婦人科の病気
性感染症(性病)とは|症状・検査・治療・予防
性感染症(STI・性病)は、腟性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックス、性器周辺の皮膚や粘膜の接触でも感染する可能性がある病気です。症状がなくても感染していることがあり、見た目やおりものの状態だけでは診断できません。[1]
検査は「どの感染症が疑われるか」「どの部位に接触があったか」「感染機会からどのくらい経過したか」によって異なります。また、検査が陽性でも、いつ、誰から感染したのかを結果だけで特定することはできません。
性感染症とは
性感染症は、細菌、ウイルス、原虫などが性的接触によって感染する病気の総称です。代表的なものに、クラミジア、淋菌、梅毒、性器ヘルペス、HPV感染、尖圭コンジローマ、腟トリコモナス症、HIV感染症などがあります。
性感染症は「特別な人だけがかかる病気」ではありません。性的接触があれば誰にでも起こり得ます。感染そのものを責めるのではなく、必要な検査と治療を受け、パートナーへの感染や合併症を防ぐことが大切です。
女性にみられる主な症状
- おりものの量・色・臭いが変わった
- 外陰部のかゆみ、痛み、腫れ
- 排尿時の痛み、頻尿
- 性交時の痛み、性交後の出血
- 不正出血
- 下腹部痛、発熱
- 外陰部の水疱、潰瘍、いぼ、しこり
- のどの違和感や痛み
症状がないから感染していないとは限りません。クラミジア、淋菌、トリコモナス、HPVなどは、感染しても気づかないことがあります。パートナーが性感染症と診断された場合や、コンドームを使用しない性的接触があった場合は、無症状でも検査をご相談ください。
主な性感染症の特徴
| 感染症 | 主な特徴 | 主な検査 |
|---|---|---|
| クラミジア | 無症状が多い。子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、不妊・異所性妊娠の原因になることがある | 腟・子宮頸管分泌物、尿などの核酸増幅検査 |
| 淋菌 | 膿のようなおりもの、排尿痛、下腹部痛など。無症状の場合もある | 腟・子宮頸管分泌物、尿などの核酸増幅検査・培養 |
| 梅毒 | しこり、潰瘍、発疹など。症状が一度消えることもある | 血液検査 |
| 性器ヘルペス | 水疱、潰瘍、強い痛み。症状がない時にも感染する可能性がある | 病変部の核酸検査・抗原検査・培養など |
| HPV感染 | 多くは無症状。高リスク型の持続感染は子宮頸部の前がん病変などに関係する | 子宮頸がん検診で行うHPV検査など |
| 尖圭コンジローマ | 外陰部や肛門周囲などに、いぼができる | 主に視診。必要に応じて組織検査 |
| 腟トリコモナス症 | 黄緑色のおりもの、臭い、かゆみなど。無症状の場合もある | 腟分泌物の核酸検査・培養・顕微鏡検査 |
| HIV感染症 | 感染初期に発熱などが出ることがあるが、長期間無症状の場合もある | 血液検査 |
性感染症の検査方法
「性感染症検査」と呼ばれる一つの検査ですべての感染症が分かるわけではありません。問診で接触した部位、症状、感染機会からの期間、妊娠の可能性などを確認し、必要な検査を選びます。
- おりもの・腟・子宮頸管の検査:クラミジア、淋菌、トリコモナス、カンジダ、一般細菌など
- 尿検査:クラミジア、淋菌など
- 血液検査:梅毒、HIV、B型肝炎、C型肝炎など
- 病変部の検査:性器ヘルペス、いぼ、潰瘍など
- 咽頭・直腸の検査:接触した部位や症状に応じてクラミジア・淋菌など
感染直後は検査で検出できない「ウインドウ期」があります。感染機会からの期間が短い場合は、適切な時期に再検査が必要になることがあります。
保険診療と自費検査
おりもの、かゆみ、痛み、不正出血などの症状がある場合や、パートナーが陽性と診断された場合は、医師の判断により保険診療で検査できることがあります。
症状がなく、健康確認や結婚・妊娠前のスクリーニングとして検査する場合は、原則として自費診療です。検査内容と費用は料金案内をご確認ください。
検査が陽性だった場合
- 感染症に合った治療を受ける
- パートナーにも検査・治療を勧める
- 治療が完了するまで性的接触を控える、または医師の指示に従う
- 必要に応じて治癒確認や再感染確認の検査を受ける
- 妊娠中・妊娠希望の場合は必ず医師に伝える
一人だけが治療しても、未治療のパートナーから再感染することがあります。なお、陽性結果だけから「最近感染した」「現在のパートナーから感染した」と断定することはできません。
性感染症を予防するために
- 腟性交・オーラルセックス・アナルセックスでコンドームを正しく使用する
- 新しいパートナーや感染機会があった時は検査を検討する
- 症状がある時は性的接触を控え、早めに受診する
- HPVワクチン、B型肝炎ワクチンなどを活用する
- 陽性時はパートナーと一緒に対応する
コンドームは多くの性感染症のリスクを下げますが、覆われていない皮膚から感染するヘルペスやHPVなどを完全には防げません。ワクチン、検査、早期治療を組み合わせることが重要です。[1]
早めの受診が必要な症状
- 強い下腹部痛や発熱がある
- 吐き気、嘔吐を伴う
- 性器に強い痛みを伴う水疱・潰瘍がある
- 排尿できないほど痛む
- 妊娠中または妊娠の可能性がある
- 性的接触後に全身の発疹や発熱が出た
- 性暴力などによりHIV感染リスクがあり、接触から時間がたっていない
性感染症についてよくある質問
Q. おりものに異常がなければ性感染症ではありませんか?
いいえ。クラミジア、淋菌、HPVなどは無症状の場合があります。感染機会やパートナーの診断状況によっては、症状がなくても検査を検討します。
Q. 陽性なら浮気をした時期や相手が分かりますか?
通常は分かりません。長期間無症状だったり、感染後しばらくして症状が出たりする感染症があるため、検査結果だけで感染時期や感染源を特定することはできません。
Q. 一度にすべての性感染症を検査できますか?
一つの検体ですべてを調べることはできません。おりもの・尿・血液・病変部・咽頭など、感染症と接触部位に合った検査を組み合わせます。
症状・疾患別の詳しいページ
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ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~は、横浜駅から徒歩6分の婦人科です。おりもの、かゆみ、下腹部痛、不正出血、性器の水疱・いぼなどを女性医師が診察します。
症状がある方やパートナーが陽性と診断された方は、WEB予約をご利用ください。検査内容が分からない場合は、診察時にご相談いただけます。
この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・検査・治療に代わるものではありません。
参考文献
- 厚生労働省.性感染症.
