横浜 婦人科 ポートサイド女性総合クリニック ~ビバリータ~

月経前症候群(PMS)

17.11.15 女性の方がうつになりやすい理由

  先週末は女性医療ネットワーク主催のシンポジウムに参加してきました。テーマは「PMSとうつ」そして「PMSと発達障害」です。月経前に心身の不調が出るのがPMSですが、特にイライラや気分の落ち込みなどメンタル症状がメインで出る方の場合、ベースにうつや発達障害などほかの病気があって、その症状が特に月経前になるとひどくなるというパターンもあるのです。この場合も、ピルでホルモンの波を抑えることは症状の軽減につながりますが、根本の原因が婦人科的なものとは別にあるので、同時に心療内科的なアプローチも必要になってくるのです。

 うつ病は以前のように「隠すべきもの」ではなく、「誰でもなりうるもの」という認識変わってきました。うつになる医学的な背景には、環境などの外的要因と個人の脆弱性などの内的要因があるのですが、うつが「誰がなってもおかしくない」と認識されることによって、個人の脆弱性が無視されてすべて「環境のせい」にされてしまっている傾向があるとのことでした。確かに、同じ環境や同じ出来事に対して、個人の反応が異なってきます。うつになる人もいれば平気な人もいるのは、個人の反応の仕方が異なるからなんですが、「自分がうつになったのは○○のせい」だと思っている人は多い印象ですね。実は、この「○○のせい」と思っていること自体が、うつを治りにくくしてしまいます。
 心理学的アプローチでうつの原因を見ると、その背景には「あるもの」を抑え込んでいる可能性が高いのですが、「○○のせい」だと思っていると、この「あるもの」の存在に気付きにくくなってしまうのです。なぜなら「あるもの」は自分の中から生み出されるものだからです。

 シンポジウムの中では、なぜ女性の方がうつ病になりやすいのかも解説されていました。うつ病は、男性に比べて女性の方が2倍多いというデータがあります。統合失調症・双極性障害・強迫性障害は性差がありません。これらは、ホルモンの影響を受けるのではなく、遺伝的要因が大きいからです。

 性差があるのは、うつ病・全般不安症・社交不安症・パニック症などです。これらは、遺伝子的要因よりも心理・社会的要因の方が強く影響するからです。また、女性の方が心理・社会的影響を受けやすいため、これらの疾患が起きやすくなる背景が色々あるということです。


 女性がうつ病になりやすい理由の1つは、性ホルモンの変動が大きくあるからです。月経にともなう月単位の変動・妊娠&出産に伴う変動・閉経にともなう変動。これらのホルモンの「変化」がメンタル症状を引き起こしやすい原因として挙げられます。


 また、社会的背景として、女性の方が「弱者」になりやすいとい背景もあります。男女差別・様々なハラスメント・仕事と家庭の両立問題・DVや性被害など...先進国ほどこれらの男女差は減るはずなんですが、日本のジェンダーギャップ指数をご存知でしょうか?ジェンダーという視点から見ると、日本はまだまだ「先進国」の仲間入りができていません。


 ホルモンの影響は「低い・高い」ではなく、ホルモンの「変動」つまり「上下する」時に精神的症状が出やすくなります。卵巣から出る女性ホルモンは二つありますが、エストロゲンは脳に対して「良い影響しかない」と言われているほど、精神面においても安静させる方向に働きます。一方で、プロゲステロンは精神的に不安定になったり、抑うつ状態になったりする原因となります。
 月経周期では、排卵前後と月経直前から初日にかけて、いったん上がったエストロゲンが下がります。また、排卵後から月経前にかけてプロゲステロンが上がります。なので、排卵前後と月経前は気分が落ち込んだりイライラしやすいのです。
 妊娠中や産後のホルモンの変動は少し複雑ですが、簡単に言うと妊娠中の前半はエストロゲンの作用が弱くなってプロゲステロンの作用が強くなります。なので、妊娠期の前半はうつ傾向が出やすいのです。また、出産直前まで多量に出ていたホルモンが、分娩とともに一気に急降下します。なので、大体出産して2~3日後から約1週間は「マタニティーブルー」と言って、誰もが気分が落ち込みやすくなる時期なのです。
 もう一つ、ホルモンが大変動する時期が閉経前後です。完全に閉経する1~2年前から女性ホルモンは急激に下がっていきます。このホルモンの急降下によって、いわゆる更年期障害が出るのですが、この時期に気分の落ち込みやイライラを強く自覚する方も多くいらっしゃいます。

 このように、女性は月単位・ライフイベント単位の二つのサイクルでホルモンの「波」にさらされているのです。
 この「波」の影響をまずは自分で把握して、うまく付き合っていくということがとても重要です。そして、自分にはこの「波」が大きすぎるなと思ったら、ピルやHRTでホルモンの変動を緩やかにすることも「自分らしい毎日」を過ごすための賢い手段と言えるでしょう。
 「波」に振り回され続けて、自分の人生のコントロール権を放棄してしまっているようなら、お早めに婦人科でご相談くださいね。


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16.05.20 カウンセラーによるPMS外来は終了しました

