婦人科の病気
どこからが生理不順?何日ずれたら受診?【横浜市の婦人科】
生理がバラバラだと生理不順?(横浜駅近くの婦人科・女医が解説)
月経の悩みで一番多いのが「生理不順」。つまり、規則正しく月経が来ないというものです。
初潮からずっと生理不順という方もいらっしゃれば、受験や就職などをきっかけに数ヶ月間だけ一時的に不規則になったり、更年期の症状の1つとして40代後半から急に不規則になる方もいらっしゃいます。
中学生の頃は生理周期がバラバラだったけれど、大学生くらいになったら周期が整ってきた・・・という場合もあれば、大学生になってから生理周期がバラバラになってきたという場合もあります。
10代のうちは、生理の周期がばらつくことは多く、必ずしもピッタリ同じ周期で生理が来るとは限りません。10代後半になると整ってくる場合もありますが、10代の頃はずっと不規則という方もいらっしゃいます。
20代でも、生理の周期がバラバラだったり、生理が長引いてしまうことはあります。卵巣の働きが正常であれば、多くの場合は、20代になると生理の周期は整ってくるはずなので、あまりにもばらつく場合は注意が必要です。
どの程度なら様子を見ていいのか?生理が何日遅れたら受診した方がいいのか?明確な基準がわからない、という方も多いかもしれませんね。
女性の場合、月経が規則的に来ているかどうかが、ホルモンの状態を含めて心身が正常に働いているかどうかの一番分かりやすいバロメーターになりますから、たかが月経と侮ってはいけません。
時々、毎月ピッタリ同じ日にちに月経が来ないから「生理が不規則なんです」とおっしゃる方がいるんですが、人間の体は機械ではありませんから、毎月同じ日にちに出血しなかったからといって全て生理不順というわけではありません。「正常な月経周期以外のペースで月経が来た場合」を月経不順と呼びます。
では、正常な生理の周期は何日でしょう?
そもそも、月経周期の数え方を正しく把握していますか?
生理の周期が45日だと異常?(横浜市の婦人科)
生理周期は、「前の月経が始まった日から次の月経が始まる前日までの日数」で表します。多くの方が、生理が「終わった日」を教えてくださるんですが、実は月経は終わった日ではなくて始まった日が基準になります。
生理が始まった日から次の生理が始まる前日までが、25日~38日の間に入っていればそれは正常な生理周期と言えます。
つまり、ピッタリ1ヶ月で月経が来なくても、数日前後するのは正常範囲内です。
「普段28日周期の人が時々35日周期になる」という程度のばらつきは、正常範囲内とみなすことがほとんどです。つまり、生理がいつもより1週間遅れてきたという場合は、正常範囲内の可能性もあるということです。
明確に、「生理が何日遅れたら異常」という線引きができない場合もありますが、おおむね普段の周期から2週間以上遅れると、ちょっと注意が必要な範囲に入ってくると言えるでしょう。
逆に、月経周期が明らかに24日以下だったり39日以上だったりした場合は、「生理不順」ということになります。3ヶ月間全く月経が無かったら、「無月経」といって生理不順よりもより深刻な状態になります。
ちなみに、生理周期が24日以下の場合を「頻発月経」、生理周期が39日以上の場合を「希発月経」、排卵せずに月経が来ている場合を「無排卵月経」といい、全て異常な生理になります。
無排卵月経は、周期がそれほど不規則にならないこともあるので、基礎体温で排卵を確認してみなければ分かりません。月経が何となく不規則だなと思ったら、まずは基礎体温をつけてみることをお勧めします。
生理不順はどこまでほっといてよい?(横浜駅近くの婦人科)
2~3ヶ月の間月経が不規則になっても、その後自然に正常な周期に戻るようであればあまり心配はありません。女性の体はとてもデリケートなので、ちょっとしたストレスで排卵が遅れたりすることがあります。そうすると、2週間くらい生理が遅れてしまったりします。
基礎体温をつけながら3ヶ月程度様子を見て、ちゃんと排卵があるようなら&徐々に正常な周期に戻ってくるようなら、慌てなくても大丈夫です。
10代の頃はだいたい定期的に来ていたのに、大学生になって環境が変わったら不規則になった、というケースもあります。
通常は、年齢とともに整ってくるものですので、20歳を過ぎてからばらつき始めたという場合は、一度婦人科で検査を受けた方が安心です。
初めて生理が来たばかりの頃は、無排卵月経になったり一時的に周期が不規則になるのは珍しいことではありません。人によっては、10代後半や20歳を過ぎてから月経周期が安定することもあります。
10代のうちは月経不順でも年齢とともに正常周期に整ってくることも多いので、10代前半の生理不順はそれほど心配しなくても大丈夫なケースもあります。
