横浜 婦人科 ポートサイド女性総合クリニック ~ビバリータ~

生理痛

17.03.16 ヤーズとヤーズフレックスの違い

  月経困難症治療薬として発売されている「ヤーズ」ですが、来月あたりに連続投与が可能になった「ヤーズフレックス」が発売されるそうです。海外では、シーズナルピルと言って、3か月に1回月経を来させるようなタイプのピルがありますが、日本で承認されているピルはいずれも毎月出血を来させるものばかりでした。今回発売になる「ヤーズフレックス」は、120日まで連続投与が可能なタイプのピルです。
 ピルを飲み慣れている方の場合、あえて休薬期間を設けなかったり、偽薬を飛ばして服用することで月経が来るタイミグを2~3か月に1回にしている方はすでにいらっしゃると思います。私も、従来のヤーズを偽薬を飛ばして服用しているので、月経は年に数回です。
 そもそも、ピルを服用している場合は「毎月出血を来させる」必要はありません。何となく、月1回出血(月経)が来なければいけないと思い込んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、服用中の出血のタイミングは自分で決めていいんですよ。だからこそ、ピルを服用していると月経を自分でコントロールできて、月経に対して主導権を持つことができるのです。

 今回発売される「ヤーズフレックス」は、薬の飲み方が「公式に」120日まではずっと飲み続けても大丈夫ですよ、と定められたものです。月経困難症の治療薬なので、痛みが来る頻度を減らすということが最大の目的です。
 パッケージの見本を見せていただきましたが、単純にヤーズの偽薬部分が実薬に置き換わったものでした。なので、1シート28錠の実薬が入っています。120日まで連続投与可能なので、120日分のパッケージがあればいいのに、と思われるかもしれませんが、保険適応薬の場合最大で90日分までしか一度に処方してはいけないという決まりがあるので、120日分を処方はできないのです。なので、3シートまでが1度に処方できる最大量になります。

 実薬の成分は、従来のヤーズと全く一緒ですから、これまでヤーズを服用していた方がヤーズフレックスに移行するのは簡単です。普通に次のシートをヤーズフレックスにして、「4日間の休薬」をどこで設けるかを自分で決めればよいだけなのです。つまり、実薬を120日以内の範囲で好きな期間だけ飲み続け、出血を来させたいタイミングで4日間「休薬」すればOKです。
 どのタイミングで休薬を設けるかですが、以下のようなパターンが考えられます。

*最大限の120日まで連続で服用しその後4日間休薬する(124日周期の月経になる)
*服用途中の不正出血が起きるまで連続で服用し出血が見られたらその日から4日間休薬する
*2日間以上飲み忘れたら飲み忘れ初日から4日間を休薬期間とする
*月経が当たりたくない予定の10日前から4日間休薬して出血を来させておく

 飲み慣れてくれば、自分にとってのちょうどよいペースで休薬を設けることが可能になりますが、「毎月出血があること」を重視していた方にとっては、少し違和感があるかもしれません。
 ヤーズフレックスが向かない方は、避妊の目的で服用していて毎月出血がないと不安になる方や月経不順の治療目的で服用していて周期が28日でないと心配になる方です。それ以外の方は、わざわざ月1回痛い思いをする必要はないので、ヤーズからヤーズフレックスに移行した方が楽だと思われます。偽薬が含まれない分、わずかですが1錠当たりのコストも抑えられますしね。
 具体的な発売日が決まりましたら、またお知らせさせていただきます。

