おりものの異常

腟カンジダの薬を入れると白いカスが出る?【横浜の婦人科】

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「腟カンジダ」は性交渉していなくてもなる(横浜の婦人科)

「腟カンジダ」は性行為とは関係なく発生する、おりものの異常や痒みを伴う膣や外陰部の炎症性疾患の一つです。白っぽい塊状のおりものが増えるのが特徴的で、「外陰部腟カンジダ症」や「カンジダ腟炎」と呼ばれることもあります。

「カンジダ」という真菌(カビ)の一種が腟内で増殖することによって引き起こされるもので、性行為の経験がない若い方でも発症することがあります。

 

カンジダそのものは皮膚の表面などに付着している比較的ありふれた弱い雑菌で、通常は膣内に紛れ込んでも「自浄作用」によって洗い流されます。

タンポンやナプキンを長時間取り替えられなかったり、冷えや寝不足などによって自浄作用(本人の免疫力)が落ちたり、抗生物質を服用したりすることで、通常は増えないはずのカンジダが腟内で増えすぎると「腟カンジダ」になることがあります。

 

また、よく「抗生物質を飲んだらカンジダになる」と言われているのは、膣内を守っている善玉菌が抗生物質でいなくなってしまうからです。

腟内には、酸を産生して膣の中を守ってくれている善玉菌がいます。この菌のおかげで、カンジダ=真菌(カビ)は増えにくくなっているのです。

抗生物質を飲むと、良い菌も悪い菌もいっぺんに抑えられてしまうため、一時的に腟内が無防備な状態になってしまいます。その時に、膣内にカンジダがいると、兵隊がいなくなった隙に暴れてしまう、という現象が起きやすくなります。

 

 

「腟カンジダ」の症状は?(横浜の婦人科)

「腟カンジダ」の主な症状は、白いポロポロしたおりものと腟内や外陰部のかゆみです。炎症がひどくなると、外陰部がヒリヒリしたり腫れぼったい感じが出ることもあります。

 

おりものの状態は、よく「カッテージチーズ」「酒粕」「消しゴムのかす」といった表現で説明されますが、普段のおりものよりも塊になっているものが増えて、ひどいと黄色や黄緑色に見える場合もあります。

軽いと、上澄み液が混ざったヨーグルトのような感じになることもあります。明らかな塊のようなおりものになっていなくても、おりものが増えて少し酸っぱいにおいが強くなった時などは、カンジダが悪さをしていることもあります。

 

痒みは、膣のふちや、ひだ(小陰唇)の内側がかゆくなることが多いですが、範囲が広がると、尿の出口周囲や肛門周囲まで痒みの範囲が広がることもあります。

腟内が痒くなることもしばしばあり、少し腫れた感じやあつぼったい感じに感じられるのが特徴です。実際は外陰部は腫れていないのに、「腫れたように感じる」痒みが出るのが特徴です。

 

痒みや炎症がひどくなると、石鹼や尿がしみる場合もあります。また、かゆくて無意識にひっかいてしまうと、皮膚を掻き壊してしまい、ひりひりする原因になることがあります。

痒みが強い時は、氷水につけたガーゼやタオルを外陰部にあてて冷やすと、痒みが落ち着きやすくなります。できるだけひっかかず、鎮静するようにしましょう。

 

 

「腟カンジダ」の治療で腟剤を入れると白いカスが出る?(横浜の婦人科)

「腟カンジダ」の治療は、カンジダを抑える薬を腟内に入れるか内服します。性行為の経験がない方は、内服薬の方が使いやすいので、症状や年齢に応じて腟剤と内服薬を使い分けます。

外陰部の皮膚にも炎症が広がっている場合は、塗り薬も併用することもあります。

 

 

婦人科で検査をした時に、明らかに「腟カンジダ」が疑われる場合は、その場で腟内を消毒してカンジダを抑える腟剤を入れることもあります。

この「膣内に入れる薬=腟剤」は、座薬のようにタブレット状になっていて、膣の中で徐々に溶けるつくりになっています。入れた直後から表面がとけ始めますが、通常は数日かけてゆっくりとけます。

 

なので、腟剤を入れた後2~3日経ってから、溶けだした腟剤がおりもののように流れ出てきたり、ぽろぽろしたカスが出てくることがあります。診察の2~3日後に白いカスや塊状のものが出てきたら、それはお薬の破片である可能性が高いのでそのままにしておきましょう。