- 日本性感染症学会.性感染症診断・治療ガイドライン2026.
- CDC. Sexually Transmitted Infections Treatment Guidelines.
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日付:2026年10月27日 カテゴリー:婦人科の病気,性病
おりものの色・臭い・量が変わったら?性病と腟炎の見分け方
おりものの色・臭い・量が変わっても、すべてが性感染症とは限りません。排卵前後や妊娠、ホルモン変化でも量や粘りは変わります。一方、クラミジア、淋菌、トリコモナス、カンジダ、細菌性腟症などでも変化するため、見た目や臭いだけで診断することはできません。
かゆみ、痛み、不正出血、下腹部痛、発熱を伴う場合や、変化が続く場合は、おりものを採取する検査を受けましょう。
正常なおりものにも変化があります
正常なおりものは、透明から乳白色で、月経周期によって量や性状が変わります。排卵期には透明でよく伸びるようになり、月経前や妊娠中は量が増えることがあります。
下着についたおりものが時間の経過で黄色っぽく見えることもあります。色だけで病気とは判断せず、臭い、かゆみ、痛み、出血などを合わせて確認します。
おりものの特徴と考えられる原因
| おりもの・症状 | 考えられる主な状態 |
|---|---|
| 透明・白色で、周期により量が変わる | 正常な周期変化のことが多い |
| 白くポロポロして強いかゆみがある | 外陰腟カンジダ症など |
| 灰白色で魚のような臭いがある | 細菌性腟症など |
| 黄緑色・泡状で臭いやかゆみがある | 腟トリコモナス症など |
| 黄色・膿状、不正出血や排尿痛を伴う | クラミジア、淋菌、子宮頸管炎など |
| 茶色・血が混じる | 月経前後、排卵期出血、子宮頸管炎、ポリープ、子宮頸部・子宮内膜の病変など |
※同じ病気でも症状は異なり、複数の感染や腟炎が重なることもあります。この表だけで自己診断はできません。
性感染症とは限らない病気
外陰腟カンジダ症
カンジダはもともと体に存在することがある真菌です。抗菌薬の使用、妊娠、糖尿病、免疫状態、蒸れなどをきっかけに増殖します。性的接触だけで起こる病気ではありません。
細菌性腟症
腟内細菌のバランスが崩れた状態で、灰白色のおりものや臭いが出ることがあります。典型的な性感染症とは異なりますが、症状だけではトリコモナスなどと区別できません。
ホルモン変化・刺激・皮膚疾患
排卵期、妊娠、更年期、洗浄剤やナプキンによる刺激、湿疹などでも、おりものや外陰部症状が変化します。
どのような検査をしますか?
診察では症状、月経周期、妊娠の可能性、抗菌薬の使用、性的接触などを確認し、必要に応じて次の検査を行います。
- 外陰部・腟・子宮頸部の診察
- おりものの顕微鏡検査・培養検査
- クラミジア・淋菌などの核酸増幅検査
- トリコモナスなどの検査
- 不正出血がある場合の子宮頸がん検査や超音波検査
オーラルセックスやアナルセックスによる感染が疑われる場合は、咽頭や直腸など、接触した部位に合った検査が必要になることがあります。
受診した方がよい症状
- 臭い、色、量の変化が続く
- 強いかゆみ、痛み、腫れがある
- 不正出血、性交後出血がある
- 排尿痛、性交痛がある
- 下腹部痛や発熱を伴う
- 妊娠中または妊娠の可能性がある
- パートナーが性感染症と診断された
強い下腹部痛、発熱、嘔吐を伴う場合は、骨盤内炎症性疾患などの可能性があるため、早めに受診してください。
受診前に避けたいこと
- 腟内を石けんや洗浄剤で繰り返し洗う
- 診断がつかないまま市販薬を繰り返し使用する
- 香料の強い製品で臭いを隠す
- 症状がある状態で性的接触を続ける
腟内洗浄は正常な細菌バランスを崩し、症状を悪化させることがあります。外陰部はぬるま湯でやさしく洗い、受診前に腟内まで洗浄しないでください。
おりものについてよくある質問
Q. 臭いがなければ性病ではありませんか?
いいえ。クラミジアなどは、臭いやおりものの変化がないこともあります。感染機会やパートナーの診断状況によっては検査が必要です。
Q. カンジダは性病ですか?
カンジダは性的接触がなくても起こるため、一般的には典型的な性感染症とは扱いません。ただし、症状だけでは性感染症と区別できないことがあります。
Q. 腟剤を使った後におりものが増えました
溶けた腟剤が白いかたまりやおりもののように排出されることがあります。ただし、悪臭、痛み、出血、発熱がある場合や症状が改善しない場合は診察を受けてください。
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この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。
参考文献
- 厚生労働省.性感染症.
- 日本性感染症学会.性感染症診断・治療ガイドライン2026.
日付:2026年10月27日 カテゴリー:性病
性器クラミジア感染症|女性の症状・検査・治療
性器クラミジア感染症は、女性では無症状のことが多い性感染症です。気づかないまま子宮頸管から子宮・卵管へ感染が広がると、骨盤内炎症性疾患、卵管性不妊、異所性妊娠などにつながる可能性があります。[1]
現在の性器クラミジア感染を調べる基本的な検査は、腟・子宮頸管分泌物や尿を用いた核酸増幅検査です。血液中のクラミジア抗体だけで、現在の性器感染を診断することはできません。
女性のクラミジアの症状
感染しても症状が出ないことが少なくありません。症状がある場合は、次のような変化がみられます。
-
- おりものの増加
- 不正出血、性交後出血
- 排尿時の痛み
- 性交痛
- 下腹部痛
症状が軽くなったり消えたりしても、自然に治ったとは限りません。強い下腹部痛、発熱、吐き気がある場合は、骨盤内炎症性疾患の可能性があるため早めの受診が必要です。
どのように感染しますか?
