日々の雑記
性交後2週間で妊娠検査薬が陰性なら妊娠していないと言える?【横浜市・女医の婦人科】
性交後2週間「妊娠反応が陰性」でも妊娠している?(横浜市の婦人科・女医が解説)
妊娠を疑うのは「生理が遅れた時」だと思われますが、元々生理不順で周期がバラバラだったり、「いつも遅れがち」な場合は、生理が来ないのが単なる生理不順なのか妊娠なのかは判別が難しくなります。
性行為後に何日たったら「妊娠していない」ことがはっきりするのか?は、生理の周期が安定しているかどうかによっても異なります。
生理が来ないからと言って焦ってフライングで妊娠検査薬を使っても、陰性に出ることがあります。妊娠検査薬が、性交後何日で陽性になるのかは気になるところだと思われますが、性行為の時期が排卵日の何日前なのかによって異なってくるのです。
例えば、性交後1週間で妊娠反応が陽性になることはあるのでしょうか?もし、その性交渉の前にも何度か性交渉の機会があれば、答えは「Yes」です。しかし、ずっと性交渉がなく、1回だけ性交渉をして、その1週間後に妊娠反応が陽性になる、ということはありません。
生理が遅れて、妊娠の可能性が「ゼロではない」つまり性行為の機会が1回でもあるのなら、まずは妊娠検査薬で確認が必要です。
スティック状の検査薬に尿をかけると、1~2分で妊娠しているかどうかがわかります。
妊娠検査薬が「陽性」であれば、確実に体のどこかに妊娠しているということになります。直ちに受診が必要です。
妊娠検査薬が「陰性」だった場合は、「妊娠していない」か「検査の時期が早すぎて妊娠しているのに陽性が出ない」のどちらかです。
なので、「妊娠反応が陰性だったのに実は妊娠していた」ということはあり得ます。
何度か妊娠検査薬を使ったけれどずっと陰性だったので妊娠していないと思っていたら、2週間後の検査で陽性が出た、といったケースは実際にあります。なので、妊娠検査薬を生理予定日に使って陰性だった場合は、その後陽性になる可能性もあると思っておいた方がよいでしょう。
妊娠検査薬が陽性に出る仕組み・性交後何日で反応する?(横浜市の婦人科)
妊娠検査薬は、妊娠すると血液中に増える「HCG」というホルモンが尿中にどのくらいあるかをチェックするものです。
血液中にHCGが増えれば、当然尿中にもたくさん出てくるので、一定量以上の「HCG」が尿中に出ていれば、検査薬が「陽性」になる仕組みです。
この「HCG」は、妊娠の成立とともに段々増えていきます。着床したばかり(妊娠3週)では、妊娠していない時よりは増えているけれどまだ尿中の量がそこまで多くないので妊娠反応は陽性にはなりません。
妊娠4週になるとある程度の量が出てくるので、市販の検査薬だと「うっすら陽性」になってきます。
検査薬に「生理の予定日1週間後から使えます」と書いてある場合、「陽性反応」が出る尿中のHCG濃度の関係で、妊娠5週くらいにでるHCGの量であれば陽性がはっきり出るということを示しているのです。
フライングで検査をしても、妊娠4週を過ぎていればほんのり陽性が確認できることはあります。ちょうど排卵日ごろに性行為をすると、性行為から2週間後が生理予定日になるため、まずは性行為から2週間後に検査をする人が多いかもしれません。
ただ、前述のとおり、妊娠検査薬が陽性に出るタイミングは「性交から何日後」ではなく、「排卵日から何日後」で決まります。なので、「性交から何日後に妊娠検査薬を使えばいいか?」という明確なルールはないのです。
生理が不規則だと検査のタイミングがわかりにくい(横浜市の婦人科)
「妊娠〇週」という数え方は、生理の周期が安定していて、前の生理がいつなのかがはっきりしている場合は正確に割り出せますが、周期が不定期な方の場合は、最終月経からカウントした「妊娠〇週」がずれることがあります。
生理が遅れていて、最終月経から計算すると「妊娠5週」のはずだから、妊娠検査薬を使ってみたら「陰性」に出た。でも実際は、生理不順で、検査した時点では「妊娠3週」だったから陽性が出ないだけで、2週間後に再度検査をしたら陽性が出た、ということは起こりえます。
生理が遅れているのが「妊娠のせいではない」と確認するには、まずは生理が遅れた時点で妊娠反応を確認します。
結果が「陰性」の場合は、「最後の性行為」から3週間以上経過するのを待ってから再検査をします。
生理から何日遅れて検査をしたらいいのか?ではなく、「最後の性行為」から3週間というのがポイントです。
最後の性行為から3週間たっても妊娠反応が陰性の場合は妊娠していない可能性が高いと言えます。ただし、この時使用した妊娠検査薬が「妊娠5週にならないと陽性が出ない(感度が低い)」ものであると、陽性が出ない可能性があります。
これは、「精子の受精能力は3~7日間」「卵子の受精能力は12~24時間」であることから、性行為があった日が「排卵日の1週間前」であった場合に、「ギリギリ受精できるかもしれない」という考えからの計算になります。
性行為の1週間後が排卵日=性行為から3週間後が妊娠4週 ⇒ ぎりぎり妊娠反応が陽性に出るはず、ということになるのです。なので、妊娠4週で陽性が出ない検査薬を使用すると「陰性」と出る可能性が考えられます。
妊娠検査薬を性交後2週間で使うのは早い?(横浜市の婦人科)
厳密に、「性行為から何日目で陽性反応が出ます」と言えないのは、精子の授精可能期間に幅があるからです。
時々、「性交後2週間たってから検査したら陰性でした」と言われることがありますが、「性交後2週間」だと早すぎる可能性があります。なぜなら、性行為をした日が排卵日の5日前で、受精期間が長い精子が受精していたとすると、「性交後2週間」の時期は、まだ「妊娠4週」未満だからです。
最後の性行為から3週間たって、妊娠反応が陰性の場合は、もう1週間待って再検査をし、それでも陰性であれば妊娠である可能性はないので、その時点で生理が来ていなければ受診しましょう。
ただし、この「様子を見ている期間」に性行為があった場合、「最後の性行為から3週間」というカウントがリセットされますので注意が必要です。妊娠していないことが確実に確認できるまでは、性行為を控えることをお勧めします。
また、もし、「妊娠を希望していない」のであれば、生理不順の治療と避妊を兼ねてピルを服用した方がベターです。
生理が遅れるたびに不安になるより、ピルで確実な避妊をした方が心身の健康につながります。