ただ、例え10代でも、60日以上月経が来ないようなら、それは放置しない方がいいでしょう。卵巣の働きがかなり落ちてしまっている可能性もあるので、早めに婦人科を受診することをお勧めします。特に、20歳以上の方で60日間ずっと基礎体温が低いままの場合は、全然排卵していないという事になりますから、きちんと検査を受けて治療を開始した方がいいでしょう。
無月経の期間が長ければ長いほど、治療にも時間がかかってしまいます。少なくとも3ヶ月以上完全に月経がない状態が続いたら、すぐに婦人科に行くべきなんだと認識してください。
受診するほどじゃないけど、ちょっと月経が乱れてきたな~と思ったら、それは体が「私の事をかまって」というサインを出しているのかもしれません。アロママッサージやリラクゼーションなど、少し「自分のケア」を意識してみるといいでしょう。
ご予約はこちらから
日付:2025年6月16日 カテゴリー:婦人科の病気,生理不順
ASC-USやLSILの時にするコルポスコピー検査&組織検査の流れ【横浜市で評判の婦人科】
ASC-USやLSILの意味~横浜市の婦人科女医が解説~
人間ドックや自治体検診で行われている子宮頚がん検診は、細胞をこすり取って顕微鏡で見る「細胞診」という検査です。子宮頚がん検診(細胞診)で異常を指摘された場合、精密検査として「コルポスコピー検査」と「組織検査」を行います。
正確には、
*子宮頚がん検診(子宮頸部細胞診)でASC-US+HPV検査で陽性
*子宮頚がん検診でLSIL・ASC-H・HSILのいずれかだった
場合に、精密検査に進みます。
ちなみに、子宮頚がん検診(子宮頸部細胞診)でASC-USだったけれど、追加で行ったHPV検査が「陰性」だった場合は、組織検査は必要ありません。
HPV検査が「陰性」ということは、少なくとも、現在出ている細胞の異常が、「癌になっていく可能性」が極めて低いものと判断できます。
なので、子宮頚がん検診(子宮頸部細胞診)がASC-USで、HPV検査が「陰性」の時は、「1年後に細胞診を再検査する」ということになっています。
精密検査の「コルポスコピー検査」とは?(横浜駅近くの婦人科へ)
「コルポスコピー検査」とは、子宮の出入り口、つまり子宮頚がんが発生する場所を拡大して観察する検査です。
通常は、コルポスコピー検査と組織検査をセットにして行います。
子宮頚がん検診で、LSILやASC-HやHSILだった場合は、HPV検査は行わず、すぐにコルポスコピー検査に進みます。
コルポスコピー検査は、あくまで、子宮の出入り口を拡大して観察するだけの検査なので、この検査だけを行っても異常の程度を正確に診断することはできません。
コルポスコピー検査を行う直前に、子宮頚部に「酢酸加工」を行うことによって、細胞に異常がある部分を分かりやすくします。
「酢酸」を子宮頚部につけると、細胞に異常がある部分が白っぽく変化したり、「モザイク」と呼ばれる模様が浮かび上がったりします。
この、酢酸加工によって浮かび上がってきた「細胞に変化が起きていそうな部分」の組織を狙い撃ちでかじりとるのが「組織検査」です。
精密検査の流れ(横浜市の婦人科でご相談を)
コルポスコピー検査と組織検査は、およそ次のような流れで行います。
1)クスコ診で子宮頚部を見えやすくしておりものをぬぐう
2)酢酸がしみ込んだ綿球を子宮頚部に押し当てて酢酸加工をする
3)コルポスコピーで子宮頚部を拡大しながら病変部分を観察する
4)細胞に異常がありそうな部分2~3か所の組織をかじりとる
5)消毒して腟内にタンポンやカーゼを入れる
組織をとる時に、少し痛みを伴うことがありますが、通常は数秒で終わります。
酢酸加工の時間を含めても、数分で終わる検査です。
組織をとるので、ある程度出血します。
血行が良くなると検査後の出血が増える場合があるので、通常検査した当日は運動や入浴は控えます。軽くシャワーを浴びるのは問題ありません。
止血しやすくするために、タンポンやガーゼで圧迫しますので、通常は検査から数時間後にそれらを抜きます。
自分でとる場合もあれば、翌日再度受診して病院でガーゼを抜く場合もあります。
通常は、検査から2週間程度で組織診断の結果が返ってきます。
結果次第で、その後の治療又は検査の方針が決まります。
他の病院で受けた子宮頚がん検診の結果に異常があった場合も、当院でコルポスコピー検査と組織検査を承ることが可能です。
結果の見方がわからない場合のご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
予約専用電話→045-440-5577
日付:2025年6月16日 カテゴリー:子宮頚がん,子宮頸がん検診
生理痛がひどい時は?検査と治療法について【横浜駅近くの婦人科】
生理痛がひどい時に考えられる病気(横浜駅近くの婦人科・女医が解説