 PMSに特化したカウンセリングは、担当カウンセラーの退職に伴いまして終了させていただきます。

 今後PMS外来は医師の診療時間内に承ります。

 PMS外来をご希望の方は、担当医:清水の診療予約をお取りください。

 PMS外来は、投薬料などに加えて医師による自費カウンセリング料金5400円が別途かかりますのでご了承くださいませ。

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16.05.01 月経前症候群が気になる方向けチェックリスト

 クリニックの診療の中にもトランスフォーメーショナルコーチの技術を活かしたくて、実験的にセルフチェックシートをお渡ししています。
 中には、自分でチェックをつけただけで「あ!そうか!」と気づいて、病気という表現をやめるヒントを得てくださる方もいらっしゃいます。
 診療の中ではセルフチェックした後に、私が簡単なフィードバックをさせていただいているのですが、チェックをつけるだけでも実はお試しカウンセリング受けたくらいの効果が期待できます。
 こちらでも、チェックシートを順次公開していきますので、ご自身の症状に当てはまるものを試してみてくださいませ。


<月経前症候群が気になる方向けチェックシート>
 
 月経前症候群の方は、混乱に支配されていたり、自分以外のものに感情や物事をゆだねてしまう傾向があります。
 以下の項目で当てはまるものがないか、セルフチェックをしてみてください。

  □自分は「混乱しやすい」と感じていた
  □自分の体や人生を自分で「コントロールできない」と感じていた
  □自分のことなのに人に決めてもらうことがよくあった
  □女性としての体に違和感を感じていた
  □常に一定の自分でいられないことでやらなくて済んだことがあった
  □常に一定の自分でいられないことで会わなくていい人がいた
  □自分のことを「自立していない」と感じていた
  □自分は人から影響を受けやすいと感じていた
  □自分の人生は「振り回されている」と感じることがよくあった


 チェックをしてみて、もっとこのテーマについて掘り下げた方がよさそうだなと感じたら、カウンセリングを受けていただくことをお勧めします。クリニックでは、3名のトランスフォーメーショナルコーチによるカウンセリングを承っております。カウンセリングの詳細はhttp://www.vivalita.com/staff.htmlをご参照ください。

 また、いきなり本格的なセッションには抵抗があるという方のために、30分5000円で「プチセッション」をご体験いただけるようにしました。ご興味がある方は、お気軽にお問い合わせくださいませ。
 
 お問い合わせ先:045-440-5577 info@vivalita.com

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10.05.23 PMSは現代病?!

「月経前症候群(PMS)」」は、排卵後から月経の直前の時期にかけて、さまざまな体調不良や精神的な症状が出て、月経が来たとたんにそれらの症状がすっかり消えてしまう病気です。排卵後から2週間近く具合が悪い人もいれば、月経直前の1日だけ寝込んでしまうという人もいます。

 

最近ようやく女性誌などでも特集が組まれたり、ネットで検索すれば目にすることも増えてきたPMSですが、実は一昔前までは婦人科の教科書にすら載っていませんでした。

昔はこういった病気が全くなかったのかと言うとそうではありません。おそらく「なんだか毎月同じ時期に極端に体調が悪くなるな」とか「生理前だけ性格が変わってしまうみたいだな」と感じていた人はいたはずです。ただ、PMSという病気の概念がなかったので病院で相談しても「精神的なもの」とか「我慢が足りない」といったことで取り合ってもらえなかったのではないかと考えられます。

 

また、昔は月経が来るようになったら数年で子どもを産み始め、立て続けに何人も産んでいたので、妊娠・授乳期間の無月経が頻繁にありました。月経回数が少ない分、月経前の症状に悩まされることも少なかったわけです。

現代は、晩産化・少子化のために一生のうちに迎える月経の回数が極端に増えました。その上、ハードワークや様々なジェンダープレッシャーにさらされているので、ストレスのせいでPMSになる女性は急増しています。そういった意味で、PMSは現代病と言えるでしょう。

 

PMSかどうかの目安は、体調や気分の変化があっても日常生活が普通に送れているか・仕事に影響が出ていないかなど。月経前には誰もが多少体調が悪くなったりイライラしやすくなったりしますが、それらの変化が極端で日常生活に支障をきたしてしまうレベルになるとPMSと言えます。月経が来たとたんにケロっと治ってしまうのが特徴なので、基礎体温をつけながら体調の変化を記録するとPMSなのか自分でも見当をつけやすくなるでしょう。

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10.05.23 PMSの症状

月経前症候群(PMS)の症状は多彩

PMSの症状は本当に様々です。人によっては「え!そんな症状が出るの?」と驚いてしまう症状を訴える方もいらっしゃいます。

体の症状として代表的なのが、月経前の下腹の痛み・腰痛・頭痛・めまい・吐き気・ひどいむくみ・便秘・ニキビなど。他にも、肩こりや手のしびれなど、他の病気と紛らわしい症状をおっしゃることもあります。

