おりものの異常

おりもの・かゆみ・性感染症の検査|内診は必要?

性感染症の検査は、症状だけでなく「いつ・どのような接触があり、どの部位に感染した可能性があるか」に合わせて選びます。一つの検査で、すべての性感染症を調べることはできません。おりものやかゆみの原因も、カンジダ、細菌性腟症、かぶれなどさまざまで、問診だけで正確に診断することは困難です。[1][2]

症状がある場合は、検査が陽性になりやすい時期を自己判断で待たずに受診してください。発熱、強い下腹部痛、妊娠中の症状、性器の潰瘍などは早めの診察が必要です。

 

性感染症検査を考えるタイミング

  • おりものの量・色・臭いがいつもと違う
  • 外陰部のかゆみ、痛み、排尿時痛、水疱、ただれがある
  • 不正出血、性交時出血、性交痛、下腹部痛がある
  • 新しいパートナーとの性行為、コンドームを使わない性行為があった
  • パートナーが性感染症と診断された、または症状がある
  • 妊娠を希望している、妊娠が分かった
  • 症状はないが、感染の有無を確認したい

クラミジアや淋菌は無症状のことがあり、HIVや梅毒にも症状のない時期があります。「症状がないから感染していない」とは限りません。[3]

症状・感染機会に応じて選ぶ検査

調べる病気・状態 主な検体・検査 ポイント
腟カンジダ 腟分泌物の顕微鏡検査・培養など 症状だけでは確定できない。再発や治りにくい場合は菌種確認が役立つ
細菌性腟症 腟分泌物、pH、顕微鏡検査など 腟内細菌のバランスの乱れを評価する
トリコモナス 腟分泌物の核酸検査・顕微鏡検査・培養など パートナーの検査・治療も重要
クラミジア・淋菌 腟・子宮頸部・尿などの核酸増幅検査 口や肛門への接触があれば、咽頭・直腸など別部位の検査も検討
Mycoplasma genitalium 腟・子宮頸部・尿などの核酸検査 全員への一律検査ではなく、持続・再発する子宮頸管炎などで検討
性器ヘルペス 水疱・潰瘍など病変部の核酸検査・培養 症状がある時の病変部検体が有用。抗体検査だけでは現在の病変の原因を確定できない
梅毒・HIV・肝炎 血液検査 感染直後は陰性のことがあり、時期に応じて再検査が必要

「マイコプラズマ」という名前の菌をすべて同じように検査・治療するわけではありません。病原性や治療の必要性が異なるため、症状と診断目的を確認します。[4]

検査する部位が大切です

性感染症は性器だけでなく、のどや直腸に感染することがあります。腟の検査が陰性でも、咽頭感染を否定したことにはなりません。オーラルセックスやアナルセックスを含め、感染した可能性のある部位を医師に伝えてください。

問診は検査を絞るための医療情報です。責めるための質問ではありません。分かる範囲で、接触した時期、コンドームの使用、相手の診断、現在の症状をお伝えください。

性行為から何日後に検査できますか?

病原体と検査法によって、感染から検出できるまでの期間が異なります。接触直後の陰性結果だけでは感染を否定できないことがあり、初回検査と後日の再検査を組み合わせる場合があります。正確な時期は、接触日、症状、選ぶ検査によって個別に判断します。

症状がある時は、検査時期を待って受診を遅らせないでください。その日に診察できる原因を調べ、必要に応じて後日再検査を計画します。HIV、梅毒などの無料・匿名検査を行う保健所等もあります。検査場所は厚生労働省の案内で確認できます。[3]

内診は必ず必要ですか?