生理痛がひどくて、毎回痛み止めを飲まなければいけなかったり、生理痛のせいで学校や仕事に影響が出てしまう場合、その生理痛は「月経困難症」という「病気」になります。
特に、生理痛のせいで寝込んでしまったり、激痛で救急車を呼ぶといったことがある場合は、例え明らかな「子宮や卵巣の異常」がなくても治療が必要です。救急車を呼ぶほどの生理痛の場合、現時点で検査に異常が出なくても、数年後に「子宮内膜症」になっている可能性が高くなるからです。
「月経困難症」という「病気」とはいっても、必ずしも子宮や卵巣に異常があるとは限りません。プロスタグランジンという痛みを伝える物質が過剰に作られやすい体質だったり、冷えや血行不良によって痛みを感じやすくなっているだけという場合もあります。
ただ、痛みの程度がひどかったり、年齢とともに痛みが強くなってきている場合は、生理痛を引き起こす子宮や卵巣の病気が隠れている可能性があります。
生理痛の原因となりうるのは、以下のような病気です。
*子宮内膜症
*子宮腺筋症
*子宮筋腫
*子宮内膜ポリープ
*子宮奇形
生理痛の原因は超音波検査でわかる(横浜駅の婦人科)
生理痛がひどい場合に、上記のような病気がないかどうかを調べる方法は「超音波検査」です。
超音波の機械を当てて、子宮や卵巣をモニターに映し出し、それぞれの形や大きさを確認する検査です。
超音波の機械を当てること自体は、痛みは全くありませんので、体への負担が少なく多くの情報が得られる検査といえます。
婦人科の病気を調べるための超音波検査は、性行為の経験がある方の場合は膣から機械を入れて行います。細い棒状のプローベ(超音波が出る部分)を膣内に入れて、子宮や卵巣を映し出します。
子宮には直接当てることができますし、卵巣もかなり近い位置から映し出せるため、細かいところまで詳しく見えるのがメリットです。
プローベの太さも、多い日用のタンポンくらいの太さなので、通常は性行為の経験があればそれほど苦痛は伴わずに行える検査です。
内膜症による癒着があると、子宮の位置が動く刺激で痛みを伴う場合があります。
性行為の経験がない方の場合は、膣からの診察がむつかしいため、プローベを肛門から直腸に入れるか、内科の超音波検査と同じようにお腹の上から機械を当てます。
肛門からの診察の方が、より鮮明に子宮や卵巣を見ることが可能なため、できるだけ肛門からの検査を受けるようにしていただいています。
ただ、人によっては、下着を取ること自体が不安であったり、内診のための診察台に乗ることに抵抗があるという方もいらっしゃいます。
そのため、まずはお腹の上からプローベを当てて検査をしてみて、十分な情報が得られない場合はMRIの検査を行うこともあります。
どのような方法で検査を行うかは、診察時に医師と相談してみてください。
できるだけ苦痛が少ない方法で検査を行うことが理想ですが、必要な情報が得られなければ意味がありません。かといって、MRIの検査は手間も費用もかなり掛かってしまいます。
超音波検査自体は、スムーズに行えれば1~2分で終わる検査です。リラックスして受ければ、痛みもそれほどありません。
そのうえ、子宮や卵巣の形・大きさ、子宮内膜の状態、卵巣内の卵の元(卵胞)の状態などが一度に確認できるため、得られる情報がとても多い検査です。
生理痛が気になる人は、一度は超音波検査を受けておくことをお勧めします。
生理痛の治療法は大きく分けると3つ(横浜市の婦人科)
生理痛がひどい場合、それを改善する方法は以下の3つです。
1)対症療法
2)ホルモン療法
3)手術
1)の対症療法は、漢方薬や痛み止めを使った治療です。漢方薬で血行を良くしたら体を温めたりすることにより、生理痛が軽減する場合があります。
また、痛み止めは、市販のものより病院で処方されるものの方が効き目がよい場合が多いです。
2)のホルモン療法は、低用量・超低用量ピルか黄体ホルモン剤を使った方法です。
低用量・超低用量ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが混ざったホルモン剤を、1日1錠ずつ服用します。
黄体ホルモン剤を使用する場合、飲み薬(ディナゲスト)を1錠ずつ1日2回毎日服用する方法と、ホルモン付加子宮内システム(IUS=ミレーナ)を子宮内に挿入する方法があります。
3)の手術は、子宮筋腫や子宮内膜症が原因となっており、薬による治療が無効な場合や、病変のサイズが大きすぎる場合に選択します。
どの治療方法が適しているかは、妊娠の希望の有無や病変の有無によっても異なってきます。年齢や血栓症リスクの有無によっても選択肢が異なりますので、主治医とよく相談して決めることをお勧めします。
日付:2025年6月16日 カテゴリー:生理痛
おりものが臭う・色が濃い・茶色い・量が増えた・・・全部要注意!