避妊目的だけでピルを処方する場合は、特別な検査は不要です。問診と血圧測定のみで処方できますので、まずは婦人科で相談してみてくださいね。
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日付:2025年6月14日 カテゴリー:日々の雑記
生理不順だと妊娠しにくい?【横浜市で評判の婦人科】
生理不順はどの年代でも起こりうる(横浜の婦人科・女医が解説)
クリニックにいらっしゃる患者様の訴えの中で、一番多いのは生理不順や生理以外の出血です。
ご年齢は10代の方から50歳前後の更年期世代まで様々・・・生理が始まったばかりの思春期も、閉経が近づいてくるプレ更年期も、生理不順になりやすい年齢ではあります。年齢によって、生理不順になる原因は異なりますが、生理不順になる年代は意外と幅広いのです。
最近は、ストレスや冷えやすい生活の関係か、本来であれば一番ホルモンバランスが安定しているはずの20代~30代の方にも、生理不順で悩まれる方が増えている印象です。本来なら、一番妊娠する確率が高い年代ですが、生理不順だと妊娠しにくくなる可能性があります。生理不順で妊娠できる確率がどのくらいであるかは、生理不順の程度や原因によりますので、必ずしも「生理不順だから妊娠できない」というわけではありません。
生理不順のパターンは色々ありますが、周期が安定しない・少量の出血がダラダラ続くといった症状が多く見受けられます。
どこからが生理不順?45日は許容範囲?(横浜市の婦人科)
正常な生理の基準は、25~38日周期とされています。普段は30日前後で生理が来ているけれど、年に1~2回40日くらいになることがある、という程度であれば問題ない範囲の乱れである可能性が高いでしょう。
逆に、周期は25~38日の範囲に入っているけれどばらつきが大きく、ごく少量の出血で終わることもあるという場合は、無排卵の可能性もあります。1~2か月基礎体温をつけてみて、体温がずっと低いままであれば、婦人科で相談することをお勧めします。
また、「急に体重が減った後に生理が来なくなった」「精神科で処方された薬を飲み始めたら生理が乱れた」「徹夜続きで体調を崩したら出血が止まらなくなった」など、明らかに生理不順の原因に心当たりがある場合は、様子を見ずに早めに受診した方がいいでしょう。
その他に、受診した方がいい生理不順の基準は、
*生理の周期が24日未満または45日以上
*生理が1~2日で終わる
*基礎体温をつけても体温がずっと低い
*3か月以上生理が来ない
といったケースです。
特に、今すぐに妊娠したいと考えている人で、周期のばらつきが気になる場合や、基礎体温が低いままの場合は、早めに受診することをお勧めします。
生理不順だと妊娠しにくい?(横浜市の婦人科)
20代~30代の生理不順の場合、よく聞かれるのが「このままだと妊娠しにくかったりしますか?」というご質問です。すぐに妊娠を希望しているわけではなくても、「生理不順だと妊娠しにくいかも」という漠然とした不安は抱えやすいようです。
ホルモンのアンバランスや無排卵は不妊の原因になりますから、生理不順を放置していれば妊娠しにくくなる可能性はあります。
逆に、生理不順だからといって妊娠しないわけではありませんから、妊娠を希望していない方は必ず避妊が必要です。
生理不順だと、妊娠する確率がこのくらいです、という明確な数値はありません。そもそも、生理不順ではなくても、20~30代の健康な女性の妊娠率が「1年間で85%」というかなりアバウトな算出しかできないのです。
生理不順の原因にも色々あり、一番頻度が高く、「妊娠しにくさ」につながる原因は、「多のう胞性卵巣症候群」です。「多のう胞性卵巣症候群」は、排卵がうまくいかなくなるために、生理の周期が不規則になったり、中途半端な出血がダラダラ続いたりしやすくなります。
男性ホルモンが高くなることも多く、生理不順以外に、ニキビや多毛などの「男性化兆候」を伴うことも少なくありません。
また、体重が減ったことによる無月経=体重減少性無月経の場合も、この状態を放置してしまうと、妊娠しにくさにつながる可能性があります。
体重減少が原因の場合は、まず適切な体重に戻すことが重要となりますので、婦人科的なアプローチだけではなく、精神科や内科的な治療を総合的に行っていく必要が出てくる場合も少なくありません。
生理不順の治療法は?(横浜市の婦人科)
生理不順の方が妊娠を希望されている場合、漢方でホルモンバランスを整えたり、排卵誘発剤できちんと排卵するサイクルに導く治療が中心になります。生理不順で排卵していない場合は、妊娠しにくいというより妊娠を目指すことができませんので、「いかにして排卵させるか」が治療のポイントになります。
排卵誘発剤は、使い方によっては多胎のリスクが発生するので、治療への反応がイマイチな場合は、不妊治療専門機関で治療した方が安全です。
そこまで妊娠を急いではいないけれど、妊娠希望はある方の場合、排卵を促す前に3ヶ月ほどピルで卵巣を休ませてホルモンバランスを整えることもあります。遠回りに感じられるかもしれませんが、その方が、スムーズに排卵しやすくなったりすします。
また、高プロラクチン血症や甲状腺機能異常のせいで生理不順になっている場合は、妊娠を目指すことを前提に、これらのホルモンを整えていきます。場合によっては、ホルモンが正常化しても、妊娠が成立するまでホルモンを抑えたり補ったりする薬を継続するケースもあります。
生理不順でも妊娠できる?(横浜の婦人科)
生理不順だからといって、必ずしも妊娠できないまたは妊娠しにくいわけではありません。
ただ、異常に気付かずに放置してしまうと、妊娠しにくさにつながってしまう可能性はあります。
適切な治療を行うことや、現状を把握しておいて、将来妊娠したいと思った時にどのような対処が必要なのかをあらかじめ知っておくことが、安心して妊娠を目指すことにつながります。
生理が毎月きちんと来ない、少量の出血が10日以上続く、月に2回生理が来る・・・といった症状がある方は、お早めにご相談くださいませ。
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日付:2025年6月14日 カテゴリー:日々の雑記
新しい避妊薬「スリンダ錠28」が発売されます
確実な避妊法は経口避妊薬と子宮内避妊具(横浜市の婦人科)
現在日本で選択できる「確実な避妊法」は