腟性交、オーラルセックス、アナルセックスなどによって、性器、咽頭、直腸に感染します。妊娠中に感染していると、分娩時に赤ちゃんへ感染する可能性もあります。
陽性結果だけでは、感染した時期や感染源となった相手は分かりません。長期間無症状だった可能性があるため、「最近の感染」「現在のパートナーからの感染」と断定することはできません。
クラミジアの検査
- 女性の性器感染:腟分泌物または子宮頸管分泌物の核酸増幅検査
- 尿路感染:初尿を用いた核酸増幅検査
- 咽頭・直腸感染:接触した部位から採取する核酸増幅検査
感染機会からの期間が短いと検出できないことがあります。検査の時期は、接触日や症状を確認して判断します。
血液検査で分かりますか?
クラミジア抗体検査は、過去の感染でも陽性が続くことがあります。そのため、現在の子宮頸管感染の有無を調べる検査としては適しません。現在感染の診断には、感染部位から採取する核酸増幅検査を用います。[1]
クラミジアの治療
抗菌薬で治療します。使用する薬剤や服用期間は、妊娠の有無、アレルギー、感染部位、症状、合併症などによって異なります。処方された薬は自己判断で中止せず、指示どおり服用してください。
骨盤内炎症性疾患が疑われる場合は、単純な子宮頸管炎より広い範囲を治療する必要があります。強い痛みや発熱がある場合は入院治療が必要になることもあります。
パートナーの検査と治療
パートナーにも検査・治療が必要です。本人だけが治療しても、未治療のパートナーから再感染する可能性があります。
本人とパートナーの治療が完了し、医師から案内された期間が経過するまでは、性的接触を控えてください。コンドームを使用しても、治療期間中の性的接触は再感染につながる可能性があります。
治療後の検査
適切に治療できていれば、妊娠していない方に一律の治癒確認検査が必要とは限りません。ただし、服薬が不十分だった、症状が続く、再感染の可能性がある場合などは再検査します。
再感染が多いため、治療後およそ3か月を目安に再検査を検討します。妊娠中は、治療終了後の治癒確認が必要になるため、医師の指示に従ってください。[2]
クラミジアと妊娠・不妊
感染が子宮・卵管へ広がると、卵管周囲の癒着や閉塞を起こし、不妊や異所性妊娠のリスクになることがあります。ただし、クラミジアに感染した方が必ず不妊になるわけではありません。
妊娠を希望している方で感染が確認された場合は、治療を完了してから妊活を再開します。下腹部痛の既往や不妊期間がある場合は、卵管の評価が必要になることもあります。
クラミジアについてよくある質問
Q. おりものが正常でも感染していますか?
感染している可能性はあります。女性のクラミジアは無症状が多いため、症状だけでは判断できません。
Q. 血液検査が陽性なら現在も感染していますか?
抗体は過去の感染でも陽性になるため、現在の性器感染を示すとは限りません。現在感染の確認には、腟・子宮頸管分泌物や尿などの核酸増幅検査を用います。
Q. 一度治療すればもう感染しませんか?
免疫によって感染を防げる病気ではなく、再感染することがあります。パートナーの対応と、必要に応じた再検査が重要です。
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症状がある方、パートナーがクラミジアと診断された方、妊娠前に確認したい方はご相談ください。横浜駅から徒歩6分、女性医師が診察します。
この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。
参考文献
- CDC. Chlamydial Infections.
- 日本性感染症学会.性感染症診断・治療ガイドライン2026.
- 厚生労働省.性感染症.
日付:2026年10月27日 カテゴリー:婦人科の病気,性病
性器ヘルペス|女性の症状・検査・治療と再発予防
性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス1型または2型によって、性器・肛門周囲などに水疱や潰瘍、痛みを起こす感染症です。口唇ヘルペスの原因となる1型も、オーラルセックスなどによって性器へ感染することがあります。[1]
症状がない時にもウイルスが排出されることがあるため、感染機会を完全に特定することは困難です。診断されたからといって、最近感染したとは限りません。
性器ヘルペスの症状
- 外陰部、腟の入口、会陰、肛門周囲などの水疱・潰瘍
- ヒリヒリする痛み、かゆみ、違和感
- 排尿時の強い痛み
- 足の付け根のリンパ節の腫れ
- 初感染時の発熱、倦怠感
病変は外陰部だけでなく、腟内、子宮頸部、肛門周囲などにできることがあります。初めて症状が出た時は強くなることがありますが、軽い傷や湿疹のように見える場合もあります。
感染経路と無症状時の感染
水疱や潰瘍への直接接触のほか、症状がない時の皮膚・粘膜からのウイルス排出によって感染する場合があります。腟性交だけでなく、オーラルセックスや性器周辺の接触でも感染します。
感染後、ウイルスは神経節に潜伏し、疲労、発熱、月経、ストレスなどをきっかけに再発することがあります。感染時期から長期間たって初めて症状が出ることもあります。
性器ヘルペスの検査
水疱や潰瘍がある時に、病変部から検体を採取して核酸検査、抗原検査、培養などを行います。病変が治りかけていると、感染していても陰性になることがあります。
血液の抗体検査は補助的に用いられることがありますが、感染部位や感染時期を特定できません。口唇の感染でも陽性になるため、抗体陽性だけで現在の性器病変をヘルペスと診断することはできません。
性器ヘルペスの治療
治療の基本は抗ウイルス薬の内服です。初発、再発、症状の重さ、妊娠の有無などに応じて薬剤と服用期間を選びます。症状が出始めて早い時期に治療を始めるほど効果が期待できます。
再発時の治療
前兆や症状が出た時に短期間服用する方法があります。再発を繰り返す方は、薬をあらかじめ用意して早期に服用する方法を相談できます。
再発抑制療法
再発が多い、症状による負担が大きい、パートナーへの感染リスクを減らしたい場合には、抗ウイルス薬を毎日服用する再発抑制療法を検討します。感染リスクは低下しますが、完全にゼロにはなりません。
パートナーへの感染を減らすために
- 水疱、潰瘍、違和感などがある時は性的接触を避ける
- 症状がない時もコンドームを使用する
- 再発が多い場合は再発抑制療法を相談する
- パートナーへ無症状時にも感染の可能性があることを伝える
コンドームはリスクを下げますが、覆われていない皮膚から感染する可能性があるため、完全には予防できません。
妊娠中・妊娠希望の方へ
妊娠中、特に妊娠後期に初めて性器ヘルペスへ感染すると、分娩時の赤ちゃんへの感染が問題になります。妊娠中に水疱、潰瘍、外陰部痛が出た場合は、速やかに産婦人科へご相談ください。