性病検査はどんな時に必要?(横浜市の婦人科)
最近、性感染症の検査で異常が出る方が少々増えてきています。中には、「ちょっと痒いだけ」という症状で念のため調べてみたらクラミジアが陽性だったというケースもあるので(通常クラミジア感染で痒みは出ません)、症状の有無にかかわらず定期的な検査をお勧めしたいところではあるのですが。
職業的に定期検診が必要なケースを除くと、なにも症状がないのに性感染症の検査を定期的に受けています、という方はまれでしょう。通常は、かゆみやおりものの異変など、何か気になる症状が出て初めて婦人科にいらっしゃいます。
女性の性病で最も多いのは「クラミジア」(横浜市の婦人科)
女性の性感染症の中で最も頻度が高いのは「クラミジア頚管炎」ですが、実はクラミジアに感染していても6~7割の方は無症状というデータもあるくらい、自覚症状が出にくい感染症です。
症状が出るとしたら、下記のような症状が一般的です。
おりものの臭いが強くなった
おりものの量が増えた
おりものの色が濃くなった
おりものに血液が混ざる
腹痛や性交痛が気になる
これらの症状が少しでも気になったら、様子を見るのではなく直ちに婦人科を受診しましょう。
また、性感染症を予防する方法はコンドームを「最初から最後まで正しくしよう」するしかありません。
たとえパートナーが1人だけでも、結婚していても、相手が感染していたらうつるのです。
妊娠を希望している時以外は、必ずコンドームを「正しく」使いましょう。また、妊娠をする場合は、「コンドームを外す前に」お互いに一通りの性感染症の有無をチェックしておくことをお勧めします。
ご予約はこちらから
日付:2025年6月13日 カテゴリー:性病
妊活に基礎体温は必須?
基礎体温でわかること(横浜市の婦人科)
妊娠を希望している場合「まず基礎体温をつけましょう」と言われることも多いかもしれませんね。
基礎体温をつけると分かることは
*月経周期が正常範囲かどうか
*高温期と低温期があるか=排卵しているかどうか
*排卵の時期が月経周期の何日目くらいなのか
*高温期の体温が充分高いか
*高温期の継続日数が足りているか
などです。
なので、妊娠を考え始めたら、基礎体温はつけた方がよいと言えます。
ただ、生理周期が2~3日の誤差程度で安定しており、3周期くらい付けた基礎体温がきれいに2相性で高温期もしっかりある場合、「ずっと付け続けないと妊活できない」わけではありません。
基礎体温をつけなくてもタイミングはとれる?(横浜市の婦人科)
周期が安定していて排卵していることが確実な場合は、生理の周期から逆算して妊娠しやすい時期が予測できるため、基礎体温をつけなくてもタイミングを合わせることが可能です。
「生理の周期ー14」が排卵の時期です。
排卵日の2~3日前からタイミングを持つと妊娠率が上がります。
例えば、生理周期が30日の人の場合、生理が来た日を「1日目」とカウントして「16日目」くらいが排卵日になるということです。
なので、「13日目~16日目」にタイミングを合わせるとよいと言えます。
逆に、生理の周期が5日以上のばらつきがある(例:35日の時もあれば42日の時もある)場合は、基礎体温を付けた方がタイミングは合わせやすくはなります。
ただ、基礎体温で『未来の排卵日の予測』は難しいので、周期の一番短い日に合わせてタイミングをとり始め、基礎体温が上がるまで1~2日おきにタイミングをとる必要があります。
生理不順だと妊活しにくい?(横浜市の婦人科)
生理の周期がバラバラな場合は、基礎体温をつけていても排卵日の予測が難しい場合もあります。
尿検査で排卵日を予測する「排卵日検査薬」を使うと、「排卵直前」に陽性になるため、「今日がチャンス!」というのは把握しやすくなります。基礎体温と排卵日検査薬の組み合わせで、ある程度タイミングが合わせられるようなら、その状態で6クールくらい様子を見てもよいでしょう。
排卵日の予測方法として、一番確実なのは、超音波検査です。超音波で、卵巣の中にある卵の元(卵胞)を計測して、その大きさから「あと何日後くらいに排卵しそうか?」を予測します。
超音波検査は、不妊治療を行っていない婦人科でも対応できる検査です。
基礎体温だけではタイミングを予測しにくいという場合は、婦人科で相談してみるとよいでしょう。
日付:2025年6月13日 カテゴリー:不妊症
おりものの色や臭いが気になる時は【横浜市で評判の婦人科】
茶色や緑色のおりものは異常?(横浜・女医の婦人科)