カンジダの薬を入れた後、白いカスのように出てくるのは、腟剤を入れた直後というよりは数日後からのことが多く、たいていは2~3日でなくなります。

 

たまに、お薬が合わずに、溶けだしてきたものでひりひりしてしまう方がいらっしゃいます。外陰部に薬の破片が付着してしみる場合は、軽くシャワーで外陰部を洗い流すとよいでしょう。

また、薬を入れたのに痒みが続く場合は、腟剤が溶け出したせいというよりも、ほかの原因で炎症が起きている可能性もあるので、再度診察を受けた方が安心です。

 

 

治療してもらったはずなのに、急におりものが増えたように感じられるとビックリするかもしれませんが、腟剤を入れた後であればお薬が溶け出してきているだけなので大丈夫です。

もし、腟剤を入れてもらってすぐ翌日に全部出てきてしまったりした場合は、治療が不十分になる場合もあります。カンジダの薬を入れたのに痒みやおりものが続いていたら、再度受診することをお勧めします。

 

ご予約はこちらから(横浜の婦人科)

 

日付:2024年3月12日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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かゆみやおりものは性病?

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外陰部のかゆみが「性病」とは限らない

外陰部の痒みは、カンジダ腟炎などの雑菌による炎症が原因となる事もあれば、ナプキンかぶれやかみそり負けなど物理的な刺激によるものが原因となる事もあります。

もちろん、ヘルペスなどの性感染症によって皮膚の症状が出ていることもありますが、どちらかというと雑菌が原因となっているケースの方が多くなります。

 

最近は、VIOの脱毛を受ける方も増えてきているので、脱毛前の自己処理や光脱毛後の乾燥などで痒みを引き起こしてしまうケースもあるようですね。

 

外陰部に症状が出ると、「性病なのではないか?」という不安を抱える方もいらっしゃいます。

痒みと一緒に、おりものの異常もでたりすると、いろいろ心配になるかもしれません。

 

 

実際は、痒みを引き起こす原因として多いのは、カンジダ腟炎や接触性皮膚炎なので、「性病」であるケースはどちらかというと少ないのですが。

時々、痒みが気になるということで検査を行うと、クラミジアやヘルペスが陽性で出る場合もあります。

 

 

自覚症状が出にくい性感染症(性病)もあるので、症状の有無や、どのような症状があるかだけで、性感染症の可能性について判断することはできません。

 

 

受診が必要なおりものの異常

もちろん、以下のような症状があれば、直ちに受診することをお勧めします。

・痒み

・おりものが多い

・おりものが臭う

・おりものに血液が混ざる

・おりものの色がいつもと異なる

・外陰部がひりひりする

・外陰部にできものができている

 

 

たとえこれらの症状がなくても、コンドームを使わずに性行為を行う機会があったり、パートナーが変わったりした時には、定期検査として性感染症の検査を受けておくと安心です。

検査をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。

 

また、セルフチェック(自己検診)キットで陽性が出た場合の治療も承っております。

検査結果がわかるものをご持参いただきましたら、当院で同じ検査を行うのではなく、まず治療を行ってから、治療後の再検査のみを行います。

 

 

予約専用電話 045-440-5577

日付:2023年6月20日  カテゴリー:おりものの異常,性病

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外陰部の痒みや不快感が続くときは

 この時期は蒸れや汗のせいで外陰部の痒みが出やすくなる人が増える時期ではありますが、中には何年も前から痒みを繰り返していたり、難治性のカンジダを何度も治療しているとい方もいらっしゃいます。
 外陰部の痒みや不快感が続く場合や、カンジダやヘルペスを何度も繰り返してしまう場合は、単なる感染や免疫力の問題だけでなく、その症状を引き起こす心理的背景が隠れていることが多々あります。

 わざわざ「外陰部」という場所に痒みや不快な症状を引き起こすということは、何らかの「性的なこと」「性的なパートナーに関すること」「性的体験に関すること」「妊娠出産に関すること」「母親との関係」において、不快感や苛立ちや不満などを「抱えておきたい」という背景があるのです。それらの事項を象徴する「外陰部」という場所に不快感を感じ続けることで、その感じておきたい感情を味わい続けているということです。