*経口避妊薬=ピル(OC)
*ホルモン付加子宮内避妊具=ミレーナ(IUS)
です。
ピルは、エストロゲンとプロゲステロンが1錠に混ざった配合剤です。エストロゲンが入っているので、副作用として「血栓症」に対する配慮が必要になります。
そのため、片頭痛・喫煙・肥満・高齢といった血栓症リスクが高くなる要因がある方は、ピルの服用をあきらめざるを得ませんでした。
エストロゲンが含まれていない黄体ホルモンのみのピル=ミニピル(POP)は、これまで「セラゼッタ」などの日本では承認されていない製剤を個人輸入で手に入れるしかありませんでした。
今回、やっと国内初のPOP「スリンダ錠28」が承認され、もうすぐ発売されることになりました。
ミニピルとピルの違いは?(横浜駅近くの婦人科)
ミニピル(POP)とピル(OC)の一番の違いは、「エストロゲンが含まれていない」ということです。
エストロゲンが含まれていると次のような副作用が起きやすくなります。
*頭痛
*吐き気
*血栓症
特に、血栓症については、起きると重篤な副作用となりうるため、ピルは血栓症リスクが高い方は「禁忌」つまり服用することができませんでした。
当院でも、40代後半の方・前兆を伴う片頭痛の方・高度肥満の方・どうしても禁煙ができない方などに対して、「ピルをお勧めしたいのに処方できない」というジレンマがありました。
今回発売されるPOP「スリンダ錠28」はエストロゲンが含まれていません。つまり、上記の頭痛や吐き気や血栓症のリスクがほぼないと言えます。
そのため、ピルでは「禁忌(服用してはいけない)」となっていた、血栓症リスクのある方も服用が可能になっています。
ピルの服用を試みたけれど、吐き気がひどくて断念した、という方も安心して服用していただけると思われます。
「スリンダ錠28」の服用方法(横浜市の婦人科)
「スリンダ錠28」には、ヤーズやドロエチに含まれている黄体ホルモンと同じ種類の「ドロスピレノン」という成分が含まれています。
入っているドロスピレノンの量が、ヤーズやドロエチの3分の4倍、つまり少し多めです。
1シートが、実約24錠+偽薬4錠の28錠で、薬剤の並び方もヤーズやドロエチと同じです。
服用方法も、月経初日から1日1錠ずつを毎日一定時刻に服用するという、これまでのピルと全く同じになります。
飲み忘れの対処法も、ほぼ同じですが、若干異なる部分がありますので、スリンダ錠の説明文書をよく読んで、飲み忘れた時に規定通りの対処法をとるようにしましょう。
「スリンダ錠28」の避妊効果は?(横浜駅近くの婦人科)
ピル(OC)の避妊効果は、飲み忘れなどなければ99.7%という非常に高いものです。
ミニピル(POP)はエストロゲンが入っていない分、避妊効果はどうなの?と思われるかもしれませんが、臨床試験のデータでは服用期間中に妊娠した事例は1件のみ。しかもその1件は8日間の飲み忘れがあったということです。
つまり、飲み忘れがなく、正しく服用すれば、ほぼ100%に近い避妊効果が期待できると言えます。
もちろん、ピルもミニピルも、「絶対に100%妊娠しない」という保証はできませんし、何よりも、性感染症は予防できませんので、常にコンドームと併用する必要はあります。
「スリンダ錠28」の副作用は?(横浜市の婦人科)
エストロゲンが入っていない分、吐き気や頭痛や血栓症のリスクは極めて低くなります。
一方で、不正出血の頻度はピル(OC)よりも増える可能性があります。
ピルも飲み始めの1~2クールは不正出血が起きやすいのですが、3クールくらい継続しているとほとんど不正出血は起きなくなります。人によっては、超低用量ピルだとずっと不正出血してしまう場合がありますが、低用量に変更すると治まるケースがほとんどです。
一方、ミニピル(POP)の場合は、6クール継続しても3割くらいの方は不正出血してしまう可能性があります。
ただ、不正出血の量や日数は徐々に減っていくため、多少の不正出血があっても根気よく服用を継続してみることをお勧めします。
また、逆に、内膜が薄くなりすぎて、偽薬中の出血(消退出血)がほとんど起きなくなる場合もあります。消退出血が全く来なくても、身体的には問題ありません。
出血が来ないことによって「妊娠していたらどうしよう」と不安になってしまう方は、超音波検査で内膜の薄さを確認してもらうか、自分で妊娠検査薬を使用することで安心できると思われます。
ピル(OC)が使用できる方は、ピルを服用したらよいのですが、ピルが選択できないという方もいらっしゃいます。
血栓症リスクやそのほかの副作用のためにピルが選択できない場合の、新たな選択肢が増えたことは、女性が自分の手で確実な避妊をする手助けになると言えるでしょう。
日付:2025年6月12日 カテゴリー:日々の雑記
産後の尿漏れは治らない?!【横浜ベイクウォーター近く女医の婦人科】
産後の尿漏れは約3割(横浜市の婦人科で相談を)
産後に尿漏れを経験する人は少なくありません。様々なデータがありますが、産後数日以内に尿漏れを経験する人は30%以上であり、そのうちの45%の人は産後3か月たっても尿漏れが続いていたという報告もあります。
「いつまで尿漏れが続くの?」「半年たっても尿が途中で止められないのは異常?」「尿漏れは何かに行けばいいの?」といった不安を抱える方も少なくありません。
産後に尿漏れが起きやすくなる条件としては、
*分娩回数が多い
*経腟分娩(特に吸引分娩や鉗子分娩)
*妊娠中の体重増加が8㎏以上
*出産時のBMIが24以上
*高齢出産
などが挙げられます。
産後の尿もれのタイプ
産後の尿漏れにはいくつかのパターンがあります。
★腹圧性尿失禁
立ち上がろうとした時や、くしゃみをした時など、お腹に力を入れた時に漏れてしまう尿漏れです。
お腹にかかる圧力で、膀胱が圧迫された時に、圧迫の力に負けてしまって尿が漏れ出てしまうのがこのタイプです。
★切迫性尿失禁
突然の尿意を感じて、すぐにトイレに駆け込まないと漏れてしまうパターンです。
通常は徐々に感じるはずの尿意が、突然強く発生し、尿意を感じてから排尿してしまうまでの時間が短いために間に合わなくなるのがこのタイプです。
★混合性尿失禁
腹圧性と切迫性の両方の場合に漏れるというタイプです。少しでも尿がたまると漏れてしまうかもしれないという不安から、たびたびトイレに行ってしまい、尿漏れと頻尿が一緒に発生することもあります。
産後の尿漏れはなぜ起きる?