「おりものの異常」で受診なさる方は、気になってすぐに受診する方と、「結構前から気になっていた」という方に大別されます。
「いつもおりものが多い」「以前から痒みが続ている」「何となく臭いが気になっていたが様子を見ていた」という方も少なくありません。おりものの臭いや色がいつもと違うな~と思った時に、一番気になるのはそれが受診せず放置しても問題ないものなのかどうかでしょう。
おりものの異常のうち、カンジダやB群溶連菌・大腸菌といった細菌による膣炎であれば、自然に治ることもあります。一方、クラミジアなどによる性 感染症は自然になることはなく、パートナーも含めてきちんと治療する必要があります。
おりものの異常は性病?(横浜駅近くの婦人科)
少なくとも半年以内に性 行為があり、おりものの量が増えた・臭いが強くなった・色がいつもと違う・ピンク色や茶色いおりものが出る・血液がおりものに混ざるなどの症状がある場合は、様子を見ずに受診したほうがよいでしょう。
厳密には、おりものの状態だけでそれが「性感染症(性病)」かどうかを判断することはできません。おりものをぬぐい取る検査をして、そこにばい菌がいるかどうかを確認しなければ断定はできないのです。
おりものでわかる性感染症は、クラミジア頸管炎・淋菌感染症・トリコモナス膣炎・マイコプラズマ子宮頚管炎です。これらはいずれも性 行為によって感染するものですが、トリコモナスの場合はまれにプールや温泉などでの感染もあるので「絶対に性行為のパートナーから感染したもの」とは言えません。
ただ、多くの場合は性 行為が感染経路になるので、これらの菌が検出された場合はパートナーと一緒に完治が確認できるまで適切な治療を行う必要があります。
治療の途中で性 行為を行ってしまうと、治療が長引いてしまうので注意が必要です。
性交渉していなくても細菌性腟炎になる?(横浜市の婦人科)
一方、性行為は関係なく発生してくるおりものの異常は、主にカンジダ膣炎と細菌性膣炎によるものです。
カンジダ膣炎外陰炎は「カンジダ」という真菌(カビ)が繁殖して膣内や外陰部の皮膚に炎症を引き起こすものです。ぽそぽそした塊状のおりものや白~緑がかったおりものが増えて、膣内や外陰部に痒みを引き起こします。
細菌性膣炎は、大腸菌やB群溶連菌などの雑菌が増えて膣内に炎症を引き起こすものです。黄色っぽいドロッとしたおりものが増えたり、生臭い臭いが強くなることがあります。細菌性膣炎でかゆみが出ることはまれです。
大腸菌やB群溶連菌は自然に治る?(横浜駅近くの婦人科)
カンジダ膣炎や細菌性膣炎は、自分の抵抗力がしっかりしていれば膣の「自浄作用」によってばい菌を洗い流すことができるため、2~3日で自然によくなることもあります。
数日おりものが気になっていたけれどすぐに改善したという場合で、性 行為の機会がなければそのまま様子を見てもよいでしょう。
ただし、性行為の機会がある場合は、一度は一通りの検査を受けておいた方が安心です。クラミジアも淋菌も、ほとんど症状が出ない人の方が多いため、隠れた感染が持続する場合があります。本当は、何も気になる症状がなくても、少なくともパートナーが変わったら感染症の検査を定期的に受けた方が確実なのです。
少しでも気になる症状があれば、自分で何とかしようとせず婦人科で相談しましょう。
ご予約はこちらから
日付:2025年6月12日 カテゴリー:性病
働く女性のためのプレコンセプションケアと妊娠への準備
プレコンセプションケアとは(横浜市の婦人科)
プレコンセプションケアとは、文字通り訳すと「妊娠前のケア」です。具体的には、女性が妊娠する前から、今後の妊娠や出産に備えて行う健康管理のことを指します。
それには、生活習慣の見直しや必要なワクチンの接種、適切な栄養補給などが含まれます。また、既に何らかの疾病を抱えている女性の場合、その管理や治療を適切に行うことも大切なプレコンセプションケアの一環となります。
例え、現在妊活中であったり、近いうちに妊娠を考えている状況ではなくても、プレコンセプションケアを行うことが、妊娠前の年齢の女性にとっては、大きなメリットになると言えます。
プレコンセプションケアの目的(横浜駅近くの婦人科)
プレコンセプションケアの目的は、母体となる女性の健康状態を最適化し、胎児の健康を保つことです。
特に、肥満や喫煙、過度のアルコール摂取などは、女性自身の健康はもちろん、胎児の発育にも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、そういったリスクを低減するために、妊娠する前からの健康管理が重要となります。
