日々の雑記

 

AMH検査とは?卵巣予備能・保険適用・結果の見方

 

AMH検査は、卵巣に残っている発育途中の卵胞の数、いわゆる「卵巣予備能」を推定するための血液検査です。

 

ただし、AMHは「卵子の質」「自然妊娠できる確率」「あと何年間妊娠できるか」「閉経する年齢」を正確に示す検査ではありません。AMHが低くても自然妊娠する方はいますし、高くても妊娠しやすいとは限りません。[3][4]

以前は原則として自費検査でしたが、現在は一定の条件を満たす場合、健康保険を使って検査できるようになっています。

 

AMH検査について先に知っておきたいこと

AMHで分かること 卵巣に残っている発育途中の卵胞数と、排卵誘発に対する卵巣反応の目安
AMHで分からないこと 卵子の質、自然妊娠率、妊娠可能年齢、正確な閉経時期
検査方法 採血
検査時期 基本的には月経周期のどの時期でも測定可能
保険適用 不妊症の患者に対し、卵巣機能の評価と治療方針決定を目的として行う場合。6か月に1回まで
妊孕性チェック目的 不妊症の診断がなく、将来の妊娠可能性を知りたいという目的では自費
当院の自費料金 8,800円(税込)

AMHとは?何を測っている検査ですか?

AMHは「抗ミュラー管ホルモン(Anti-Müllerian Hormone)」の略称です。卵巣内にある前胞状卵胞や小さな胞状卵胞の顆粒膜細胞から分泌されます。

女性の卵子のもとになる細胞は、出生後に新しく増えるわけではなく、年齢とともに減少します。AMHは、現在卵巣内にどの程度の発育途中の卵胞が存在するかを推定する指標の一つです。

ただし、AMHの数値から卵巣内に残っている卵子の正確な個数を数えることはできません。「AMHが2.0だから卵子が何個残っている」と換算できる検査ではありません。

不妊治療では、AMHと超音波で確認する胞状卵胞数(AFC)などを参考に、排卵誘発剤に対して卵巣がどの程度反応しそうか、採卵で得られる卵子数が多くなりそうか少なくなりそうかを予測します。[3]

AMH検査で分かること・分からないこと

AMHが参考になること AMHだけでは分からないこと
発育途中の卵胞数の目安 卵子の質
同年代と比べた卵巣予備能 自然妊娠できる確率
排卵誘発に対する卵巣反応 妊娠までにかかる期間
採卵で得られる卵子数の目安 妊娠可能な年齢の上限
卵巣刺激方法を選ぶための参考 正確な閉経年齢
卵巣過剰刺激のリスク評価 卵管の通過性、子宮の状態、男性側の因子

AMHは「妊娠できるかどうか」を判定する妊孕性検査ではありません。自然妊娠には、年齢、排卵、卵管、子宮、精子、性交のタイミングなど多くの要素が関係します。

特に卵子の質や染色体異常の起こりやすさには年齢が強く関係します。AMHが高い40代の方とAMHが低い30代の方を比較して、AMHが高い方の妊娠率が必ず高いとはいえません。

AMH検査が保険適用になる条件

AMH検査は、2022年度の診療報酬改定で、不妊症患者の調節卵巣刺激における治療方針決定を目的とする場合に保険適用となりました。

さらに2024年度の診療報酬改定で対象となる目的が拡大され、現在は次の条件を満たす場合に保険診療で算定できます。[1][2]

  • 不妊症と診断されていること
  • 卵巣機能の評価と治療方針の決定を目的としていること
  • 測定は6か月に1回まで

一般に不妊症は、避妊をせずに一定期間性交しても妊娠に至らない状態を指し、1年間が一つの目安です。ただし、35歳以上、月経不順・無月経、子宮内膜症、卵巣手術歴などがある場合は、1年を待たずに検査を開始することがあります。

保険適用になる可能性がある例

  • 妊娠を希望して一定期間妊娠に至らず、不妊症の評価を受けている
  • 不妊治療の方針を決めるため、卵巣予備能の評価が必要
  • 年齢や卵巣手術歴などから、治療を急ぐべきか判断する必要がある
  • 排卵誘発や生殖補助医療の治療計画を立てるために必要

原則として自費になる例

  • 現在は妊娠を希望しておらず、将来妊娠できるか知りたい
  • 健康診断やブライダルチェックの一項目として調べたい
  • 自分の「卵巣年齢」を知りたい
  • 不妊症の診断がなく、念のため検査したい
  • 医学的な必要性がない状態で、6か月以内に再検査したい
  • 加齢による妊孕性低下に備えた自費の卵子凍結を検討している

保険適用になるかどうかは、年齢や希望だけで決まるのではなく、医師の診断と検査目的によって判断します。予約時点では確定できない場合があります。

AMH検査が治療方針の参考になりやすい方

  • 不妊症の検査・治療を始める方
  • 35歳以上で妊娠を希望している方
  • 子宮内膜症や卵巣チョコレート嚢胞がある方
  • 卵巣嚢腫などで卵巣手術を受けたことがある方
  • 片方の卵巣を摘出している方
  • 月経不順・無月経があり、卵巣機能低下が疑われる方
  • 家族に早発閉経・早発卵巣不全の方がいる
  • 抗がん剤治療や骨盤への放射線治療を受ける予定、または受けたことがある方
  • 体外受精や卵子凍結を検討し、卵巣刺激への反応を予測したい方

一方、妊娠を希望していない健康な方全員が、定期的にAMHを測定する必要はありません。将来の妊娠可能性をAMHだけで予測することはできず、結果によって不必要に不安になったり、反対に妊娠を先延ばしにしてしまったりする可能性があります。

AMH検査の方法・受ける時期

AMHは採血で測定します。基本的に食事の影響は受けないため、通常は空腹で受診する必要はありません。

FSHやエストラジオールなどは月経周期によって変化するため、測定時期を選ぶことがあります。一方、AMHは月経周期による変動が比較的小さく、基本的には月経周期のどの時期でも測定できます。[3]

ただし、次のような要因でAMH値が影響を受ける場合があります。

  • 年齢
  • 測定方法・検査機器
  • 低用量ピル・LEPなどのホルモン剤
  • 妊娠・産後
  • 卵巣手術
  • 抗がん剤・放射線治療
  • PMOS(旧称PCOS)

ピルなどを服用中の場合も、検査のために自己判断で中止しないでください。服用中であることを踏まえて結果を解釈するか、休薬して測定する必要があるかを医師が判断します。

AMHが低いと言われたら

AMHが同年代より低い場合は、卵巣内の発育途中の卵胞数が少ない可能性があります。不妊治療では、排卵誘発剤への反応が弱い、採卵できる卵子数が少なくなる可能性を考えて治療計画を立てます。

ただし、次のような意味ではありません。

  • 自然妊娠できない
  • 排卵していない
  • 卵子の質が悪い
  • すぐに閉経する
  • 体外受精をしても妊娠できない

AMHが低いという理由だけで、不妊治療を受けられないと判断することも適切ではありません。年齢、月経周期、超音波での胞状卵胞数、FSH・エストラジオール、卵巣手術歴などを合わせて評価します。

妊娠を希望している場合は、数値を上げるサプリメントを探すことよりも、検査や治療の開始時期を先延ばしにしないことが重要です。

AMHが高ければ妊娠しやすい?

AMHが高い場合は、発育途中の卵胞が多い可能性があります。しかし、AMHが高いことと妊娠しやすいことは同じではありません。

PMOS(旧称PCOS)では、卵巣内に多数の小卵胞が存在するためAMHが高くなることがあります。卵胞が多くても排卵が不規則で、自然妊娠しにくくなる場合があります。

また、排卵誘発を行う場合は、多数の卵胞が一度に発育して卵巣過剰刺激症候群を起こすリスクを考慮し、薬の種類や投与量を調整します。

AMH高値だけでPMOSと診断することはできません。月経周期、アンドロゲン所見、超音波所見、ほかの病気の除外を含めて診断します。

PMOSの診断基準と検査について詳しく見る

AMHが正常なら妊娠を先延ばしにしても大丈夫?

AMHが年齢相応または高めでも、妊娠を先延ばしにしてよいという保証にはなりません。

AMHは主に卵胞の「量」を反映する検査です。卵子の質や染色体異常の起こりやすさは、AMHよりも年齢の影響を強く受けます。

特に40歳前後以降では、AMHが高くても年齢に伴う妊娠率の低下や流産率の上昇は避けられません。妊娠を希望している場合は、AMH検査の結果を待ってから考えるのではなく、早めに妊活や不妊検査を開始することが大切です。

40代でもAMHは排卵誘発や採卵方法を選ぶ参考になります。「40代では検査する意味がない」というわけではありませんが、AMHが良好であることを妊娠の保証として使うことはできません。

AMHは毎年測った方がよいですか?

AMHは年齢とともに低下する傾向がありますが、短期間でも個人内変動があり、測定方法による差もあります。そのため、健康管理として毎年測定し、数値の低下から閉経時期を予測する方法は推奨されません。[3]

再検査は、不妊治療の方針を見直す場合、卵巣手術や治療の前後、前回結果から時間が経過している場合など、検査結果が実際の治療判断に役立つときに検討します。

保険診療では、算定できるのは6か月に1回までです。

AMHだけでは不妊症の検査になりません

妊娠を希望している方は、AMHだけでなく、次のような項目を総合的に確認します。

  • 女性の年齢と妊娠歴
  • 月経周期と排卵の有無
  • 経腟超音波による子宮・卵巣の状態
  • FSH、エストラジオール、甲状腺、プロラクチンなどのホルモン検査
  • 卵管の通過性
  • 子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症などの有無
  • 男性側の精液検査
  • 性交の頻度とタイミング

AMHが正常でも、卵管が閉塞している、排卵していない、精液所見に問題があるなど、別の原因で妊娠しにくくなることがあります。

不妊症の検査内容と受ける時期について詳しく見る

AMH検査についてよくある質問

Q. AMHが低いと自然妊娠できませんか?

AMHだけでは自然妊娠の可否を判断できません。AMHが低くても排卵して自然妊娠する方はいます。年齢、排卵、卵管、精液所見などと合わせて評価します。

Q. AMHで卵子の質が分かりますか?

分かりません。AMHは主に発育途中の卵胞数を反映する量的な指標です。卵子の質には年齢が大きく関係します。

Q. AMHで閉経する年齢を予測できますか?

集団としての傾向はありますが、個人の閉経年齢を正確に予測することはできません。AMHが低いという理由だけで、すぐに閉経すると判断することもできません。

Q. AMHが高ければ安心ですか?

安心とはいえません。PMOSなどでAMHが高くなることがありますが、排卵が不規則な場合があります。また、AMHが高くても年齢による卵子の質の変化は防げません。

Q. ピルを飲んでいても検査できますか?

検査はできますが、ホルモン剤の影響でAMHが低めに測定される可能性があります。自己判断でピルを中止せず、服用中であることを医師へお伝えください。

Q. AMH検査は保険で受けられますか?

不妊症の患者に対し、卵巣機能の評価と治療方針決定を目的として医師が必要と判断した場合は、6か月に1回まで保険適用となります。将来の妊娠可能性を知りたいという検診目的では自費です。

当院でのAMH検査と不妊症の対応

当院でもAMH検査を受けていただけます。保険適用になるかどうかは、不妊期間、月経周期、年齢、病歴、今後の治療方針などを診察で確認して判断します。

不妊症の診断や保険適用の条件に該当しない場合は、自費検査となります。

自費AMH検査:8,800円(税込)
別途、診察料がかかる場合があります。

当院は不妊治療認定施設ではなく、不妊治療として対応できるのは初期評価とタイミング法までです。卵管通過性検査、精液検査、排卵誘発、人工授精、体外受精・顕微授精などが必要な場合は、不妊治療専門施設へご紹介します。

体外受精や卵子凍結を具体的に予定している方は、AMHが治療施設での卵巣刺激法に直接関係します。また、保険診療では6か月に1回の測定制限があるため、最初から治療予定の専門施設で検査した方が効率的な場合があります。

※料金・保険制度は2026年11月時点の情報です。診療報酬改定や料金変更により変わる可能性があります。

横浜駅近くでAMH検査をご希望の方へ

AMH検査は、数値だけを受け取るのではなく、年齢、月経周期、妊娠希望時期、超音波所見などと合わせて解釈することが大切です。

ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~は横浜駅から徒歩6分です。女性医師が、AMH検査の必要性、保険適用の可否、検査後の妊活・不妊治療の進め方についてご説明します。

診療時間・WEB予約はこちら
予約専用電話:045-440-5577

この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年11月3日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の妊娠可能性、診断、検査、治療を保証するものではありません。

日付:2026年11月3日  カテゴリー:日々の雑記

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健診で異常を指摘されたら|細胞診・筋腫・卵巣・ポリープ・貧血

 

健康診断や婦人科検診で「異常」「要再検査」「要精密検査」と書かれていても、直ちにがんや手術が必要な病気と診断されたわけではありません。

 