産後の尿漏れの原因は、ほとんどが妊娠中や分娩による「骨盤底筋」のダメージです。特に、経腟分娩の場合、分娩時に骨盤底筋に大きな力が加わるので、筋肉が不可に負けて緩んでしまいがちです。
骨盤底筋群は、小さな筋肉がいくつか集まって骨盤の「底」を支えています。ちょうどハンモックのように薄い筋肉が骨盤の一番下の部分を作っており、その筋肉が骨盤内の臓器を支えています。膀胱も骨盤内にある臓器のひとつで、骨盤底筋群がゆるむと膀胱の位置が下がりやすくなります。
また、骨盤底筋群の一部は、尿の出口・腟の出入り口・肛門をそれぞれ「閉める」という働きを持っています。そのため、この骨盤底筋群が緩むと、尿が出ないように出口を「閉めておく」ことができなくなり、その結果尿もれが起きやすくなります。
産後の尿漏れを改善する方法
産後直後は尿漏れが気になっていても、3~4か月で自然に改善していくケースがほとんどです。ただ、完全に元に戻らなかったり、ずっと尿漏れが続いてしまうこともあるため、産後から積極的に骨盤底筋を鍛えることが推奨されています。
「産褥体操」や「骨盤底筋体操」と呼ばれる筋トレが、尿漏れの改善にも有効です。お産した病院によっては、産後から助産師さんが「産褥体操」を教えてくれるところもあります。
特にトラブルがなく、正常なお産をした方であれば、産後すぐに産褥体操をしても大丈夫ですので、早めに筋トレを開始して、骨盤底筋の働きを取り戻しましょう。
産後の尿漏れがなかなか改善しない時は?
産褥体操をしっかりして、体重のコントロールもできていれば、多くの方が3か月程度で尿漏れは気にならなくなっていきます。
もし、3か月たっても十分に改善しない場合や、骨盤底筋体操が上手にできない場合は、婦人科又は女性泌尿器科で相談してみるのもよいでしょう。
骨盤底筋体操の効果を十分に得るためには、かなりの頻度で筋トレをし続ける必要があります。
効果的な筋トレの目安は、
*1セット30回
*合計1日4セット以上(朝、昼、夜、就寝前)
*約3か月間毎日続ける
産後に赤ちゃんのお世話もしながら、こんなに筋トレはできない・・・という方もいらっしゃるかもしれませんね。
20分間椅子に「座っているだけ」
では、この「筋トレ」を、「ただ椅子に座っているだけ」で行えるとしたらどうでしょうか?
筋肉を鍛えるためのトレーニングは、自分の「脳」から指令を出して動かした場合と、電気や電磁波の刺激で動かした場合とでは、同じように効果が期待できます。
今回クリニックに導入した骨盤底筋トレーニングチェアは、椅子の座面から筋肉を刺激する電磁波パルスが出るため、「ただ座っているだけ」で骨盤底筋がギュッと収縮して、筋トレをしているのと同じ状態を作ることが可能です。
しかも、15分間座っているだけでスクワットに換算すると約1万回行ったのと同じくらい、筋肉への刺激が伝わります。
そのため、20分間「ただ座っているだけ」で、週2回ずつのトレーニングの場合では8~10回で効果が感じられるようになるのです。
効果を感じていただくために3回まで体験価格!
骨盤底筋トレーニングチェアは、保険診療による「治療」ではありません。
そのため、自費でのご案内になります。一般的な、骨盤底筋トレーニングチェアの費用は、病院にもよりますが5000円~15000円です。ちょっとハードルが高いかもしれません。
そこで、まずは気軽に試していただけるよう、体験価格をご用意しました。
通常、初回体験価格でのご案内は1回限りのことが多いのですが、1回では十分効果を感じていただけないかもしれないため、3回まで体験価格でご利用いただけるようにいたしました。この機会にぜひお試しください。
★★★★★★通常価格 体験価格
10分 2000円 1000円
20分 3800円 2000円
30分 5600円 3000円
ご予約・お問い合わせはクリニックまで⇒045-440-5577
日付:2025年6月11日 カテゴリー:日々の雑記
子宮頚がんワクチンを打ったらすぐに性行為をしてもよい?(横浜駅近くの婦人科)
HPVワクチン接種前に性行為をしてはダメ?(横浜市の婦人科)
2025年3月末まで、キャッチアップ接種の対象となっているHPVワクチンですが、ターゲットとなるHPVに「感染する前」に接種しなければ予防効果は下がってしまいます。
HPVに感染する前とは、要するに「初めて性行為をする前」です。現時点で、まだ性行為の経験がない方は、理論上HPVには感染していません。なので、その状態でワクチンを接種すれば、少なくともワクチンで予防できる9種類の型に関しては、「ほぼ100%感染しない」と言えます。
逆に、ワクチン接種前に性行為をした場合、もしかしたら9種類のうちのいずれかの種類に感染してしまうかもしれません。感染したウイルスをやっつける効果は、ワクチンにはありませんので、接種前に感染したウイルスが原因で、将来子宮頚がんが発生する可能性はゼロではなくなります。
なので、できる限り、「初めて性行為をする前」にワクチンを接種した方がよいのです。
ワクチンを1回でも接種すれば性行為をしてもよい?(横浜駅近くの婦人科)
時々ご質問いただくのか、「ワクチンの1回目の接種をしたら性行為をしてもいいですか?」というご相談です。
パートナーの方が「待てない」と言っているというご相談は、実は結構あります。若いお二人の関係を、応援したい気持ちはやまやまですが、医学的な立場からアドバイスするとしたら、「3回目の接種が終わるまで性行為は控えておきましょう」です。
ワクチンは、1回の接種では、効果が不十分です。2回目の接種である程度の効果は得られますが、時間をおいて3回目を接種することで確実な効果が得られます。
せっかく接種するのですから、中途半端な効果になってしまわないように、「あと、半年待ってね」とパートナーに伝えましょう。
ただし、お相手の方も性行為の経験がなく、お互いにウイルスとの接触機会がまったくないという状態であれば、理論上はワクチンの効果が得られていなくてもHPVに感染するリスクはありません。
お相手が、これまでにウイルスとの接触機会が「本当にないのか?」は、確かめようがありませんから、2人の信頼関係において、自己申告を信じて関係を持つかどうかを判断するとよいでしょう。
子宮頚がんワクチンの接種中に性行為をするとワクチンの効果はなくなる?(横浜市の婦人科)
逆に、子宮頚がんワクチンの接種途中で性行為をしたり、接種前に性行為の機会があると、HPVワクチンの効果が「なくなる」のかというとそうではありません。
性行為によって、9種類の型のうちいずれかに感染した場合、「その型を予防する効果がなくなる」というだけです。