 例えば、原因不明の外陰部の痒みが続く10代の方は、過去に痴漢にあった時の記憶がずっと残っていてその「不快感」を痒みという症状で再現していました。痴漢にあった時の記憶を処理することで、痒みはすっかり消えてしまいました。
 また、数か月間カンジダの症状を繰り返しているという方は、よくよくお話を伺うと兄弟の病気のせいで自分が母親から十分な愛情を受け取っていないと認識されていました。母親との関係性を修正し、自己認識を変えることでカンジダの症状は出なくなりました。
 原因不明の外陰部の違和感が続いて、軟膏を塗っても膣剤を使ってもよくならなかった方は、過去に「産んであげられなかった」ことに対してずっと罪悪感を抱えていらっしゃいました。その時の記憶を処理して、赤ちゃんからのメッセージを受け取ることで、症状は消えていきました。
 性器ヘルペスを何度も繰り返してしまう方は、過去のパートナーを「責める気持ち」がずっと続いており、またそんなパートナーを選んだ自分も責め続けていました。過去のパートナーシップや出来事に対する解釈を変えることで、症状は出なくなっていきました。

 このように、ただの痒みでもそこには何らかの心理的背景があり、体から「そこに向かい合ってほしい」というメッセージが出ているケースが多々あります。
 なんだか同じような症状を繰り返してしまうという場合は、その都度薬で症状を抑えるのも一つの方法ですが、体からのメッセージを受け取って根本解決を図ってみてはいかがでしょうか。

日付:2018年7月30日  カテゴリー:おりものの異常

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外陰部の痒みが続く本当の理由

  最近なぜか、「痒み」を訴えて受診なさる方が増えています。梅雨の時期などは、蒸れやすくなるのでカンジダでかゆみが出るケースが多くなるのですが、この季節になぜ痒みが出やすくなっているのかは、正直分かりません。急に寒くなって風邪をひく方が多くなっているので、冷えによる免疫力の低下が関係しているのかもしれませんね。
 外陰部の痒みも、カンジダやトリコモナスなど明らかな原因があって、投薬すればすぐに治ってしまうケースと、検査をしても何も異常がないのに痒みが続いたり何度も繰り返してしまうケースがあります。
 後者の場合、性的なコミュニケーションに何らかの問題を抱えている場合がほとんどです。性交経験のない方の痒みに関しても同様です。性的コミュニケーションに対する「イメージ」だったり、そもそも性交経験がないということに対する自己評価が症状の原因になっていることがあるのです。
 
 「皮膚」という臓器は、外界と自分の体を隔てている境目となっている臓器です。なので、この「皮膚」に症状が出るということは、「自分」と「それ以外」の何かとの関係がうまくいっていないということです。アトピーや湿疹など、全身の皮膚に症状が出る場合は、広い意味での「外界」と自分の関係を見直してみた方がいいでしょう。
 新生児のころから皮膚症状があったり、乳児のころからアトピーという場合は、母親と本人、または母親の「外界」との関係を洗い出す必要があります。例えば、本人がお腹の中にいる時に夫婦関係が悪かったとか、妊娠が分かった時に妊娠の継続をとても迷ったなどの背景がないか、洗い出してみると解決のヒントが見つかるかもしれません。

 皮膚の中でも、わざわざ「外陰部」という場所に症状が出るということは、「性」に関する何らかの「自分と外界」との関係に解決の糸口があるということです。現在のパートナーとの関係かもしれませんし、過去のパートナーから言われた一言かもしれませんし、自分の「性」に対する嫌悪感かもしれません。
 症状がよくなったと思ったらすぐにぶり返してしまったり、何となくぐずぐずと症状が続いている人は、こういった「病気の根底にある背景」を探ってみるとスッキリと良くなる可能性が高いでしょう。

 痒みが出るたびに軟膏を塗るのも一つの選択ですし、根本原因を見つけてそこを解決していくのも一つの選択です。どちらが正解というではありません。もし、何度も症状が出るのがうんざり・・・と思っている方は、カウンセリングで根本原因を処理してみるといいでしょう。

★薬を使わず病気をやめる方法ご相談も承っております。
 カウンセリングをご希望の方は、メールかお電話でお問い合わせくださいませ。
   お問い合わせ先:045-440-5577(予約専用電話) info@vivalita.com