一方で、症状がないからといって放置してよいとも限りません。健診は病気を確定する検査ではなく、詳しい検査が必要な方を見つけるための検査です。結果票に記載された受診時期に従い、必要な確認を受けましょう。

 

婦人科領域で比較的よく指摘されるのは、次の5つです。

  • 子宮頸部細胞診・HPV検査の異常
  • 子宮筋腫、または子宮筋腫の疑い
  • 卵巣が腫れている、卵巣嚢腫の疑い
  • 子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープ
  • 貧血

 

健診結果別:受診時期と検査の早見表

指摘された異常 受診時期の目安 行う可能性がある検査
細胞診・HPV検査の異常 結果票の指示に従って受診。要精密検査、ASC-H、HSIL、AGCなどは先延ばしにしない 細胞診、ハイリスクHPV検査、コルポスコピー、組織診
子宮筋腫・筋腫の疑い 症状がなくても一度婦人科で確認。過多月経、貧血、痛みがあれば早めに受診 内診、経腟超音波、血液検査、必要に応じてMRI・子宮鏡
卵巣が腫れている 結果を受け取ったら早めに婦人科へ。突然の強い腹痛は当日受診 超音波検査、腫瘍マーカー、MRI・CT
ポリープがある 頸管ポリープか内膜ポリープかを確認。不正出血や閉経後出血があれば早めに受診 腟鏡診、経腟超音波、ポリープ切除・病理検査、子宮鏡、子宮内膜検査
貧血 軽度でも放置せず、原因を確認。息苦しさ、動悸、失神しそうな症状があれば早めに受診 血算、MCV、フェリチン、血清鉄などの血液検査と婦人科超音波検査

※受診時期は一般的な目安です。結果票に「至急」「要精密検査」などの記載がある場合は、その指示を優先してください。

受診時にお持ちいただきたいもの

  • 今回の健診結果票・紹介状
  • 過去の健診結果や婦人科検査結果
  • 超音波・MRIなどの画像やCD-ROMがある場合はその資料
  • お薬手帳
  • 最終月経の開始日と、最近の月経周期・出血量の記録(あれば)
  • 妊娠の可能性や妊娠希望についての情報

「異常があると言われた」という情報だけでは、必要な検査を判断できない場合があります。結果票に書かれている検査名、数値、判定名が重要です。

健診で指摘された異常について診察や精密検査を受ける場合は、通常は保険診療の対象になります。ただし、検査内容や受診目的によって異なるため、結果票を受付でご提示ください。

1.子宮頸部細胞診・HPV検査で異常を指摘された場合

子宮頸部細胞診の異常は、子宮頸部から採取した細胞に変化が見られたという意味です。細胞診異常だけで、子宮頸がんと確定したわけではありません。

結果にはASC-US、LSIL、ASC-H、HSIL、AGC、AIS、SCCなどの判定名が使われます。異常の種類によって、ハイリスクHPV検査、細胞診の再検査、コルポスコピー・組織診など、次に必要な検査が異なります。[1][2]

主な結果 一般的な次の対応
ASC-US ハイリスクHPV検査を行い、陽性ならコルポスコピー・組織診。陰性なら指示された時期に再検査
LSIL 原則としてコルポスコピー・組織診を検討
ASC-H・HSIL 高度な前がん病変を除外するため、速やかにコルポスコピー・組織診
AGC・AIS コルポスコピー、頸管内の検査。年齢や出血状況により子宮内膜検査も検討
SCC・腺がんなど 専門医療機関で速やかに精密検査

横浜市のHPV検査単独法で「要追跡精検」と判定された場合は、原則として1年後のHPV検査が必要です。「要確定精検」の場合は、指定された医療機関でコルポスコピー・組織診を受けます。

検診後に性交後出血、不正出血、血液の混じったおりものなどがある場合は、次回検診まで待たずに受診してください。

子宮頸がん検診の結果別の詳しい対応を見る

2.「子宮筋腫がある」「筋腫の疑い」と言われた場合

子宮筋腫は、子宮の筋肉から発生する良性腫瘍です。筋腫が見つかっても、すべての方に治療や手術が必要になるわけではありません。症状がなく、画像が典型的で増大傾向がなければ、定期的な経過観察でよいことがあります。[2]

健診で「筋腫の疑い」と記載される経緯には、主に次の2つがあります。

  • 内診で子宮が大きい、または凹凸があると判断された
  • 超音波検査で筋腫と思われるしこりが確認された

内診だけでは筋腫の場所・大きさ・個数を確定できません。子宮腺筋症や卵巣腫瘍など、別の病気によって子宮の周囲が大きく触れる場合もあるため、通常は超音波検査で確認します。

受診後に行う可能性がある検査

  • 内診・経腟超音波:筋腫の大きさ、場所、個数、子宮内腔の変形を確認
  • 血液検査:過多月経による貧血や鉄不足を確認
  • MRI:大きい筋腫、多発筋腫、子宮腺筋症との区別が難しい場合、画像が典型的でない場合
  • 子宮鏡検査:子宮内腔へ突出する粘膜下筋腫が疑われる場合
  • 子宮内膜検査:年齢、出血状況、子宮内膜の厚さなどから必要と判断した場合

治療の必要性は大きさだけでなく、過多月経、生理痛、貧血、頻尿、便秘、不妊、増大傾向、年齢、妊娠希望を合わせて判断します。

子宮筋腫を指摘された場合の詳しい検査・治療を見る

3.「卵巣が腫れている」「卵巣嚢腫の疑い」と言われた場合

卵巣が腫れて見える原因には、排卵に伴って一時的にできる機能性嚢胞、子宮内膜症性嚢胞、成熟嚢胞性奇形腫、良性卵巣腫瘍、境界悪性腫瘍、卵巣がんなどがあります。

「卵巣が腫れている」だけでは、良性・悪性は判断できません。大きさだけでなく、内部が液体だけなのか、充実部分や隔壁があるのか、血流があるのか、腹水を伴っていないかなどを超音波で確認します。[2]

受診後に行う可能性がある検査

  • 経腟超音波:腫瘤の大きさ、内部構造、血流、左右どちらの卵巣かを確認
  • 妊娠反応:妊娠に伴う変化や異所性妊娠との区別が必要な場合
  • 3~4か月後に超音波検査:機能性嚢胞が疑われる場合、月経後などに縮小・消失するか確認
  • 腫瘍マーカー:CA125、CA19-9、CEAなどを、年齢や画像所見に合わせて選択
  • MRI・CT:超音波だけでは種類や良性・悪性の判断が難しい場合

腫瘍マーカーは、月経、子宮内膜症、炎症など、がん以外でも上昇します。正常でも悪性を完全には否定できないため、腫瘍マーカーだけで診断することはできません。

悪性の可能性が否定できない、大きい、短期間で増大している、閉経後に新たに見つかったなどの場合は、MRIなどを追加し、手術が可能な専門医療機関へご紹介します。

突然の強い片側の下腹部痛、吐き気・嘔吐がある場合は、卵巣の根元がねじれる卵巣茎捻転の可能性があります。通常の予約を待たず、当日中に救急受診してください。

卵巣腫瘍の超音波・MRI・腫瘍マーカーについて詳しく見る

4.「ポリープがある」と言われた場合

婦人科健診で指摘されるポリープには、主に「子宮頸管ポリープ」と「子宮内膜ポリープ」があります。場所によって検査と対応が異なるため、結果票の記載を確認しましょう。[3]

子宮頸管ポリープ

子宮の出口である頸管の粘膜から発生し、腟鏡で見えることが多いポリープです。ほとんどは良性ですが、性交後出血、不正出血、おりものの増加、感染の原因になることがあります。

外来で切除できることが多く、切除した組織は病理検査に提出して、良性かどうかを確認します。大きい、茎が太い、根元が見えない、妊娠中などの場合は、切除時期や方法を個別に判断します。

子宮内膜ポリープ

子宮の内側を覆う子宮内膜が部分的に盛り上がったものです。不正出血、過多月経、貧血、不妊の原因になることがありますが、症状がなく超音波で偶然見つかることもあります。

子宮内膜ポリープで行う可能性がある検査

  • 経腟超音波
  • 月経終了後の超音波再検査
  • 子宮内へ生理食塩水を入れて行う超音波検査
  • 子宮鏡検査
  • 子宮内膜細胞診・組織診

不正出血がある、閉経後に見つかった、子宮内膜が厚い、妊娠を希望している、画像が典型的でない場合などは、子宮鏡下切除や子宮内膜の病理検査を検討します。

閉経後の出血を「ポリープがあるから」と自己判断しないことが重要です。子宮体がんや子宮内膜異型増殖症などを除外するため、子宮内膜検査が必要になる場合があります。

5.健診で貧血を指摘された場合

貧血とは、血液中のヘモグロビンが少なくなり、全身へ十分な酸素を運びにくくなった状態です。月経のある女性では鉄欠乏性貧血が多く、過多月経が主な原因になっていることがあります。[4]

一方、貧血の原因は月経だけではありません。消化管出血、胃腸からの鉄の吸収低下、食事不足、妊娠、慢性炎症、腎臓病、血液の病気などでも起こります。

受診後に行う可能性がある血液検査

  • 血算:ヘモグロビン、赤血球数、ヘマトクリットなど
  • MCV・MCH:赤血球の大きさや含まれるヘモグロビン量
  • フェリチン:体内に蓄えられている鉄の量
  • 血清鉄・総鉄結合能・トランスフェリン飽和度:鉄欠乏の状態を詳しく確認
  • 必要に応じて:ビタミンB12、葉酸、腎機能、炎症反応など

過多月経がある場合の婦人科検査

次のような症状がある場合は、鉄剤を飲むだけでなく、出血が多い原因を調べる必要があります。

  • ナプキンを1~2時間ごとに交換する
  • 夜用ナプキンでも漏れる
  • 大きな血の塊が繰り返し出る
  • 月経が8日以上続く
  • 月経のたびに動悸、息切れ、強い倦怠感がある

婦人科では、超音波検査で子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮内膜の異常などを確認します。年齢や出血状況によっては、子宮頸部細胞診や子宮内膜検査を追加します。

鉄剤でヘモグロビンが改善しても、過多月経が続けば貧血を繰り返します。鉄を補う治療と同時に、出血量を減らす治療を検討することが大切です。

女性の鉄欠乏性貧血と過多月経について詳しく見る

健診結果を待たず、早急な受診が必要な症状

次のような症状がある場合は、通常の精密検査予約を待たず、当日中の受診や救急受診を検討してください。

  • 1時間前後でナプキンがいっぱいになる出血が続く
  • 出血に伴って、めまい、冷や汗、失神しそうな感覚がある
  • 安静にしていても息苦しい、胸が痛い、動悸が強い
  • 突然の強い下腹部痛、特に吐き気・嘔吐を伴う
  • 妊娠の可能性があり、腹痛や出血がある
  • 閉経後にまとまった出血がある
  • 発熱、強い腹痛、悪臭のあるおりものがある

精密検査を受けた後の対応

精密検査後の対応は、主に次のいずれかになります。

  • 異常なしとして通常の健診へ戻る
  • 一定期間後に再検査を行う
  • 定期的な経過観察を続ける
  • 薬による治療を開始する
  • ポリープ切除など外来処置を行う
  • MRIや子宮鏡など、追加の検査を行う
  • 手術・入院検査が可能な医療機関へ紹介する

「経過観察」は「何もしなくてよい」という意味ではありません。次回の検査時期を確認し、忘れずに受診することが重要です。

健診異常についてよくある質問

Q. 健診で異常と言われたら、がんということですか?

いいえ。健診は病気を確定する検査ではなく、詳しい検査が必要な方を見つけるための検査です。良性疾患や一時的な変化も多いため、精密検査で確認します。

Q. 症状がなくても受診した方がよいですか?

はい。子宮頸部の前がん病変、卵巣腫瘍、貧血などは、初期には自覚症状がないことがあります。結果票に書かれた受診時期に従ってください。

Q. 生理中でも受診できますか?

診察や超音波検査は可能な場合がありますが、出血量が多いと細胞診、コルポスコピー、子宮内膜検査などが行いにくいことがあります。予約時に検査内容をご確認ください。大量出血や強い痛みがある場合は、生理中でも受診を延期しないでください。

Q. 健診結果だけ持参すればよいですか?

今回の結果票に加え、過去の健診結果、画像データ、お薬手帳があればお持ちください。月経周期、出血量、最終月経、妊娠希望なども診断の参考になります。

Q. 精密検査は保険診療になりますか?

健診で指摘された異常について診察・精密検査を行う場合は、通常は保険診療の対象になります。ただし、検査内容や制度によって異なるため、結果票を受付でご提示ください。

横浜駅近くで健診後の精密検査をご希望の方へ

ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、健診結果を確認し、細胞診・HPV検査、コルポスコピー・組織診、超音波検査、血液検査など、結果に応じた検査をご提案します。

MRI、子宮鏡下手術、卵巣腫瘍の手術などが必要な場合は、対応可能な専門医療機関へご紹介します。

横浜駅から徒歩6分、女性医師が診察します。ご予約時に「健診で異常を指摘された」「精密検査を希望」とお伝えいただき、健診結果票をご持参ください。

診療時間・WEB予約はこちら
予約専用電話:045-440-5577

この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年11月2日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・検査・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮頸がん検診について.
  2. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.
  3. 日本産婦人科医会.子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープ.
  4. 厚生労働省.働く女性の心とからだの応援サイト:貧血.