過去に性器ヘルペスと診断されたことがある方は、妊娠時に担当医へ伝えてください。分娩方法や妊娠後期の再発予防を含めて管理します。
早めに受診した方がよい症状
- 排尿できないほど痛い
- 水疱や潰瘍が急速に広がる
- 発熱、強い頭痛、意識の変化がある
- 目の周囲に病変がある
- 妊娠中に初めて疑わしい症状が出た
性器ヘルペスについてよくある質問
Q. 性器ヘルペスは一生治らないのですか?
ウイルスは体内に潜伏しますが、症状は抗ウイルス薬で治療できます。再発頻度は人によって異なり、再発をほとんど経験しない方もいます。
Q. 陽性なら最近のパートナーから感染したのですか?
断定できません。感染後長期間無症状で、後になって初めて症状が出ることがあります。
Q. 症状がない時は感染しませんか?
症状がない時にもウイルスが排出されることがあります。コンドームや再発抑制療法などでリスクを下げますが、完全にゼロにはできません。
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性器ヘルペスの検査は、水疱や潰瘍が新しい時ほど診断しやすくなります。症状が出たら早めにご予約ください。
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清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。
参考文献
- CDC. Genital Herpes.
- 日本性感染症学会.性感染症診断・治療ガイドライン2026.
日付:2026年10月27日 カテゴリー:婦人科の病気,性病
HPV感染とは|陽性結果・自然消失・がんとの関係
HPV(ヒトパピローマウイルス)は、性的接触のある方なら誰でも感染する可能性がある、ごく一般的なウイルスです。HPV検査が陽性でも、子宮頸がんという意味ではありません。多くの感染は免疫によって検出されなくなりますが、一部の高リスク型が持続感染すると、前がん病変やがんにつながる可能性があります。[1]
HPV陽性という結果から、感染した時期や相手を特定することはできません。感染から長期間たって検出されることや、以前は検出されなかったウイルスが再び検出されることもあります。
HPVとは
HPVには多くの型があり、性器周辺に感染する型は、病気との関係から大きく二つに分けられます。
| 分類 | 主に関係する病気 |
|---|---|
| 高リスク型HPV | 子宮頸部、腟、外陰部、肛門、中咽頭などの前がん病変・がん |
| 低リスク型HPV | 尖圭コンジローマなど。代表的な型は6型・11型 |
尖圭コンジローマの原因となる型と、子宮頸がんに関係する高リスク型は、主に別の型です。ただし複数の型へ同時に感染することはあります。
HPVの感染経路
HPVは、性器・肛門・口腔などの皮膚や粘膜の接触によって感染します。挿入を伴わない性器周辺の接触でも感染する可能性があります。
コンドームは感染リスクを下げますが、覆われていない皮膚から感染することがあるため、完全には防げません。HPVに感染したことは、不特定多数との性的接触があったことを意味するものではありません。
HPVは自然に排除されますか?
HPVに感染しても、多くの場合は免疫によってウイルス量が減り、検査で検出されなくなります。[1]
一方、一部では高リスク型の感染が長期間持続し、子宮頸部異形成などの前がん病変へ進むことがあります。HPV陽性になった時点で将来がんになると決まるわけではありませんが、推奨された時期に再検査や精密検査を受けることが大切です。
HPV検査で分かること
婦人科で行う高リスクHPV検査は、主に子宮頸がん検診や細胞診異常後の管理に使用します。一般的な性感染症検査のように、感染の有無を一度確認して終わる検査ではありません。
- 高リスク型HPVが子宮頸部から検出されるか
- 一部の検査では16型・18型などの型別結果
- 再検査による一時的感染か持続感染かの評価
HPV検査だけで、前がん病変やがんの有無は確定できません。結果に応じて、細胞診、コルポスコピー、組織検査などを組み合わせます。
HPV陽性の治療
現在、無症状のHPV感染そのものを直接消す薬はありません。治療対象となるのは、HPVによって生じた尖圭コンジローマや子宮頸部異形成などの病変です。
HPV陽性でも病変がなければ、結果に応じた時期に再検査を行います。自己判断で通院を中断せず、案内された検査時期を守ることが重要です。
パートナーへの説明
HPVは非常に一般的で、感染時期を特定できません。現在のパートナーにHPVが見つからない場合でも、どちらか一方だけが感染源だったとは判断できません。
一般の男性に対して、女性の子宮頸部HPV検査に相当する定期的なスクリーニング検査は確立していません。いぼや皮膚病変がある場合は、泌尿器科・皮膚科などへ相談します。
HPVワクチンと子宮頸がん検診
HPVワクチンは、新たなワクチン対象型HPVの感染を予防します。すでに感染しているHPVや、できている病変を治療するワクチンではありませんが、未感染の型に対する予防効果が期待できます。
ワクチンですべての高リスク型を防げるわけではないため、接種後も子宮頸がん検診が必要です。ワクチンによる感染予防と、検診による早期発見を組み合わせます。[2]
HPV感染についてよくある質問
Q. HPV陽性は子宮頸がんという意味ですか?
いいえ。HPV陽性は高リスク型HPVが検出されたという意味です。多くは検出されなくなりますが、持続感染の有無を確認するため、結果に応じた再検査が必要です。
Q. HPVが自然排除されたか確認できますか?
時間をあけた再検査で陰性になれば、検出できない状態になったと判断します。ただし、完全に体内から消失したかを証明する検査ではありません。
Q. HPV陽性ならパートナーの浮気が原因ですか?
そうとは限りません。感染から長期間たって検出されることがあり、結果だけで感染時期や感染源を特定することはできません。
HPV検査・子宮頸がん検診についてご相談ください
HPV陽性後の再検査や、細胞診異常後の精密検査は、結果に応じて時期が異なります。検査結果をご持参のうえご相談ください。
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更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の検査結果の判定に代わるものではありません。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮頸がん 予防・検診.
- 厚生労働省.HPVワクチンに関するQ&A.
- CDC. Human Papillomavirus Infection.
