女性検診
子宮頸がんワクチンの「被害者」であり続けるデメリット
前々回の記事で、子宮頸がんワクチンのせいで歩けなくなった・勉強ができなくなったなどの多彩な症状を訴えている状態が、実はワクチンとの因果関係はないといことをご説明しました。「ワクチンのせいではありません」と言うと、症状が出ている方がかわいそうではないかという声も聞こえてきます。でも、本当はワクチンは関係ない症状に対して「ワクチンのせいである」という思い込みを持ち続けることの方が、患者様ご本人のためにならないのです。
現在「被害者の会」という立場で、主に接種した本人ではなくその親が中心となって「この症状はワクチンのせいであると認めろ」という訴えを起こしています。しかし、前述の通り因果関係はありませんので、おそらく国も製薬会社もその訴えを認めないでしょう。そうすると、「ワクチンのせいであると認めさせる」ために、現在出ている症状が改善しないという事態が起きてくるのです。なぜなら、症状がなくなったら訴え続けることができなくなるからです。ワクチンのせいにし続けるためには、「症状がある方がメリットがある」状態になってしまっています。しかも、症状が出ている本人と、訴えている人が異なるため、代理ミュンヒハウゼン症候群とよく似た親子関係になっていく可能性があります。
これは、心理技術的アプローチで解析すれば、ごく単純なからくりです。被害者の会の方たちにとっては、被害者であり続けることに意味がある、という状態になってしまっているのです。なので、本来は症状が出て苦しんでいるご本人が一日も早く回復して元気になることが大切であるはずなのに、「ワクチンのせいである」と認めてもらうことが第一目標にすり替わってしまっています。「ワクチンのせいである」と言い続ければ言い続けるほど、症状は治らないということになってしまうのです。
また、「ワクチンのせいである」つまり、自分の責任ではなく誰かまたは何かの責任であると解釈することを「他者原因」と言いますが、病気は他者原因のままでい続けると治りません。また、ワクチンのせいにし続けるということは、そのワクチンを接種させた誰かまたは自分を責め続けることになります。「罪悪感」を持ち続けることも、前に進むことを阻む大きな足かせになります。「罪悪感は正義の仮面をかぶってやってくる」と言います。罪悪感を持ち続けると、まるで問題解決に向けて一生懸命になっているような錯覚に陥るのです。実際は、罪悪感は本来の問題から目をそらすための隠れ蓑にしかなりません。
このように、本当はワクチンのせいではない症状に対して、「ワクチンの被害者」という立場をとり続けることに、患者様ご本人対するメリットは何もないのです。
私が、ワクチンの副反応に対する「でっち上げ」を見て一番気になったのはこの点でした。このままでは「被害者」扱いされている方たちがいつまでたっても救われない。自ら治る力までも奪われてしまう。それどころか、何の根拠もない治療を色々試されて、さらに「病人」に仕立て上げられてしまう。そう感じています。
症状が出ている方にとって最も大事なことは何なのか、もう一度ニュートラルな立場に立って考えてみる必要があるのではないでしょうか。
日付:2017年10月12日 カテゴリー:HPVワクチン,子宮頚がん,日々の雑記
「子宮頸がんワクチンで不妊になる」はウソ!