日付:2026年11月2日  カテゴリー:女性検診,日々の雑記

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国内初のミニピル「スリンダ」とは?効果・副作用・飲み方

 

スリンダ錠28は、エストロゲンを含まない黄体ホルモン単独の経口避妊薬、いわゆる「ミニピル」です。有効成分はドロスピレノンで、2025年6月30日に国内初の黄体ホルモン単独経口避妊薬として発売されました。[1][2]

 

エストロゲンを含む低用量ピルより静脈血栓塞栓症のリスクが低いと考えられ、年齢、喫煙、前兆のある片頭痛などを理由に配合ピルが適さない方にも選択肢となります。ただし、「血栓症リスクがゼロ」「誰でも安全に服用できる」という薬ではありません。

 

日本で承認されている効能・効果は「避妊」です。月経困難症、子宮内膜症、PMS・PMDDの治療薬として承認された薬ではなく、避妊目的の自費診療となります。

 
 

スリンダ錠28の特徴を先に確認

薬の種類 黄体ホルモン単独経口避妊薬(POP・ミニピル)
有効成分 ドロスピレノン4mg
1シート 白色の実薬24錠+淡黄色のプラセボ4錠
服用方法 1日1錠、毎日一定の時刻に28日間連続して服用
承認されている目的 避妊
健康保険 避妊薬のため自費診療
主な困りごと 不正出血、月経パターンの変化、頭痛、腹痛など
性感染症の予防 できないため、感染予防にはコンドームが必要

スリンダとは?低用量ピルとの違い

一般に「低用量ピル」と呼ばれる配合経口避妊薬(COC)には、エストロゲンと黄体ホルモンの2種類が含まれます。一方、スリンダに含まれる女性ホルモンは黄体ホルモンのドロスピレノンだけです。

スリンダは主に排卵を抑え、子宮頸管粘液を変化させて精子が子宮内へ入りにくくし、子宮内膜を薄く保つことで妊娠を防ぎます。

ジエノゲスト(ディナゲスト)やノアルテンなども黄体ホルモン製剤ですが、これらは月経困難症、子宮内膜症、生理不順などの治療薬です。避妊薬として承認されたスリンダとは目的が異なり、治療用の黄体ホルモン剤を避妊目的で使用することはできません。

スリンダの避妊効果

国内第III相試験では、避妊を希望する276人にスリンダを投与し、13周期までの3319周期中に妊娠は1例でした。全般パール指数は0.3917でした。[1]

ただし、この数値は臨床試験の管理された条件で得られた結果です。電子添文では、飲み忘れを含む経口避妊薬の一般的な使用における開始1年間の失敗率は7%とされています。[1]

「飲んでいれば必ず妊娠しない」のではなく、毎日決めた時刻に服用し、飲み忘れを減らすことが重要です。スマートフォンのアラームや服薬管理アプリなどを活用しましょう。

スリンダが選択肢になりやすい方

次のような理由で、エストロゲンを含む配合ピルが適さない、または血栓症リスクをできるだけ避けたい方では、スリンダが選択肢になることがあります。

  • 40代など、年齢とともに配合ピルの血栓症リスクが気になってきた
  • 喫煙している
  • 前兆のある片頭痛がある
  • 肥満、高血圧など、血栓症や心血管疾患のリスク因子がある
  • 過去に血栓症を発症したことがある
  • 配合ピルを使用できないが、内服による避妊を希望している
  • 子宮内避妊具・ミレーナの挿入を希望しない

ただし、これらに該当すれば自動的にスリンダを使用できるわけではありません。現在の病気、血栓症の状態、腎機能・肝機能、乳がんなどの病歴、併用薬を確認して処方の可否を判断します。

スリンダなら血栓症の心配はありませんか?

エストロゲンを含まない黄体ホルモン単独避妊薬は、配合ピルより静脈血栓塞栓症のリスクが低いと考えられています。[2]

しかし、「血栓症リスクが完全にゼロ」とは説明できません。電子添文では、活動性の静脈血栓塞栓症がある方は血栓症の治療を優先するよう記載されています。[1]

片脚の急な痛みや腫れ、突然の息苦しさ、胸痛、激しい頭痛、手足のまひ、言葉が出にくいなどの症状が現れた場合は、服用している薬を伝えたうえで、速やかに医療機関を受診してください。

低用量ピル・スリンダ・ミレーナの違い

比較項目 低用量ピル・LEP スリンダ ミレーナ
含まれるホルモン エストロゲン+黄体ホルモン 黄体ホルモンのみ 黄体ホルモンを子宮内で放出
使い方 毎日服用 毎日服用 子宮内に装着
主な目的 避妊、月経困難症治療など
※製剤により異なる
避妊 避妊、過多月経、月経困難症
血栓症 エストロゲンによる血栓症リスクに注意 配合ピルより低いと考えられるが、ゼロとは言い切れない エストロゲンを含まない
出血パターン 比較的規則的にしやすい 不正出血、少量出血、無月経などが起こり得る 装着初期は不正出血が起こりやすく、その後は月経量が減ることが多い
主な負担 毎日の服薬、飲み忘れ 毎日の服薬、飲み忘れ 挿入・除去の処置
保険適用 治療用LEPは保険適用となる場合がある 自費診療 過多月経・月経困難症では保険適用となる場合がある

どの方法が適するかは、避妊だけが目的なのか、生理痛、過多月経、PMSなども治療したいのか、毎日の服薬を続けられるかによって異なります。

スリンダ錠28の飲み方

1シートには、ドロスピレノン4mgを含む白色の実薬が24錠、ホルモンを含まない淡黄色のプラセボが4錠入っています。

  1. 白色錠から開始する
  2. シートに記載された順番で、毎日一定の時刻に1錠服用する
  3. 白色錠24錠の後に、淡黄色錠4錠を服用する
  4. 出血の有無にかかわらず、29日目から次のシートを開始する

初めて経口避妊薬を使用する場合は、原則として月経第1日目から服用します。月経第1日目より遅れて開始した場合は、最初の7日間、コンドームなど別の避妊法を併用します。[1]

ほかのピルから切り替える場合

配合ピルから切り替える場合は、原則として、それまで服用していたシートの実薬をすべて服用した翌日からスリンダを開始します。休薬期間やプラセボ期間をはさむと、避妊効果が低下する可能性があります。自己判断で切り替えず、処方医の指示を確認してください。

ミレーナなどから切り替える場合

子宮内避妊具または子宮内避妊システムから切り替える場合は、原則として除去した当日からスリンダを開始します。

スリンダを飲み忘れたときの対応

次の対応は、ホルモンを含む白色錠を飲み忘れた場合です。淡黄色のプラセボを飲み忘れても避妊効果には影響しません。

飲み忘れ 電子添文に基づく対応
翌日までに気づいた 気づいた時点で飲み忘れた1錠を服用し、その日の錠剤も通常どおり服用します。同じ日に2錠服用することがあります。
2日連続で飲み忘れた 気づいた時点で飲み忘れた錠剤を1錠服用し、その日の錠剤も通常どおり服用します。妊娠する可能性が高くなるため、別の避妊法を併用します。
3日以上連続で飲み忘れた 服用を中止し、次の月経を待って再開します。処方元へ連絡し、それまで別の避妊法を使用してください。
淡黄色錠を飲み忘れた 飲み忘れた錠剤を飛ばし、予定どおり次の錠剤へ進みます。

2日以上連続して飲み忘れ、避妊をしない性交があった場合は、緊急避妊が必要となる可能性があります。性交からの経過時間を確認し、できるだけ早く婦人科へ相談してください。

激しい嘔吐や下痢が続いた場合も、薬が十分に吸収されず避妊効果が低下する可能性があります。その間はコンドームなどを併用してください。[1]

主な副作用は不正出血・月経パターンの変化

スリンダで最も起こりやすい困りごとは、不正出血です。国内臨床試験では、不正性器出血が89.9%に報告されています。[1]

この89.9%という数字は、試験期間中に月経以外の出血が一度でも記録された方などを含む副作用集計です。89.9%の方に大量出血が続く、という意味ではありません。

少量の出血が続く、出血する日を予測しにくい、プラセボ期間以外に出血するなど、出血パターンには個人差があります。服用を続けるうちに出血が減る方もいますが、長期間続く場合や負担が大きい場合は、ほかの原因や薬の変更について相談します。

反対に、プラセボ期間中も出血せず、無月経になることがあります。電子添文では、消退出血が2周期連続して起こらなかった場合は、服用を継続する前に妊娠していないことを確認するよう記載されています。

次のような場合は受診してください。

  • 出血量が多く、ナプキンを短時間で何度も交換する
  • 強い下腹部痛、発熱、悪臭のあるおりものを伴う
  • 不正出血が長期間続く、または急に増えた
  • 飲み忘れがあり、出血が来ない
  • 妊娠検査薬が陽性になった

そのほかの副作用と高カリウム血症

国内臨床試験では、頭痛、下腹部痛、月経異常、腹痛なども報告されています。悪心、下痢、乳房の不快感、いらいら、不安感、抑うつ、にきび、むくみ、体重増加などが起こる可能性もあります。[1]

ドロスピレノンには抗ミネラルコルチコイド作用があり、血液中のカリウム値を上げることがあります。特に腎機能が低下している方や、次のような薬を使用している方は注意が必要です。

  • ACE阻害薬、ARBなど一部の降圧薬
  • スピロノラクトンなどのカリウム保持性利尿薬
  • カリウム製剤
  • ヘパリン
  • 一部の鎮痛薬・消炎薬を継続的に使用している
  • シクロスポリンなど

健康食品やサプリメントも含め、使用している薬は診察時にお伝えください。必要に応じて血液検査でカリウム値や腎機能を確認します。

スリンダを使用できない方・注意が必要な方

原則として使用できない方

  • スリンダの成分に対して過敏症がある
  • 乳がんまたは生殖器がんがある、または疑われている
  • 原因が確認できていない異常性器出血がある
  • 重篤な腎障害または急性腎障害がある
  • 重篤な肝障害がある
  • 妊娠している、または妊娠している可能性がある

慎重な判断が必要な方

  • 乳がんの既往がある
  • うつ病・うつ状態の治療中、または既往がある
  • 活動性の静脈血栓塞栓症がある
  • 腎機能・肝機能に異常がある
  • 血清カリウム値が高い、またはカリウムを上げる薬を使用している
  • 成長が終了していない可能性がある
  • 授乳中である

抗てんかん薬、抗結核薬、一部の抗ウイルス薬、セイヨウオトギリソウを含む健康食品などは、スリンダの効果を弱めることがあります。お薬手帳をご持参ください。

服用中も婦人科検診が必要です

スリンダを処方する際は、病歴、現在の病気、併用薬、妊娠の可能性などを確認します。服用中も、少なくとも年1回は子宮・卵巣を中心とした婦人科検診を受け、子宮頸がん検診や乳がん検診も適切な時期に受けることが推奨されます。[1]

不正出血が長く続く場合は、スリンダの副作用と決めつけず、子宮頸部や子宮内膜の病変などがないか確認することが大切です。

スリンダでは性感染症を予防できません

スリンダは妊娠を防ぐ薬ですが、クラミジア、淋菌、梅毒、HIV、性器ヘルペス、HPVなどの性感染症は予防できません。

性感染症の予防にはコンドームを使用し、心配な性交があった場合やパートナーが変わった場合には、症状がなくても検査をご検討ください。

スリンダについてよくある質問

Q. スリンダなら血栓症の心配はありませんか?

配合ピルより静脈血栓塞栓症のリスクは低いと考えられますが、ゼロとは言い切れません。活動性の血栓症がある場合は、血栓症の治療を優先します。

Q. 40歳を超えていても服用できますか?

年齢だけで一律に使用できない薬ではなく、40代で配合ピルから切り替える選択肢にもなります。ただし、乳がん、腎機能・肝機能、血栓症、喫煙、併用薬などを確認して判断します。

Q. 喫煙していても服用できますか?

エストロゲンを含む配合ピルより選択しやすい場合がありますが、「喫煙していても無条件に安全」という意味ではありません。年齢、喫煙本数、血圧、血管系の病気などを確認します。

Q. 生理痛やPMSも治療できますか?

服用によって生理痛や周期症状が変化する可能性はありますが、日本で承認されている目的は避妊です。月経困難症やPMS・PMDDの治療が主目的の場合は、LEP、ジエノゲスト、ミレーナ、SSRIなどを含めて治療法を検討します。

Q. スリンダを飲むと生理が来なくなることがありますか?

あります。不正出血が続く方がいる一方で、出血が少なくなる、または来なくなる方もいます。2周期連続して出血がない場合や、飲み忘れがあった場合は妊娠検査を行ってください。