なので、例えば、接種前に性行為の機会があり、すでに「31型」に感染していたとしたら、ワクチンで予防できる9種類のうち「31型だけ」が予防できないということです。
残りの8種類はしっかり予防できますので、子宮頚癌のリスクを「下げる」効果は十分に得られます。
すでに性行為の経験があるからワクチンの接種をしても意味がない、というわけではありませんから、キャッチアップ接種の期間中にぜひ接種なさってくださいね。
ワクチンの接種スケジュールは短くできる?(横浜駅近くの婦人科)
一般的にな子宮頸がんワクチンの接種スケジュールは、1回目の接種から2か月以上あけて2回目→3か月以上あけて3回目です。なので、全部で6か月の期間が必要になります。
ただ、現在すでに、キャッチアップ接種が終了する3月末まで6か月を切ってしまったため、厚生労働省から「短縮スケジュール」で接種してもよいという発表がありました。
「短縮スケジュール」で接種すると、最短で4か月間で接種が可能です。
「パートナーが待ってくれないから」という理由で短縮するのは、あまりお勧めはしませんが、できるだけ早く接種を完了させたい方は、下記のスケジュールを参考にしてみてくださいね。
ご予約はこちらから
日付:2025年6月10日 カテゴリー:日々の雑記
女性アスリートの生理痛や生理不順【横浜のスポーツドクター】
アスリートやダンサーやバレリーナに多い生理の不調
10代の頃は、ホルモンバランスがまだ整っていなかったり、骨盤内の臓器が成長途中であることから、生理不順や生理痛などで悩む方は比較的多くいらっしゃいます。
運動習慣の有無と生理痛のつらさは、医学的にはあまり関連はなく、ハードな運動をしているアスリートやバレリーナの方でも、生理が重いという方は少なくないのです。
また、トレーニングがハードすぎたり、体重や体脂肪率が少なすぎると、ホルモンのバランスは乱れやすくなります。特に、体重を気にする必要がある競技をされている方や、見た目を気にするいわゆる「審美系」の競技をされている方は、たとえ体重がそこまで少なすぎる状態ではなくても「利用可能なカロリー」が不足しているために生理が止まってしまうことがあります。
なぜカロリー不足で生理が止まるのか?
体重が少なすぎるために生理が止まることを、医学的には「体重減少性無月経」と言います。
医学的には、BMI(体重kgを身長mの二乗で割ったもの)が17.5を下回ると「痩せすぎである」と判断します。BMIが16を下回ると、生理だけではなく体の他の機能もうまく働けなくなる可能性があると認識します。
体重が減る、または少なすぎるということは、消費しているカロリーに対して、摂取しているカロリーが足りないということです。
「カロリー不足」は、「脳」にとっては「このままの状態が続くと生命が危険にさらされるかもしれない」と感じてしまう「大問題」です。つまり、「どうにかして生命維持を優先しなければならない!!」という認識になります。
生理は、卵巣から「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」という二つのホルモンが出ることによって、子宮が反応して起きます。卵巣からホルモンが出るためには、「脳の司令塔=下垂体」から、「ホルモンを出しなさい」という命令が来なければいけません。
「今は生理を来させている場合じゃない!まず命を守らなければ!」と脳が認識してしまうと、卵巣に対しての命令を一時的に差し控えてしまうのです。そのため、卵巣もお休み状態となり生理が止まります。
生理が止まったままだと何が問題なのか?
10代の方や、特にスポーツやダンスをする方はの中には、「生理なんて来ない方が楽でいい」と思われる方もいらっしゃいます。
実際、大会や舞台に生理が当たってしまったり、練習の時にもナプキンの不快感や漏れを気にしながら過ごすより、全く生理が来ない方が表面上は楽でしょう。
生理が来ない状態が続いても、多くの場合、自覚症状として本人が「つらい」と感じる症状はほとんど出ません。かなり長期間ホルモン不足の状態が続いたり、二次的に甲状腺機能に支障が出ると、「疲れやすい」「冷えやすい」「便秘がち」「眠りが浅い」などの不調が出てくることがあります。
自覚的につらくないので、「このままでいいや」と思ってしまうかもしれませんが、生理が止まっているということは、この時期に体内になければならない女性ホルモンが「ほとんどない」という状態にさらされています。
女性ホルモンは、ただ生理を来させるだけではなく、骨を作ったり、血管をしなやかにしたり、脳の働きを助けたり、精神状態を安定させたり…とても多くの役割を持っています。
特に、10代後半は、「一生涯の骨の丈夫さ」を決める重要な時期になります。だいたい20歳くらいまでに骨を作り、一生のうち最も骨が丈夫な時が20歳くらいになります。これを「最大骨量」と言います。
一番骨を作る時に、生理が止まっていると、骨を作るために必要な女性ホルモンがありませんので骨が作られません。そのまま20歳を迎えると、「若いのに骨密度が低い」という状態になります。
例えば、無月経を放置して、ずっと女性ホルモン不足の状態が続いたせいで、正常に生理がある人より骨密度が20%低くなってしまったら、閉経後に10%骨密度が下がっただけで骨折リスクがとても高い状態になってしまうのです。
実際、マラソンの選手で、減量の影響で生理が止まったのに、放置して鍼知り続けていたら、疲労骨折を何度も繰り返してしまい、最終的には競技人生をあきらめざるを得なかった、というケースもあります。
「生理が来ない」という状態が3か月以上続いたら、すぐに婦人科を受診しましょう。
「体重を増やせ」と言われるのが嫌な人へ
体重減少性無月経の方が受診なさると、ほとんどの医師は「まず体重を増やしましょう」と言います。医学的には、それが最も重要だからです。
でも、競技のために、あるいは舞台のために、あるいはコンクールのために、頑張って減らした体重を戻せと言われても、それを受け入れがたいと思われる方もいらっしゃいます。
目の前の成果しか見えていない場合、どうしても「体重を増やしましょう」というアドバイスは、聞き入れがたくなるかもしれません。
医学的に大事なことは、「体重を増やす」ことよりも、「体が正常に機能して、やりたい競技が長く続けられるために必要な栄養とカロリーを摂取する」ことです。
いくら体重を増やすことが必要だからと言って、トーで立つバレリーナさんがBMI22になったら、今度は関節への負荷が大きくなりすぎるかもしれません。
どのような競技なのか、「今」適切な体重はどのくらいで、医学的に許容できる体重はどのくらいで、どうすれば必要なカロリーは摂りつつ、適した体重にコントロールできるのか?