全員に内診が必要なわけではありません。尿検査や血液検査で調べる項目もあり、検査法によっては腟ぬぐい液を自分で採取できることもあります。ただし、おりもの、出血、下腹部痛、外陰部の皮膚症状がある場合は、診察で得られる情報が重要です。

性交経験がない方や診察に強い不安がある方は、最初にお伝えください。外陰部の観察、外側からの採取、尿検査など、目的に応じて負担の少ない方法を検討します。医学的に内診が必要な場合も、理由と方法をご説明して同意を確認します。

検査前に気をつけること

  • 腟洗浄はせず、可能なら腟剤・市販薬を使う前に受診する
  • すでに薬を使った場合は、薬名、使用日、回数を伝える
  • 抗菌薬を最近使用した場合は、薬名と期間を伝える
  • 最終月経、妊娠の可能性、アレルギー、持病を伝える
  • 強い症状がある場合は、準備のために受診を遅らせない

生理中も検査できる場合がありますが、出血量や検査項目により採取しにくいことがあります。予約時にご相談ください。

結果が出た後に確認すること

陽性の場合は、治療法だけでなく、パートナー対応、性行為を再開できる時期、治癒確認・再検査の必要性を確認します。クラミジアや淋菌などは再感染が多いため、治療後およそ3か月での再検査が勧められることがあります。[5]

陰性でも、検査した部位と病原体、検査時期の範囲内での結果です。症状が続く場合は、感染症以外の皮膚疾患、ホルモン低下、子宮頸部の病変なども含めて再評価します。

保険診療と自費検査

症状があり、医師が必要と判断した検査は保険診療となる場合があります。症状のないスクリーニングや希望によるセット検査は、原則として自費診療です。検査項目によって費用が異なるため、最新情報は診療費用のページをご確認ください。

性感染症検査についてよくある質問

Q. かゆみがあれば性病検査が必要ですか?

かぶれやカンジダなど性感染症以外の原因も多いため、かゆみだけで一律に決まりません。性行為の状況、皮膚の状態、おりものを確認し、必要な検査を選びます。

Q. 血液検査ですべての性病が分かりますか?

分かりません。血液検査は梅毒、HIV、肝炎などに用います。クラミジア・淋菌・トリコモナスなどは、感染した可能性のある部位から別の検体を採ります。

Q. パートナーが陰性なら自分も陰性ですか?

そうとは限りません。感染の成立、検査部位、検査時期が異なるため、ご自身も適切な時期・部位で検査してください。

Q. 検査結果は何日で出ますか?

検査項目と検査機関によって異なります。診察時に、結果の予定日と確認方法、結果を待つ間の注意点をご案内します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年9月5日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

 

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日付:2026年9月5日  カテゴリー:おりものの異常,性病

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おりもの・かゆみ・性感染症の治療|原因別の薬と治るまで

おりものやかゆみの治療は、原因によって使う薬も、パートナーの対応も異なります。カンジダには抗真菌薬、細菌性腟症や細菌性の性感染症には原因に合う抗菌薬、ヘルペスには抗ウイルス薬を使います。かぶれや外陰部の皮膚疾患では、感染症の薬ではなく刺激を避けることや適切な外用薬が必要です。[1]

症状だけでは原因を区別できないことがあるため、自己判断で余った薬や市販薬を繰り返さず、必要な検査を受けてください。複数の感染や皮膚疾患が重なることもあります。

 

原因別の主な治療

病気・状態 主な治療 治療上のポイント
腟カンジダ 腟錠・クリームなどの抗真菌薬。状態により内服薬 妊娠中、再発例、治りにくい例では薬の選び方や治療期間が異なる
細菌性腟症 メトロニダゾール、クリンダマイシンなど 再発することがある。腟内洗浄を習慣にしない
トリコモナス ニトロイミダゾール系薬の内服など 現在のパートナーも評価・治療し、治療完了まで性行為を控える
クラミジア 適切な抗菌薬 パートナー対応と再感染予防が重要。治療後の再検査を検討
淋菌 セフトリアキソンなどの注射薬 耐性菌を考慮し、治療失敗時は培養・薬剤感受性検査を検討
Mycoplasma genitalium 耐性を考慮した段階的な抗菌薬治療 一律の抗菌薬治療ではなく、専門的な判断が必要
性器ヘルペス 抗ウイルス薬の内服。再発頻度により抑制療法 体内のウイルスを完全に除く薬ではないが、症状と再発を抑えられる
かぶれ・皮膚疾患 刺激物の中止、保湿、診断に合った外用薬 湿疹、硬化性苔癬などではステロイド外用薬が適切なことがある
更年期以降の乾燥 保湿剤・潤滑剤、必要に応じて腟内の局所ホルモン治療 出血がある場合は、治療前に別の病気がないか確認する

薬の種類・投与期間は、妊娠の有無、アレルギー、感染部位、重症度、薬剤耐性、国内の承認内容によって変わります。具体的な処方は診察後に決定します。

検査結果が出るまで治療を待ちますか?