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16.04.26 生理痛が気になる方向けチェックシート

 セルフチェックチェックシリーズ第2弾です。

 今回は生理痛が気になる方のためのチェックシートです。


<生理痛が気になる方向けチェックシート>


 月経困難症の方は、月経が来る=女性としての体が正常に機能することに対して、何らかの抵抗をしようとしている場合があります。

 以下の項目で当てはまるものがないか、セルフチェックをしてみてください。


  □自分は冷え性だと思っていた

  □自分は血の巡りが悪いと思い込んでいた

  □月経のたびに寝込むことでしなくて済んだことがあった

  □月経のたびに寝込むことで会わなくていい人がいた

  □身近な女性に月経痛が辛いとよく言っている人がいた

  □身近な女性に「ああはなりたくない」という人がいた

  □自分は「スムーズでない」と感じることが多かった

  □自分に対して怒りを感じることが多かった

  □自分の体に対して嫌悪感を感じていた

   □女性であることに対して嫌悪感を感じていた


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10.04.26 生理痛と月経困難症

 月経の時に多少下腹が痛くなったり腰が重くなったりするのは、子宮の周りに血液が滞るせいなので、特に「異常」というほどのことではありません。むしろ、月経の時も全く無痛という人の方が珍しいでしょう。

 月経の初日や2日目に下腹の痛みがあるけれど痛み止めを飲むほどではないし、学校や仕事にも特に支障はないって人は、日ごろから体を冷やさないようにしていればOK。定期検診を受けていれば、病気の心配をする必要もありません。

 

 生理痛が問題になるのは、痛みが非常に強くて日常生活に支障が出たり、毎回痛み止めを何錠も飲まなければいけなかったりするケースです。月経のたびに寝込んで仕事を休むような人は、「単なる生理痛」と放置していてはいけません。

 特に、以前は効いていた痛み止めが効かなくなってきたり、痛み止めが効いている時間が短くなってきていたりしたら要注意ですよ。この場合、月経痛の原因となる病気が進んできている可能性もありますから、早めに婦人科を受診する必要があります。

 

 寝込むほどの生理痛は、「月経困難症」という病気になります。月経困難症は、痛み止めがなければ我慢できないほどの生理痛が一番特徴的な症状です。中には痛みがひどすぎて立ちくらみを起こしてしまったり、吐き気を伴ったりする人もいます。時々、「腹痛を起こした若い女性が駅で倒れました」と救急隊から連絡が入ることがあるんですが、救急車で運ばれてきた方を診察してみると実は生理痛がひどすぎて倒れただけだった、ということも少なくないんですね。

月経困難症は、ひどい月経痛以外にも、頭痛・めまい・腰痛・下痢などの様々な症状が出ることがあります。なぜこんな症状が出るのかというと、痛みを伝える「プロスタグランジン」という物質が子宮のお部屋の中の「子宮内膜」からたくさん放出されてしまうからなんです。プロスタグランジンは、痛みを伝えるだけではなく、腸を動かしたり血管の壁を収縮させたりする働きを持っているんですね。月経の時期に子宮内膜が分厚くなると、このプロスタグランジンが出すぎて様々な症状を引き起こすことになります。

 

診断は、基本的に「自覚症状の強さ」で判断します。つまり、客観的に月経困難症かどうかを診断する「検査」はなくて、本人がどれだけその痛みやその他の症状で困っているかが判断基準になるというわけです。

血液検査などのように数値で表すものがないだけに、どの段階で受診や治療が必要なのか自分では判断がつかないかもしれませんね。

 

 受診のタイミングの目安としては、毎回痛み止めが必要なほどの痛みがある・生理痛で寝込むことがある・痛み止めを飲んでもあまり効かない・生理痛以外にも症状がある・痛みが年々ひどくなっている、などの場合、婦人科で検査や治療を受けた方がいいでしょう。もちろん、そこまで痛みはひどくないけれどもっと快適に月経期間を過ごせるようにしたい、という場合も相談してみるといいですよ。

 生理痛は我慢するものではありません。改善する方法があるのに、何もせず毎月月経のたびに憂鬱な気分で過ごすなんてもったいないじゃないですか。適切な治療や生活改善で、快適な毎日を手に入れてくださいね。

