CIN1・CIN2・CIN3とは?子宮頸部異形成の経過観察と治療

 

CIN1・CIN2・CIN3は、コルポスコピー下生検などで確認する子宮頸部の組織診断です。CIN1は軽度、CIN2は中等度、CIN3は高度異形成・上皮内がんに相当します。CIN1は原則として経過観察、CIN3は治療対象、CIN2は年齢、妊娠希望、病変範囲、HPV型、持続期間などを確認して経過観察または治療を選びます。[1]

 

ASC-US、LSIL、ASC-H、HSILは細胞診の判定で、CIN1~3とは別の分類です。細胞診と生検結果が一致しない場合は、両方の結果を照合して追加検査の必要性を判断します。

 

CIN1・CIN2・CIN3の違い

組織診 一般的な呼び方 基本的な対応
CIN1 軽度異形成・低度病変 原則として経過観察
CIN2 中等度異形成・高度病変 経過観察または治療を個別に判断
CIN3 高度異形成・上皮内がん 円錐切除などの治療

CINは子宮頸部の表面を覆う上皮内の変化です。「CIN3=すでに体の奥へ広がった浸潤がん」という意味ではありませんが、放置すれば浸潤がんへ進む可能性があるため治療します。

CIN1と診断された場合

CIN1はHPV感染に伴う軽度の組織変化で、多くは自然に消退します。そのため、最初から円錐切除を行うのではなく、細胞診、HPV検査、コルポスコピーなどで経過を確認するのが原則です。

ただし、定期検査を中断すると進行を見逃す可能性があります。HPV型、病変の持続、過去の細胞診、年齢、免疫状態などに応じて検査間隔を決めます。

CIN2と診断された場合

CIN2はCIN1より変化が強い一方、特に若い方では自然に消退することもあります。日本のガイドラインでは、すべてのCIN2を直ちに手術するのではなく、条件を確認して経過観察または治療を選択します。

次のような点を確認します。

  • 年齢と将来の妊娠希望
  • 病変全体がコルポスコピーで見えているか
  • 細胞診がHSILなど高いグレードではないか
  • HPV型と持続期間
  • CIN2が長期間持続・進行していないか
  • 通院と定期検査を継続できるか
  • 免疫抑制状態などのリスクがないか

病理診断でCIN2がはっきりしない場合、p16免疫染色などを参考に病変の性質を再評価することもあります。

CIN3と診断された場合

CIN3には高度異形成と上皮内がんが含まれ、原則として治療対象です。代表的な治療は子宮頸部円錐切除術で、病変を切除するとともに、浸潤がんが隠れていないか、切除断端まで病変が及んでいないかを確認します。[2][3]

CIN3の段階で適切に治療できれば、子宮を温存できることが多くあります。ただし、病理結果、病変範囲、妊娠希望、再発リスクなどによって追加治療が必要になる場合があります。

経過観察では何を調べますか?

経過観察では、細胞診、ハイリスクHPV検査・型別検査、コルポスコピーなどを組み合わせます。検査間隔はCINのグレード、年齢、HPV型、これまでの経過によって異なります。

「自然に治る可能性がある」は、「受診しなくてよい」という意味ではありません。自然消退したか、持続しているか、進行していないかは検査を続けなければ分かりません。

主な治療方法

治療 特徴 注意点
円錐切除術 病変を円錐状に切除し、詳しい病理診断と治療を兼ねる 出血、頸管狭窄、将来の早産リスクなど
LEEP ループ状電極で病変を切除する方法 適応、病変範囲、施設の方法により選択
レーザー蒸散 病変をレーザーで蒸散する 切除標本が残らないため、浸潤がんを十分除外できる症例に限定

治療法は、病変全体が見えているか、頸管内へ広がっていないか、細胞診と組織診が一致しているかなどを確認して選びます。

円錐切除と将来の妊娠

円錐切除後も妊娠できる方は多くいます。一方、切除する深さや回数などによって、早産、前期破水、頸管狭窄などのリスクが高くなる可能性があります。

妊娠を希望する場合は、治療前にその希望を伝え、病変を安全に治療することと妊孕性への影響のバランスを相談してください。妊娠した後は、円錐切除歴を産科の担当医へ伝えます。

治療後も検査が必要です

円錐切除などで病変を取り除いた後も、再発や残存病変を確認するための長期フォローが必要です。切除断端、病理診断、治療後のHPV検査などに基づいて検査間隔を決めます。

「手術で取ったから、今後の子宮頸がん検診は不要」ではありません。転居や医療機関の変更時には、治療日、病理結果、切除断端、治療後の検査結果が分かる資料を保管してください。

CINについてよくある質問

Q. CIN1はがんですか?

がんではありません。HPV感染に伴う軽度病変で、多くは自然に消退しますが、進行しないか定期検査が必要です。

Q. CIN2は必ず手術が必要ですか?

必ずではありません。年齢、妊娠希望、病変の見え方、HPV型、持続期間、通院可能性などを確認して経過観察または治療を選びます。

Q. CIN3は子宮頸がんですか?

CIN3には高度異形成と上皮内がんが含まれますが、浸潤がんとは異なります。がんへ進む可能性があるため、原則として治療します。

Q. CINを薬やサプリメントで治せますか?

CINを確実に消失させる標準的な内服薬やサプリメントはありません。CIN1・一部CIN2は経過観察し、CIN3などは外科的治療を行います。

Q. HPVが陰性になればCINも治ったということですか?

HPV陰性化はリスクが下がったことを示す重要な情報ですが、それだけで組織病変の消失を確定できるとは限りません。細胞診やコルポスコピーなども含めて判断します。

横浜駅近くでCIN1・CIN2の経過観察をご希望の方へ

横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~で女性医師が、これまでの細胞診・HPV検査・組織診結果を確認してフォローします。CIN3や手術が必要な病変では、専門医療機関をご紹介します。

病理結果をお手元にご用意のうえ、お電話(045-440-5577)でご相談ください。
予約方法・診療時間はこちら

この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年9月13日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・経過観察・治療方針に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2026.CQ204・CQ205.
  2. 国立がん研究センター.子宮頸がんの治療.2025.
  3. 日本婦人科腫瘍学会.子宮頸癌治療ガイドライン2022年版