症状が軽く全身状態がよい場合は、原因を確認してから治療することがあります。一方、骨盤内炎症性疾患が疑われる、妊娠中で感染の影響が心配、症状が強い、パートナーが感染症と診断されている場合などは、検体を採取したうえで結果を待たずに治療を始めることがあります。

すでに抗菌薬や腟剤を使っていると、検査結果に影響する場合があります。受診時に薬名と使用時期をお伝えください。

パートナーの検査・治療が必要な病気

クラミジア、淋菌、トリコモナスなどでは、現在または一定期間内のパートナーにも検査・治療が必要です。自分だけが治療すると、再感染する可能性があります。治療が完了し、医師から案内された期間が過ぎるまでは性行為を控えてください。[2][3]

一方、腟カンジダは通常、性感染症として扱わず、症状のないパートナーを一律に治療することは勧められていません。細菌性腟症についても、パートナー対応はカンジダや典型的な性感染症と同じではありません。病名ごとに確認してください。

治療後の再検査・治癒確認

  • クラミジア・淋菌:再感染が多いため、治療後およそ3か月で再検査を勧めることがある
  • 淋菌の咽頭感染:治癒確認が必要になることがある
  • トリコモナス:再感染を確認するため再検査を勧めることがある
  • カンジダ・細菌性腟症:症状が改善すれば一律の再検査を行わないこともあるが、持続・再発時は再評価
  • ヘルペス:症状の経過と再発頻度をみて、再発時治療または抑制療法を相談

「薬を飲み終えたこと」と「再感染していないこと」は別です。再検査の時期は病名と治療内容によって異なるため、受診時に確認してください。[4]

薬を使っても治らない・再発する時

症状が残る場合は、診断が違う、複数の原因がある、薬が十分に効いていない、薬剤耐性がある、再感染した、皮膚疾患があるなどの可能性があります。同じ薬を繰り返す前に再診してください。

  • カンジダを短期間に何度も繰り返す
  • 治療後も悪臭、黄緑色のおりもの、痛みが続く
  • 外陰部の皮膚が白くなる、厚くなる、切れやすい
  • 発熱、下腹部痛、不正出血が出てきた
  • パートナーが未治療、または治療後に再び性行為があった

反復するカンジダでは、培養による菌種確認、糖尿病や免疫状態など背景因子の確認、長めの治療が必要になることがあります。[5]

妊娠中・妊娠の可能性がある場合

妊娠中は使用できる薬や投与方法が異なります。妊娠中の腟カンジダでは、一般に腟内へ使うアゾール系抗真菌薬を一定期間使用し、経口フルコナゾールは自己判断で使いません。[5]

妊娠中のおりもの、かゆみ、出血、下腹部痛は、妊娠経過に関係する病気との区別も必要です。市販薬を使う前に産婦人科へご相談ください。

治療中に避けたいこと

  • 腟の中を石けんや洗浄剤で洗う
  • 処方された薬を自己判断で中断・分け与える
  • 余った抗菌薬を別の症状に使う
  • 治療が必要な性感染症で、パートナーが未治療のまま性行為を再開する
  • 痛みや発熱が悪化しているのに様子をみる

腟剤の使用中は薬の成分や基剤が白いカスのように出ることがあります。詳しくは腟カンジダの薬を入れた後のおりものをご覧ください。

治療についてよくある質問

Q. おりものが多い時は抗菌薬を飲めば治りますか?

原因によります。カンジダに抗菌薬は効かず、かえって発症のきっかけになることがあります。まず原因に合う検査・診断が必要です。

Q. 症状がなくなれば薬を途中でやめてもよいですか?

自己判断で中止せず、処方された方法を守ってください。中断により治療が不十分になったり、再発・耐性化につながったりする場合があります。

Q. パートナーと同じ薬を使えばよいですか?

病名、感染部位、妊娠、アレルギーなどで処方が異なります。薬を分けず、それぞれが医療機関で相談してください。

Q. 治療後、いつから性行為を再開できますか?

病気と薬によって異なります。性感染症では、自分とパートナーの治療が完了し、指示された期間が過ぎ、症状が改善してから再開します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年9月5日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。

 

★こちらの記事もご参照ください「腟カンジダの薬を入れるとおりものは増える?