Q. 妊娠を希望するときはいつ中止しますか?

妊娠を希望する時点で中止できます。妊活開始の何か月も前から中止して薬を抜く必要はありません。中止後すぐに排卵が再開する可能性があるため、葉酸の摂取や風疹抗体などの確認は中止前から進めておくと安心です。

当院でのスリンダの費用と処方方法

当院では、スリンダ錠28を1シート3,300円(税込)で処方しています。別途、初診料または再診料がかかります。

服用開始後3~4シート程度は、副作用や不正出血、服用状況を確認するため対面診療をお願いしています。服用に慣れ、特に問題がない場合はオンライン処方も可能です。オンライン処方では、診察料・薬剤費のほかに配送料がかかります。

※料金・処方方法は2026年11月時点の情報です。変更となる場合があるため、ご予約時に最新情報をご確認ください。

横浜駅近くでスリンダをご希望の方へ

スリンダは、これまで血栓症リスクなどを理由に配合ピルを使用しにくかった方にとって、新しい避妊の選択肢です。一方、不正出血、腎機能、併用薬など、スリンダ特有の確認事項もあります。

ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、避妊の目的、年齢、喫煙、片頭痛、既往歴、月経症状などを確認し、低用量ピル、スリンダ、ミレーナなどから適した方法をご提案します。

横浜駅から徒歩6分、女性医師が診察します。
診療時間・WEB予約はこちら
お電話:045-440-5577

この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年11月2日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。

参考文献

  1. PMDA.スリンダ錠28 医療用医薬品情報・電子添文.2025年6月改訂.
  2. あすか製薬ホールディングス.経口避妊剤 スリンダ錠28 新発売のお知らせ.2025年6月30日.
  3. あすか製薬.黄体ホルモン単独の経口避妊薬を服用される方へ.

oc-lep/

日付:2026年11月2日  カテゴリー:日々の雑記

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緊急避妊薬は薬局で買える|服用後こそ婦人科で継続避妊を

 

【2026年2月から緊急避妊薬を薬局で購入できます】

登録された薬局・ドラッグストアでは、医師の処方箋がなくても、要指導医薬品の緊急避妊薬「ノルレボ」を購入できるようになりました。

ただし、緊急避妊薬は「服用したらすべて終了」という薬ではありません。

  • 服用後の性交に対する避妊効果はない
  • 服用しても妊娠を完全には防げない
  • 服用から3週間後に妊娠の有無を確認する
  • 今後の妊娠を避けたい場合は継続的な避妊を始める
  • 性感染症が心配な場合は別に検査を受ける

緊急避妊の経験を、今後の避妊方法を見直す機会につなげることが大切です。

コンドームが破れた・外れた、避妊をしなかった、ピルを飲み忘れたなど、妊娠の可能性がある性交があった場合、レボノルゲストレル緊急避妊薬を性交後72時間以内に服用することで、妊娠する可能性を下げられます。

緊急避妊薬を利用することは、恥ずかしいことでも、責められることでもありません。必要なときに速やかに入手できるようになったことは、女性の健康と自己決定を守るための重要な変化です。

その一方で、緊急避妊薬だけを繰り返すよりも、自分に合った継続的な避妊法を選んだ方が、妊娠への不安を減らすことができます。

 

緊急避妊薬はどの薬局でも買えますか?

2026年2月2日から、一定の条件を満たして登録された薬局・ドラッグストアで、要指導医薬品「ノルレボ」の販売が始まりました。[1]

すべての薬局で購入できるわけではありません。厚生労働省が公開している「販売可能な薬局等の一覧」で確認してください。掲載される薬局は更新・変更されることがあります。[2]

薬局で購入するときの主な条件

  • 服用する本人が薬局へ行く
  • 性交から72時間以内である
  • 研修を修了した薬剤師の確認と説明を受ける
  • 薬剤師から受け取った後、その場で服用する
  • 月経歴、性交日時、服用中の薬、持病などの質問に答える

本人以外が代理で購入して持ち帰ることはできません。また、販売可能な薬剤師が不在の場合や、在庫がない場合もあります。

来店前に、薬局へ電話をして「ノルレボの在庫」と「販売できる薬剤師の勤務状況」を確認してください。

厚生労働省:緊急避妊薬を販売できる薬局等の最新一覧

年齢制限や保護者・パートナーの同意は必要ですか?

薬局で販売されるノルレボには一律の年齢制限はなく、購入に保護者やパートナーの同意は必要ありません。月経があり、妊娠可能な年齢の方であれば、未成年でも服用できる可能性があります。[3]

ただし、購入時には薬剤師がチェックシートを使って服用できるか確認します。性交同意年齢である16歳未満の方や、短期間に繰り返し購入している方には、健康と安全を守るため、産婦人科や小児科の受診が勧められます。[1]

自分の意思に反する性交、断りにくい状況、年齢差の大きな相手からの強要、暴力や脅迫があった場合は、医療機関や性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターへ相談してください。

緊急避妊薬はどのように妊娠を防ぐのですか?

ノルレボには、黄体ホルモンの一種であるレボノルゲストレル1.5mgが含まれています。主に排卵を遅らせたり抑えたりすることで、妊娠が成立する可能性を下げます。

緊急避妊薬は中絶薬ではありません。すでに成立した妊娠を中断する作用はなく、妊娠が成立した後に服用しても、その妊娠を終わらせることはできません。

性交後72時間以内に1錠を服用しますが、72時間以内であればいつでも同じ効果というわけではありません。性交から服用までの時間が短いほど効果が期待できるため、翌朝まで待たず、できるだけ早く入手してください。[3]

緊急避妊薬を飲んでも妊娠する可能性はあります

レボノルゲストレル緊急避妊薬の妊娠阻止率は約84%と報告されています。これは「服用した人の84%が避妊できる」という単純な意味ではなく、予測された妊娠数を約84%減らしたという指標です。[4]

正しく服用しても、妊娠を100%防げるわけではありません。

特に、すでに排卵した後に服用した場合、性交から服用までの時間が長い場合、服用後に再び避妊をしない性交があった場合などは、妊娠する可能性が残ります。

服用後に必ず行ってほしい3つのこと

1.服用から3週間後に妊娠を確認する

ノルレボの効果は、服用した直後には確認できません。服用から3週間後を目安に、妊娠検査薬を使用するか、婦人科を受診して妊娠していないことを確認してください。[3]

服用後に出血があっても、それだけで「避妊に成功した」とは判断できません。緊急避妊薬による不正出血と、月経や妊娠初期の出血を見分けることが難しいためです。

2.服用後の性交では、あらためて避妊する

緊急避妊薬が予防できるのは、原則として服用前にあった性交による妊娠です。服用後の性交に対する避妊効果はありません。

また、ノルレボは排卵を遅らせることがあるため、服用後に避妊をしない性交があると、その性交によって妊娠する可能性があります。

継続的な避妊法が有効になるまでは性交を控えるか、コンドームを使用してください。

3.婦人科で継続的な避妊法を相談する

今後も妊娠を希望していない場合は、緊急避妊だけで終わらせず、低用量ピル、ミニピル、子宮内避妊具などから、自分に合った方法を選ぶことをおすすめします。

婦人科では、避妊効果だけでなく、年齢、喫煙、片頭痛、血圧、生理痛、月経量、飲み忘れの可能性、将来の妊娠希望などを確認して提案します。

3週間後を待たずに婦人科を受診した方がよい症状

  • 月経が予定より7日以上遅れている
  • 妊娠検査薬が陽性になった
  • 月経とは異なる出血が続く
  • 強い、または片側に偏った下腹部痛がある
  • めまい、失神、肩に響くような痛みがある
  • 出血、吐き気、倦怠感、眠気などが7日以上続く
  • 服用から2時間以内に吐いた

強い下腹部痛、失神、異常な出血などがある場合は、子宮外妊娠を含む緊急性のある病気を除外する必要があります。

ノルレボを服用してから2時間以内に嘔吐した場合は、十分に吸収されていない可能性があります。自己判断で追加服用せず、速やかに医療機関へ相談してください。[3]

緊急避妊後に選べる継続的な避妊法

避妊法 特徴 向いていることが多い方
低用量ピル(OC) 毎日服用する。避妊に加えて月経周期の調整や生理痛の軽減が期待できる 毎日の服用を続けられ、エストロゲンを使用できる方
ミニピル(スリンダ) エストロゲンを含まない避妊用の黄体ホルモン剤。毎日服用する エストロゲンを含むピルが適さない・希望しない方
ミレーナ(LNG-IUS) 子宮内に装着し、最長5年間避妊できる。月経量や生理痛も軽くなることがある 毎日の服用を避けたい方、過多月経や生理痛がある方
銅付加IUD ホルモンを含まず、子宮内に装着して長期間避妊する ホルモンを使わずに高い避妊効果を希望する方
コンドーム 性感染症予防に重要。使用方法や破損・脱落の影響を受ける ほかの避妊法と併用して性感染症も予防したい方

低用量ピルなどは、医師の指示により緊急避妊薬を服用した翌日から開始する方法があります。開始後7日間は、コンドームを併用するか性交を控えます。[5]

どの方法を選んでも、緊急避妊薬服用から3週間後の妊娠確認は必要です。

ピルを飲めばコンドームは不要ですか?

低用量ピル、ミニピル、ミレーナなどは妊娠を防ぐための方法ですが、クラミジア、淋菌、梅毒、HIVなどの性感染症は予防できません。

性感染症を予防するためには、コンドームの併用が重要です。

特に、コンドームが破れた・外れた、不特定または新しいパートナーとの性交があった、相手の感染状況が分からない場合は、婦人科で性感染症検査についても相談してください。

感染症によって検査に適した時期が異なるため、性交直後の検査ですべてを否定できるわけではありません。必要に応じて時期をずらして再検査します。

緊急避妊薬を繰り返し使ってはいけませんか?

必要な状況で再び緊急避妊薬を使用すること自体を、恥じたり我慢したりする必要はありません。妊娠が心配な性交があった場合は、その都度、速やかに対応することが大切です。

ただし、緊急避妊薬は通常の避妊法より避妊効果が低く、月経周期が乱れることがあり、毎回費用もかかります。また、服用後の性交を継続して守ることはできません。

短期間に繰り返し必要になった場合は、「注意が足りない」と考えるのではなく、現在の避妊法が生活に合っていない可能性があります。飲み忘れにくい薬や、ミレーナなど毎日の操作が不要な方法も含めて婦人科で相談してください。

薬局と婦人科のどちらを利用すればよいですか?

入手方法 特徴
登録薬局・ドラッグストア 処方箋なしで購入可能。本人が来店し、薬剤師の確認後にその場で服用する
婦人科・産婦人科 医師が妊娠の可能性、持病、服用薬を確認し、継続避妊や性感染症についても相談できる

どちらを選んでも、最も大切なのは時間です。利用できる薬局が近くにあり、すぐ購入できる場合は薬局を利用できます。薬局の在庫がない、販売可能な薬剤師が不在、服用できるか判断が難しい場合は、婦人科を受診してください。

性交から72時間を超えている場合も、自己判断で諦めず、できるだけ早く婦人科へ相談してください。経過時間や妊娠・出産歴などによって検討できる方法があります。

緊急避妊薬についてよくある質問

Q. 薬局で買えば、婦人科を受診しなくてもよいですか?

服用自体は薬局で完了できますが、3週間後の妊娠確認が必要です。今後も妊娠を希望しない場合は、継続避妊を選ぶために婦人科を受診することをおすすめします。性感染症が心配な場合も別に検査が必要です。

Q. 服用後に出血があれば避妊に成功していますか?

出血だけでは判断できません。薬による不正出血、月経、妊娠初期の出血を見分けにくいため、服用から3週間後に妊娠検査薬または医療機関で確認してください。

Q. 服用後すぐに性交しても大丈夫ですか?

緊急避妊薬は服用後の性交による妊娠を防ぎません。継続的な避妊法が有効になるまでは、性交を控えるかコンドームを使用してください。

Q. 緊急避妊薬を飲むと不妊になりますか?

ノルレボの服用によって、将来妊娠しにくくなるとは考えられていません。今後の妊娠する力を低下させる薬ではありません。

Q. 月経直後や「安全日」でも必要ですか?

排卵日は体調やストレスなどによって変動するため、妊娠しないと断定できる「安全日」はありません。妊娠を希望せず、避妊ができなかった可能性がある場合は、早めに薬剤師または婦人科へ相談してください。

横浜駅近くで緊急避妊・継続避妊をご相談になりたい方へ

ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~は、横浜駅きた東口から徒歩6分です。担当医は全員女性医師です。

緊急避妊をご希望の場合は予約不要です。性交から72時間以内のできるだけ早い時点で、診療時間内に直接ご来院ください。当院のレボノルゲストレル緊急避妊薬は8,800円(税込)です。

緊急避妊薬を薬局で服用した後の妊娠確認、低用量ピル・ミニピル・ミレーナなどの継続避妊、性感染症検査についてもご相談いただけます。

「緊急避妊して終わり」ではなく、今後安心して過ごせる避妊法を一緒に選びましょう。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年11月2日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・処方に代わるものではありません。緊急避妊薬の販売薬局、価格、販売条件は変更されることがあります。

日付:2026年11月2日  カテゴリー:日々の雑記

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HPVワクチンは安全?副反応・効果・接種後の注意

 

HPVワクチンには接種部位の痛み、腫れ、頭痛、発熱などの副反応が起こることがあります。一方、国内外の安全性評価では、子宮頸がんなどを予防する利益が副反応のリスクを上回ると判断されています。[1][2]

 

「安全だから何も起こらない」「接種後の症状はすべてワクチンが原因」のどちらも正確ではありません。起こり得る症状を知って接種し、気になる症状が続く場合は適切に評価・支援を受けることが大切です。

 
 

先に結論:効果とリスクを両方確認する

  • HPVワクチンは、子宮頸がんなどの原因となるHPV型への新たな感染を予防する
  • 日本で使われる9価ワクチンは、子宮頸がんの原因の80~90%を占めるHPV型を予防するとされる
  • 接種部位の痛み・腫れ・赤み、頭痛などは比較的よく起こる
  • 注射をきっかけとした失神が起こることがある
  • アナフィラキシーなどの重い症状はまれだが、接種後の観察と早期対応が必要
  • 接種後に症状が続く場合は、因果関係を最初から決めつけず診察・相談を受ける
  • ワクチンはすでにあるHPV感染を治療せず、すべての型を防ぐわけではないため、接種後も検診が必要

HPVワクチンで何を予防できますか?