また、妊娠に関する知識を深め、自身の体や妊娠に対する理解を深めることも大切な目的の一つです。それは、女性が自己の体と健康を守ることができるだけでなく、その結果として安全で健康的な妊娠、出産を迎えることができるからです。
プレコンセプションケアの重要性(女医のみの婦人科)
プレコンセプションケアの重要性は言うまでもありません。
まず一つに、妊娠と出産は女性の体に大きな負担をかけるものです。そのため、それらを無事に乗り越えるためには、妊娠前から体調を整えておく必要があります。そのための手段としてプレコンセプションケアは非常に重要となります。
また、出生前の初期段階で健康状態を管理することで、妊娠初期の流産や先天性異常のリスクを減らすことができます。例えば、妊娠1カ月前から葉酸を1日400㎍ずつサプリメントで摂取することで、胎児の神経管異常(先天的な異常の一つ)のリスクを減らすことができます。
さらに、母親の健康状態が子どもの将来の健康にも影響を及ぼすという研究結果もあるため、母親の健康管理は子どもの健康管理にも直結しているのです。
母体の妊娠前の体重が少なすぎたり、妊娠中の体重増加が不十分だと、胎児の体重が十分に伸びなかったり、その胎児が成人してから生活習慣病になるリスクが高まります。
このように、妊娠のかなり前から、「将来の妊娠を意識した健康プラン」を考えることが、母親本人だけではなく、世代間にわたる健康増進につながるのです。
プレコンセプションケアの対象者(横浜の婦人科)
プレコンセプションケアの対象者は、妊娠を希望しているすべての女性です。
年齢や既婚未婚の有無、既往症の有無を問わず、これから妊娠を予定している女性はすぐにでもプレコンセプションケアを始めることが推奨されます。
また、特に重要とされるのは、遺伝的な疾患の家族歴がある女性や、既に何らかの疾患を持っている女性です。プレコンセプションケアを行うことで、妊娠や出産に関連するリスクを把握し、それらに対する対策を講じることが可能となります。
そのため、これから母となるすべての女性にとって、プレコンセプションケアは必要不可欠なものと言えるでしょう。
日付:2025年6月12日 カテゴリー:不妊症
生理不順はピルをやめたら元に戻る?【横浜駅近くの婦人科】
ピルは生理を整える作用がある【横浜市の婦人科でピル処方】
生理不順(月経不順)の治療は、大きく分けると漢方薬を使った間接的な治療と、ピルや黄体ホルモン剤を使ったホルモン治療に分けられます。
最近は、保険で使えるピルの種類が増えてきたこともあり、生理不順の改善目的でピルを処方されている方も多いのではないでしょうか?
ピルを飲むと、女性ホルモンがバランスよく補われた状態になりますので、定期的に出血が来るようになります。そのため、生理の周期を整える方法のひとつとして、ピルは有効です。
また、多嚢胞性卵巣症候群や排卵障害で、ホルモンがアンバランスになっていた場合は、それらを整えてくれる作用もあります。ピルの種類によっては、男性ホルモンを抑える作用もあります。男性ホルモンが高くなりすぎている場合は、その影響でニキビや多毛などの「男性化兆候」が表れることがあります。男性ホルモンを抑える作用があるピルは、それらの症状の改善も期待できます。
ピルは排卵を改善させる?
ピルを服用している間は、排卵は抑えている状態になりますので、厳密な意味で「排卵を促す治療」にはなりません。
ピルで排卵を抑えることで、一時的に卵巣をお休みさせてあげることができるので、ピルをやめた後の排卵が起きやすくなる可能性はあります。
よく、「ピルを飲んでいれば生理は来るけれどピルをやめたら生理不順になるので、ピルは生理不順を改善しているわけではないのですか?」という質問を受けることがあります。
ピルは、「飲んでいる間はホルモンバランスを整えて、定期的に出血を来させることができる」ものです。
ピルを飲んでいる間に、男性ホルモンが下がったり、LHとFSHのアンバランスさが改善したり、卵巣の「排卵しにくさ」が改善すれば、ピルをやめた後も月経は順調に来るようになります。
逆に、ピルを飲んでも、卵巣そのものの働きが改善しなかったり、「排卵しにくさ」が続いていると、ピルをやめた後に生理不順の状態に戻ってしまいます。
ピルを飲むことによって、その後の排卵が起きにくくなったり、不妊症になるという心配はありません。通常は、服用を中止したら、服用前より排卵しやすくなっているか、「服用前のまま」かのどちらかです。
ピルはいつまで飲まなければいけない?