日付:2026年10月27日 カテゴリー:婦人科の病気,性病
尖圭コンジローマ|性器のいぼの症状・検査・治療
尖圭コンジローマは、主に低リスク型HPV6型・11型によって、外陰部や腟、肛門周囲などにいぼができる感染症です。原因となる型は、子宮頸がんに関係する高リスク型HPVとは主に異なります。[1]
治療で見えているいぼを取り除くことはできますが、治療直後は目に見えない感染が残っている場合があり、再発することがあります。
尖圭コンジローマの症状
- 外陰部、腟の入口、会陰、肛門周囲などの小さないぼ
- 表面がざらざらした、乳頭状・鶏冠状・カリフラワー状の隆起
- 複数のいぼが集まる
- 部位によっては、かゆみ、痛み、出血を伴う
いぼは腟内、子宮頸部、尿道、肛門内など、見えにくい場所にできることもあります。
診断と検査
多くは視診で診断します。ただし、外陰部には正常な突起、良性腫瘍、伝染性軟属腫、梅毒の病変、前がん病変など、コンジローマに似た病変があります。
次の場合は組織検査を検討します。
- 色が黒い、硬い、潰瘍や出血がある
- 診断がはっきりしない
- 治療しても改善しない、急速に大きくなる
- 免疫機能が低下している
HPV検査は、尖圭コンジローマの診断や治療法の選択には通常使用しません。[1]
子宮頸がんになりますか?
尖圭コンジローマの約90%は、発がん性のない低リスク型HPV6型・11型が原因です。そのため、尖圭コンジローマそのものが子宮頸がんへ変化するという意味ではありません。
ただし、高リスク型HPVへ同時に感染している可能性はあるため、年齢に応じた子宮頸がん検診は通常どおり受けてください。
尖圭コンジローマの治療
| 治療方法 | 特徴 |
|---|---|
| イミキモドクリーム | 自宅で塗布する治療。皮膚の炎症、赤み、痛みが出ることがある。妊娠中は通常使用しない |
| 凍結療法 | 液体窒素で病変を凍結する。複数回の治療が必要になることがある |
| 電気焼灼・レーザー・切除 | 大きい病変、多数の病変、治療抵抗性の病変などに検討する |
病変の数、大きさ、場所、妊娠の有無、通院可能性、本人の希望を踏まえて選択します。当院で対応できない処置が適している場合は、治療可能な医療機関へご紹介します。
治療後に再発することがあります
治療は目に見えるいぼを取り除くことが目的で、皮膚・粘膜に存在するすべてのHPVを直ちに除去するものではありません。そのため、特に治療後数か月は再発することがあります。
新しいいぼに気づいた場合は早めに受診してください。再発した場合も、病変に応じて治療を選び直します。
パートナーへの対応
パートナーにいぼや皮膚病変がある場合は、泌尿器科・皮膚科・婦人科などで診察を受けてもらいます。病変がないパートナーへHPV検査を行っても、感染時期や感染源は特定できません。
いぼがある時や治療中の性的接触については医師に確認してください。コンドームは感染リスクを下げますが、覆われていない皮膚から感染する可能性があります。
HPVワクチンで予防できますか?
9価HPVワクチンには、尖圭コンジローマの主な原因となる6型・11型が含まれています。ワクチンは新たな感染を予防しますが、すでにできているいぼを治す効果はありません。
コンジローマにかかったことがあっても、未感染のワクチン対象型に対する予防効果が期待できる場合があります。年齢、接種歴、今後の感染機会を踏まえて相談します。
尖圭コンジローマについてよくある質問
Q. 尖圭コンジローマはがんですか?
がんではありません。主な原因は低リスク型HPV6型・11型です。ただし、別の高リスク型HPVへ同時感染する可能性はあるため、子宮頸がん検診は受けてください。
Q. いぼを取れば感染は完全に治りますか?
見えている病変は取り除けますが、治療直後は目に見えない感染が残り、再発することがあります。
Q. 陽性なら最近感染したのですか?
感染後すぐにいぼが出るとは限りません。長期間症状がなかった可能性もあり、感染時期や感染源を特定することはできません。
性器のいぼが気になる方へ
性器周辺のいぼは、尖圭コンジローマ以外の病変との区別が必要です。市販のいぼ治療薬を性器へ使用せず、婦人科で診察を受けてください。
横浜駅から徒歩6分、女性医師が診察します。WEB予約はこちら
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日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処置に代わるものではありません。
参考文献
- CDC. Anogenital Warts.
- 日本性感染症学会.性感染症診断・治療ガイドライン2026.
- 厚生労働省.HPVワクチンに関するQ&A.
日付:2026年10月27日 カテゴリー:婦人科の病気,性病
腟トリコモナス症|おりもの・臭いの症状、検査と治療
腟トリコモナス症は、トリコモナス原虫が腟や尿路に感染して起こる性感染症です。黄緑色・泡状のおりもの、臭い、かゆみなどが知られていますが、症状がほとんどない方もいます。[1]
本人だけを治療しても、未治療のパートナーから再感染することがあります。診断された場合は、パートナーの検査・治療も重要です。
腟トリコモナス症の症状
- 黄緑色、黄色、灰色などのおりもの
- 泡状のおりもの
- 強い臭い
- 外陰部のかゆみ、刺激感、痛み
- 排尿痛、性交痛
- 腟や子宮頸部の発赤
典型的な症状がそろわないことも多く、無症状のまま感染が続く場合もあります。おりものの見た目だけでは、細菌性腟症、カンジダ、クラミジア、淋菌などと区別できません。
感染経路
主な感染経路は性的接触です。男性では症状がないことも多く、本人が感染に気づかないままパートナー間で感染を繰り返す場合があります。
性行為以外の経路が話題になることがありますが、日常生活での感染は一般的ではありません。また、陽性結果だけでは感染した時期を特定できないため、最近の感染や現在のパートナーからの感染と断定できません。
腟トリコモナス症の検査
- 核酸増幅検査:トリコモナスの遺伝子を検出する感度の高い検査
- 培養検査:トリコモナスの有無を培養して確認する
- 顕微鏡検査:動いている原虫を確認するが、陰性でも感染を否定できない
子宮頸がん検診の細胞診でトリコモナスが疑われることがありますが、細胞診だけで確定診断とはしません。必要に応じて、より適切な検査で確認します。[1]
腟トリコモナス症の治療
メトロニダゾールなどの抗原虫薬で治療します。内服薬、腟剤、またはその組み合わせから、症状、感染部位、妊娠の有無、既往歴などを踏まえて選択します。「すべての方が必ず内服薬と腟剤を併用する」という治療ではありません。
自己判断で薬を中断すると治療が不十分になることがあります。服用中の飲酒や他の薬との組み合わせについては、処方時の指示に従ってください。
パートナーの治療
パートナーに症状がなくても、検査・治療が必要です。男性パートナーは泌尿器科などへ相談してください。
本人とパートナーの治療が完了し、症状がなくなるまでは、性的接触を控えます。コンドームを使用しても、治療途中の性交は再感染につながる可能性があります。
治療後の再検査
トリコモナスは再感染が多いため、性的活動のある女性では、治療後およそ3か月を目安に再検査を検討します。症状が続く場合は、それより早く受診してください。
治療直後の核酸検査では、死滅した原虫の遺伝子を検出する可能性があります。再検査の時期は自己判断せず、医師の指示に従ってください。
妊娠中のトリコモナス
妊娠中に症状がある場合も治療を検討します。使用する薬剤や時期は、妊娠週数、症状、感染状況を確認して選択します。妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、必ず診察時にお伝えください。