日付:2016年11月14日  カテゴリー:おりものの異常

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カンジダ腟炎

 カンジダ腟炎は、おりものの異常を起こす病気の中で最もポピュラーな感染症です。「感染症」と言っても「性感染症」いわゆる「性病」とは異なります。

 性感染症は性行為によってパートナーからうつるものですが、カンジダ腟炎は常在菌である「カンジダ真菌」というカビが異常に増えることによって起きるものです。要するに、元から自分が持っている弱い雑菌が増えすぎてしまっただけの状態。なので、性交経験のない方でもカンジダ腟炎になることがあります。 

 時々、高校生が「エッチしてないのに性病になった!」と本気で悩んでしまうようですが、性感染症とは原因が全く異なりますから心配する必要はありません。

 

 主な症状は、おりものの異常と外陰部や腟内の痒みです。おりものはヨーグルト状や酒粕状の少しポソポソした状態になることが多く、白~黄緑色をしています。割と特徴的なおりものなので、一度でもカンジダ腟炎になったことがある人なら、再発した時にすぐに分かると思います。

 外陰部の炎症がひどくなると、痒みだけでなくヒリヒリした痛みをともなうこともあります。男性の場合、性器は皮膚で覆われていますからカンジダに感染しても皮膚炎を起こすだけです。ひどくなると痒みが出たり皮膚が赤くなったりしますが、これが俗に言う「インキンタムシ」です。

 

 腟内には「自浄作用」と言って、弱い雑菌を善玉菌の力で抑えて洗い流してしまう作用を持っています。なので、軽いカンジダ腟炎なら自然に治ってしまうこともあります。ただ、おりものが多量に出たり強い痒みがあるような状態になってしまったら、早めに病院で治療を受けた方がいいでしょう。

 治療は、腟内をよく洗浄してカンジダ真菌を抑える「抗真菌薬」の腟剤を腟の中に入れるだけ。腟剤は1度入れると1週間効き目が続くタイプのものと、毎日1個ずつ腟内に入れるタイプのものとあります。たいていは病院で腟内を洗ってもらって、持続タイプの腟剤を入れてもらえば自分で腟剤を使わなくても大丈夫です。

 ただ、かなりひどい場合や何度も繰り返して再発しやすくなっている場合は、自宅でも毎日腟剤を入れたほうが確実な治療になります。

 外陰部の痒みには、抗真菌薬の塗り薬を使います。この痒みに対してステロイドや市販されている「痒み止め」を使うとかえって悪化させてしまうことがあるので注意してください。

日付:2010年4月29日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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カンジダ腟炎の原因と治療法

 カンジダ腟炎の原因は、体力の低下や免疫力の低下・妊娠・抗生物質の服用などです。風邪や膀胱炎の治療のために抗生物質を飲んだら数日後にカンジダ腟炎になった、というのはよくあるケースですが、これは飲んだ抗生物質で腟内の善玉菌まで除菌されてしまうために、本来は増えないはずのカンジダが異常増殖して引き起こされるのです。

 カンジダは普通に空気中にも存在するカビなので、誰かからうつるという類のものではありません。自分がカンジダ腟炎になっていても、相手にうつしてしまうという心配もほとんどありません。

 

 ただし、カンジダ腟炎になっているときは、外陰部も腟内もただれて非常にデリケートになっていますから、完治するまでは性交渉は控えた方が無難です。

 非常に稀に、性交渉をするたびにカンジダ腟炎になってしまうという人がいます。この場合、相手の男性が抗真菌薬の塗り薬を使うことで改善することもあります。

 

 カンジダ腟炎を予防するには、まずカビが増えやすい状態を作らないことです。湿気の多い場所はカンジダにとっては「居心地のいい場所」ですから、綿100%の通気性のいい下着を着ける・厚手のデニムやガードルははかない・おりものシートは使わない・ナプキンやタンポンはこまめに換えるといったことを心がけて、蒸れを防ぎましょう。

 また、自分自身の抵抗力が落ちると、カンジダのような弱い真菌でも増えやすくなってしまいます。疲れやストレスをためない・体を冷やさないなど、免疫力アップに努めましょう。糖尿病の人はカンジダになりやすいのですが、血糖値が高いと雑菌は繁殖しやすくなります。なので、甘い物の摂りすぎにも注意が必要です。

 ティーツリーというアロマオイルには殺菌作用がありますから、薄めてタンポンにしみこませたり、外陰部にアロマクリームを塗ったりして上手に活用してみるといいでしょう。

日付:2010年4月29日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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おりものの異常の見分け方

おりものとは?