生理不順の治療目的でピルを飲む場合、できれば6クール(6シート)は継続した方がベターです。
ホルモンのアンバランスさを整えたり、将来的な子宮体癌のリスクを下げるには、6か月は継続して治療した方が効果的だからです。
10代の方が、ピルで生理不順の治療を行う場合は、6か月以上継続した後にさらに継続するのかいったん中止するのかを相談して決めます。受験や部活のスケジュール的に、生理がいつ来るのかがはっきり分かったり、生理の日を調節できた方が便利な期間中は、ピルを継続しておいた方がよいでしょう。
20~30代の方で、避妊も必要という場合は、6か月でピルをやめずにそのまま避妊もかねてピルを継続することをお勧めしています。
避妊が不要になった時や、妊娠を希望した段階でピルをやめた方が、トータルのメリットは大きいと言えます。
ピルで生理不順は治らない?
ピルで、ひとまず定期的に月経が来るようにしたり、足りないホルモンを補うことは重要です。
特に、多嚢胞性卵巣症候群で月経が不規則になっている場合、ピルで定期的に出血を来させておいた方が、将来的な子宮体癌のリスクを下げることにつながります。
ただ、ピルを飲むと同時に、「なぜ生理不順になったのか」を考えて、食事や生活習慣を見直したり、適切な体重にコントロールしたりすることも重要なのです。
ピルをやめた後にすぐに生理不順に戻ってしまう場合は、何を改善すれば自然な生理が定期的に来るようになるのかを、生理不順の原因から逆算して考えてみるとよいでしょう。
日付:2025年6月12日 カテゴリー:生理不順
生理不順はどこまでほっといてもよい?【横浜駅近くの婦人科】
どこからが生理不順?(横浜市の婦人科で相談)
当院に受診なさる方の多くは、生理不順・生理痛・月経前症候群・不正出血など、何らかの「月経関連の症状」が気になって来院なさいます。
中でも比較的多いのは「生理不順」ですが、一口に生理不順といっても、「生理の周期が正常より長い」という場合もあれば「少量の出血が何度も来る」という場合もあれば「出血期間が長い」という場合もあります。
ちょっと生理が乱れただけで「生理不順」なのか、「どこからが生理不順なの?」と悩むケースもあるかもしれません。
正常な生理は、
*周期(生理が始まってから次の生理が来るまでの日数)が25~38日
*出血期間が3~7日
*生理と生理の間に出血しない
*排卵がある(基礎体温が2相性)
のすべてを満たしている場合です。
これらの条件のどれかに当てはまらなければ、何らかの異常が起きている「可能性がある」ということになります。
ただ、絶対にこの範囲に入っていないと「治療が必要」とは限りません。
ほっといてもいい生理不順もある?
例えば、生理の周期が40日くらいで少し長めだけれど、毎回排卵していて途中の不正出血もなく、生理の期間も5~7日でスッキリ終わる、というケースでは治療は不要なことがほとんどです。
生理の周期は、多少前後することがありますし、毎月ピッタリ同じ日や同じ周期で来なければ「異常」というわけではありません。
また、年齢的に40代後半にさしかかってから、徐々に生理の周期が短くなった、または長くなったという場合も、「年齢相応」の生理不順が起きている可能性が高いと言えます。
出血期間が長引いたり、不正出血が途中で起きたりしなければ、ほっといても大ごとにはなりません。
逆に、生理の周期はだいたい30日だけど出血量が少なくて基礎体温をつけてみると排卵していない、というケースでは年齢によっては治療が必要になる場合もあります。
よく、「生理不順はどこまでほっといて大丈夫ですか?」という質問を受けるのですが、医学的に「ほっておいてよい不調」はありません。
何らかの理由があってその不調が出ていることがほとんどなので、病院に行く必要はなくても、生活リズムや食事内容を見直したり、「見て見ぬふりをしてきた解決した方がよいこと」が隠れていないかをチェックした方がよいでしょう。
症状が出る直前に原因があることが多いのですが、中には「積もり積もった、見て見ぬふりをしてきた思い」や「以前から『何とかしなきゃ』と思いながらも蓋をしてきた課題」が原因になっていることもあります。
ほっといてはダメな生理不順(女医のみの診察だから安心)
「受診が必要」もしくは「治療が必要」な生理不順はどのようなものかというと、大きく分けると3パターンあります。
*生理が来ない期間が長い(目安は60日・90日以上だと必ず受診)
*出血期間が長い(月のうち半分以上出血していたら受診)
*不正出血と区別がつかない(生理不順だと思っていたらがんだったということがないように)
他にも、「妊娠を希望している」という場合は、少しでも気になる症状があれば早めに受診して検査だけでも受けた方が安心です。
できるだけ婦人科は受診せずに何とか済ませたい、と思ってしまう方は多いかもしれません。
でも、体がせっかく「生理不順」という分かりやすい症状で何かを知らせてきてくれているわけです。これを機会に、自分の体と向き合ったり、日々の過ごし方を見直してみてはいかがでしょうか?
