婦人科の病気

 

子宮筋腫の診断方法

筋腫の診断は、主に超音波検査で行います。腟から超音波の機械を入れて子宮や卵巣を直接写し出していくので、1cm未満の小さな筋腫まで発見することができるんですよ。

粘膜下筋腫といって筋腫が子宮のお部屋の中に飛び出しているように見える場合、正確な位置や飛び出し具合を確認するために「子宮鏡検査」を行うこともあります。子宮鏡は、細いカメラを子宮の出入り口から挿入して、子宮のお部屋の中を観察することのできる検査です。粘膜下筋腫や子宮内膜ポリープが疑われる時に、外来で行います。

 

また、筋腫が大きい場合やたくさんある場合、サイズや位置関係をより正確に把握するためにMRIの検査を追加することもあります。MRIの検査は、主に手術をすることを前提に詳しい情報を得る目的で行うことの方が多いですね。

 

これらの検査結果や症状の有無などを合わせて、治療法を相談していきます。

日付:2010年4月4日  カテゴリー:婦人科の病気,子宮筋腫

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子宮筋腫の治療が必要なケース

 子宮筋腫が発見されたからといって、必ずしも治療が必要とは限りません。症状も全くなく、大きさも10cm以下で妊娠も望んでいない場合、通常は半年から1年に1回超音波検査で大きさの変化を見るだけですみます。どんどん大きくなっている場合や、急激に大きくなった場合は、途中で手術を勧められることもありますが、閉経までただ定期検査を受けるだけって人も結構いらっしゃるんですよ。

 筋腫は女性ホルモンを餌にして大きくなっていくので、閉経までは大きくなる可能性があります。逆に閉経後は大きくなることはなく、むしろ徐々に縮んでいきますから、閉経まで持ち越せればそれ以降治療が必要になることはめったにありません。

 

 筋腫で治療が必要になるのは、主に次のようなケースです。

 1)過多月経や月経痛の症状がひどい場合

 2)大きさが大きい又はどんどん大きくなっている場合

 3)大きさが大きくて圧迫による症状がひどい場合

 4)妊娠を望んでいて筋腫が妊娠の妨げや

   流産や早産のリスクになる場合

 

1)の場合、まずは薬で出血量のコントロールができるかどうかを試してみて、有効であれば薬物療法だけで様子を見ることができます。

2)~4)の場合は、いずれも手術が必要です。

 

また、最近は筋腫を栄養している血管を詰まらせる「子宮動脈塞栓術」や、MRIを見ながら高周波の超音波を集中させて筋腫に当てる「高周波超音波集積治療」などの新しい治療も出てきています。どうしても手術以外の治療法を選びたいという場合は、これらの治療を行っている病院で、本当にその治療が可能なのかどうかをまずは相談してみるといいでしょう。

日付:2010年4月4日  カテゴリー:婦人科の病気,子宮筋腫

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子宮筋腫の薬物治療

 子宮筋腫の薬物療法には、ピルで出血量を減らす方法と、「偽閉経療法」という月経を止める方法があります。

 ピルは、タバコを吸わない健康な女性であれば副作用もほとんどなく長期間飲み続けることができるので、出血量のコントロールだけならとても有効なことも多いんですよ。ただ、人によってはピルを飲んでもあまり出血量が減らなかったり、ダラダラと不正出血が続いてしまうこともあるので、ピルを試したけれど結局手術が必要になるというケースもあります。

偽閉経療法は、その名の通り薬で女性ホルモンの働きを抑えて「閉経」の状態を作る方法です。月経が来なくなるので出血量で困ることもなくなりますし、閉経後に筋腫が縮むのと同じように、多少筋腫が小さくなります。

ただし、まだ閉経ではない時期にいきなり女性ホルモンが出なくなってしまうので、のぼせやほてりなどの更年期症状が出たり、骨がもろくなってしまったりといった副作用があります。長期間使うと骨粗鬆症になってしまうので、偽閉経療法の薬を半年以上は続けて使ってはいけないことになっています。

なので、通常は閉経まであと1~2年という人が、閉経まで何とか手術をせずに持ち越せるようにするために使うか、手術前に少しでも筋腫を小さくしておいて手術をしやすくする目的で使うことが多いですね。

長期間続けて使うことはできないので、20代や30代で偽閉経療法を行うのは、よほど貧血がひどくてとりあえず月経を止める必要がある場合か、手術を前提とした場合に限られますす。