そして、パフォーマンスと生理のバランスのとり方は、どうすればいいのかをご相談していくのが、婦人科医による女性アスリートサポートです。
アスリートの方だけではなく、ダンス・バレエ・新体操・チアを頑張っている方を応援させていただいております。お気軽にご相談ください。
日付:2025年6月10日 カテゴリー:日々の雑記
横浜市の子宮頚がん検診無料クーポン対象年齢について【横浜市の婦人科】
がん検診が無料で受けられるチャンスです!(横浜駅近くの婦人科)
横浜市の子宮頚がん検診は、20歳以上の横浜市に住民票がある方が受けられます。
現在は、
20歳~29歳および61歳以上の方⇒2年ごとの細胞診(自己負担額1360円)
30歳~60歳の方⇒5年ごとのHPV検査(自己負担額2000円)
が横浜市の補助を使って受けられる子宮頚がん検診です。
いずれも、横浜市と契約している医療機関で受けることが可能です。
当院も提携医療機関になっておりますので、がん検診をご希望の方はネットまたはお電話でご予約ください。
これらの補助以外に、これまでは「4月の時点で20歳の人」に「無料クーポン」が配布されていました。
今年度では、2004年4月2日~2005年4月1日生まれの方が無料クーポンの対象です。
さらに、今年度は、がん検診を受けていない方や以前クーポンが届いた時は内診が困難な状態であったためクーポンが使用できずに期限が過ぎてしまった方を対象に、「これまで一度も横浜市の子宮頚がん検診を受けていない21歳~24歳の人」にも無料クーポンが配布されることになりました。
無料クーポンが届いたらすぐにご予約ください!!(横浜駅近くの婦人科)
無料クーポンは、6月末ごろの発送予定とのことですので、7月中には届くと思われます。
クーポンが届く前でも、下記の条件に当てはまる方は無料で子宮頚がん検診が受けられます。
<無料になる条件>
*生年月日2000年4月2日~2004年4月1日
*これまでに一度も横浜市の補助を使って子宮頚がん検診を受けていない
クーポンが届いた後は、クーポンの提出が必ず必要になります。
クーポンを待たずに早めに無料検診を受けたい方は、ご自身が対象に当てはまっているかをご確認の上ご予約ください。
また、クーポンが配布された後(8月以降)は必ずクーポンをご持参ください。
子宮頚がん検診は痛いの?(横浜駅近くの婦人科)
初めて子宮頚がん検診を受ける方は、「どんなことをするの?」「痛いのでは?」とご不安が強いかと思われます。
子宮頚がん検診は、子宮の出入り口の細胞をブラシでこすり取る検査です。クスコという器具を入れて、子宮の出入り口を見えやすくして検査をします。検査にかかる時間は「数秒間」です。
小さなクスコを使って、リラックスした状態で受けていただければあっという間に終わりますし、それほど痛みを感じることもありません。
緊張が強かったり、検査の時に力が入ってからだが内診台から持ち上がってしまうと、見たい場所が見えなくなり、時間もかかるし痛みも出やすくなります。
できるだけリラックスして受けていただけるようにお声かけしながら検査をいたしますのでご安心ください。
Webでもご予約いただけます⇒初めての方はこちらから「初診」でご予約ください
ピルを休薬しないで飲み続けるとどうなる?【横浜駅近くで評判の婦人科】
ピルの種類は?~横浜市の婦人科でピル処方~
月経困難症つまり生理痛の治療薬として発売されているピルには「低用量」と「超低用量」があり「超低用量」のピルには「周期投与」と「連続投与」という2種類の服用方法が選択できるタイプがあります。
「連続投与」は、3~4か月間ピルをずっと飲み続ける服用方法です。
周期投与タイプ
→ルナベルULD(フリウェルULD)・ジェミーナ21錠・ヤーズ(ドロエチ)
連続投与タイプ
→ヤーズフレックス・ジェミーナ21錠+28錠
「周期投与」は、「周期的に月経様出血(消退出血と言います)を起こす」方法で服用するという意味です。21日間実薬を服用し、7日間休薬するか、24日間実薬を服用し4日間偽薬を飲むことによって、28日サイクルで定期的に消退出血を「来させ」ます。
一方、「連続投与」は、実薬を服用する期間を引き延ばすことによって消退出血の間隔を28日よりも延長して「年間の出血回数を減らす」方法です。要するに、ピルを休薬せずに飲み続けるということです。
ピルを飲み続けている間は、生理が止まった状態になりますので、3~4か月間ピルを続けて飲めば、その間生理を止めていることになります。要するに、ピルで生理を3か月くらい止めておくことができるということですね。
具体的には、実薬を77日間続けて飲んで7日間休薬するタイプと、実薬を最長120日まで続けて飲んで4日間休薬するタイプがあります。簡単に言うと、消退出血の回数を年間3~4回に減らすことができることになります。
どの種類や服用方法が適しているのかは、「ピル処方の流れ」の中の「3:医師との面談」の時に、直接医師と相談します。
ピルを休薬せずに飲むメリット(横浜市の婦人科)
「周期投与」つまり休薬期間を設けて飲むメリットは、「生理が毎月来る」ことです。出血が定期的に来ることで安心感を覚える方にとっては、「周期が整う」というメリットがあります。
また、毎月出血を確認することで「妊娠していないことの確認」をしている人にとっても、周期的に出血があることが安心につながるでしょう。
しかし、医学的には毎月出血を「わざわざ来させる」メリットはなく、むしろ、トータルの出血量が増えたり、毎月痛みを感じることによるデメリットの方が大きくなる可能性があります。
実際、内膜症のリスクはトータルの出血量と比例して高くなるというデータもありますので、毎月出血を来させるより、ピルを続けて飲んで年間3~4回の出血で済ませた方が内膜症リスクも減らすことができるのです。
「連続投与」つまり休薬せずに飲むメリットは、出血回数を減らせるということです。ピルで生理がこないように止めておくので、休薬した時だけ出血します。
出血回数が減れば、月経前後の不調を感じる回数も減り、貧血も予防でき、内膜症リスクも下げることができます。
また、休薬期間に何らかの不調が出る場合も、「連続服用」の方が不調が出る回数を減らすことが可能です。例えば、休薬期間に起きる出血で、腹痛や腰痛がつらい場合や、休薬期間に情緒不安定になったり頭痛が起きたりする場合です。
デメリットとしては、連続服用している途中で不正出血が起きてしまうことがあるという点です。長期間服用し続けることによって、途中の不正出血は起きにくくなりますが、患者様のお話からの印象ですと、飲み初めの3~6カ月間は「3シート連続しようと思ったけれど途中で出血してしまった」といったことが起こりうる様です。
ヤーズフレックスは最長120日まで連続服用ができますが、飲み始めて半年くらいは、120日続かずに出血してしまうことの方が多いようです。「ヤーズフレックスを120日飲み続けようと思ったけれど途中で出血してしまった」という場合は、必ずしも異常ではないので、何日サイクルが自分にとって最適なのかを探っていくとよいでしょう。
ヤーズフレックスは「フレキシブル服用」ができます。そのため、ヤーズフレックスを連続服用していたら途中で出血してしまったという場合、出血した時点でいったん4日間の休薬をとってリセットし、再度連続服用を再開することができます。