HPVは子宮頸がんだけでなく、腟がん、外陰がん、肛門がん、中咽頭がん、尖圭コンジローマなどに関係します。HPVワクチンは、ワクチンに含まれる型への新たな感染を予防します。

日本で定期接種に使用される9価ワクチンは、HPV16・18・31・33・45・52・58型などを対象とし、子宮頸がんの原因の80~90%を予防するとされています。[2]

感染してから治療するワクチンではないため、感染機会より前に接種するほど予防効果を得やすくなります。ただし、性交経験や過去のHPV陽性があっても、まだ感染していない型への予防効果が期待できる場合があります。接種年齢と回数は個別にご相談ください。

HPVワクチンの種類・接種回数・対象年齢・費用を見る

よくある副反応

厚生労働省が示す9価HPVワクチンの主な副反応は次のとおりです。頻度は臨床試験や製造販売後の情報に基づき、個人差があります。[2]

頻度 主な症状
50%以上 接種部位の痛み
10~50%未満 接種部位の腫れ・赤み、頭痛
1~10%未満 めまい、吐き気、下痢、かゆみ、発熱、疲労、接種部位の内出血・しこり
1%未満 嘔吐、腹痛、筋肉痛、関節痛、だるさなど

多くは一時的ですが、症状が強い、長引く、生活に支障がある場合は医療機関へ相談してください。

接種後の失神に注意

注射の痛みや緊張をきっかけに、一時的に血圧や脈拍が低下する「血管迷走神経反射」が起こり、めまい・冷や汗・失神が生じることがあります。HPVワクチンの成分に対するアレルギーとは限らず、採血やほかの予防接種でも起こります。

転倒によるけがを防ぐため、接種後は医療機関の指示に従って座るか横になり、一定時間安静にしてください。気分が悪い、目の前が暗くなる、吐き気がする場合は、我慢せずすぐにスタッフへ伝えます。

まれでも注意が必要な症状

どのワクチンでも、重いアレルギー反応であるアナフィラキシーが起こる可能性があります。また、厚生労働省は頻度不明の重い副反応として、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、免疫性血小板減少症などを挙げています。[2]

接種後に次の症状がある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。

  • 息苦しさ、全身のじんましん、唇や舌の腫れ
  • 意識が戻らない、反応が鈍い
  • 手足に力が入りにくい、しびれが広がる
  • 強い頭痛、繰り返す嘔吐、けいれん
  • 広範囲の紫斑、鼻や口からの出血

緊急性が高い症状では救急要請を検討してください。

接種後に痛みや体調不良が続いたら

ワクチン接種後に、接種部位以外の痛み、しびれ、脱力、倦怠感、頭痛、めまい、睡眠や認知に関する症状などが続くことがあります。接種後に起きた症状であっても、時間的に続いて起きたことと、ワクチンが原因であることは同じではありません。

一方で、症状そのものを軽視してよいわけでもありません。接種との因果関係を最初から断定せず、ほかの病気や治療可能な原因も含めて診察を受けてください。接種した医療機関、かかりつけ医、自治体の相談窓口、協力医療機関などへ相談できます。厚生労働省は接種後の症状に対する相談・診療体制と予防接種健康被害救済制度を案内しています。[1]

受診時には、次の情報を記録しておくと役立ちます。

  • ワクチン名、接種日、接種回数
  • 症状が始まった日時と経過
  • 日常生活・学校・仕事への影響
  • ほかの薬、ワクチン、病気との時間的な関係

「積極的勧奨の差し控え」と現在の評価

日本では2013年、接種後に持続する痛みなどが報告され、国が接種を個別に勧める取組を一時的に差し控えました。ただし、定期接種そのものが中止されたわけではありません。

その後の国内外のデータを踏まえ、2021年11月の専門家会議で、安全性について特段の懸念は認められず、有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると判断され、2022年4月から個別の接種勧奨が再開されています。[1]

ワクチンの安全性は、承認後も副反応疑い報告や疫学研究などで継続的に監視されます。「報告された症状の件数」と「ワクチンが原因と確認された件数」は同じではないため、背景発生率や未接種者との比較を含めて評価します。

HPVワクチンは不妊の原因になりますか?

現在得られている研究結果は、HPVワクチンが不妊や早発卵巣不全を引き起こすという因果関係を支持していません。WHOのワクチン安全性に関する専門委員会も、疫学研究を含むデータを検討し、不妊との関連を支持する証拠はないと結論づけています。[3]

むしろ子宮頸がんや高度前がん病変の治療では、円錐切除による早産リスクの上昇や、子宮を残せない治療が必要になることがあります。将来の妊娠の可能性を守る観点からも、ワクチンによる一次予防と検診による二次予防の両方が重要です。

接種前に医師へ相談する方

  • 過去のHPVワクチンや含有成分で重いアレルギー反応があった
  • 発熱中、または重い急性疾患がある
  • 過去の注射や採血で失神したことがある
  • けいれん、免疫不全、重い基礎疾患がある
  • 妊娠中、妊娠している可能性がある
  • 授乳中
  • 1回目・2回目の接種後に気になる症状が出た

妊娠中は接種を避け、残りの回数は出産後へ延期します。接種後に妊娠が判明しても、それだけを理由に妊娠を中断する必要はありません。個別の状況を産婦人科へご相談ください。

ワクチンを受けても子宮頸がん検診は必要

HPVワクチンは、すべての発がん性HPV型を防ぐわけではありません。また、接種前に成立している感染を治療するものでもありません。そのため、接種歴にかかわらず、年齢と自治体の制度に応じて子宮頸がん検診を受けます。

逆に、検診だけでは感染そのものを予防できません。HPVワクチンで感染を予防し、検診で前がん病変を早期発見することが、子宮頸がん予防の基本です。[4]

HPVワクチンの安全性についてよくある質問

Q. HPVワクチンでHPVに感染したり、子宮頸がんになったりしますか?

ワクチンに感染性のあるHPVは含まれていないため、接種によってHPVに感染したり、子宮頸がんになったりすることはありません。

Q. 接種時の痛みが心配です

接種部位の痛みはよくみられます。不安や痛みで失神することもあるため、横になって接種できるか相談し、接種後は医療機関の指示に従って安静にしてください。

Q. 1回目の後に発熱しました。次も接種できますか?

発熱の程度・時期・ほかの症状・別の原因を確認して判断します。自己判断で接種を続けたり中止したりせず、次回予約前に接種医へ相談してください。

Q. HPVワクチンは不妊の原因になりますか?

現在の研究では、HPVワクチンと不妊・早発卵巣不全との因果関係を支持する証拠はありません。

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ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、接種年齢、過去の接種歴、妊娠の可能性、副反応への不安を確認し、HPVワクチンについてご説明します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月20日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の接種可否や診断に代わるものではありません。

参考文献

  1. 厚生労働省.HPVワクチンに関するQ&A.
  2. 厚生労働省.HPVワクチン.
  3. World Health Organization. HPV vaccines and infertility.
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮頸がん 予防・検診.

日付:2026年10月20日  カテゴリー:子宮頚がん,日々の雑記

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山瀬まみさんが患った「子宮体がん」とは?症状・検査・治療を解説

 

2025年10月、タレントの山瀬まみさんが、子宮体がんの手術と、その後に脳梗塞を発症してリハビリを受けたことを公表しました。2026年7月には、手術前から不正出血が続いていたものの、当初は「更年期による変化かもしれない」と考えていたことも伝えられています。[1][2]

 

このニュースから知っていただきたい最も重要なことは、月経ではない出血が続くときや、閉経後に出血したときは、「更年期だから」と自己判断せず、婦人科を受診してほしいということです。子宮体がんで最も多い症状は不正出血で、少量の出血や血の混じったおりものだけのこともあります。[3]

 

なお、ご本人が公表していない進行期(ステージ)、組織型、悪性度、追加治療、予後や、脳梗塞の詳しい原因を外部から判断することはできません。手術で子宮・卵巣やリンパ節を摘出したという情報だけで、「進行がんだった」と推測することもできません。本記事では個別の病状を推測せず、公表された内容を入口として、子宮体がんの一般的な医学情報を解説します。

 

山瀬まみさんの公表内容から分かること・分からないこと

公表されていること 公表情報だけでは分からないこと
子宮体がんと診断されたこと 正確な進行期、組織型、グレード
子宮・卵巣・リンパ節を含む手術を受けたと語っていること 各臓器を摘出・評価した医学的な理由と病理結果
手術後に脳梗塞を発症し、リハビリを受けたこと 脳梗塞の詳しい原因と子宮体がんとの因果関係
不正出血が続き、当初は更年期の変化と思っていたこと 出血の期間・程度、受診までの詳しい経過

がんの進行期は、画像検査だけでなく、手術で摘出した組織を詳しく調べて最終的に決まることがあります。リンパ節の評価は、転移を確認して正確な進行期や術後治療を決める目的でも行われるため、リンパ節を調べたこと自体は「すでに転移していた」という意味ではありません。[4]

子宮体がんとは

子宮は、妊娠したときに赤ちゃんが育つ「子宮体部」と、腟につながる「子宮頸部」に分かれます。子宮体がんは子宮体部にできるがんで、その多くは子宮の内側を覆う子宮内膜から発生するため、「子宮内膜がん」とも呼ばれます。

閉経前後から閉経後に多い病気ですが、若い年代でも発症します。とくに排卵が少ない状態が長く続く方、肥満・糖尿病がある方、リンチ症候群など遺伝的なリスクがある方では、年齢だけで判断せず、症状があれば検査を検討します。

子宮体がんと子宮頸がんの違い

比較項目 子宮体がん 子宮頸がん
発生する場所 子宮の奥にある体部。多くは子宮内膜 子宮の入口にある頸部
主な関連因子 ホルモン・代謝・遺伝など複数の因子 主にハイリスクHPVの持続感染
気づくきっかけ 不正出血、閉経後出血、血の混じったおりもの 初期は無症状が多く、検診で見つかることがある
主な検査 経腟超音波、子宮内膜の細胞診・組織診など 子宮頸部細胞診、HPV検査、コルポスコピー・組織診
HPVワクチン 子宮体がんを予防するワクチンではない 原因となるHPV感染の多くを予防できる

一般的な子宮頸がん検診は、子宮体がんを見つけるための検査ではありません。頸部細胞診が正常でも、子宮体がんを否定することはできないため、不正出血があれば検診結果にかかわらず婦人科を受診してください。

子宮体がんでみられる症状

最も多い症状は、月経ではない時期の出血です。次のような変化があればご相談ください。

  • 月経と月経の間に出血する
  • 月経が長引く、以前より量が増える
  • 性交後に出血する
  • ピンク色・茶色・血の混じったおりものが続く
  • 閉経したはずなのに、少量でも出血する

進行すると、下腹部痛、性交時痛、腰痛、排尿・排便の変化、下肢のむくみなどが出ることもあります。ただし、これらは子宮筋腫、ポリープ、ホルモン変動、腟や子宮頸部の病気などでも起こります。症状だけで子宮体がんとは判断できません。

「更年期の不正出血」と決めつけないでください

更年期には排卵が不規則になり、月経周期や出血量が変わることがあります。その一方で、子宮体がんや子宮内膜増殖症でも似た出血が起こります。一般に、最後の月経から1年以上月経がないことを確認して閉経と判断します。閉経後の出血は、1回・少量でも受診の対象です。

