性病

 

尖圭コンジローマ

 クラミジアほど多くはないのですが、時々見かけるのが尖圭コンジローマ。これは、ヒト乳頭腫ウイルス(ヒューマンパピローマウイルス=HPV)というウイルス感染によって、外陰部や子宮頚部などにイボができる性感染症です。専門家が診れば一目で分かる特徴的なイボなんですが、自分でイボに気付ける人は稀です。大抵は何かの検査の際に偶然見付かったり、外陰部のかゆみや灼熱感が気になって受診したらイボを指摘されたというケースがほとんどですね。
 コンジローマの厄介なところは、イボの部分に皮膚や粘膜が触れると感染してしまう可能性があるので、イボの場所によってはコンドームで防ぎきれないという点です。一旦発症したら、完全にイボがなくなるまで、性的な接触は控えなければいけません。
 また、一度感染したウイルスを完全に無くすことはできないので、3ヶ月以内に約25%の人が再発してしまいます。

 主な治療法は、レーザーや電気メスでイボを焼き切るか、軟膏による治療です。

 焼いた方がイボそのものは早くなくなりますが、その後新たなイボが出現しないか経過を見ていく必要がありますし、再発に対して軟膏を併用しなければいけないこともあります。どちらにしろ、他の性感染症に比べてしつこいのが特徴です。

 もう一つ気を付けなければいけないのが、HPVの「ハイリスクタイプ」に感染すると、子宮頚部の細胞に変化が起きやすく、将来子宮頚癌になるリスクが高くなってしまうということ。
 誤解のないように補足しますが、コンジローマにかかった人全てが子宮頚癌になりやすいわけでもなければ、子宮頚癌になった人全てがコンジローマになっていたわけでもありません。コンジローマの原因になるのはHPVの6型や11型の「ローリスクタイプ」。がんの原因となるハイリスクタイプとは種類が異なります。

 ただ、複数のタイプに同時に感染しているケースもあるので注意が必要なんですね。癌になりかけの状態(異形成といいます)も含め、子宮頚癌の約8割にハイリスクタイプHPVの感染を認めています。
 なので、万が一コンジローマにかかってしまったら、必ず定期的に子宮癌検診を受けるように気を付けましょう。感染してしまったものはどうすることもできませんが、いたずらに不安がる必要もないですよ。ちゃんと指示された間隔で検診を受ければいいわけですから。

 コンジローマは先に書いたように、コンドームだけでは予防することは難しい病気です。お互いがちゃんと検査をして、やはりハイリスクな相手との接触を避けるしかありません。
 難しいのは、誰が「ハイリスク」なのか、パッと見では分からないんですよね。もちろん、パートナーに失礼な行為をしないって事は大前提ですが、特定の人としか関係をもっていなくても、その人が感染しているかどうかが分かっていなければ、安心はできないということ。
 感染のリスクがある行為というのは、オーラルセックスも含めた全ての性的な接触であることをきちんと認識して、お互いの健康を侵害しないように思いやってほしいですね。

日付:2010年5月2日  カテゴリー:婦人科の病気,性病

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トリコモナス腟炎

 トリコモナスは、正確には「原虫」と言って、とっても小さな寄生虫の仲間です。ウイルスや細菌ほど小さくはないので、おりものを採って顕微鏡で見てみると、チョコチョコと泳ぎ回っているのを見ることができます。ほとんどが性交渉による感染ですが、稀にタオルや温泉などで感染する事もあるようです。実際、患者様の中にも「全く心当たりがないんですが」という方もいらっしゃいます。
 感染すると、女性の場合はやや黄色がかった泡状のおりものが増えて強い痒みを伴います。痒みという自覚症状が出やすいので、女性の性感染症の中では珍しく、「気付かずに放置する」という危険性は少ないんですね。逆に、男性側は感染していても何の症状も出ない事の方が多いので、たいていは女性側が診断されることで男性側の感染が判明します。

 治療は、原虫に対する飲み薬と腟剤の併用で10日間しっかり行います。治療後2週間で再検査をし、トリコモナスが検出されなかったらその時点で治療終了です。再検査で完治を確認するまでは、もちろん性交渉は厳禁ですよ。
 男性は、泌尿器科で診断を受け、治療してもらう事になります。どんな性感染症も、2人そろって治療しなければ意味がありませんから、「どっちがうつした」なんて議論はおいといて、まずはきちんと治療してくださいね。

 以前トリコモナス腟炎にかかって治療したことがある方が、またトリコモナスが陽性になった場合、「再発」と「再感染」の2つの可能性があります。
 「再発」は以前の治療が不十分で、なりを潜めていたトリコモナスが再度増えてきた、というもの。「再感染」は、前回の感染は完治していたけれど新たに感染してしまった、というもの。
 後者の場合、パートナーが治療していなかったか、新たにどこかで感染してきたかのどちらかの可能性が出てきます。

 

 性感染症は、繰り返すごとに不妊やHIVなど深刻な感染症にかかるリスクが高くなっていきます。不完全な治療や感染を何度も繰り返すことは、絶対に避けてほしいと思います。万が一性感染症にかかったら、パートナーと一緒にきちんと治療をし、今後は確実に予防するように心がけてくださいね。

日付:2010年5月2日  カテゴリー:婦人科の病気,性病

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清水(旧姓:須藤) なほみ
ポートサイド女性総合クリニック
~ビバリータ~ 院長
歌って踊れる産婦人科医
 
「全ての女性は美しくなる権利がある」をコンセプトに、女性の美と健康をサポートするために女性医療を皆様のもとにお届けしています。
5歳から始めたクラシックバレエは、ミュージカルとの出会いでコンテンポラリーダンスに変身しました♪
 
所属学会:日本産婦人科学会・日本思春期学会・日本性感染症学会・日本不妊カウンセリング学会
 
日本家族計画協会認定思春期保健談員
不妊カウンセリング学会認定カウンセラー


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