ずっと飲み続けていると、だらだら不正出血して不快という場合は、いったん休薬を挟んでみることをお勧めします。
どのくらいまで飲み続けると出血が起きるのか、自分のリズムがつかめてくると、思わぬ出血が起きる前に休薬をとったりしてうまくコントロールしていけます。
休薬期間の情緒不安定や頭痛も軽減(横浜駅近くの婦人科)
ピルを休薬せずに飲むメリットは、単純に出血の回数が減るというだけではありません。
休薬期間中は、多少ですが血液中の女性ホルモンの量が下がります。つまり、ホルモンの「波」ができてしまうのです。
これによって、休薬期間中に情緒不安定になったり、頭痛や吐き気が起きたりする場合があります。
また、休薬期間中に、いったん脳への「ホルモンが十分ありますよ」という信号が途絶えることになるので、脳から卵巣へ「卵を育てなさい」という命令が出やすくなります。
休薬せずに飲み続ければ、この「脳からの命令」も抑えたままになりますので、女性ホルモンの量が変動しにくくなりますし、すり抜け排卵のリスクも抑えることができます。
つまり、ピルを休薬せずに続けて服用することは、いろんな点でメリットがあるのです。
休薬しないと「血がたまる」?(横浜市の婦人科)
ピルを休薬せずに飲むと、本来休薬中に出るはずの出血がないわけですから、人によっては「どんどん子宮の中に血がたまってしまうのでは?」と心配になるかもしれませんね。
よく、「出血が来ない間は子宮の中に『不要なもの』がたまっていくのですか?」ということを質問されますが、ピルの働きとして出血の元となる「内膜」を「厚くさせない」という効果があります。なので、飲み続けている間も子宮の中に内膜が「たまらない」ようにしているのです。
実際、28日周期で出血を来させていた時よりも、ピルを休薬せずに連続服用した時の方が出血量が減ってきたという方の方が多いので、「3カ月出血を止めていたら3か月分たまりにたまった分がどっと出るのではないか」という心配は不要です。
毎月出血を来させる方が、「デトックス効果がある」というのも、大きな誤解ですので、ピルは休薬せずに飲んでも大丈夫です。
ただし、連続服用タイプのピルであっても、添付文書で定められている77日または最長120日までという服用期間は守る必要があります。
何のために、3~4か月に1回は休薬することになっているのかというと、万が一ピルを服用中に「気づかずに妊娠」していた場合に、休薬中の出血が来ないことでその妊娠に気付くことができるようにするためです。
逆に言えば、性行為の経験がないなどの、「絶対に妊娠していない」と言い切れる場合は、休薬を全くせずにピルを飲み続けても、何も問題ないということになります。
もちろん、添付文書に記載している期間を超えて飲み続けることは、基本出来にはできません。イレギュラーな飲み方をする場合は、医師と相談しながらになります。
ピル処方の流れ
当院では、すべての種類のピルを処方しています。服用の目的やご本人のご希望を伺いながら、どのピルにするかを相談して決めていきます。
ピルの種類も徐々に増えてきていますから、ぜひご自身のライフスタイルに合ったピルをチョイスしてみてくださいね。
一般的なピル処方時の流れは、次のような手順になります。
1)問診票の記入
2)血圧測定
3)医師との面談
4)必要に応じて検査(超音波検査やホルモン採血など)
5)ピルの服用方法や副作用の説明
6)お会計
避妊目的でピルを処方する場合は、4番目の検査は不要です。
生理不順で処方する場合は、超音波検査とホルモン検査(採血)が必要です。
生理痛で処方する場合は、超音波検査と場合によっては腫瘍マーカーの検査(採血)が必要になります。
ピルの種類や服用方法は、3番目の医師とお話しする際に相談できます。
ご予約はこちらから
性感染症のセルフチェック(自己検査キット)は正確?
性病かも?!と思ったらセルフチェックでよい?(横浜市の婦人科)
最近は生活習慣病や性感染症を自己検査できるキットが販売されているので、病院に行かず自分で検査をしたいと考える人も増えているようです。
特に、婦人科はどうしても受診のハードルが高くなってしまうので、「気になる症状があるけれど受診せずに済ませたい」という場合に、自己検査キットを利用する方もいらっしゃいます。
当院では、自己検査で異常が出た場合の治療や精密検査も承っているので、時々提携先の検査キットを利用された方が受診なさいます。
子宮頚がん検査のセルフチェックは危険(横浜市の婦人科)
婦人科領域で自己検査キットが販売されているのは、性感染症検査と子宮頚がん検診です。
検査の精度という観点から、子宮頚がん検診(細胞診)の自己検査はお勧めしません。これは、自分で子宮の出口の細胞を正確にこすり取ることが難しいからです。正しい位置から細胞をこすり取っていなければ、異常があるのに結果には「異常なし」と出てしまう、つまり「見落とし」のリスクが発生します。
子宮頚がん検診(細胞診)の代わりに、「HPV検査」を行う場合があります。HPV検査は、おりものをぬぐい取る検査なので、子宮の出入り口をピンポイントでこすれていなくても、一応検査が可能です。
細胞診よりは、検査の精度は正確になりますので、どうしても婦人科に行きたくないけれど子宮頚がんのチェックはしておきたいという場合は、HPV検査を自己検査をしてみてもよいでしょう。
ただし、結果が「陽性」だった場合は、かならず医療機関を受診しましょう。
性感染症の検査は、血液で行うものと、おりもので行うものと、うがい液(喉の分泌物)で行うものがあります。
血液でわかるもの⇒B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIV
おりものでわかるもの⇒クラミジア・淋菌・トリコモナス・マイコプラズマ
うがい液でわかるもの⇒咽頭クラミジア・咽頭淋菌
血液の検査は、十分量の血液を郵送することができれば、医療機関で行っても自己検査キットで行っても、検査の精度はほとんど変わりません。
おりものの検査は、しっかりと奥の方からおりものをとっていれば、医療機関で行う場合はほぼ同じ制度で検査ができます。取り方によっては、不正確になる場合もありますので、検査キットに書いてある検査の方法をしっかり読んで、その通りに操作することが重要です。
うがい液は、喉の奥までしっかり液体をためて上を向いてガラガラすれば、医療機関で行う検査と同じものになります。うがいの仕方さえきちんと行えば、検査生徒は医療機関とほぼ同じです。
おりものの異常など、気になる症状がある場合は、できれば医療機関で検査を受けることをお勧めします。医療機関で保険診療を受けた方が料金負担も軽くて済みますし、必要に応じてすぐに治療が可能です。
症状がないけれど検査しておきたい場合や、職業柄毎月検査が必要といった場合は、自己検査キットをうまく利用するのも選択肢の一つです。
当院では、
と提携しています。
これらの検査キットや他社の検査キットを使って異常が出た場合は、必要に応じて処方や追加の検査を行っていますので、まずはお電話でご相談ください。
予約専用電話⇒045-440-5577
ピルの副作用は軽くできる?