短時間でナプキンがいっぱいになる出血、強い腹痛、ふらつき・息苦しさ・冷汗などがある場合は、通常の予約を待たず、救急受診を含めて早めに医療機関へ相談してください。

子宮体がんの原因・リスク因子

子宮体がんには、エストロゲンの影響と関連するタイプと、エストロゲンとの関連が比較的少ないタイプがあります。次の項目は主に発症リスクと関連します。[5][10]

  • 排卵が少ない状態が長く続く月経不順、PMOS/PCOS
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 出産経験がないこと
  • 閉経が遅いこと
  • 子宮がある方へのエストロゲン単独投与
  • 乳がん治療薬タモキシフェンの使用
  • リンチ症候群などの遺伝的要因

リスク因子があっても必ず発症するわけではなく、明らかなリスク因子がない方にも起こります。「本人の生活習慣が原因」と決めつけることはできません。

月経不順で長期間月経が来ない場合は、子宮内膜を守るために定期的に出血を起こす治療や、低用量ピル・黄体ホルモン薬などを検討します。ホルモン補充療法中やタモキシフェン服用中も、自己判断で薬を中止せず、予定外の出血があれば処方医または婦人科へご相談ください。

子宮体がんが疑われるときの検査

  1. 問診・内診:出血の時期や量、閉経の有無、服用薬、妊娠可能性、家族歴などを確認します。
  2. 経腟超音波検査:子宮内膜の厚さや不整、ポリープ、筋腫、卵巣の状態などを確認します。
  3. 子宮内膜細胞診・組織診:子宮の奥に細い器具を入れて内膜を採取します。細胞診を行うこともありますが、確定診断には組織診が重要です。
  4. 子宮鏡検査・子宮内膜全面掻爬:病変が疑われるのに外来検査で十分な組織が取れない場合などに検討します。
  5. MRI・CTなど:がんと診断された場合、筋層への入り込みやリンパ節・他臓器への広がりを調べます。

超音波で子宮内膜が厚いだけでは、がんと確定しません。反対に、画像だけで完全に否定できるとも限りません。子宮体がんかどうか、組織型やグレードを確定するのは病理検査です。腫瘍マーカーの血液検査だけで子宮体がんの有無を診断することもできません。[6]

子宮内膜の採取時には、生理痛に似た痛みを感じることがあります。閉経後や出産経験がない方などでは器具が入りにくく、検体が十分に取れない場合もあります。痛みが不安な方、過去に検査が難しかった方は、検査前にお伝えください。

症状がなくても「子宮体がん検診」を受けるべき?

症状がなく、特別に高いリスクがない方全員に、子宮内膜細胞診や超音波検査を定期的に行うことは、国が推奨する対策型がん検診には含まれていません。検診によって死亡率を下げる効果が十分に確認されていないためです。[5][7]

一方、不正出血や閉経後出血がある場合に行う検査は「検診」ではなく、症状の原因を調べるための診療です。次回の子宮頸がん検診まで待たずに受診してください。

リンチ症候群が疑われる家族歴がある方、子宮内膜異型増殖症の既往がある方などでは、一般の方と異なる管理が必要になることがあります。大腸がん・子宮体がん・卵巣がんなどが家族内で多い場合は、遺伝カウンセリングを含めてご相談ください。

子宮体がんの治療

治療は、進行期、組織型、グレード、遺伝子・分子学的な特徴、年齢、持病、妊娠希望などを総合して決めます。手術可能な場合は手術が中心で、摘出した組織の病理結果をもとに、追加治療が必要かを判断します。[4][8]

治療 主な役割
手術 子宮、卵管・卵巣などを摘出し、必要に応じてリンパ節や腹腔内を評価する
経過観察 手術後の再発リスクが低い場合は、追加治療をせず定期診察を行うことがある
薬物療法 抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬、黄体ホルモン薬などを病状に応じて使う
放射線治療 手術が難しい場合、再発予防、再発部位の治療、症状緩和などを目的に行う
緩和ケア・支持療法 診断時から、痛みや不安、治療の副作用など心身のつらさを和らげる

なぜ子宮・卵巣・リンパ節を調べるのですか?

子宮体がんの標準的な手術では、原発巣のある子宮を摘出し、卵管・卵巣も摘出することがあります。年齢やがんの性質によっては卵巣温存を検討できる場合もありますが、全員に適する方法ではありません。

リンパ節については、画像所見、推定進行期、組織型やグレードなどをもとに、切除・生検を行うか判断します。施設や病状によっては、最初に流れ着くリンパ節を調べるセンチネルリンパ節生検が検討されます。

手術範囲は、がんの広がりを確認し、術後治療を適切に選ぶためにも決められます。したがって、「卵巣やリンパ節も取った=進行がん」「広い手術=予後が悪い」と単純に結びつけることはできません。

妊娠希望がある場合、子宮を残せますか?

子宮体がんの標準治療は子宮摘出ですが、妊娠を強く希望する若い方で、子宮筋層への浸潤がない類内膜がんグレード1など、厳しい条件を満たすごく早期の病変では、高用量黄体ホルモン療法による妊孕性温存を検討できる場合があります。子宮内膜異型増殖症も対象になることがあります。[8]

妊孕性温存治療には、効果が得られない可能性、血栓症などの副作用、治療後の再発リスクがあります。定期的な子宮内膜組織診が必要で、病変が消失した後は再発前に効率よく妊娠を目指すため、生殖医療科との連携を検討します。治療経験のある婦人科腫瘍専門施設で、標準治療との差を十分に理解して選択することが重要です。

子宮体がんと脳梗塞には関係がありますか?

がんがあると血液が固まりやすくなることがあり、手術、安静、脱水、年齢や持病なども血栓症のリスクに影響します。がんに関連する脳梗塞は「がん関連脳梗塞」と呼ばれ、トルソー症候群の一部として扱われることもありますが、脳梗塞には心房細動や動脈硬化など多くの原因があります。[9]

山瀬さんの脳梗塞が、どの機序で起きたかは公表情報だけでは判断できません。個別の因果関係は検査結果と治療経過を把握している医療チームが判断します。

顔の片側が下がる、片腕に力が入らない、言葉が出ない・ろれつが回らない、突然の激しいふらつきなどが現れた場合は、様子を見ず救急要請してください。

子宮体がんのリスクを下げ、早く見つけるためにできること

  • 長期間月経が来ない状態を放置せず、月経不順の治療を相談する
  • 無理のない範囲で適正体重を目指し、糖尿病を適切に管理する
  • 子宮がある状態でホルモン補充療法を受けるときは、処方どおりに黄体ホルモンを併用する
  • 予定外の出血や閉経後出血があれば、量が少なくても受診する
  • 特徴的ながんの家族歴がある場合は、遺伝カウンセリングを検討する

これらを行っても、すべての子宮体がんを予防できるわけではありません。早期発見のために最も実践しやすい行動は、「いつもと違う出血を放置しない」ことです。

子宮体がんについてよくある質問

Q. 子宮頸がん検診を毎年受けていれば、子宮体がんも分かりますか?

いいえ。子宮頸がん検診は子宮頸部の細胞を調べる検査で、子宮体がんを目的とした検査ではありません。不正出血がある場合は、検診結果が正常でも婦人科を受診してください。

Q. 閉経後に一度だけ少量出血しました。様子を見てもよいですか?

閉経後出血は、一度・少量でも原因を確認した方がよい症状です。萎縮性腟炎など良性の原因も多いですが、自己判断せずご相談ください。

Q. 超音波で「子宮内膜が厚い」と言われたら、がんですか?

厚いだけでがんとは確定しません。年齢、閉経の有無、月経周期、ホルモン薬、出血症状などを確認し、必要に応じて子宮内膜の組織検査を行います。

Q. 子宮体がんは必ず子宮を摘出しますか?

手術可能な子宮体がんでは子宮摘出が標準です。ただし、厳しい条件を満たすごく早期の病変で妊娠を強く希望する場合は、専門施設で妊孕性温存治療を検討できることがあります。

Q. HPVワクチンで子宮体がんも予防できますか?

HPVワクチンは主にHPV感染による子宮頸がんなどを予防するワクチンで、子宮体がんを予防するものではありません。子宮体がんの早期発見には、不正出血を放置しないことが重要です。

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横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、女性医師が出血の時期や服用薬を確認し、必要に応じて内診、経腟超音波検査、子宮内膜検査などをご案内します。

子宮体がんが疑われる場合や診断された場合は、病状に応じて婦人科腫瘍を専門とする連携医療機関へご紹介します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月5日。本ページは一般的な医療情報であり、山瀬まみさん個人の病状を推測するものではありません。また、個別の診断・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. テレビ朝日.山瀬まみさんの公表内容に関する記事.2026年7月9日.
  2. ORICON NEWS.山瀬まみさんの子宮体がん公表に関する記事.2025年10月7日.
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん).
  4. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん) 治療.
  5. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん) 予防・検診.
  6. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん) 検査.
  7. 厚生労働省委託 がん対策推進企業アクション.がん検診や就労支援に関するQ&A.
  8. 日本婦人科腫瘍学会.子宮体がん.
  9. 国立がん研究センター がん情報サービス.トルソー症候群/がん関連血栓症の特徴と治療.
  10. National Cancer Institute.Endometrial Cancer Causes, Risk Factors, and Prevention.

日付:2026年10月5日  カテゴリー:日々の雑記

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横浜市のHPV単独検診とは?当院510件の結果と受けるメリット

横浜市では2025年1月から、30~60歳の子宮頸がん検診に「HPV検査単独法」が導入されました。HPV検査は、子宮頸がんの原因となるハイリスクHPVへの感染を先に調べ、陽性者だけに同じ検体で細胞診を追加する方法です。細胞診より高度な前がん病変を見逃しにくく、陰性の場合は将来の発症リスクが低いことをより確かに予測できます。[1][2]

当院では2025年1月~12月に、横浜市のHPV単独検診を510件実施しました。HPV陽性は38件(7.45%)で、陽性者のうち12件(31.6%)に細胞診異常がありました。精密検査によってCIN1以上が10件見つかり、そのうち30代の1人はCIN3と診断され、子宮を残す円錐切除術につながりました。[9]

子宮頸がん検診の目的は、症状が出てからがんを見つけることではなく、できるだけ「がんになる前」の異形成段階で発見することです。特に30代は、妊娠・出産を考える時期と子宮頸がんが増える時期が重なります。症状がなくても、対象となる時期に検診を受け、陽性後の追跡を中断しないことが重要です。

 

横浜市HPV単独検診の対象・費用・間隔

年齢 横浜市の検査方法 受診間隔 自己負担額
20~29歳 子宮頸部細胞診 2年度に1回 1,360円
30~60歳 HPV検査単独法 原則、30歳から5歳刻みの節目年齢 2,000円
61歳以上 子宮頸部細胞診 2年度に1回 1,360円

HPV検査を受けるには、横浜市から届く受診券バーコードシールと本人確認書類が必要です。初回は受診日時点で30~60歳であれば受けられます。2回目以降の時期は、年齢と前回結果によって異なります。妊婦健診のクーポンを使用する30歳以上の妊婦は細胞診になります。[1]

※対象、費用、無料措置は変更されることがあります。受診時点の横浜市の案内をご確認ください。治療中・経過観察中の方は住民検診ではなく、主治医の指示による検査が必要です。

当院の2025年HPV単独検診510件の結果


2025年1月~12月の当院院内集計。CIN3の1人は円錐切除術につながりました。
集計項目 件数 割合
検査総数 510件 ―
HPV陽性 38件 全受診者の7.45%
HPV陽性かつ細胞診異常 12件 HPV陽性者の31.6%
CIN1以上を確認 10件 全受診者の2.0%
CIN2以上を確認 2件 全受診者の0.39%
CIN3を確認 1件 全受診者の0.20%

※当院の実診療における院内集計であり、査読を受けた研究ではありません。組織診はHPV陽性者全員ではなく、トリアージ細胞診で異常があった方に実施しています。そのため、上記は「検診を起点に確認された病変の割合」であり、受診者全体の真の有病率を示すものではありません。[9]

院内データから分かる4つのこと

1.約13人に1人がHPV陽性でした

510件中38件がHPV陽性で、陽性率は7.45%でした。HPV陽性は「がんがある」という意味ではなく、子宮頸がんにつながる可能性のあるハイリスクHPVが検出されたという意味です。

2.HPV陽性者の約7割は、その時点の細胞診に異常がありませんでした

HPV陽性38件のうち、細胞診異常は12件でした。言い換えると26件(68.4%)では、トリアージ細胞診に異常が確認されませんでした。これは「もう検査不要」という意味ではありません。細胞がまだ変化していない段階でリスクを把握できたと考え、横浜市の案内に従って1年後にHPV検査を受け、陰性化したか、持続感染しているかを確認します。

3.細胞診異常12件のうち、組織診で10件にCIN1以上が見つかりました

細胞診異常の内訳はLSIL 7件、ASC-US 5件でした。組織診では、異形成なし2件、CIN1 8件、CIN2 1件、CIN3 1件でした。細胞診と組織診の診断名は必ずしも一致しないため、細胞診異常だけで病変の程度を決めず、コルポスコピー・生検で確認する必要があります。

4.CIN3の1人は30代で、円錐切除術につながりました

CIN3は浸潤がんではありませんが、治療せずに経過すると一部が浸潤がんへ進む可能性がある高度な前がん病変です。この方は円錐切除術を受け、子宮を残した治療につながりました。1人の事例を全員に当てはめることはできませんが、症状のない30代で検診を受ける意義を示す例です。

HPV陽性者の半数以上が30代でした

HPV陽性者38人の年代別内訳。30代が20人で、陽性者全体の52.6%を占めました。
年代 HPV陽性件数 陽性者38人に占める割合
30代 20件 52.6%
40代 8件 21.1%
50代 7件 18.4%
60代 3件 7.9%

今回の陽性者で最も多かったのは30代でした。ただし、年代別の受診総数を分母にした集計ではないため、「30代の陽性率が最も高い」とまでは言えません。

それでも30代は、子宮頸がんが増え始める時期であり、妊娠・出産を考える時期とも重なります。妊娠してから異形成や子宮頸がんが見つかると、検査・治療の時期と妊娠管理を同時に考える必要があります。妊娠を希望する方こそ、妊娠前を含め、対象時期の検診を後回しにしないことをおすすめします。

検出されたHPV型

HPV型 検出件数
16型 7件
18型 3件
その他のハイリスク型 34件

1人から複数の型が検出される重複感染があるため、型別の件数は延べ数で、合計はHPV陽性者38人を超えます。16型・18型だけでなく、その他のハイリスク型でも異形成や子宮頸がんにつながる可能性があるため、型名だけで自己判断せず、検診結果に示された次の検査を受けることが大切です。

なぜHPV検査単独法が有効なのですか?