前回の記事で、「副反応だ!」と騒がれている症状が実は子宮頸がんワクチンのせいで引き起こされるものではないということはご理解いただけたと思います。
これ以外にも、子宮頸がんワクチンが広く広まるのを阻んでいると思われる、いくつかの「デマ」があるのです。
例えば、最近見かけるようになったのが、このワクチンが「劇薬」に分類されていることを強調した「反対論」。ワクチンの添付文書の画像を貼り付けて、「劇薬」と書かれていることを指摘して「こんな危険な薬です」と訴えているわけですが、薬剤の分類つまりどんな薬品を「劇薬」とするかは明確な定義があります。なので、その定義に当てはまればどんな薬品も「劇薬」なのです。
例えば、心臓の病気などの時に使う「ジゴキシン」という薬の添付文書を見れば、子宮頸がんワクチンと同じように「劇薬」の文字が印字されています。でも、この薬によって病気が改善している人もいます。投与量を間違えば、危険な症状が出る可能性もあります。だから「劇薬」と分類して医療者側が取り扱いに注意しましょうと促しているわけです。「劇薬」は、必ずしも「人体に害を及ぼす危険な薬」といういうわけではなく、使い方に注意が必要な薬剤であることを示しているのです。
また、以前から医学的には何の根拠もないなと感じながらも、あまりにもよく目にする「反対論」が「子宮頸がんワクチンで不妊になる」というデマです。こんな意味不明の指摘が出てしまった大元は、南出喜久治氏のYouTube動画「サーバリックス子宮頸がんワクチンによる民族浄化/弁護士 南出喜久治」なのだそうです。ワクチンに含まれている「アジュバント」という成分が、動物の避妊治療(去勢)に使われる薬剤にも含まれているので、子宮頸がんワクチンは「不妊にさせるワクチンだ」というこじつけ論が展開されているのです。
「アジュバント」は多くのワクチンに含まれている成分です。これは、ワクチンの効果を賦活化(少量でも効きやすくする)するために、ワクチンとしての有効成分と合わせて配合されるものです。子宮頸がんワクチンは、HPVというウイルスに対する免疫抗体を作るためのものです。なので、この抗体を作りやすくして、なおかつ定着しやすくする目的で「アジュバント」が入っています。一方、避妊用のワクチンには「妊娠しなくするための成分」が入っており、その作用をサポートするために「アジュバント」が一緒に含まれています。要するに「アジュバント」が避妊効果を発揮するのではなく、あくまで「妊娠しなくするための成分」の作用をアジュバントが増強しているに過ぎないのです。子宮頸がんワクチンには、そもそも妊娠しにくくなる成分など入っていませんから、それがアジュバントを加えたからと言って「不妊になる」わけではありません。
おかしなデマのからくりがご理解いただけましたか?
ワクチン接種後の妊娠率については、接種した人と接種していない人で差がないというデータは出ています。もちろん、日本では接種開始後の年数が短いので、妊娠に対する影響について「日本人だけで」とったデータはまだありませんが、世界中で同じような内容の研究はされており、妊娠に対しては何も影響がなことがハッキリしています。
また、デンマークのコホート研究では、妊娠中にこのワクチンを接種した場合の安全性について研究したデータがあります。主要な先天性異常・自然流産・早産・死産・低体重出征・発育不全などの項目について、ワクチン接種した人と接種していない人を比較した結果、両者に有意な差はなかった、つまり妊娠転機にリスクの変化はないという結論が出ています。
詳細を知りたい方は、論文を参照してくださいね。
N Engl J Med 2017;376:1223-1233
このように、子宮頸がんワクチンを「危険なものである」と指摘する理論は、いずれも医学的には根拠がなかったり単なるこじつけだったりします。ネットや雑誌に載っているこれらのデマをうのみにして、本来予防できるはずのがんを予防しないことが賢明な選択なのかどうかは、各自がしっかり考えるべきだと思います。
「子宮頸がんワクチンで不妊になる」よりも、子宮頸がんになって子宮を失う方がよほど確実に妊娠の機会を失います。私は少なくとも、自分の娘にそのような思いはさせたくないと考えます。
どの情報が正しいのか、誰が言っているのかが正しいのかよりも、どのような選択をすることがトータルで見た時に「すべての女性の健康サポート」につながるのかを考えてこれらの情報をお伝えしています。
あなたや大切な人の未来を守るお役に立てていただければ幸いです。
日付:2017年10月10日 カテゴリー:HPVワクチン,子宮頚がん,日々の雑記
子宮頚がん検診の精密検査
職場の検診などが行われるシーズンだからなのか、子宮頚がん検診で異常を指摘された方からのお問い合わせが増えています。
検診の結果の見かたについては過去の記事を参考にしていただけるとわかりやすいかと思います。
子宮頚がん検診で異常を指摘された場合に行う精密検査は、「HPV検査」か「コルポスコピー検査と組織検査」です。
HPV検査は、子宮頚がん検診を行う時と同じように子宮の出口を少しだけこする検査です。細胞診の結果が「ASC-US」だった場合にに必要になります。痛みや出血はほとんどありませんし、検査は数秒で終わります。だいたい1週間くらいで検査結果が分かります。この検査で「陽性」つまりウイルスがいますよという結果だった場合は、さらに「コルポスコピー検査と組織検査」が必要になります。
コルポスコピー検査というのは、拡大鏡で子宮の出口の状態を観察する検査です。見るだけなので、この検査だけでは精密検査にはなりません。コルポスコピーで子宮の出口の状態を観察し、細胞の変化が強そうな部分を狙って組織をとるのが「組織検査」です。細胞をある程度まとまってかじり取るので、多少の痛みや出血を伴います。細胞の変化の程度をしっかりと観察するので、検査は5~10分くらいかかります。組織検査の結果は10~14日くらいで分かります。
当院では、HPV検査もコルポスコピー検査と組織検査も承ることが可能です。検査の所要時間が異なるために、ご予約の際に子宮頚がん検診の結果を確認させていただいております。ご予約をご希望の場合は、お手元に検診結果をご用意いただいてからお電話いただくとスムーズです。
ご予約はお電話でのみ承っております 予約専用電話045-440-5577
がん検診を受けるとがんになる?!