ピルは副作用が出やすいはウソ?(横浜市の婦人科)
ピルは、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)が混ざったホルモン剤です。
1日1錠を、毎日一定の時刻に服用することで、排卵を抑えてくれるので、確実な避妊になるだけではなく、生理痛・生理不順・月経前症候群(PMS)などの症状も緩和する作用があります。
よく、「ピルって副作用が強いんですよね?」「ピルを飲むと癌になりやすくなるんじゃないですか?」と聞かれますが、それは誤解です。
もちろん、「薬」ですから、副作用がゼロではありません。
しかし、ピルは元々、病気の治療のためではなく避妊の目的で開発された薬です。つまり、健康な人が長期間服用することが前提で作られたものなのです。なので、「治療効果のためなら多少の副作用は目をつぶる」という妥協はできません。
ピルの副作用を抑えるために改良されてきた点が、「含まれているホルモン量の低用量化」です。
ピルは、含まれている卵胞ホルモン(エストロゲン)の量によって、「高用量」「中用量」「低用量」「超低用量」に分類されています。ホルモンの量が少なければ少ないほど、血栓症をはじめとする副作用のリスクが低くなります。そのため、できる限り少ない量のホルモンで十分な排卵抑制効果を得るための工夫が、重ねられてきているのです。
現在発売されているピルの中で、最もホルモン量が少ないのが「超低用量ピル」です。
日本で発売されているものでは、
ルナベルULD(フリウェルULD)
ヤーズ・ヤーズフレックス(ドロエチ)
ジェミーナ
が超低用量ピルです。
ピルの副作用が心配な人は、まずは超低用量ピルを試してみるといいでしょう。
副作用のほとんどはマイナートラブル(横浜駅近くの婦人科)
ピルの副作用のほとんどは、飲み初めの数週間~3か月くらいの時期に出る「マイナートラブル」と呼ばれる軽い症状です。
主なマイナートラブルは
*吐き気
*頭痛
*むくみ
*眠気
*一時的な肌荒れ
*不正出血
などです。これらの症状の多くは、ピルの服用を続けているうちに治まってきます。
吐き気が出るのが不安な人は、飲み初めの1~2週間は、あらかじめ吐き気止めも一緒に服用してもよいでしょう。
吐き気・頭痛・めまい・むくみ・だるさなどの症状は、体に余分な水分がたまった状態の時に出やすくなるため、ピルと一緒に水分代謝を促す漢方を服用するのも、不快な症状を軽減する手段のひとつです。
吐き気止めも漢方も、ピルの処方時に一緒に処方してもらうことが可能ですので、「どうしても副作用が心配!」という場合は、医師に相談してみるとよいでしょう。
これらのマイナートラブルが出た時に、自分でできる工夫としては、副作用の出る時刻から逆算して、ピルの服用時刻をずらすことです。
例えば、朝ピルを服用するとお昼ごろに吐き気が出てしまうという場合、日中に吐き気が強いとそれが不快感につながりやすく、ピルの継続が難しくなったりします。
この場合は、服用して数時間後に症状が出ていることになりますから、ピルの服用を夜9時ごろに変更することで、一番吐き気が強い時刻が寝ている時間帯になります。もちろん、寝ている時に気持ちが悪いのも不快感にはなりますが、横になって過ごせる分、やり過ごしやすくなります。
血栓症は一番注意が必要な副作用(横浜市の婦人科)
ピルの副作用の中で、最も注意が必要なのが「血栓症」です。
血管の中で血液の塊ができて、重要な血管に詰まってしまうものです。
頻度は低いのですが、起きると重篤な副作用になりますので注意が必要です。
次のような人は、血栓症リスクが高いために、ピルを服用することができません。
*高度の肥満
*喫煙者
*前兆を伴う片頭痛がある
*糖尿病や高血圧がありコントロールできていない
*家族に血栓症の人がいる(遺伝的な血栓素因がある)
*過去に血栓症になったことがある
自分でできる血栓症予防は、適切な体重を保ち、こまめに水分をとり、定期的に体を動かすことです。
テレワークで、じっとしている時間が長くなっている人や、ずっと座ったままで仕事をしている人は、意識して体を動かす機会をもうけましょう。
ピルの種類によって副作用は違う?(横浜駅近くの婦人科)
ピルの副作用が出るかでないかは、個人差がとても大気いので、ピルを飲んでみなければ大丈夫かどうかの判断はできません。
もちろん、卵胞ホルモン(エストロゲン)の量が少ない方が、吐き気や頭痛などの副作用は出にくくなります。その代わり、ホルモン量が少ない方が、出血のタイミングのコントロールはしにくくなりますので、不正出血の頻度は中用量よりも低用量、超低用量の方が多くなります。
また、含まれている黄体ホルモン(プロゲステロン)の種類によって、そのピルで不快な症状が出たりでなかったりする場合もあります。
ひとつの種類を飲んでみて、「ちょっと合わないな」という不快な症状が出ても、種類を変えることによって快適に服用を継続できる場合があります。
飲み初めに気になる症状が出ても、まずは2シートは継続してみて、それでも気になる場合は、種類を変えてみるとよいでしょう。
ピルの選択肢も増えてきていますから、自分にとってぴったりの「マイピル」を見つけてみてくださいね。