横浜 婦人科 ポートサイド女性総合クリニック ~ビバリータ~

子宮頚がん

17.03.05 「子宮なんていらない」と思ったことはありますか?

 

 クリニックでは子宮頸がんの「治療」はできませんので、治療が必要な方は連携先の病院にご紹介させていただいています。精密検査であるコルポスコピー検査と組織診は可能なので、異常はあるけれどまだ治療するほどではないレベルの方たちは、定期的な検査でフォローさせていただいています。
 通常、子宮頸がんの手前の「異形成」という状態は、軽度であれば9割近い方が自然に正常化していくのです。中等度異形成でも、数か月で全く正常に戻る方もいらっしゃいます。でも、中には、ずっと異常が続いたり、徐々に進行して手術が必要になる方もいらっしゃいます。正常化する人と、異常が続く人の違いは何だと思いますか?
 
 子宮頸がんも含めて、婦人科の病気になる場合、何らかの形で自分の「女性性」を抑えたい理由があるケースが多いのですが、患者様に「女性性を否定していたことはありませんか?」と伺っても、なかなか皆さんピンとこないようです。
 なので質問を変えて、「子宮なんかいらないと思ったことはありませんか?」「女は損だと思ったことはありませんか?」「男はずるい、男の方が得だと思ったことはりませんか?」と伺うと、ぽろぽろと出てくるのです。わざわざ自ら、「子宮」に異常を引き起こした理由が・・・

 ある方は、妊娠を希望して治療をしていたけれどうまくいかず、「妊娠できないなら子宮なんてなければいいのに」と思ったとたんに検診で異常を指摘されたとおっしゃっていました。脳は忠実に本人の「潜在意識」やその奥底にある希望を叶えようとします。「子宮なんかない方がいい」と思っていたら、子宮をとらなければいけないような病気を発生させたりするのです。
 特に妊娠が絡んでいる時は複雑になることもあります。本人が心の奥底では妊娠を望んでいなかったり、不妊治療に終止符を打ちたいと思っていても、「自分で終わらせることができない」状態になっている時があります。「妊活やーめた」と自分で言えればいいのですが、なかなか言い出せなかったり「自分で決めることを拒んでいたり」すると、子宮が代わりに終止符を打とうとする場合もあるのです。

 子宮の病気は、「あなたは女性としてどう生きたいのですか?」という問いかけです。普段意識しない子宮のことを考えたり、将来の妊娠について考えたりするきっかけをもらっているのです。
 あなたはなぜ女性として生まれてきたのですか?女性であるということにどのような意味を持たせたいですか?そして、「女性として」どう生きたいですか?



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15.03.12 HPV感染と子宮頸がん

 今月は、自治体が配布している無料クーポンの使用期限が切れる月なので、「駆け込み検診」の患者様が増えていますね。クーポンが検診のきっかけになって異常が見つかるケースは、案外少なくありません。クリニックでも、普通に毎年検診を受けている方より、クーポンで検診を受ける方の方が異常が出る割合が多かったりします。

 子宮頸がん検診で異常が出ると、しばしば質問されるのがHPV感染との関係です。子宮頸がんの原因のほとんどは、HPVへの感染なので、細胞に異常が出ているということはHPVに感染している可能性が高いと言えます。HPVに感染しているかどうかは、HPV検査をすればすぐにわかります。
 みなさんが一番気にされるのは、このHPVがどこから感染したものなのか、そして今後HPVが「消えてくれるのか」ということです。HPVは性交渉によって感染するものなので、今までの性交渉の誰かから感染したものということは言えますが、誰からなのかを特定することは困難ですし、また特定する意味もありません。一度感染すると体から完全にいなくなることはないので、HPVを「退治する」ことを考えるのはあまり意味がありません。

 HPVは性交渉の経験がある女性の約8割が一生に一度は感染することがあるくらい、ある意味ありふれたウイルスです。私はよく、「子宮頸部の『風邪』みたいなものだ」とご説明しています。
 つまり、感染機会を持つところからがんになるまでの経緯を風に例えると理解しやすいのです。

*HPVに感染している人との性交渉=風邪をひいている人との接触
 風邪をひいている人のそばにいたからと言って全員にその風邪がうつるわけではありません。でも、手洗いやうがいやマスクなどでできるだけ感染しないように予防はします。
 HPVに感染している人と性交渉を行っても必ず感染するとは限りませんが、ワクチンやコンドームでの予防は大事です。