最近、初診時に明らかにがんだと診断しなければいけないケースが続きました。
どなたも共通しているのが、これまでに1度も検診を受けていないか5年以上検診の間隔があいてしまっていることと、症状が出てから受診されるまでに数ヵ月が経っているという点です。
どちらも、がんを早期発見するために必要なことと、真逆の行動なのは言うまでもありません。
命に関わるようながんにならないようにするためには、予防できることは予防する・定期的な検診を受ける・気になる症状が出たらただちに受診する、という事が重要です。
子宮頸がんの場合だと
予防する=性交開始年齢を遅くする・ワクチンを打つ
検診を受ける=年に1度の細胞診または3年に1度の細胞診とHPV検査を受ける
症状が出たら=不正出血やおりものが気になったら受診する
ということになります。
自然療法派の方の中には、検診を受けると返ってがんになるから検診は受けない、という方もいらっしゃるようですが、検診を受けていない事ががんの発見を遅らせてしまうことは、実際の症例から火を見るより明らかです。
検診を受けないという選択をするのは個人の自由ですが、検診を受けない方がよいと人に勧めるのは明らかに間違いです。
検診は「がんになったらどうしよう」と不安に思いながら受けるものではありません。「健康であることを確認する」ために受けるんです。そして、万が一異常が見つかっても、それが命に関わるようなレベルになる前に対処できるから意味があるのです。
もちろん、検診や健診の結果の見方によっては、不要な心配を増やしたり、病気を自ら作り出してしまうことになる場合もあります。検診を受けることが問題なのではなくて、どこからを「異常」と判断するか、結果の読み方の問題です。
子宮頸がんの細胞診による検診は、色々ある検診の中でも最も受ける意味がある(がんの予防につながる)検診としてランク付けされています。自分の子宮を大切にするなら、自分の子宮を信じているのなら、きちんと年1回のがん検診を受けましょうね。
日付:2015年9月24日 カテゴリー:子宮頸がん検診
HPV感染と子宮頸がん
今月は、自治体が配布している無料クーポンの使用期限が切れる月なので、「駆け込み検診」の患者様が増えていますね。クーポンが検診のきっかけになって異常が見つかるケースは、案外少なくありません。クリニックでも、普通に毎年検診を受けている方より、クーポンで検診を受ける方の方が異常が出る割合が多かったりします。
子宮頸がん検診で異常が出ると、しばしば質問されるのがHPV感染との関係です。子宮頸がんの原因のほとんどは、HPVへの感染なので、細胞に異常が出ているということはHPVに感染している可能性が高いと言えます。HPVに感染しているかどうかは、HPV検査をすればすぐにわかります。
みなさんが一番気にされるのは、このHPVがどこから感染したものなのか、そして今後HPVが「消えてくれるのか」ということです。HPVは性交渉によって感染するものなので、今までの性交渉の誰かから感染したものということは言えますが、誰からなのかを特定することは困難ですし、また特定する意味もありません。一度感染すると体から完全にいなくなることはないので、HPVを「退治する」ことを考えるのはあまり意味がありません。
HPVは性交渉の経験がある女性の約8割が一生に一度は感染することがあるくらい、ある意味ありふれたウイルスです。私はよく、「子宮頸部の『風邪』みたいなものだ」とご説明しています。
つまり、感染機会を持つところからがんになるまでの経緯を風に例えると理解しやすいのです。
*HPVに感染している人との性交渉=風邪をひいている人との接触
風邪をひいている人のそばにいたからと言って全員にその風邪がうつるわけではありません。でも、手洗いやうがいやマスクなどでできるだけ感染しないように予防はします。
HPVに感染している人と性交渉を行っても必ず感染するとは限りませんが、ワクチンやコンドームでの予防は大事です。
*HPVへの感染=風邪がうつる
予防をしていても風邪がうつることはあります。でも、ほとんど症状が出ないこともあれば、軽い症状で終わることもあります。