また、過多月経の新しい治療法として、ホルモン付加子宮内避妊具「ミレーナ」を入れるという方法も選択できるようになりました。筋腫による不快な症状が、過多月経や月経痛ならミレーナで月経を軽くするという方法も選択肢の一つとなります。

 ただし、ミレーナは経膣分娩をしたことがある方でなければ入れにくい可能性があるのと、筋腫による子宮内の変形が大きい場合は入れられない又は入れてもすぐに出てきてしまう可能性があります。

 ミレーナが入れられる状態かどうかは医師の判断によります。ミレーナでうまく月経がコントロールできれば、コスト的にも一番負担が少ない方法になりますので、経膣分娩経験のある、今後妊娠を希望されない方は検討してみてもよいと思われます。

日付:2010年4月4日  カテゴリー:婦人科の病気,子宮筋腫

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子宮筋腫の手術療法

 子宮筋腫の手術療法には、「子宮全摘術」「筋腫核出術」「子宮鏡下筋腫核出術」などがあります。

 

 子宮全摘術は、お腹をあけて子宮全体を摘出する手術です。子宮全体をとるので、当然その後の妊娠は望めなくなります。なので、通常は今後妊娠を望まないという方のみに行う手術です。30代でお産をしたことがない方にこの手術を行うことはめったにありませんが、筋腫が無数にあって子宮を残すのが難しいケースや、ご本人がどうしても子宮全体を取ってほしいと希望された場合は行うこともあります。

 卵巣に異常がなければ、両側の卵巣は残したまま子宮だけを取るので、子宮全摘術を行ったからと言ってホルモンのバランスが崩れるわけではありません。子宮全体を取るので、筋腫の再発もありませんし、今後子宮の病気になることはなくなります。

 入院期間は病院によって異なりますが、開腹手術つまりお腹をあける手術なので、大体10日前後の入院が必要になります。術後の回復に問題がなければ、退院後1週間程度で日常生活に戻れます。

 

 筋腫核出術は、筋腫のコブだけをくりぬいて子宮は残す手術です。主に、今後妊娠を希望する方に行う手術です。ただし、最近は妊娠する年齢が非常に高齢化してきているので、医学的には妊娠が難しい年齢でも子宮を残したいと希望される場合もあります。また、妊娠は望んでいないけれど「子宮を残す」ということにこだわる方もいらっしゃいますから、必ずしも妊娠することを前提とした手術とはいえません。

 筋腫が大きい場合や数が複数ある場合は、たいてい開腹手術で行います。ただし、筋腫の大きさがそれほど大きくなければ「腹腔鏡補助下手術」を選ぶこともできます。腹腔鏡でのぞきながら筋腫を細かく砕いていき、小さな穴から取り出すので、手術の傷を小さくすることが可能です。腹腔鏡補助下手術の場合、1週間程度の入院ですむこともありますが、開腹手術だとやはり10日前後の入院になります。

 子宮全摘術と異なるのは、子宮が残っているので手術後も筋腫が再発するリスクがあるのと、手術の時の出血量が多くなりやすいという点です。子宮全摘術と筋腫核出術を迷っている場合は、それぞれのメリットとデメリットをしっかり把握した上で主治医とよく相談しましょう。

 筋腫をとった後の子宮の壁はもろくなっていることもあるので、将来的に帝王切開が必要になることもあります。絶対に帝王切開でなければいけないのか、下からのお産つまり経腟分娩が可能なのかは、手術をした医師にしか分かりませんから、これも主治医にしっかり確認しておく必要があります。

 

 子宮鏡下筋腫核出術は、子宮のお部屋の中に飛び出している粘膜下筋腫に対して行う手術です。細いカメラを腟の方から子宮内に入れて、子宮のお部屋の中をのぞきながら、カメラの先から出ている電気メスで筋腫のコブを削っていきます。お腹をあける手術と違って傷はつきませんから、入院期間も数日ですみます。

 ただし、筋腫の大きさが大きいと一度の手術では取り切れなかったり、すぐに再発してしまうこともあるので、何度かにわけて手術を行うこともありますね。この手術は、粘膜下筋腫以外には行えませんから、全ての筋腫が子宮鏡下で取れるわけではないんですよ。

 

 どの術式を選ぶかも、筋腫の状態や妊娠の希望の有無などによって異なってきますから、手術が必要と判断されたらどういった選択肢があるのかをきちんと自分で把握するようにしましょうね。

日付:2010年4月4日  カテゴリー:婦人科の病気,子宮筋腫

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