*HPVへの感染=風邪がうつる
 予防をしていても風邪がうつることはあります。でも、ほとんど症状が出ないこともあれば、軽い症状で終わることもあります。
 HPVへ感染しても、ただウイルスが「いる」というだけで細胞に何も変化が起きない場合もあります。HPV感染が「性感染症(STD)」ではないと言われるのは、感染したこと自体はまだ「病気」とは言えないからです。

*HPVが細胞に変化を引き起こす(異形成)=風邪症状が出る
 風邪がうつった人の一部は、しっかり風邪症状が出ることがあります。でも、早めの治療を行ったり、自分の免疫力を高めればすぐに症状は改善し、重篤な病気を引き起こすまでには至りません。
 感染したHPVが細胞に変化を引き起こしてくるとがんの手前の「異形成」という状態になります。この段階ではまだ「がん」ではないので、変化が軽い「軽度異形成」や「中等度異形成」であれば、自分の免疫力を高めてウイルスの活動を抑えることで、細胞が正常化していくことが期待できます。変化の強い「高度異形成」であっても、円錐切除という手術(早期治療)で完治できます。

*HPVによる細胞の変化がさらにひどくなってがんになる=風邪をこじらせて肺炎になる
 本来風邪は、早めの治療できちんと対応すれば重篤な状態になることはありません。自然に治るものです。でも、対応が遅れたり極端に免疫力が下がったりしていると、「こじらせた」状態になって肺炎などの重篤な状態につながる場合があります。
 「異形成」の状態がさらに進むと「上皮内がん」を経て「浸潤がん」へと進行していきます。この状態にまで進んでしまうと、大掛かりな手術や放射線治療などが必要になってきます。HPVに感染した人の約1000人に1人が、何もしなければがんまで進行していきます。この状態まで進行しきる前に「早期治療」できるようにするのが、検診の役割なのです。

 子宮頸がんは、ワクチン接種と適切な検診で必ず予防できるものです。
 「めんどくさい」なんて言わずに、毎年しっかり検診を受けてくださいね。

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10.04.13 子宮頸がんの原因

 「子宮癌」は、癌ができる場所によって「子宮頸癌」と「子宮体癌」に分けられています。ただできる場所が違うだけでなく、それぞれ発症しやすい年齢や原因や予防法が大きく異なってくるので、別々の病気として考える必要があるんですね。

 

 子宮頸癌は、子宮の出口側にできる癌です。若い人に増えてきているのが特徴で、好発年齢つまりかかりやすい年齢が30~40代と子宮体癌よりやや低くなっています。最大の原因は、HPV(ヒューマンパピローマウイルス)というウイルスの感染です。HPVは性交渉によってうつるウイルスなので、早い時期から性交渉を経験するようになったことで若い人でも子宮頸癌になるリスクがあがってきているわけです。

 初期にはほとんど症状がないので、早期発見をするためには毎年きちんと検診を受けるしかありません。進行すれば、月経以外の時期に出血したり性交渉のあとに出血したりといった症状が出ることがあります。

 

 予防する方法は、HPVの感染を防ぐことですから、性交渉の開始時期をできるだけ遅くすること・必ずコンドームを使うこと・性交渉のパートナーの数をできるだけ少なくすることが大事です。ただし、HPVは性交経験がある女性なら一生のうちに7~8割の人が1度は感染することがあるといわれているほどメジャーなウイルスなので、いわゆる「遊んでいる人」が感染するというわけではありません。むしろ、性交渉をしていれば誰もがかかりうるウイルスだと思ってくださいね。

 

海外では、すでに100カ国以上の国でこのHPVを予防するためのワクチン接種が行われています。日本でも遅ればせながら、2009年12月にHPV16型と18型を防ぐワクチンが発売になりました。性交経験前の方なら何歳であっても、ワクチン接種をしておくことをお勧めします。

HPVワクチンについては別ページで詳しく解説していきますね。

 

HPVは、いったん感染しても9割の人は2年以内に自然に消えていきます。体が持っている抵抗力がしっかりしていれば、ウイルスをちゃんと排除することができるんです。なので、ウイルスに感染したからといって必ず癌になるというわけではありませんから、その点だけは誤解しないようにしてくださいね。

複数のウイルスに何度も感染すること、他の感染症に重ねてかかること、喫煙、免疫力の低下などが、癌化を促してしまう要因と言われています。1度HPVに感染してもあまり悲観せず、これらの要素をできるだけ避けて、定期的な検診を心がけて下さい。