腟トリコモナス症についてよくある質問
Q. 温泉やトイレで感染しますか?
主な感染経路は性的接触です。陽性結果が出ても感染時期は特定できないため、日常生活での感染や最近の性的接触のどちらかを、結果だけで断定することはできません。
Q. パートナーに症状がなくても治療が必要ですか?
必要です。男性では無症状のことがあり、本人だけを治療すると再感染する可能性があります。
Q. 腟剤だけで治療できますか?
感染部位や状況によって、内服薬、腟剤、併用のいずれが適するかが異なります。必ず診察を受け、処方された方法で治療してください。
おりもの・臭い・かゆみが気になる方へ
トリコモナスは、おりものの見た目だけでは他の腟炎と区別できません。横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~で女性医師が診察します。
この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。
参考文献
- CDC. Trichomoniasis.
- 日本性感染症学会.性感染症診断・治療ガイドライン2026.
日付:2026年10月27日 カテゴリー:婦人科の病気,性病
淋菌感染症|女性の症状・検査・治療
淋菌感染症(淋病)は、淋菌という細菌による性感染症です。女性では症状がないことも多く、感染が子宮頸管から子宮・卵管へ広がると、骨盤内炎症性疾患、卵管性不妊、異所性妊娠などにつながる可能性があります。
腟性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスでも感染し、咽頭や直腸に感染することがあります。感染した可能性がある部位に合った検査が必要です。[1]
女性の淋菌感染症の症状
- 黄色・黄緑色・膿のようなおりもの
- おりものの増加
- 排尿時の痛み
- 不正出血、性交後出血
- 性交痛
- 下腹部痛、発熱
女性では感染しても症状がない、または軽いことがあります。おりものの見た目だけでは、クラミジア、トリコモナス、細菌性腟症などと区別できません。
強い下腹部痛、発熱、吐き気を伴う場合は、骨盤内炎症性疾患の可能性があるため早めに受診してください。
咽頭淋菌感染症
オーラルセックスにより咽頭へ感染することがあります。咽頭淋菌感染症は無症状のことが多く、のどの違和感や痛みがあっても一般的な咽頭炎と区別できません。
性器の検査が陰性でも、咽頭だけに感染している可能性があります。オーラルセックスによる感染が心配な場合は、接触した部位を診察時にお伝えください。
淋菌の検査
- 性器感染:腟・子宮頸管分泌物または尿の核酸増幅検査
- 咽頭感染:咽頭をぬぐう核酸増幅検査など
- 直腸感染:直腸から採取する核酸増幅検査など
- 治療失敗や薬剤耐性が疑われる場合:培養・薬剤感受性検査
核酸増幅検査は感度の高い検査ですが、感染機会の直後は陰性になる可能性があります。症状がある方やパートナーが陽性の方は待たずに受診し、検査時期について医師と相談してください。
淋菌感染症の治療
淋菌は抗菌薬で治療します。淋菌では薬剤耐性が世界的な問題となっており、現在はセフトリアキソンなどの注射薬を中心とした治療が推奨されています。[1]
手元にある抗菌薬を自己判断で服用しないでください。症状が一時的に軽くなっても治癒していなかったり、耐性菌の問題が生じたりする可能性があります。
クラミジアを同時に感染していることがあるため、クラミジア検査を行い、未確認の場合は両方を考慮した治療が必要になることがあります。
治療後の検査
性器や直腸の単純な淋菌感染症では、推奨治療を正しく受け、症状が改善していれば、一律の治癒確認検査が必要とは限りません。
一方、次の場合は治癒確認や追加検査が必要です。
- 咽頭淋菌感染症
- 治療後も症状が続く
- 推奨治療以外の治療を受けた
- 薬剤耐性・治療失敗が疑われる
- 治療後に再び感染機会があった
再感染が多いため、治療後およそ3か月を目安に再検査を検討します。
パートナーの検査と治療
パートナーにも検査・治療が必要です。パートナーに症状がなくても感染していることがあります。
治療後少なくとも7日間が経過し、本人とパートナー双方の治療が完了して症状がなくなるまでは、性的接触を控えてください。本人だけが治療すると、未治療のパートナーから再感染する可能性があります。
陽性結果だけでは、感染時期や感染源となった相手を特定できません。
放置した場合の合併症
- 子宮頸管炎
- 子宮内膜炎、卵管炎
- 骨盤内炎症性疾患
- 卵管性不妊、異所性妊娠
- 肝臓周囲炎
- まれに関節炎、皮疹などを起こす播種性淋菌感染症
関節の強い痛みや腫れ、発熱、手足の膿疱などがある場合は、全身へ感染が広がっている可能性があるため、速やかな受診が必要です。
妊娠中の淋菌感染症
妊娠中の淋菌感染は、母体の感染だけでなく、分娩時に赤ちゃんへ感染して淋菌性結膜炎などを起こす可能性があります。妊娠中または妊娠の可能性がある場合は、必ず診察時にお伝えください。
妊娠中でも使用できる抗菌薬を選んで治療します。
淋菌感染症についてよくある質問
Q. おりものが正常でも淋菌に感染していますか?
感染している可能性はあります。女性では無症状や軽い症状だけのことがあります。
Q. 飲み薬だけで治療できますか?
淋菌は薬剤耐性が問題となっているため、注射薬が基本となることがあります。感染部位、妊娠、アレルギーなどを確認して医師が治療を選びます。
Q. 性器の検査が陰性なら咽頭感染もありませんか?
性器と咽頭は別の部位です。性器が陰性でも咽頭に感染している可能性があるため、接触した部位に合った検査が必要です。
横浜駅近くで淋菌検査をご希望の方へ
おりもの、排尿痛、不正出血、下腹部痛がある方や、パートナーが淋菌感染症と診断された方はご相談ください。感染部位に応じた検査を行い、必要な治療をご案内します。
横浜駅から徒歩6分、必ず女性医師が診察します。
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この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。
参考文献
- CDC. Gonococcal Infections Among Adolescents and Adults.