子宮頸がんの多くは、ハイリスクHPVの持続感染から始まります。細胞診が「すでに起きている細胞の形の変化」を見る検査であるのに対し、HPV検査はその前段階にある「発がんリスクの高いウイルス感染」を調べます。

複数の研究をまとめたCochraneレビューでは、CIN2以上を見つける感度は、代表的なHPV検査で89.9%、従来法の細胞診で62.5%、液状化細胞診で72.9%でした。一方、HPV検査は一過性感染も拾うため、細胞診より特異度が低く、不要な紹介・追加検査が増える可能性があります。[4]

つまり、HPV検査は「陽性者全員をすぐ生検する検査」ではありません。まず感度の高いHPV検査でリスクがある方を拾い、同じ検体の細胞診で精密検査が必要な方を絞り込みます。陰性の場合は高度病変を見逃す可能性が低いため、対象年齢と精度管理が守られれば、検診間隔を原則5年に延ばせます。欧州の無作為化試験をまとめた研究でも、HPV検査を基盤とした検診は細胞診より浸潤がんの予防効果が高いことが示されています。[5]

HPV検査後の流れ

HPV検査 トリアージ細胞診 横浜市の判定 次の対応
陰性 通常は実施しない 精検不要 年齢に応じて1~5年後にHPV検査
陽性 異常なし 要追跡検査 1年後にHPV検査
陽性 異常あり 要確定精検 速やかにコルポスコピー・生検など

HPV陽性・細胞診異常なしは、「異常なし」ではなく「1年後の確認が必要」という結果です。HPV検査単独法の効果は、陽性者が決められた追跡検査や精密検査を受けることで初めて得られます。

20代は、なぜHPV検査ではなく細胞診なのですか?

20代はHPVに感染する機会が比較的多い一方、その多くは一過性で、時間とともに検出されなくなります。20代全員にHPV検査を行うと、将来問題にならない感染まで多数拾い、不安や不要な再検査・コルポスコピーを増やす可能性があります。厚生労働省の検討でも、20代では一過性感染が多いことから、HPV検査単独法は30歳以降、20代は細胞診とされています。[3]

横浜市では20~29歳は2年度に1回の細胞診が対象です。細胞診は、すでに生じている細胞変化を直接確認するため、20代の検診方法として利益と不利益のバランスがよいと考えられています。

ただし、性交後出血、不正出血、血の混じったおりものなどがある場合は、年齢や検診時期にかかわらず診察が必要です。症状がある方は「次の検診」を待たず、婦人科を受診してください。

検診のメリットは、妊孕性を考えられる段階で見つけること

子宮頸がんは、HPVの持続感染からCIN1・CIN2・CIN3という異形成を経て、時間をかけて浸潤がんへ進むことが多い病気です。症状のない時期に検診を受ければ、がんになる前の異形成、またはごく早期の段階で発見できる可能性が高まります。

CIN1は直ちに手術をせず経過観察となることが多く、CIN2も年齢・妊娠希望・病変の経過などを踏まえて慎重に管理します。CIN3では円錐切除術などが検討され、子宮を残せる場合があります。ごく早期の子宮頸がんでも、条件を満たせば妊孕性温存治療が選択肢になりますが、病変が進行すると子宮摘出や放射線治療などが必要になる可能性が高まります。[6]

一方、円錐切除術などの子宮頸部治療は、将来の早産リスクを高めることがあります。[7]検診は必要な病変を早く見つけるために重要ですが、不要な治療を増やさないことも同じように大切です。そのため、HPV検査陽性だけで治療せず、細胞診・コルポスコピー・組織診を順に行って、本当に治療が必要かを判断します。

HPV検診だけでは不十分な点

  • HPV陽性だけでは、感染が一過性か持続性か、異形成があるかは確定できない
  • 陰性でも、将来の新しいHPV感染やすべての子宮頸がんを永久に否定するものではない
  • 検査には偽陰性・偽陽性があり、100%の検査ではない
  • HPV陽性後の1年後検査や精密検査を受けなければ、検診の効果が十分に得られない
  • 不正出血などの症状がある方を診断する検査ではない
  • 子宮体がん、卵巣がん、性感染症などをまとめて調べる検査ではない

検診は「受けて終わり」ではありません。結果を確認し、指定された次回時期を守るところまでが検診です。

検診を補完するのが、適切な時期のHPVワクチン接種です

ワクチンは一次予防、検診は二次予防です。どちらか一方で十分というものではありません。

HPV検診は、すでに起きている感染や細胞変化を早く見つける方法で、HPVへの感染そのものを防ぐ検査ではありません。これを補完するのがHPVワクチンです。

HPVワクチンは、ワクチンに含まれる型への新しい感染を予防します。既存のHPV感染を消したり、現在の異形成を治したりするものではないため、感染前の適切な年齢で接種するほど効果が期待できます。日本の定期接種は小学6年生~高校1年生相当の女子が対象です。[8]

ワクチンですべての発がん性HPVを防げるわけではなく、接種前に成立した感染への治療効果もありません。したがって、ワクチン接種後も対象年齢になったら検診が必要です。若い時期のワクチン接種で感染リスクを下げ、成人後の検診で前がん病変を見逃さないことが、子宮頸がん予防の二本柱です。

HPVワクチンの効果・副反応・接種回数を詳しく見る

当院で横浜市HPV単独検診を受ける流れ

  1. WEBまたは電話で子宮頸がん検診を予約する
  2. 受診券バーコードシールと本人確認書類を持参する
  3. 問診後、腟鏡を使用して子宮頸部から検体を採取する
  4. 結果を確認し、次回検診・1年後追跡検査・精密検査のいずれかへ進む

採取そのものは通常短時間で終わります。月経量が多い日は正確な検査が難しいことがあるため、可能であれば出血の多い時期を避けてご予約ください。強い痛みが心配な方、性交経験がない方、妊娠中・妊娠の可能性がある方は事前にお伝えください。

横浜市のHPV単独検診についてよくある質問

Q. HPV陽性なら、子宮頸がんですか?

いいえ。HPV陽性はハイリスクHPVが検出されたという結果で、がんや異形成の診断ではありません。同じ検体の細胞診と、その後に必要な検査で病変の有無を確認します。

Q. HPV陽性でも細胞診が正常なら、もう心配ありませんか?

「要追跡検査」にあたり、1年後のHPV検査が必要です。持続感染しているか、陰性化したかを確認するまで追跡を中断しないでください。

Q. 20代でも希望すればHPV検査を受けた方がよいですか?

平均的なリスクの20代の住民検診では、横浜市は2年度に1回の細胞診を採用しています。20代は一過性HPV感染が多く、HPV検査を一律に行うと不要な追加検査が増えるためです。過去の異常や免疫低下などがある方は、一般の検診とは別に医師へご相談ください。

Q. HPVワクチンを接種していれば検診は不要ですか?

必要です。ワクチンはすべての発がん性HPV型を防ぐわけではなく、接種前の感染を治療するものでもありません。接種歴にかかわらず、対象年齢と検査間隔に従って検診を受けます。

Q. 30代で妊娠を希望しています。検診は妊娠後でもよいですか?

妊娠前に対象となる検診を済ませておくと、異常が見つかった場合の精密検査や治療時期を落ち着いて相談できます。すでに妊娠している方は、妊婦健診の案内に従って細胞診を受けてください。

Q. 不正出血がありますが、市の検診を予約すればよいですか?

不正出血、性交後出血、血の混じったおりものなどがある場合は、無症状者向けの検診ではなく婦人科診察を受けてください。症状に応じて保険診療で必要な検査を行います。

横浜駅近くでHPV単独検診をご希望の方へ

横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~は、横浜市子宮頸がん検診の実施医療機関です。女性医師が検査を行い、HPV陽性後の追跡検査、コルポスコピー・組織診にも対応しています。専門医療機関での治療が必要な場合は、結果に応じてご紹介します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
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更新日・最終医学確認:2026年10月2日。本ページは一般的な医療情報と当院の院内集計であり、個別の診断・検査・治療方針に代わるものではありません。横浜市の制度・費用は変更される場合があります。

参考文献・集計資料

  1. 横浜市.子宮頸がん検診 HPV検査.2026年9月11日更新.
  2. 国立がん研究センターがん対策研究所.HPV検査単独法による子宮頸がん検診.2026年4月1日更新.
  3. 厚生労働省.第32回がん検診のあり方に関する検討会 議事録.
  4. Koliopoulos G, et al. Cytology versus HPV testing for cervical cancer screening in the general population. Cochrane Database Syst Rev. 2017;8:CD008587. PMC.
  5. Ronco G, et al. Efficacy of HPV-based screening for prevention of invasive cervical cancer: follow-up of four European randomised controlled trials. Lancet. 2014;383:524-532. PubMed.
  6. 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮頸がん 治療.
  7. Kyrgiou M, et al. Adverse obstetric outcomes after local treatment for cervical preinvasive and early invasive disease. BMJ. 2016;354:i3633. PubMed.
  8. 厚生労働省.HPVワクチン.
  9. ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~.2025年1月~12月 横浜市HPV検査単独法 院内集計(検査総数510件).

日付:2026年10月2日  カテゴリー:日々の雑記

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かかりつけ医が閉院してお困りの患者様・横浜駅近くで女医の婦人科をお探しの方へ

かかりつけが急に閉院してお困りの方は遠隔診療でも対応いたします

最近、これまでピルやホルモン補充療法(HRT) の処方をしてもらっていたかかりつけが急に閉院したため、急遽転院が必要になったとおっしゃって受診なさる方が増えています。

 

特に増えているのは下記のクリニックさんからの転院です。

田中クリニック横浜公園

みどりレディースクリニック横浜

かもい女性総合クリニック

 

かかりつけの医師が急なご病気になられたり、分院との統廃合で場所が変わってしまったりして、通える病院がなくなってしまったというケースが多いようです。

 

当院では、

*ピルやミニピル(黄体ホルモン剤)の処方

*ホルモン補充療法や漢方治療による更年期治療

*子宮頚部異形成の定期検査

*子宮筋腫や子宮内膜症の定期検査

などを引き継いで行うことが可能です。

 

当院は、横浜駅から徒歩6分という立地ですので、ご自宅がすぐ近くではなくても比較的通院していただきやすい場所にあります。

また、土曜日も終日診療しておりますので、平日の通院が難しい方も土曜日診療と遠隔診療を組み合わせて、利便性重視でご利用いただくことも可能です。

診察する意思は全員女性医師ですのでご安心ください。

⇒横浜駅近くの婦人科クリニック「ポートサイド女性総合クリニック」のご予約はこちらから。

 

紹介状は不要です

 

転院の場合、前の病院からの紹介状があった方が、これまでの経過が分かるため参考になります。

ただ、急な閉院の場合、紹介状がお手元にないケースがほとんどかと思われます。

 

前の病院で行った検査の内容や、処方されているお薬の内容を、ご本人が把握していらっしゃれば、受診時に口頭で確認させていただきますので、紹介状は必ずしも必要ではありません。

 

お薬手帳や、前の病院で受けた検査の結果が分かるものがあればお持ちいただけると大変助かります。

 

 

不要な検査は行いません

 

前の病院で必要な検査を受けていらっしゃる場合、当院で再度同じ検査を行う必要はありません。

何らかの異常があり、3~6か月ごとの定期的な検査が必要な状態であれば、時期をご相談して同じ検査を行う場合はございます。

 

また、子宮頚がん検診など、異常がなくても一定期間ごとに行った方がよい検査も、転院後に必要なタイミングで受けていただく場合がございます。

 

転院したら、また最初からすべての検査を行うというわけではありませんのでご安心ください。

 

 

遠隔診療でも対応しています

 

かかりつけに通院できなくなったけれど、まだ次の病院が確保できておらず、かつ、当院は通院するには遠いという場合、ひとまずお薬が途切れないように遠隔診療でつなぎ処方を行うことも可能です。

 

この場合は、次の病院が確保できるまでの緊急措置として、1~3か月分のお薬を継続処方でお出ししています。

 

遠隔診療をご希望の方は、「遠隔処方をご希望の方へ」をご参照ください。

日付:2026年9月29日  カテゴリー:日々の雑記

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HPVワクチンについてよくある質問

患者様や保護者の方からよく頂くご質問についてまとめました

Q:本当に副作用は大丈夫だと言えるのですか?