日付:2026年9月5日  カテゴリー:おりものの異常

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腟カンジダの薬を入れると白いカス・おりものが増える?

腟カンジダの腟錠を入れた後に、白いカスや粉状・クリーム状のおりものが出ることがあります。多くは、腟内で溶けた薬の成分や基剤が分泌物と一緒に出てきたものです。量や出る時期は製品、腟内の水分量、入れた位置などで異なり、数日続くこともあります。

かゆみや赤みが改善していて、強い臭い、発熱、下腹部痛、出血がなければ、すぐに異常とは限りません。ただし、腟錠がほぼ原形のまま早く出た、症状が悪化した、治療後もかゆみが続く場合は、追加で薬を入れずに処方元または婦人科へご相談ください。

 

白いカスは薬?それともカンジダのおりもの?

考えられるもの 特徴の目安 対応
腟錠の残り 薬を入れた後に、白い粉、カス、ペースト状のものが出る 薄いおりものシートを使い、腟内を洗わず経過をみる
カンジダのおりもの 白くぽろぽろ・酒かす状で、強いかゆみや赤みを伴うことがある 症状が続く場合は診察・分泌物検査
別の腟炎・子宮頸管炎 強い悪臭、灰白色・黄緑色、泡状、血が混じるなど カンジダと決めつけず、原因に合う検査
薬による刺激・アレルギー 使用後に強い灼熱感、腫れ、発疹、痛みが増える 使用を中止し、早めに医療機関へ相談

見た目だけで確実に区別できないことがあります。カンジダの症状は他の腟炎や皮膚疾患でも起こるため、治療しても改善しない時は再検査が必要です。[1]

腟錠を入れた後の過ごし方

  • 薬は処方時の説明または添付文書どおりに使用する
  • 白いカスが出ても、指やシャワーで腟の中を洗わない
  • 必要に応じて薄いおりものシートを使い、こまめに交換する
  • タンポンは薬を吸収する可能性があるため、使用可否を医師・薬剤師に確認する
  • 腟錠がほぼ原形のまま出ても、自己判断で2回分を入れない
  • 治療中の性行為は刺激で症状が悪化することがあるため控える

腟剤の中には、コンドームや避妊用ダイアフラムなどラテックス製品の強度に影響するものがあります。使用中と使用後の注意期間は製品ごとに異なるため、添付文書をご確認ください。

腟錠が出てきたら、もう一度入れますか?

溶けた白いカスが出ただけなら、通常は予定どおり次の使用を続けます。腟錠がほぼ原形のまま出た場合は、出てきた時刻や形、製品が1回用か連日用かによって対応が異なります。

出てきた錠剤を入れ直したり、追加でもう1錠使用したりせず、処方元または薬剤師に確認してください。自己判断で倍量を使うと、刺激症状が強くなる可能性があります。

白いカスが出た時に受診した方がよい症状

  • 強い臭い、黄緑色・灰色・血の混じるおりものがある
  • 発熱、悪寒、強い下腹部痛、背中の痛みがある
  • 水疱、潰瘍、外陰部の強い腫れや痛みがある
  • 薬を使った後に、灼熱感、発疹、腫れが悪化した
  • 処方された治療を終えても改善しない
  • 市販薬を使用しても症状が続く、または2か月以内に再び症状が出た
  • 短期間に何度も繰り返す
  • 妊娠中、妊娠の可能性がある

初めての症状や、いつものカンジダと違う症状は、他の腟炎・性感染症・皮膚疾患の可能性があります。[1]

腟カンジダとは

腟カンジダは、カンジダという真菌が腟や外陰部で増えて炎症を起こす病気です。カンジダは症状のない人にも存在することがあり、検査で菌が見つかっただけでは必ずしも治療が必要とは限りません。かゆみ、赤み、痛み、おりものなどの症状と検査結果を合わせて診断します。