おりものは、腟や子宮の出口で作られる分泌物が混ざったものです。腟内に潤いを保ち、雑菌が入ってきたり増えたりするのを防ぐ働きを持っています。口の中の唾液や目にとっての涙と同じようなものです。

おりものの中には、デーテルライン桿菌という「善玉菌」がいて、大腸菌やカンジダ真菌などの雑菌が増えないように働いています。この善玉菌が少なくなったりいなくなったりすると、腟内の抵抗力が落ちて感染を起こしやすくなってしまいます。

 

よく、抗生物質を飲むとカンジダ腟炎になる方がいらっしゃいますが、これは、抗生物質によって一時的に善玉菌まで除菌されてしまうためです。カンジダはカビの一種で抗生物質は効きませんから、善玉菌によるバリアがなくなると増えやすくなるのです。

 また、おりものを気にしすぎるあまり、トイレに行くたびにビデで洗ってしまう方がいらっしゃるようですが、これは善玉菌まで洗い流してしまうので返って感染を起こしやすくしてしまいます。ビデを使うのは月経の時期だけにして、洗いすぎないように気をつけましょう。

 

 

健康なときもおりものは多少出ます

 婦人科を受診なさるきっかけで「月経不順」や「不正出血」と並んで多いのが「おりものが気になる」という訴えです。でも、実際拝見すると、本当に異常なおりものが出ている方はそれほど多くなく、ほとんどのケースが「気にしすぎ」です。

正常なおりものは、半透明~白っぽい色で卵白のように少し粘り気があります。乾くと、少しポソポソしたクリーム色の状態になることがありますが、これは異常ではありません。月経直後は臭いが強めのこともありますが、それ以外の時期はあまり臭いがないのが普通です。おりものシートをつけっぱなしたり、タンポンを入れっぱなしたりすると雑菌が増えるため臭いが強くなることがあります。

 

 

おりものの量は個人差があり

 おりものはホルモンの影響を受けて状態や量が変わるので、排卵期や月経直前はおりものが増えた感じになります。おりものの量も汗と同じように個人差があるので、ちょっと多めだなと思っても多少下着につく程度の量はあまり気にする必要はありません。

 たまに「ずっとおりものシートをつけていないと染み出てきてしまうんです」という人がいますが、感染がないことを確認できていれば無理に治療をする必要はありません。ただ、おりものシートを常用していることがおりものを増やす原因になっていることはあるので、シートをつけっぱなしにするのはやめましょう。

 

 排卵期や月経前は、病気でなくてもおりものの量が一時的に増えます。それ以外に、感染があったり、腟内に異物があったりすると量が増えます。おりものがずっと多いなと思ったら一度はきちんと検査を受けた方がいいでしょう。

 ただし、「おりものが増えていない=病気ではない」とは言い切れませんから、おりものの「量」だけで異常の有無を判断することはできません。

日付:2010年4月21日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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病気が疑われるおりものの異常

病気が疑われるおりものは?

 おりものの状態だけで病気の有無を判断することはできませんから、気になったらまずは病院で検査を受けることが大事です。腟の中から直接おりものを取って調べるので、下着を取って内診台に上がる必要があります。検査自体は、綿棒でおりものをとるだけなので痛みもなく数秒で終わります。

 ただ、結果が出るまでには数日~1週間程度かかることがほとんどですから、たいていはまず検査だけをして1~2週間後に結果を聞きに行き、異常があれば薬を処方してもらうといった流れが一般的です。ただし、おりものを見ただけで明らかに病気が疑わしい時は、検査結果を待たずに薬が出されることもあります。

 

検査代金は何の検査をするかによって異なりますが、クラミジア・淋菌・一般の雑菌をひと通り調べると初診料を含めて8000~10000円くらいになります。症状があれば保険がききますから、保険証を使えば実際支払うのは2500~3000円ですむはずです。

一緒に子宮癌の検査をしたりすることもありますから、余裕を持って5000円~8000円くらい持っていれば安心でしょう。

 

 

 病気が疑われるおりものの状態は次のようなものがあります。

 

*おりものの中に血液が混ざる(ピンク色や茶色のおりもの)

 不正出血のサインです。子宮癌やクラミジア頚管炎・子宮頚管ポリープなどの可能性があります。

 いったん治まっても必ず婦人科で検査を受けましょう。

 