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10.04.26 生理痛の原因

月経困難症は、子宮内膜症や子宮筋腫などの明らかな原因となる病気がはっきりしている「器質性月経困難症」と、はっきりとした原因は分からないけれどとにかく痛いという「機能性月経困難症」に分けられます。

器質性月経困難症の原因で最も多いのは、やはり子宮内膜症ですね。元々月経痛がひどい人や、だんだん痛みがひどくなる人は、内膜症がないかどうかはきちんと検査してもらっておいた方がいいですよ。内膜症の中でも子宮腺筋症といって、子宮の壁が内膜症の病変によって分厚い状態になっている人は月経痛がひどく出血量も多くなりやすいんです。

 

器質性月経困難症の原因となりうる病気は、内膜症以外にもいくつかあります。子宮のお部屋の中に出っ張るタイプの子宮筋腫=粘膜下筋腫は、月経のたびにこの筋腫を押し出すように子宮がギュッと強く収縮するので強い痛みの原因になることがあります。出血量も増えやすいので、余計に痛みが強くなりやすいんですよ。

数はあまり多くありませんが、双角子宮や重複子宮のような「子宮奇形」の場合も、血液がスムーズに出にくいために痛みが強くなりやすかったりします。

子宮後屈は病気ではありませんが、子宮の位置が後ろに強く傾きすぎていると、やはり血液がスムーズに排出されにくくなって強い痛みを伴うこともあります。

 

月経困難症の人の多くは、検査をしても何も異常が見つからない「機能性月経困難症」です。中にはごく初期の子宮内膜症で、普通の検査でははっきりと分からないだけという場合もありますが、何も病気がないけれどいたいという人の方が圧倒的に多いんですよ。

病気がないのになぜ痛みが強くなる人がいるんでしょう?様々な説がありますが、1つは前回お話しました痛みの伝達物質「プロスタグランジン」が多く出てしまうせいだと言われています。子宮内膜が人より分厚くなりやすい人は、その分出てくるプロスタグランジンも多くなってしまうので、強い痛みが出ている可能性があります。

 

また、月経の時期は多かれ少なかれ、子宮の周りに血液が滞ってしまうんですが(これを医学的には「うっ血)といいます)、元々冷え性だったり血液の流れが悪い人の場合、月経時期のうっ血がひどくなって下腹や腰が重くなりやすいんですね。

それ以外にも、特に若い方の月経困難症は、子宮がまだ未熟で細長いために月経血がスムーズに出にくくて、子宮が無理やり血液を押し出そうとするせいで痛みがひどくなっている可能性もあります。年齢とともに月経痛が軽くなったり、お産をすると痛みが軽くなったりすることがあるのは、月経血の通り道が広がるからなんです。

 

機能性月経困難症になりやすい人は、タバコを吸っていたり、冷え性だったり、不規則な生活をしていることが多いんですが、これらは全て血液の流れを悪くしてしまうので改善する必要があります。

特に、タバコは血管を収縮させて血液をドロドロにしてしまうので、血液の流れは非常に悪くなってしまいますからね。タバコは百害あって一利なし!タバコを吸っている人は、どんな治療よりもまず先にしっかり禁煙するように心がけましょう。

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10.04.26 生理痛の治療

月経困難症の治療は、薬による治療と手術による治療に大きく分けられます。

はっきりとした原因がなくて痛い場合や、原因となっている病気に対して手術などの積極的な治療を行わない場合は、治療の目的は「痛みを軽くすること」。つまり、生活改善を行ったり薬を上手に活用して痛みを和らげていくわけです。

 

どんな病気にも言えることですが、まず大事なのは生活改善なんですね。ストレスをためない・良質な睡眠をとる・体に害のある食品を口にしない・体を冷やさない・・・こういった日々の積み重ねを無視してどんな治療を行っても根本的な解決にはなりません。