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10.04.13 子宮頸がんの検査

 子宮頸がんの早期発見には、検診を受けるしかないのですが、子宮頸がん検診は色々ある検診の中でも最も検診を受ける意味があるとされています。それは、検診で異常を発見できる確率が他のがん検診に比べてとても高いからです。さらに、子宮頸がんは癌の一歩手前又はごくごく初期の段階で発見できれば、子宮の出口の一部を切り取るだけでほぼ完治が期待できます。若い人がかかりやすいということは、将来の妊娠のチャンスを失わないように、癌によって子宮を失ってしまうことをできるだけ避ける必要がありますからね。そういった意味でも、いかに初期の段階で見つけるかが重要なんです。

残念ながら、日本女性の子宮がん検診受診率はまだまだ非常に低くて、全部の年齢を合わせても約20%の人しか受けていないんですよ。特に、本来一番受けて欲しい10代~20代の若い人たちはほとんど検診なんて受けていません。「がん検診」と聞くと怖いイメージを持ってしまう方もいらっしゃるようですが、検査自体は1分もかからない簡単なものです。内診台にあがる必要があるので、下着を取ることそのものに抵抗はあると思いますが、子宮の出口を綿棒でちょこちょこっとこするだけですから痛みもそんなに感じずにあっという間に終わります。

 

検診の結果は1~5の「クラス」に分かれていて、クラス1~2は正常・クラス3はグレーゾーン(癌とは言えないが細胞に変化が見られる)・クラス4~5は癌の可能性が高い又は明らかに癌であると解釈します。結果が「正常」であれば、引き続き年に1回の検診を受けていれば問題ありません。

 

 「グレーゾーン」という結果だった場合、医学的には「子宮頸部異形成」という状態になるのですが、細胞の変化の強さによってその後の対応が異なってきます。細胞の変化が軽い「軽度異形成」の時は、大体3ヶ月ごとに検査を繰り返して様子をみていきます。この段階では、まだ治療は必要ありません。細胞の変化がだんだん強くなってきたり「高度異形成」が疑われる時は、子宮の出口を少しかじり取る「組織診」という検査をして治療の必要性を判断していきます。

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10.04.13 子宮頸がんの治療

 組織診で「高度異形成」までであった場合は、その先癌に進んでいく可能性もあるので何らかの治療をすることが多いですね。まだ若くてできるだけ妊娠に悪影響を及ぼす治療を避けたい場合は、子宮の出口をレーザーで焼く「レーザー蒸散」を行うことがあります。逆にしっかり治療をしておきたい場合は、子宮の出口を一部切り取る「円錐切除」という手術を行います。

 「上皮内癌」又はそれ以上の結果だった場合も、明らかな進行癌でなければ病気の広がり具合を確認するために「円錐切除」をします。円錐切除は検査と治療を兼ねた手術なんです。

 円錐切除によって「上皮内癌」までであると診断されたら、一応そこまでで完治が期待できますから、追加の治療は行わず、定期的に癌検診を繰り返していきます。もちろん、再発のリスクもあるので定期検査は絶対にサボってはいけませんよ。

 

 円錐切除の結果が「浸潤癌」であった場合は、子宮や卵巣やリンパ節を全て切り取る本格的な癌の手術が必要になってきます。癌の広がり具合によっては術後に放射線治療や抗癌剤による治療を追加することもあります。円錐切除をするまでもなく、子宮の外にまで広がっていそうな進行癌だった場合は、手術は行わず放射線治療と抗癌剤による治療を組み合わせて行うことが多いですね。

 このレベルになると、いったん治療が終わっても再発するリスクが高くなりますし、治療そのものもかなり大掛かりになってしまいます。早期発見さえできればわずかな治療で完治が期待できるわけですから、とにかく何も症状がなくても1年に1回の子宮癌検診は受けてくださいね。

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清水(旧姓:須藤) なほみ
ポートサイド女性総合クリニック
~ビバリータ~ 院長
歌って踊れる産婦人科医
 
「全ての女性は美しくなる権利がある」をコンセプトに、女性の美と健康をサポートするために女性医療を皆様のもとにお届けしています。
5歳から始めたクラシックバレエは、ミュージカルとの出会いでコンテンポラリーダンスに変身しました♪
 
所属学会:日本産婦人科学会・日本思春期学会・日本性感染症学会・日本不妊カウンセリング学会
 
日本家族計画協会認定思春期保健談員
不妊カウンセリング学会認定カウンセラー