合は、麻酔下で子宮内膜全面掻爬を行うことがあります。
子宮鏡検査
細いカメラを子宮内に入れ、ポリープや腫瘍の位置・形を直接確認する検査です。病変を見ながら組織を採取できることがあります。
内膜細胞診・組織診で十分な組織が取れない、超音波で局所的な病変が疑われる、出血が続くのに原因が分からない場合などに検討します。
内膜検査は痛いですか?
子宮の入口から器具を入れるため、月経痛のような痛みを感じることがあります。痛みの程度は、子宮の向き、子宮口の狭さ、出産経験、閉経後の萎縮などによって異なります。
子宮口が狭く器具が入らない、痛みが強い、十分な検体が取れない場合は、無理に繰り返さず、子宮口を広げる処置や麻酔下の検査が可能な医療機関へ紹介します。[3]
MRI・CT・PET-CT
MRIやCTは、子宮体がんが疑われる全員に最初から行う検査ではありません。病理検査でがんと診断された後に、主に病気の広がりを確認するために行います。
- MRI:子宮筋層への浸潤、子宮頸部や卵巣・卵管への広がりを評価
- CT:リンパ節、肺、肝臓、腹膜などへの転移を評価
- PET-CT:必要な場合にリンパ節転移・遠隔転移の評価を補助
内膜検査で分かる主な結果
| 結果 | 一般的な対応 |
|---|---|
| 良性・異常なし | 症状が治まるか確認。出血が続けば再検査や別の検査を検討 |
| 検体不十分 | 超音波所見と症状を踏まえ、再検査・子宮鏡・掻爬などを検討 |
| 異型のない内膜増殖症 | 黄体ホルモン治療や定期的な内膜検査を検討 |
| 子宮内膜異型増殖症 | 子宮体がんの併存を詳しく調べ、手術または専門的な温存治療を検討 |
| 子宮体がん | MRI・CTなどで広がりを評価し、婦人科腫瘍専門施設で治療 |
子宮体がん検診・検査についてよくある質問
Q. 40歳以上なら毎年、子宮体がん検査が必要ですか?
年齢だけで全員に毎年行う検査ではありません。不正出血、閉経後出血、月経不順、リスク因子などから必要性を判断します。
Q. 子宮頸がん検診と同時に子宮体がんも分かりますか?
分かりません。子宮頸部と子宮内膜では採取する場所と検査方法が異なります。
Q. 内膜細胞診が陰性なら安心ですか?
陰性でも子宮体がんを完全には否定できません。症状が続く場合や画像所見がある場合は、組織診や子宮鏡などを検討します。
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ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、症状とリスクを確認し、内診、経腟超音波、必要に応じて子宮内膜の検査を行います。
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この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月19日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断に代わるものではありません。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん)予防・検診.
- 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん)検査.
- 日本婦人科腫瘍学会.子宮体がん.