HPVへ感染しても、ただウイルスが「いる」というだけで細胞に何も変化が起きない場合もあります。HPV感染が「性感染症(STD)」ではないと言われるのは、感染したこと自体はまだ「病気」とは言えないからです。
*HPVが細胞に変化を引き起こす(異形成)=風邪症状が出る
風邪がうつった人の一部は、しっかり風邪症状が出ることがあります。でも、早めの治療を行ったり、自分の免疫力を高めればすぐに症状は改善し、重篤な病気を引き起こすまでには至りません。
感染したHPVが細胞に変化を引き起こしてくるとがんの手前の「異形成」という状態になります。この段階ではまだ「がん」ではないので、変化が軽い「軽度異形成」や「中等度異形成」であれば、自分の免疫力を高めてウイルスの活動を抑えることで、細胞が正常化していくことが期待できます。変化の強い「高度異形成」であっても、円錐切除という手術(早期治療)で完治できます。
*HPVによる細胞の変化がさらにひどくなってがんになる=風邪をこじらせて肺炎になる
本来風邪は、早めの治療できちんと対応すれば重篤な状態になることはありません。自然に治るものです。でも、対応が遅れたり極端に免疫力が下がったりしていると、「こじらせた」状態になって肺炎などの重篤な状態につながる場合があります。
「異形成」の状態がさらに進むと「上皮内がん」を経て「浸潤がん」へと進行していきます。この状態にまで進んでしまうと、大掛かりな手術や放射線治療などが必要になってきます。HPVに感染した人の約1000人に1人が、何もしなければがんまで進行していきます。この状態まで進行しきる前に「早期治療」できるようにするのが、検診の役割なのです。
子宮頸がんは、ワクチン接種と適切な検診で必ず予防できるものです。
「めんどくさい」なんて言わずに、毎年しっかり検診を受けてくださいね。
日付:2015年3月12日 カテゴリー:子宮頚がん,子宮頸がん検診,日々の雑記
子宮頸がんワクチンの助成について
子宮頸がんの予防ワクチン「ガーダシル」と「サーバリックス」の公費助成について、横浜市から来年度も継続するとの通知が来ました。
4月以降も引き続き、対象年齢の方は無料接種が可能になります。
昨年10月以降に接種を開始した方は、3回目の接種が自費になるかもしれないとご説明させていただいておりましたが、4月以降に接種しても無料になりますのでご安心ください。
また、公費助成が終了するかもしれないとのことで接種を控えていた方は、今年度中に接種すれば無料となりますのでこの機会に再度ご検討頂ければと思います。
詳しくはご予約の際にお電話でご確認くださいませ。
日付:2012年3月24日 カテゴリー:HPVワクチン,新着情報
子宮頸がんワクチンの公費助成について
横浜市からの回答待ちになっておりました、子宮頸がんワクチン「ガーダシル」の公費助成について、横浜市から正式な通達がありました。
HPV4価ワクチンである「ガーダシル」は、9月15日から横浜市でも公費助成の対象となるとのことです。
したがって、公費助成対象のご年齢の方には、2価ワクチンの「サーバリックス」と4価ワクチンの「ガーダシル」を選んでいただくことになります。
いずれも今年度いっぱいの助成ですので、3回の接種全てを無料で受けるためには、9月中に1回目の接種を行う必要があります。
ガーダシルを公費で接種したいという方は、9月15日以降お早めにご予約をおとり下さい。
また、9月15日以降はガーダシルも公費助成対象年齢の方へ優先接種する事となりますので、自費での接種ご希望の方は9月14日までにご予約いただくか、10月1日以降までお待ちいただきますようお願いします。
4価の子宮頸がんワクチン「ガーダシル」の勉強会
今日は診療後に、新しく承認された子宮頸がんの4価ワクチン「ガーダシル」の勉強会に参加してきました。
このワクチンは7月1日に承認されたばかりで、まだ発売日は決まっていないのですが、発売されたらクリニックでも導入する予定のため色々情報収集しているところです。