- 日本性感染症学会.性感染症診断・治療ガイドライン2026.
- 厚生労働省.性感染症.
日付:2026年10月27日 カテゴリー:婦人科の病気,性病
梅毒とは|女性の症状・検査・治療と妊娠への影響
梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌による性感染症です。性器だけでなく、口や肛門周囲などの病変との接触でも感染します。しこりや潰瘍、発疹などの症状が一度消えても、自然に治癒したとは限りません。[1]
早期に適切な治療を受ければ治療できる感染症ですが、放置すると神経、眼、耳、心臓、血管などに障害を起こす可能性があります。また、妊娠中は胎盤を介して胎児へ感染し、先天梅毒の原因になることがあります。
梅毒の感染経路
梅毒の病変がある皮膚や粘膜との接触によって感染します。腟性交、オーラルセックス、アナルセックス、病変のある口との接触などが感染経路になります。
コンドームは感染リスクを下げますが、覆われていない部位に病変がある場合は完全には予防できません。
梅毒と診断されても、検査結果だけから感染時期や感染源となった相手を特定できない場合があります。
梅毒の主な症状
感染後数週間ごろ
- 性器、口、肛門周囲などの硬いしこり
- 痛みの少ない潰瘍・ただれ
- 足の付け根などのリンパ節の腫れ
病変は痛くないことがあり、腟内や子宮頸部など見えない場所にできると気づかない場合があります。症状は治療しなくても一度消えることがあります。
感染から数か月以降
- 全身の発疹
- 手のひら・足の裏の発疹
- 発熱、倦怠感
- リンパ節の腫れ
- 口の中の病変
- まだらな脱毛
- 性器・肛門周囲の扁平な隆起
典型的な順序で症状が出るとは限らず、まったく症状がない「潜伏梅毒」の状態もあります。
梅毒の血液検査
梅毒は、主に次の2種類の抗体検査を組み合わせて診断します。
| 検査 | 主な役割 |
|---|---|
| RPRなどの非トレポネーマ検査 | 活動性や治療効果を判断する。治療後に数値が低下するか確認する |
| TP抗体・TPHAなどのトレポネーマ検査 | 梅毒トレポネーマに対する抗体を確認する。治療後も長期間陽性が続くことがある |
感染直後は抗体がまだ上昇せず、感染していても陰性になることがあります。症状や感染機会がある場合は、初回検査が陰性でも時期をあけた再検査が必要になることがあります。
病変がある場合は、血液検査に加えて病変部の検査を検討することもあります。
梅毒の治療
梅毒はペニシリン系抗菌薬を中心に治療します。感染してからの期間、症状、妊娠の有無、神経・眼・耳の症状などによって、薬剤、投与方法、治療期間が異なります。
日本でも、世界的な標準治療であるベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤が使用できます。経口薬、筋肉注射、点滴のいずれが適切かは、病期と全身状態を確認して判断します。[2]
治療後に発熱することがあります
治療開始後24時間以内に、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛などが起こることがあります。これはヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応と呼ばれ、通常は薬剤アレルギーとは異なります。
ただし、息苦しさ、じんましん、顔やのどの腫れなどがある場合は、薬剤アレルギーの可能性があるため速やかな対応が必要です。
治療後も血液検査が必要です
治療後はRPRなどの数値が適切に低下しているか、決められた時期に血液検査を行います。症状が消えただけでは治療効果を判定できません。
TP抗体などは治療後も長期間陽性が続くことがあり、陽性が残っていることだけで治療失敗とは判断しません。治療前後の検査値、治療歴、再感染の可能性を総合して評価します。
妊娠と先天梅毒
妊娠中の梅毒は、胎盤を介して胎児へ感染する可能性があります。流産、死産、早産、新生児死亡、赤ちゃんの皮膚・骨・神経・眼・耳などの障害につながることがあります。
妊娠初期の検査が陰性でも、その後に新たな感染機会や症状があった場合は、妊娠中に再検査が必要です。
妊娠中の梅毒では、胎児への感染予防効果が確認されているペニシリン治療が重要です。ペニシリンアレルギーが疑われる場合も、専門医療機関と連携して対応します。[3]