腟カンジダは通常、性感染症には分類されません。性交経験がない方にも起こり、症状のないパートナーを一律に治療する必要はありません。パートナーに亀頭や包皮の赤み・かゆみがある場合は、医療機関へご相談ください。[1]

カンジダが増えるきっかけ

  • 抗菌薬の使用
  • 妊娠や女性ホルモンの影響
  • 血糖値が高い・糖尿病がある
  • 免疫を抑える治療や免疫機能の低下
  • 外陰部の蒸れや刺激で症状を感じやすくなる

多くは明確な原因を一つに決められません。不潔だから発症する病気ではなく、洗いすぎはかえって刺激になります。

腟カンジダの検査

外陰部の赤みやおりものを確認し、腟分泌物の顕微鏡検査や培養などを行います。症状だけではカンジダと確定できず、細菌性腟症、トリコモナス、かぶれなどとの区別が必要です。問診だけで腟炎の原因を正確に診断することは難しいとされています。[2]

治りにくい場合や短期間に繰り返す場合は、カンジダの菌種、薬の効きにくさ、糖尿病などの背景を確認することがあります。

腟カンジダの治療

主にアゾール系抗真菌薬の腟錠・クリームを使用し、状態によって内服薬を選びます。外陰部の症状が強い場合は外用薬を併用することがあります。薬の種類と日数は、初回か再発か、妊娠の有無、症状の強さ、菌種によって異なります。

妊娠中は薬の選び方が異なり、一般に腟内へ使うアゾール系薬を一定期間使用します。経口フルコナゾールを自己判断で使用しないでください。[1]

市販の腟カンジダ薬を使ってよいのはどんな時?

日本の市販の腟カンジダ薬は、以前に医師から腟カンジダと診断・治療されたことがある方の「再発」が対象です。初めて症状が出た方、妊娠中・妊娠の可能性がある方、短期間に繰り返している方、発熱・下腹部痛・異常出血・悪臭の強いおりものなどがある方は、自己治療せず受診してください。[3]

市販薬を使用しても症状が続く、または治療後2か月以内に再び症状が出た場合は、診察と検査が勧められます。[1]

カンジダを何度も繰り返す場合

目安として1年に3回以上症状を繰り返す場合は、再発性外陰腟カンジダ症として詳しい評価を行います。培養で菌種を確認し、通常より長い初期治療や再発を抑える治療を検討します。[1]

症状が繰り返していても、毎回カンジダとは限りません。接触皮膚炎、硬化性苔癬、細菌性腟症などが隠れていることがあるため、検査をせずに市販薬だけを繰り返さないことが大切です。

腟カンジダの薬についてよくある質問

Q. 腟錠の翌日に白いカスが出ても大丈夫ですか?

溶けた薬の成分や基剤が出ていることが多く、すぐに異常とは限りません。強い臭い、発熱、下腹部痛、出血、症状の悪化があれば受診してください。

Q. 白いカスを腟の中から洗い流してよいですか?

腟内洗浄はしないでください。薬まで流したり、粘膜を刺激したりする可能性があります。外陰部だけをぬるま湯でやさしく洗いましょう。

Q. 薬が出たら治療に失敗していますか?

溶けた薬が少し出るのは珍しくありません。ほぼ原形の錠剤が出た場合は、自己判断で追加せず、処方元または薬剤師に確認してください。

Q. 腟カンジダはパートナーからうつった病気ですか?

通常は性感染症には分類されません。性交経験がなくても起こります。症状のないパートナーを一律に治療する必要はありません。

Q. おりものが白ければカンジダですか?

白いおりものは正常なこともあり、腟錠の残りや別の腟炎でもみられます。かゆみなどの症状と診察・分泌物検査を合わせて判断します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
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更新日・最終医学確認:2026年9月5日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。

 

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日付:2026年9月5日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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おりものの異常の見分け方

おりものとは?