現在発売されているのは、HPV16型と18型の2種類を予防できる2価ワクチン「サーバリックス」です。
一時期供給がストップしていましたが、公費助成対象者に対しての接種は再開しています。
2価ワクチンと4価ワクチンの最大の違いは、4価ワクチンの方が予防できるウイルスの「型」が多い、つまり予防できる病気の種類が多いという点です。
子宮頸がんの予防効果という意味では、予防できるのは16型と18型ですし、その効果もほぼ同じなので、2価でも4価でもあまり差はないと言えます。
4価ワクチンは、HPV6型や11型も予防できるため、尖圭コンジローマをはじめとする幅広い病気の予防につながります。
まだ発売日も価格も決まっていないので、両者を比較して選択していただくというのは難しいのですが、現時点で公費助成の対象になっていない方には、4価ワクチンの発売を待ってから改めてどちらを接種するかを検討することをご提案しています。
先に2価ワクチンを打ち始めてしまうと、その後途中で4価ワクチンに変更したり、追加で4価ワクチンを接種することができなくなってしまうからです。
逆に、公費助成対象になっている方には、助成期間内つまり9月までに2価ワクチンを接種し始めることをお勧めしています。
4価ワクチンが発売されても、すぐに公費助成対象になる可能性は非常に低く、料金負担の面だけで考えると4価ワクチンの発売を待つメリットが少ないからです。
ワクチンに対する公費助成は今年度いっぱいで終わる可能性もありますし、今後継続する可能性もあります。
今日の勉強会での情報では、おそらく来年度以降も中学1年生の1学年だけに対象を限定して助成が続くのではないかというお話しでした。つまり、現在助成対象になっている人は、今のうちに接種をしないと来年度からは助成対象から外れてしまう可能性もあるということです。
まとめますと、4価ワクチンの発売を待たずに早めに2価ワクチンを接種した方がいいのは次の方たちです。
*現在公費助成対象になっている方
*この夏にセクシャルデビューの可能性がある方
これ以外の方は、4価ワクチンの発売を待ってから、価格面も含めてどちらを接種するかをゆっくり検討してもいいでしょう。
日付:2011年7月30日 カテゴリー:HPVワクチン,日々の雑記
子宮頸がんワクチン導入で高度異形成が減少
現在日本で認可されている子宮頸がんワクチンは2価ワクチンであるサーバリックスのみですが、子宮頸がんに対してはほぼ同様の予防効果がある4価ワクチン「ガーダシル」の接種意義について興味深い記事があったので転載します。
この記事からも分かるように、ワクチンの予防効果を最も期待できるのは性交経験開始前に接種する事です。横浜市でも、公費助成対象年齢の方はワクチンの無料接種が可能ですので、特に今年度いっぱいしか対象とならない高校2年生の方は早めに接種を検討される事をお勧めします。
↓↓↓ここから引用↓↓↓
オーストラリア・ビクトリア州では、ヒトパピローマウイルス(HPV)に対する4価ワクチン(商品名:ガーダシル)導入後の18歳未満女児における高度子宮頸部異形成の発生率が、導入前に比べて減少する傾向にあることが、ビクトリア州細胞診サービス部のJulia M L Brotherton氏らの調査で示された。
HPVに対する最初の予防的ワクチンが承認された2006年以降、4価ワクチンあるいは2価ワクチン(同:サーバリックス)の接種が、国の予防接種プログラムとして(28ヵ国以上)、または開発途上国でも地方レベルの寄付金(17ヵ国以上)によって実施されているという。
オーストラリアでは、2007~2009年に12~26歳の全女性に対し4価ワクチンを用いたHPVワクチン接種プログラムが導入されている。Lancet誌2011年6月18日号掲載の報告。
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プログラム導入の前後で、頸部異常の傾向を比較
研究グループは、オーストラリア・ビクトリア州居住の女性を対象に、ワクチン接種プログラム導入の前後における子宮頸部異常の傾向の変化について解析した。