A:ワクチンも「薬剤」なので副反応が全くないとは言い切れません。ごくまれに副反応が発生する場合があり、それが例え1万分の1の確率であっても、あなたが1万人に1人に該当することもあり得ます。ただ、統計学的には、ワクチン未接種の方と接種後の方の健康状態には大きな差がないという結果が出ています(名古屋スタディ参照)。風邪薬やサプリメントでも、健康被害が出ることはあります。そのリスクは気にせず、ワクチンだけを「特別に」恐れてしまうのはなぜなのかを考えてみるとよいかもしれません。

 

 

Q:これまでに重篤な副作用が出た人はいますか?

A:当院で2025年にHPVワクチンを接種した方は、延べ369名でした。このうち、重篤な副作用が出た方はいらっしゃいません。接種後に、迷走神経反射で気分不良や一時的な意識消失がみられた方が、2名いらっしゃいましたが、いずれも数分で回復なさり、その後の体調に問題はありませんでした。当院では、ワクチン接種前に血圧を測定させていただき、血圧が低めの方には「ベッドに横になった状態での接種」「接種後の安静時間を延長」「いきなり立ち上がらず段階的に安静解除」という対策をとらせていただいております。

 

 

Q:ワクチンを接種しなくても子宮頚がんになる人はそれほど多くないのではないですか?

A:日本では年間約1万人(人口10万人対16.4人)が子宮頚がんに罹患し、約2,700人(人口10万人対4.4人)が亡くなっています。特に20〜30歳代の若年層で罹患率・死亡率ともに増加傾向にあり、20代女性のがんの過半数を占めています。「年間1万人」が多いと感じるのか、「それほどでもない」と感じるのかは個人の判断となります。しかし、オーストラリアでは「ほぼ撲滅される可能性が高い」と言われている子宮頚がんが、日本ではまだ年間1万人「も」発生していることは、患者様の健康を守る立場としては憂慮すべき事態と考えています。

 

Q:検診を毎年受けていれば大丈夫なのではないですか?

A:検診は、がんになる前に「早期発見」することで、「進行した癌によって命を落とす」ことを予防するためのものです。がんになる前又は早期のがんの段階で治療を行うことにも大変意味があります。しかし、「子宮の手術が必要になる」ことを防ぐことができるわけではありません。高度異形成や上皮内癌に対して行う「円錐切除」という手術は、子宮頚部の長さが短くなるため、不妊や早産のリスクを作ることになります。また、子宮全摘を行えば、将来の妊孕性(妊娠できる可能性)がなくなります。たとえ手術が必要な段階まで進行しなくても、「異形成」というグレーゾーンの段階と診断されると、定期的な組織診が必要になったり、「いつか癌になるかもしれない」という不安を抱えたまま過ごさなければならなくなります。異形成を予防するためには、ワクチンが必要です。

 

Q:性行為の経験があるとワクチンを接種する意味がなくなりますか?

A:ワクチンはHPVへの感染前に接種することが重要です。そのため、感染リスクが発生する前、つまり、性行為の経験がないうちに接種することが推奨されています。ただ、たとえ性行為の経験があっても、短期間で数種類のHPVに同時に感染してしまうリスクは低いため、ワクチンの効果が「ゼロ」になるわけではありません。海外のデータでは、26歳までの接種であれば一定の効果はあるという結果も出ています。公費で接種できる年齢には上限がありますので(高校1年生まで)、できるだけ早く接種することをお勧めします。

日付:2026年9月14日  カテゴリー:日々の雑記

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【横浜市の高校生医療費が無料に】生理痛や生理不順を我慢していませんか?高校生の婦人科受診について婦人科医が解説

【横浜市の高校生医療費が無料に】生理痛や生理不順を我慢していませんか?高校生の婦人科受診について婦人科医が解説

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<<この記事の執筆者>>

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医

ポートサイド女性総合クリニック院長

横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。

参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン

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2026年6月から、横浜市では高校生世代まで医療費助成の対象が拡大されました。

これにより、高校生の方も医療機関を受診しやすくなっています。

 

しかし、実際には

 

生理痛

生理不順

PMS(月経前症候群)

 

などで悩んでいても、

 

「婦人科はまだ早い」

「我慢するしかない」

「ピルは高そう」

 

と思っている高校生や保護者の方も少なくありません。

 

先日受診なさった高校3年生の方は、「ずっと生理痛を我慢していたけれど、受験に影響するのは困るので」ということでご相談にいらっしゃいました。

「医療費が無料になります」というお知らせを見て、「無料ならピルを試してみたい」と保護者の方に伝えてみたのだそうです。

 

実は、

 

高校生だからこそ婦人科を受診した方がよいケースがあります。

 

この記事では、

 

高校生の生理痛や生理不順

婦人科受診の目安

ピルやミニピルによる治療

横浜市の医療費助成

 

について解説します。

 

 

高校生でも生理痛は珍しくありません

 

高校生の生理痛は決して珍しいことではありません。

初めて生理が来て1~2年は無排卵のことも多く、そこまで生理痛が出ない場合もあります。

当院を受診なさる高校生の方からも、

「中学生の頃は大丈夫だったのに、高校生になったら生理が重くなった」

というお話をよく頂きます。

 

実際に、10代女性の多くが生理の時期に

 

お腹の痛み

腰痛

吐き気

頭痛

 

などを経験しています。

 

症状が軽く、日常生活に支障がないレベルであれば様子を見てもよいのですが、

次のような場合は単なる生理痛ではなく

 

「月経困難症」

 

の可能性があります。

 

◆生理痛のせいで学校を休む

◆生理のたびに保健室で寝ている

◆生理の時期は部活を休む

◆大会や練習に参加できない

◆痛み止めが効かない

◆生理のたびに痛み止めを何錠も飲む

◆生理のせいで勉強に集中できない

◆生理期の不調が定期試験にも影響する

 

これらは、いずれも治療を検討するレベルです。

例え症状が「我慢できる」レベルだと思っても、学校生活に支障が出ているということは、「QOL(生活の質)」は下がってしまっています。

よく、「この程度で相談していいのか迷っていました」というお声を頂くのですが、本人が「困った」と感じる場面がある時点でサポートが必要ということです。

遠慮なく相談にいらしてください。

 

 

生理痛による学業への影響

 

高校生の時期は

 

定期試験

受験勉強

部活動

修学旅行などの学校行事

 

など重要なイベントがたくさんあります。

 

生理痛や過多月経によって、本来発揮できる能力が発揮できないことは、

将来にとって大きな損失です。

また、修学旅行や文化祭など、その年齢でしか体験できないイベントが、「生理のせいで楽しめない」ことは、できれば避けられた方がよいのではないかと感じています。

 

 

高校生の生理不順も放置しない方がいい

 

高校生の頃は、まだ生理の周期が整いきらず、なんとなく生理不順気味というケースはよくあります。

 

ただし、

 

以下の場合は受診をおすすめします。

 

生理が2~3か月来ない

周期が極端にバラバラ

出血量が多すぎる

出血期間が10日以上続くことが多い

貧血がある

 

背景に

 

卵巣機能の低下

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

 

などが隠れていることがあります。

 

また、スポーツをする人で、生理の周期が長かったり、長期間の無月経の場合、必要な女性ホルモンが不足して骨がもろくなってしまう場合があります。

実際、1年以上無月経のままになっていた長距離選手の方が、疲労骨折で競技を続けられなくなったケースや、減量のせいで無月経になったバレリーナの方が疲労骨折を繰り返してしまっていたケースもあります。

 

生理について、少しでも気になることがあれば、

まずは受診してみることをお勧めします。

 

 

生理痛は我慢するものではありません

 

昔は「生理痛は病気ではない」と言われることもありました。

 

しかし現在は、「生理痛は病気のサイン」「つらい症状はコントロールするもの」という考え方が主流です。

 

毎月つらい思いをしているなら、我慢する必要はありません。

生理痛の治療は、

鎮痛剤

漢方薬

ピルやミニピル

など、高校生でも安心して服用できるものです。

全て保険適用なので、横浜市の高校生なら検査も治療も無料になります。

 

 

高校生でもピルは飲めます

 

「ピルは大人が飲むもの」と思われがちですが、高校生でも服用は可能です。

 

実際に、当院では

 

月経困難症

生理不順

PMS

ニキビ

などの治療として、10代からピルを処方させていただいています。

10代~30代で通院中の方の約6割が、ピルまたはミニピルを服用なさっています。

 

 

ピルの効果

 

ピルには

 

生理痛を軽くする

生理周期を整える

出血量を減らす

PMSを改善する

 

などの効果があります。

 

 

ピルは高いと思っていませんか?高校生は無料です!

 

避妊目的のピル(OC)は自費ですが、治療目的の場合は保険適用になります。

 

さらに、横浜市の高校生医療費助成の対象となる場合、実質の自己負担額は「0」です。

 

そのため、「ピルは高いから無理」と思っていた方も、以前より治療を受けやすくなっています。

 

※助成内容は変更される場合がありますので、受診時にご確認ください。

 

 

高校生の婦人科受診は全く珍しくありません

 

当院でも

 

生理痛

生理不順

PMS

 

で受診される高校生はたくさんいます。

 

婦人科は妊娠した人だけが行く場所ではありません。

女性の健康を守るための診療科です。

 

 

婦人科ではどんな検査をする?

 

高校生の場合、性行為のご経験がなければ内診は行いません。

生理痛や生理不順のご相談の場合、卵巣の腫れなどの確認のために超音波検査は必要です。

ご本人に検査方法を確認させていただき、

経腹超音波検査(お腹の上からのエコー)

経直腸超音波検査(お尻からのエコー)

を行います。

経腹超音波検査は、内科で受ける超音波検査と同じです。

痛みはありません。

 

痒みやおりものが気になるという場合も、内診は行わず、外側の皮膚の状態を目で見て確認したり、表面のおりものだけぬぐい取る検査を行います。

 

「婦人科に行ったら内診されるから、受診をためらってました」という高校生の方もいらっしゃいました。性交経験がない場合は、内診は行いませんので安心して受診なさってください。

 

女性医師だから安心

 

ポートサイド女性総合クリニックでは、必ず女性医師が診療しています。

「女性医師だと思って受診したら曜日によっては男性医師だった」

「女性医師を希望していたが男性医師に対応された」

というご相談もありますが、当院は全員女性医師ですのでご安心ください。

 

初めて婦人科に行く

男性医師は不安

生理の相談をしづらい

 

という方も安心してご相談いただけます。

 

 

保護者の方も一緒に診察室へ入れます

 

高校生の受診では、保護者の方が一緒に説明を聞くことも可能です。

 

もちろん、ご本人の希望を尊重しながら診療を行います。

ご本人がお1人での診察を希望されましたら、保護者の方には待合室でお待ちいただいております。

 

 

横浜駅徒歩圏内なので通いやすい

 

当院は横浜駅徒歩圏内にあります。

 

そのため

 

横浜市内

川崎市

湘南エリア

東京都内

 

からも通院しやすい立地です。

 

学校帰りにも受診しやすくなっています。

 

 

よくある質問

Q 高校生でも婦人科に行っていいですか?

 

もちろん大丈夫です。

 

生理痛や生理不順はよくある受診理由です。

 

 

Q 高校生でもピルは飲めますか?

 

医師の診察の上で処方可能です。

 

 

Q ピルは将来妊娠しにくくなりますか?

 

そのようなことはありません。

 

 

Q 生理痛で婦人科に行く人は多いですか?

 

とても多いです。

 

 

まとめ

 

横浜市では高校生まで医療費助成が拡大され、

これまでより婦人科受診のハードルが下がっています。

 

生理痛

生理不順

PMS

 

で悩んでいる場合は、我慢せず婦人科に相談してください。

 

生理痛は「我慢するもの」ではなく、適切にコントロールできる症状です。

 

女性医師が丁寧に診察いたしますので、安心してご相談ください。

日付:2026年9月11日  カテゴリー:日々の雑記

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