パートナーへの対応と再感染
パートナーにも診察と血液検査を勧めます。感染時期や接触時期によっては、検査が陰性でも予防的治療が検討される場合があります。
治療を受けても、梅毒に対する感染予防免疫ができるわけではありません。治癒後に再感染する可能性があります。
性的接触を再開する時期は、病期、治療法、パートナーの検査・治療状況によって異なるため、主治医の指示に従ってください。
速やかな受診が必要な症状
- 視力低下、目の痛み、見え方の変化
- 難聴、耳鳴り、めまい
- 強い頭痛、意識の変化、手足のまひ
- 妊娠中の陽性結果・疑わしい症状
- 全身に急速に広がる発疹
眼梅毒、耳梅毒、神経梅毒は病期にかかわらず起こる可能性があり、専門的な検査と治療が必要です。
梅毒についてよくある質問
Q. 症状が消えたので治ったと考えてよいですか?
いいえ。しこり、潰瘍、発疹などは治療しなくても一度消えることがあります。血液検査を受けてください。
Q. 治療後もTP抗体が陽性なのは治っていないからですか?
TP抗体は治療後も長期間陽性が続くことがあります。治療効果はRPRの推移、治療歴、症状などを合わせて判断します。
Q. 一度治療すれば、もう梅毒には感染しませんか?
再感染する可能性があります。新たな感染機会があれば、再度検査が必要です。
横浜駅近くで梅毒検査をご希望の方へ
梅毒は、症状のない時期でも血液検査で見つかることがあります。性器や口のしこり・潰瘍、全身の発疹がある方、感染機会が心配な方、妊娠前に確認したい方はご相談ください。
診断後、治療方法と通院先をご案内し、必要に応じて専門医療機関と連携します。
横浜駅から徒歩6分、必ず女性医師が診察します。
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この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。
日付:2026年10月27日 カテゴリー:婦人科の病気,性病
マイコプラズマ・ジェニタリウム感染症|症状・検査・治療
マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium:M. genitalium)は、子宮頸管炎や尿道炎などを起こす性感染症です。女性では無症状の場合もありますが、おりもの、不正出血、排尿痛、性交痛などの原因となることがあります。
薬剤耐性が多く、以前のように抗菌薬を1回服用するだけでは治療できない場合があります。必要な方を適切に検査し、結果と治療歴を踏まえて抗菌薬を選ぶことが重要です。[1]
マイコプラズマ・ジェニタリウムとは
M. genitaliumは、主に性的接触によって感染する細菌です。一般的な細菌と異なり細胞壁を持たないため、ペニシリン系・セフェム系など、細胞壁を標的とする抗菌薬は効きません。
次の病気との関連が報告されています。
- 子宮頸管炎
- 尿道炎
- 子宮内膜炎
- 骨盤内炎症性疾患
不妊や妊娠への影響についても研究されていますが、クラミジアほど十分に解明されていない点があります。
女性にみられる症状
- おりものの増加・変化
- 不正出血、性交後出血
- 排尿時の痛み・違和感
- 性交痛
- 下腹部痛
症状だけでクラミジア、淋菌、トリコモナス、細菌性腟症などと区別することはできません。また、M. genitaliumに感染していても無症状のことがあります。
どのような時に検査をしますか?
M. genitaliumは、性的接触の経験があるすべての方へ一律に行う一般的なスクリーニング検査ではありません。主に次の場合に検査を検討します。
- 子宮頸管炎が続く、または繰り返す
- クラミジア・淋菌が陰性でも、おりものや不正出血が続く
- 一般的な治療を受けても尿道炎・子宮頸管炎が改善しない
- 骨盤内炎症性疾患が疑われる
- パートナーがM. genitalium陽性と診断された
無症状者へ一律に検査すると、治療の必要性が明確でない感染まで見つかり、抗菌薬使用と薬剤耐性を増やす可能性があります。症状、接触歴、他の検査結果を確認して適応を判断します。
マイコプラズマ・ジェニタリウムの検査
腟・子宮頸管分泌物や尿などを用いた核酸増幅検査で、M. genitaliumの遺伝子を検出します。
M. genitaliumは非常に増殖が遅く、通常の一般細菌培養では診断できません。一般的な「おりもの培養検査」や「腟内細菌の検査」に含まれていないことがあります。
市販・自費の検査セットによっては、次の菌をまとめて「マイコプラズマ」と表示していることがあります。
- Mycoplasma genitalium
- Mycoplasma hominis
- Ureaplasma urealyticum
- Ureaplasma parvum
これらは病原性や治療の必要性が同じではありません。「マイコプラズマ陽性」という表示だけで自己判断せず、菌種名を確認してください。
治療と薬剤耐性
M. genitaliumはマクロライド系やニューキノロン系抗菌薬への耐性が問題となっています。過去にはアジスロマイシンの単回投与が行われることがありましたが、現在は耐性菌を選択する可能性があるため、安易な単回投与は推奨されません。[1]
治療では、次の点を確認して抗菌薬を選びます。
- 以前に服用した抗菌薬
- 妊娠・授乳の有無
- 薬剤アレルギー
- 子宮頸管炎か骨盤内炎症性疾患か
- 薬剤耐性検査の可否
- 治療後検査が可能か
複数の抗菌薬を段階的に使用する場合があります。処方された薬は自己判断で中止・変更せず、指示どおり服用してください。
治療後の確認検査
治癒確認検査が必要かどうかは、使用した治療法、症状、薬剤耐性の可能性によって異なります。
治療直後に核酸増幅検査を行うと、死滅した菌の遺伝子を検出して陽性になる可能性があります。確認検査を行う場合は、通常、治療終了から一定期間をあけます。具体的な検査時期は医師の指示に従ってください。
症状が続く場合は、再感染、服薬不十分、薬剤耐性、別の感染症や非感染性疾患などを再評価します。
パートナーへの対応
症状のあるM. genitalium感染者のパートナーは、検査を受け、陽性の場合は治療を検討します。パートナーの検査ができない場合の対応は、本人の治療内容や感染状況を踏まえて判断します。
本人とパートナーの治療が完了し、必要な確認が終わるまでは、性的接触を控えるか、医師の指示に従ってください。
検査結果だけで、感染時期や感染源となった相手を特定することはできません。
妊娠中・妊娠希望の場合
M. genitaliumの治療に使用する抗菌薬には、妊娠中に避けた方がよい薬剤があります。妊娠中、妊娠の可能性がある場合、近く妊娠を希望している場合は、必ず診察時にお伝えください。
症状、妊娠週数、他の感染症、治療の必要性を確認し、必要に応じて専門医療機関と連携します。
マイコプラズマ・ジェニタリウムについてよくある質問
Q. 無症状でも全員が検査した方がよいですか?
現在、無症状者への一律スクリーニングは推奨されていません。持続・再発する子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、パートナー陽性などで検査を検討します。
Q. 一般のおりもの培養検査で分かりますか?
通常の一般細菌培養では診断できません。M. genitaliumを対象とした核酸増幅検査が必要です。
Q. 「マイコプラズマ陽性」なら必ず治療が必要ですか?
菌種によって病原性と治療の考え方が異なります。M. genitalium、M. hominis、ウレアプラズマなどのどれが検出されたのかを確認する必要があります。
Q. クラミジアの薬で一緒に治りますか?
必ずしも治りません。M. genitaliumは薬剤耐性が多く、クラミジアと同じ治療だけでは不十分な場合があります。
症状や検査結果についてご相談ください
おりもの、不正出血、排尿痛などが続く方や、他院・郵送検査で「マイコプラズマ陽性」といわれた方は、菌種名と検査結果をご持参ください。検査・治療の必要性を確認します。
横浜駅から徒歩6分、必ず女性医師が診察します。
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清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月27日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の検査適応・診断・処方に代わるものではありません。
参考文献
- CDC. Mycoplasma genitalium.
- 日本性感染症学会.性感染症診断・治療ガイドライン2026.
- 厚生労働省.性感染症.
日付:2026年10月27日 カテゴリー:婦人科の病気,性病