ビクトリア州子宮頸部細胞診レジストリー(VCCR)のデータを用いて、プログラム開始前(2003年1月1日~2007年3月31日)と開始後(2007年4月1日~2009年12月31日)の高度子宮頸部異形成(HGA、グレード2以上の子宮頸部上皮内新生物あるいは上皮内腺がん)と軽度子宮頸部異形成(LGA)について、5つの年齢層(<18歳、18~20歳、21~25歳、26~30歳、≧31歳)に分けて評価した。
主要評価項目はHGAの発生率とし、フィッシャー正確確率検定を用いて2つの時期の比較を行い、ポアソン区分的回帰分析にて発生率の傾向を評価した。
導入後3年以内のHGA発生率低下に関する最初の報告
ワクチン接種プログラム導入後は、18歳未満の女児においてHGAの発生率が0.38%低下した。この低下の傾向性は徐々に増強し、ワクチン接種導入前の発生率と比べ傾向性に有意な差が認められた(発生率比:1.14、95%信頼区間:1.00~1.30、p=0.05)。LGAや18歳以上の女性ではこのような傾向はみられなかった。
著者は、「これは、地域住民を対象としたHPVワクチン接種プログラム実施後3年以内のHGA発生率の減少に関する最初の報告である」とし、「この地域相関的観察研究がワクチン接種の普及に寄与することを確証し、ワクチン接種女性の検診への参加状況をモニターするには、ワクチン接種と検診の連携が求められる」と指摘している。
引用元:「Care net.com」より
文献:Brotherton JM et al. Early effect of the HPV vaccination programme on cervical abnormalities in Victoria, Australia: an ecological study. Lancet. 2011 Jun 18;377(9783):2085-92.
日付:2011年6月30日 カテゴリー:HPVワクチン
子宮がん検診の自己検査
最近は、生活習慣病や感染症の検査を手軽に受けられるような「自己検診キット」も数多く出回ってきているようですね。
忙しくて病院には行けないけれど生活習慣病が気になる・・・といった、忙しいサラリーマンの方などは、検査を全く受けないよりは自己検診でもいいから定期検査を受けていただいた方がいいのかもしれません。
ただ、注意が必要なのが子宮頸がんの自己検診キットです。
時々、会社の検診がこの自己検診キットを渡されるだけというケースがあるようなのですが、子宮頸がん検診の自己検診はお勧めできません。
子宮頸がん検診は、子宮の出口(頸部)と子宮頚管内をまんべんなくこすって細胞を採り、顕微鏡で細胞の形を見る検査です。正確な検査を行うには、正しい位置から十分な数の細胞を採ってくる必要があります。
病院で検査を受ければ、医師が子宮の出口を目で確認して検査を行いますので、細胞を採ってくる場所が不適切というケースは稀なのですが、自己検診の場合本来こすってくるべき場所ではないところから細胞を採って提出される可能性があります。
例えば、子宮の出口の下半分に悪い細胞が出ているのに、自己検診で上半分しかこすらずに検査を行ったら、結果は「異常なし」と返ってきてしまうんですね。
本当は病変があるのに「異常なし」という結果が出る事を「偽陰性」といいます。自己検診の場合、この「偽陰性」になった時が最も危険です。本来であれば病院に行かなければいけない状態なのに「検査で異常がなかったから安心」と受診の機会を逃してしまうからです。
婦人科検診は何かとハードルが高かったり、「忙しい」「めんどくさい」を理由に検診を受けない方が多いのは非常に残念な事です。
どんなに忙しくても、年に1回は自分の健康維持のためと思って、検診を受けていただきたいなと思います。
どうしても受診ができなくて自己検診で済ませるしかないという方は、子宮頸がん検診とHPV検査を併せて行って下さいね。
日付:2011年1月29日 カテゴリー:女性検診,子宮頸がん検診,日々の雑記