精神的な症状では、月経前のイライラ・気分の落ち込み・集中力の低下・仕事ができなくなる・不眠・理由もなく突然泣きたくなる・過食・甘いものばかり食べ過ぎるなど。

いずれも、うつなどの精神科的な病気との区別がつけにくい症状が多いのですが、月経が来たら嘘のように症状が消えてしまうかどうかで判別します。

 

月経前症候群(PMS)の原因はホルモン

なぜこんなに月経前になると様々な症状が出るのでしょうか。はっきりとした原因は解明されていませんが、一説に排卵後にたくさん分泌される「黄体ホルモン=プロゲステロン」が悪さしているのではないかと言われています。

排卵後に黄体ホルモンが急激に増えるので、そのホルモンの「波」に振り回されてしまうのです。

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10.05.23 PMSの治療法

PMS改善には生活の見直しが必須

ストレスや栄養の偏りはPMSを悪化させますので、できるだけハードワークを避けてストレスをためないことが最も大事です。

ハーブティーやアロマなど、自分なりのリラックスアイテムを生活の中に取り入れて、気軽に気分転換できるようにするといいですよ。お勧めのハーブティーは、ローズヒップやハイビスカスなどビタミンCが豊富なもの。むくみが気になる人はダンデライオン(タンポポ)など利尿効果のあるハーブティーを飲むといいでしょう。

お風呂の中に製油をたらすアロマバスや、アロマオイルでのマッサージは、自宅で簡単にアロマを活用できます。ホルモンバランスを整えてくれる代表的なアロマオイルは、ゼラニウム・クラリセージ・イランイラン・サイプレス・ローズなど。最近はこれらのオイルがあらかじめブレンドしてあるマッサージオイルも市販されていますから、香りの好みに合わせて楽しんでみてください。

 

また、パン・ご飯・麺類などの炭水化物や甘いもの・カフェイン類などの嗜好品は避けて、緑黄色野菜・小魚・ナッツ類を接触的に摂りましょう。ビタミンB群やE群・γリノレン酸・カルシウムをサプリメントで補うのも効果的です。チェストツリーやセントジョーンズワットなどのハーブはPMSの症状を緩和させると言われています。

コンビニなどで売ってあるサプリメントではなく、医療機関やサプリメント専門店でオーガニックな物を購入した方が安全です。サプリメントアドバイザーがいるクリニックを探したり、主治医にお勧めのサプリメントを教えてもらうのもいいでしょう。

 

低用量ピルは試してみる価値あり

また、低用量ピルで排卵を抑えるとホルモンの波が一定になるため症状が治まることがあります。完全に症状がなくならないまでも、体調の変化の「大波」が「小波」くらいにはなるんですよ。

ピルをお勧めすると、たいていの患者さんはちょっと抵抗感を示されます。月経前にひどいめまいとお腹の痛みで悩んでいたある方は、やはり最初は「ピルはちょっと・・・」と渋ってました。ところが、ピルを飲み始めたとたんに症状がすっかり消えてしまい、ついでに月経そのものも非常に軽くなったので「こんなに楽になれるならもっと早く試せばよかったです」と喜んでくださいました。

 

他にも、むくみやめまいに対する漢方を併用したり、精神的な症状がメインの時には不安や気分の落ち込みを改善する薬を使った方がいい場合もあります。ピルを飲んでも精神症状は改善しないこともありますから、この場合は婦人科と一緒に心療内科でも相談してみるといいでしょう。

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10.05.23 PMSは我慢しないで

PMSは精神的な症状がメインのことも多いので、「こんなことで病院に行くなんて」「自分の我慢が足りないだけなんじゃないだろうか」と受診をためらってしまう方も多いようです。でも、少なくとも自分でつらいと感じる症状があったり、日常生活に支障が出ているようであれば、早めに婦人科で相談した方がいいでしょう。漢方やピルでかなりの改善が期待できますので、我慢せず一度受診してみてください。

特に、精神症状が強い場合は、心療内科や精神科での治療が有効な場合も多いので、定期的なカウンセリングを受けたり、軽い精神安定剤などを併用しながら月経のリズムと上手に付き合っていく方法を探していきましょう。

 

月経サイクルのどの時期に症状が出やすいのかを自分で把握するだけでも、症状の緩和につながることがあります。

基礎体温表に心身の症状を一緒に記録する「月経日記」は、自分の調子が悪くなりやすい時期をあらかじめ把握して仕事の量やスケジュールを調節することができるので便利です。まずは3ヶ月を目安に、いつどのような症状がどの程度出たのかを記録してみるといいでしょう。

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清水(旧姓:須藤) なほみ
ポートサイド女性総合クリニック
~ビバリータ~ 院長
歌って踊れる産婦人科医
 
「全ての女性は美しくなる権利がある」をコンセプトに、女性の美と健康をサポートするために女性医療を皆様のもとにお届けしています。
5歳から始めたクラシックバレエは、ミュージカルとの出会いでコンテンポラリーダンスに変身しました♪
 
所属学会:日本産婦人科学会・日本思春期学会・日本性感染症学会・日本不妊カウンセリング学会
 
日本家族計画協会認定思春期保健談員
不妊カウンセリング学会認定カウンセラー