おりものは、腟や子宮の出口で作られる分泌物が混ざったものです。腟内に潤いを保ち、雑菌が入ってきたり増えたりするのを防ぐ働きを持っています。口の中の唾液や目にとっての涙と同じようなものです。

おりものの中には、デーテルライン桿菌という「善玉菌」がいて、大腸菌やカンジダ真菌などの雑菌が増えないように働いています。この善玉菌が少なくなったりいなくなったりすると、腟内の抵抗力が落ちて感染を起こしやすくなってしまいます。

 

よく、抗生物質を飲むとカンジダ腟炎になる方がいらっしゃいますが、これは、抗生物質によって一時的に善玉菌まで除菌されてしまうためです。カンジダはカビの一種で抗生物質は効きませんから、善玉菌によるバリアがなくなると増えやすくなるのです。

 また、おりものを気にしすぎるあまり、トイレに行くたびにビデで洗ってしまう方がいらっしゃるようですが、これは善玉菌まで洗い流してしまうので返って感染を起こしやすくしてしまいます。ビデを使うのは月経の時期だけにして、洗いすぎないように気をつけましょう。

 

 

健康なときもおりものは多少出ます

 婦人科を受診なさるきっかけで「月経不順」や「不正出血」と並んで多いのが「おりものが気になる」という訴えです。でも、実際拝見すると、本当に異常なおりものが出ている方はそれほど多くなく、ほとんどのケースが「気にしすぎ」です。

正常なおりものは、半透明~白っぽい色で卵白のように少し粘り気があります。乾くと、少しポソポソしたクリーム色の状態になることがありますが、これは異常ではありません。月経直後は臭いが強めのこともありますが、それ以外の時期はあまり臭いがないのが普通です。おりものシートをつけっぱなしたり、タンポンを入れっぱなしたりすると雑菌が増えるため臭いが強くなることがあります。

 

 

おりものの量は個人差があり

 おりものはホルモンの影響を受けて状態や量が変わるので、排卵期や月経直前はおりものが増えた感じになります。おりものの量も汗と同じように個人差があるので、ちょっと多めだなと思っても多少下着につく程度の量はあまり気にする必要はありません。

 たまに「ずっとおりものシートをつけていないと染み出てきてしまうんです」という人がいますが、感染がないことを確認できていれば無理に治療をする必要はありません。ただ、おりものシートを常用していることがおりものを増やす原因になっていることはあるので、シートをつけっぱなしにするのはやめましょう。

 

 排卵期や月経前は、病気でなくてもおりものの量が一時的に増えます。それ以外に、感染があったり、腟内に異物があったりすると量が増えます。おりものがずっと多いなと思ったら一度はきちんと検査を受けた方がいいでしょう。

 ただし、「おりものが増えていない=病気ではない」とは言い切れませんから、おりものの「量」だけで異常の有無を判断することはできません。

日付:2010年4月21日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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病気が疑われるおりものの異常

病気が疑われるおりものは?

 おりものの状態だけで病気の有無を判断することはできませんから、気になったらまずは病院で検査を受けることが大事です。腟の中から直接おりものを取って調べるので、下着を取って内診台に上がる必要があります。検査自体は、綿棒でおりものをとるだけなので痛みもなく数秒で終わります。

 ただ、結果が出るまでには数日~1週間程度かかることがほとんどですから、たいていはまず検査だけをして1~2週間後に結果を聞きに行き、異常があれば薬を処方してもらうといった流れが一般的です。ただし、おりものを見ただけで明らかに病気が疑わしい時は、検査結果を待たずに薬が出されることもあります。

 

検査代金は何の検査をするかによって異なりますが、クラミジア・淋菌・一般の雑菌をひと通り調べると初診料を含めて8000~10000円くらいになります。症状があれば保険がききますから、保険証を使えば実際支払うのは2500~3000円ですむはずです。

一緒に子宮癌の検査をしたりすることもありますから、余裕を持って5000円~8000円くらい持っていれば安心でしょう。

 

 

 病気が疑われるおりものの状態は次のようなものがあります。

 

*おりものの中に血液が混ざる(ピンク色や茶色のおりもの)

 不正出血のサインです。子宮癌やクラミジア頚管炎・子宮頚管ポリープなどの可能性があります。

 いったん治まっても必ず婦人科で検査を受けましょう。

 

*水っぽいおりものが流れ出るくらい多い

 クラミジア頚管炎の可能性があります。性交渉は控えて早めに検査を受けましょう。クラミジアはひどくなると熱が出たり下腹全体が痛くなったりすることがあります。

 抗生物質を1~2週間飲めば治療は可能ですが、卵管にまで炎症が広がると不妊症の原因になります。

 