*水っぽいおりものが流れ出るくらい多い

 クラミジア頚管炎の可能性があります。性交渉は控えて早めに検査を受けましょう。クラミジアはひどくなると熱が出たり下腹全体が痛くなったりすることがあります。

 抗生物質を1~2週間飲めば治療は可能ですが、卵管にまで炎症が広がると不妊症の原因になります。

 

*くすんだ黄緑色の鼻水のようなおりものが出る

 淋菌感染症や、大腸菌などの雑菌による細菌性腟炎の可能性があります。雑菌なら自然に治ることもありますが淋菌の場合は抗生物質の点滴でしっかり治療する必要があります。

 雑菌でも腟内に抗生物質のタブレットを入れることで殺菌できます。

 

*ヨーグルト状のポソポソしたおりものが多くて痒みがある

 カンジダ腟炎が疑われます。自然に治ることもありますが、何度も繰り返したり痒みがひどい場合は受診しましょう。

 

*魚の腐ったようなツンとした臭いが強い

 雑菌が増えていたり腟内に異物が入っている可能性があります。2~3日様子を見て改善しないようなら早めに受診した方がいいでしょう。

 雑菌の場合、1週間ほど腟内に抗生物質のタブレットを入れることで改善が期待できます。

 

*クリーム色の泡立ったようなおりものが出て強い痒みがある

 トリコモナス腟炎が疑われます。性交渉を控えて早めに検査を受ける必要があります。

 飲み薬と膣内に入れるタブレットを10日ほど使えば治療できます。

 

これらの症状がある時は、基本的に病院で検査してもらいましょう。特に、血液が混ざっている場合は、癌の可能性もありますから注意が必要です。

病気の種類によっては、おりものの異常だけでなく、痒みや下腹部の痛みをともなうこともあります。おりもの以外の症状がある場合は、自己判断で様子を見たりせずに受診した方がいいと思ってください。

日付:2010年4月21日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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おりもの異常の予防法

おりもの異常を起こさないための予防策は?

 最も大事なことは、妊娠を望んでいる時以外は必ずコンドームを正しく使うことです。たとえ夫婦間であってもパートナーが1人でも、そして妊娠中でも、コンドームは必須だと思ってください。それが、自分と相手の健康を守るための最低限のマナーです。

 おりものを気にしすぎる方の中には、コンドームを使っていないためにちょっとしたことですぐに「性病ではないか」と不安になってしまうという方がいます。自分でよけいな不安を作り出さないように、日頃から安全なセックスを心がけてください。もちろん、セックスの前にシャワーを浴びてお互い清潔になっておくことは言うまでもありません。

 

また、特に妊娠中は抵抗力が落ちているので、ちょっとした雑菌にも感染しやすくなっています。おりものの中の雑菌が増えると、早産や破水の原因になってしまいますから絶対にコンドームは手放さないことが大事です。

コンドームを「避妊具」と思っている人は、「なぜ妊娠中にわざわざコンドームを使うの?」と思うかもしれませんが、そもそもコンドームは感染を予防するものなのです。

 

 妊娠中でなくても、体力や抵抗力が落ちたり、腟内が蒸れた状態になると雑菌が増えやすくなってしまいます。湿気の多い場所は細菌にとっては「居心地のいい場所」ですから、綿100%の通気性のいい下着を着ける・厚手のデニムやガードルははかない・おりものシートは使わない・ナプキンやタンポンはこまめに換えるといったことを心がけて、蒸れを防ぎましょう。

 腟内は元々じめじめしていて通気性が悪く、適度な温度が保たれているので、細菌が増えやすい条件がそろっています。おりものシートを使っていれば清潔が保てると思っている人も多いようですが、通気性の悪いシートを何時間もつけっぱなしにしていると返って雑菌が増えやすくなってしまうのです。どうしても下着の汚れが気になる場合は、綿100%の布製のシートを使うようにしましょう。

 

また、自分自身の免疫力が落ちると、普段は何の悪さもしない雑菌が増えやすくなってしまいます。疲れやストレスをためない・体を冷やさない・充分な睡眠をとるなど、日常生活の改善で免疫力アップに努めましょう。

糖分は細菌にとって栄養源ですから、血糖値が高いと雑菌が繁殖しやすくなります。なので、甘い物の摂りすぎにも注意が必要です。甘い物は体を冷やす作用もありますから、特に冷えやすい人はあまり摂らない方がいいでしょう。

日付:2010年4月21日  カテゴリー:おりものの異常,婦人科の病気

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