特に、女性にとって大敵の「冷え」を改善することは生理痛だけでなくあらゆる婦人科の病気の改善につながると思っていいでしょう。体の内部を冷やさないためには、薄着をしない・毎日寝る前にきちんと湯船につかる・冷たい飲み物や体を冷やす食品を摂り過ぎない・発酵食品や精製していない食品を食べる・定期的に運動をするといったことを心がけるといいですよ。生理痛はあるけれどそこまでひどくないという人は、生活改善だけで痛み止めが必要なくなってしまうこともあります。

 

手っ取り早く痛みを抑える方法は、痛み止めを「早めに」飲むことです。「早め」というのは、しっかり痛みが出てしまってからでは痛み止めの効果が充分に発揮されないから。「ちょっと痛いかな~」くらいの時に早めに1錠飲んでしまえば、その後何度も追加で飲まなくてもすむことが多いんですよ。

痛みをギリギリまで我慢してから痛み止めを飲むと、すでに痛みの伝達物資が大量に放出された後なので焼け石に水ということになってしまいます。ただし、痛み止めはあくまで痛みを「抑えている」だけの対症療法に過ぎません。根本的な治療ではないということを分かった上で上手に活用してくださいね。

 

体質的に冷えや血行不良がある人は、体を温めたり血液の流れを良くするような漢方が有効なこともあります。婦人科でよく使うのは、「当帰芍薬散」や「桂枝茯苓丸」などですね。

これらの漢方は滞った悪い血を押し流してくれる働きがあるんです。これらと、子宮の収縮を和らげるような漢方を組み合わせて痛みをコントロールしていくこともあります。

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10.04.26 ピルによる生理痛の治療

漢方では効果がイマイチだったり、月経量が極端に多い人の場合有効なのが低用量ピルです。

低用量ピルは卵巣から出ている2種類の女性ホルモンが合成されて作ってあるホルモン剤で、元々は避妊のために作られたものです。避妊目的、つまり「健康な女性が長期間使う」ということを前提に開発されたものなので、普通の薬よりも非常に厳しく安全性をチェックしてあるんですよ。

 

ピルを飲むと、だんだん月経量が少なくなってきます。これは、ピルに「子宮内膜」をあまり分厚くさせない作用があるからなんです。痛みの伝達物質=プロスタグランジンを作る場所である子宮内膜が薄いままだと、プロスタグランジンはあまり作られないので痛みも軽くなるというわけ。しかも出血が少ないと子宮があまり強く収縮しないので、さらに痛みは出現しにくくなります。

ピルは子宮内膜症が進むのを防いだり、粘膜下筋腫で出血量が増えてしまうのを防いだりする働きもあるので、これらの病気があって生理痛がひどくなっている人にもとても有効です。

 

ただ、内膜症のせいで生理痛がひどくなっている人の場合、ピルだけでは効果が不十分なこともあります。ピルを3ヶ月以上飲んでも痛みが改善しない場合は、黄体ホルモン剤や月経を止める治療に切り替えていった方がいいこともあるので、主治医とよく相談してくださいね。

 

 内膜症や筋腫がある人は、手術という選択肢もあります。特に、粘膜下筋腫や子宮腺筋症の場合、その病変部分を切り取ることでずい分楽になることもありますから、手術以外の治療がどれも無効だった場合はやはり手術を考えていった方がいいでしょう。

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清水(旧姓:須藤) なほみ
ポートサイド女性総合クリニック
~ビバリータ~ 院長
歌って踊れる産婦人科医
 
「全ての女性は美しくなる権利がある」をコンセプトに、女性の美と健康をサポートするために女性医療を皆様のもとにお届けしています。
5歳から始めたクラシックバレエは、ミュージカルとの出会いでコンテンポラリーダンスに変身しました♪
 
所属学会:日本産婦人科学会・日本思春期学会・日本性感染症学会・日本不妊カウンセリング学会
 
日本家族計画協会認定思春期保健談員
不妊カウンセリング学会認定カウンセラー