*くすんだ黄緑色の鼻水のようなおりものが出る

 淋菌感染症や、大腸菌などの雑菌による細菌性腟炎の可能性があります。雑菌なら自然に治ることもありますが淋菌の場合は抗生物質の点滴でしっかり治療する必要があります。

 雑菌でも腟内に抗生物質のタブレットを入れることで殺菌できます。

 

*ヨーグルト状のポソポソしたおりものが多くて痒みがある

 カンジダ腟炎が疑われます。自然に治ることもありますが、何度も繰り返したり痒みがひどい場合は受診しましょう。

 

*魚の腐ったようなツンとした臭いが強い

 雑菌が増えていたり腟内に異物が入っている可能性があります。2~3日様子を見て改善しないようなら早めに受診した方がいいでしょう。

 雑菌の場合、1週間ほど腟内に抗生物質のタブレットを入れることで改善が期待できます。

 

*クリーム色の泡立ったようなおりものが出て強い痒みがある

 トリコモナス腟炎が疑われます。性交渉を控えて早めに検査を受ける必要があります。

 飲み薬と膣内に入れるタブレットを10日ほど使えば治療できます。

 

これらの症状がある時は、基本的に病院で検査してもらいましょう。特に、血液が混ざっている場合は、癌の可能性もありますから注意が必要です。

病気の種類によっては、おりものの異常だけでなく、痒みや下腹部の痛みをともなうこともあります。おりもの以外の症状がある場合は、自己判断で様子を見たりせずに受診した方がいいと思ってください。

日付:2010年4月21日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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おりもの異常の予防法

おりもの異常を起こさないための予防策は?

 最も大事なことは、妊娠を望んでいる時以外は必ずコンドームを正しく使うことです。たとえ夫婦間であってもパートナーが1人でも、そして妊娠中でも、コンドームは必須だと思ってください。それが、自分と相手の健康を守るための最低限のマナーです。

 おりものを気にしすぎる方の中には、コンドームを使っていないためにちょっとしたことですぐに「性病ではないか」と不安になってしまうという方がいます。自分でよけいな不安を作り出さないように、日頃から安全なセックスを心がけてください。もちろん、セックスの前にシャワーを浴びてお互い清潔になっておくことは言うまでもありません。

 

また、特に妊娠中は抵抗力が落ちているので、ちょっとした雑菌にも感染しやすくなっています。おりものの中の雑菌が増えると、早産や破水の原因になってしまいますから絶対にコンドームは手放さないことが大事です。

コンドームを「避妊具」と思っている人は、「なぜ妊娠中にわざわざコンドームを使うの?」と思うかもしれませんが、そもそもコンドームは感染を予防するものなのです。

 

 妊娠中でなくても、体力や抵抗力が落ちたり、腟内が蒸れた状態になると雑菌が増えやすくなってしまいます。湿気の多い場所は細菌にとっては「居心地のいい場所」ですから、綿100%の通気性のいい下着を着ける・厚手のデニムやガードルははかない・おりものシートは使わない・ナプキンやタンポンはこまめに換えるといったことを心がけて、蒸れを防ぎましょう。

 腟内は元々じめじめしていて通気性が悪く、適度な温度が保たれているので、細菌が増えやすい条件がそろっています。おりものシートを使っていれば清潔が保てると思っている人も多いようですが、通気性の悪いシートを何時間もつけっぱなしにしていると返って雑菌が増えやすくなってしまうのです。どうしても下着の汚れが気になる場合は、綿100%の布製のシートを使うようにしましょう。

 

また、自分自身の免疫力が落ちると、普段は何の悪さもしない雑菌が増えやすくなってしまいます。疲れやストレスをためない・体を冷やさない・充分な睡眠をとるなど、日常生活の改善で免疫力アップに努めましょう。

糖分は細菌にとって栄養源ですから、血糖値が高いと雑菌が繁殖しやすくなります。なので、甘い物の摂りすぎにも注意が必要です。甘い物は体を冷やす作用もありますから、特に冷えやすい人はあまり摂らない方がいいでしょう。

日付:2010年4月21日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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