ご予約はこちらから
日付:2025年6月11日 カテゴリー:生理不順
生理痛をコントロールしておいた方がいい理由【横浜駅近くの婦人科】
ひどい生理痛は「内膜症予備軍」(横浜市の婦人科)
一昔前は、「生理痛は病気ではない」という考え方もあったようですが、最近では「鎮痛剤が必要なレベルの生理痛は内膜症予備軍」という考え方に変わってきています。
つまり、日常生活に支障が出たり、鎮痛剤を飲まなければやり過ごせないほどの生理痛が出るということは、「すでに内膜症という病気が始まりかかっているかもしれない」と考えた方がよいということです。
どの程度の痛みが「治療が必要なレベル」の痛みなのかは、厳密な意味で定義することはできません。痛みの感じ方は個人差が大きく、また検査をして客観的に数値化することもできないため、「このレベルだと治療が必要ですよ」という明確な基準は作れないのです。
受診が必要な生理痛とは?(横浜市の婦人科)
生理の時に、多少下腹部が痛くなったり腰がおもだるくなるけれど、鎮痛剤を飲まなくても普段通りに動けるし、スポーツや趣味も楽しめるというレベルであれば、医学的には問題ないと言えるでしょう。
逆に、次のような状態の場合は、我慢せずに早めに婦人科を受診することをお勧めします。
*生理の時期には必ず痛み止めが必要
*生理の時期に学校や仕事を休んだり早退することがある
*生理を理由に日常生活や社会活動をセーブすることがある
*年々生理痛がひどくなっている
*年々生理の量が増えている
*生理の時期に腹痛以外に頭痛・吐き気・下痢などの不調がでる
生理痛の検査は?(横浜駅近くの婦人科)
生理痛について診察を受ける場合、できれば受けた方がいいのが「超音波検査」です。性行為の経験がある人は、膣から超音波の機械を入れて(非常に細い機械です)「経腟超音波検査」を行います。性行為の経験がない人は、肛門から機械を入れる「経直腸超音波検査」か、お腹の上から機械を当てる「経腹超音波検査」を行います。
「経直腸超音波検査」の方が、子宮や卵巣の状態を詳細に観察することができますが、下着をとって検査を受ける必要があります。検査に抵抗がある場合は、まず「経腹超音波検査」を受けて、より詳細に観察した方がいい場合はMRI検査を追加するという方法もあります。
どの方法で検査を行うかは医師の判断によりますが、受診前に不安が強い場合は事前に電話で問い合わせて希望を伝えておくのも一つの方法です。
生理痛の治療はピルや黄体ホルモン療法(横浜市の婦人科)
生理痛の治療の中心は、ピルや黄体ホルモン剤によるホルモン治療です。漢方や鎮痛剤で痛みを和らげることもできますが、これらの対症療法だと内膜症を予防することはできません。
生理痛がひどくなりすぎないうちにコントロールしておく最大のメリットは、将来的な内膜症のリスクを減らせるという点です。
そのほかにも、ピルや黄体ホルモン療法で生理痛や生理の量をコントロールすることによる多くのメリットがあります。
*学業や仕事のパフォーマンスが保たれる
*「生理にうんざり」することがなくなり「自分が女性である」ことを受け入れやすくなる
*ナプキンやタンポンの使用量が減る
*将来的な不妊リスクが減る
*貧血や鉄欠乏を改善できる
もちろん、薬を飲めば副作用のリスクも発生します。上記のメリットと、副作用によるデメリットと、どちらが自分にとって大事なのかをしっかり考えてみることをお勧めします。
ご予約はこちらから
日付:2025年6月10日 カテゴリー:生理痛