子宮筋腫

子宮筋腫とは?症状・検査・治療・妊娠への影響

 

子宮筋腫は、子宮の筋肉から発生する良性腫瘍です。症状がなく健診で偶然見つかる方もいれば、過多月経、貧血、生理痛、頻尿、不妊などの原因になる方もいます。筋腫があるだけで、全員に治療や手術が必要になるわけではありません。[1]

 

治療の必要性は、筋腫の大きさだけではなく、できた場所、個数、症状、増大傾向、年齢、閉経までの期間、妊娠希望を合わせて判断します。

 

子宮筋腫について先に知っておきたいこと

  • 子宮筋腫は良性腫瘍で、症状がなければ経過観察できることが多い
  • 小さくても子宮内腔へ突出する筋腫は、過多月経や不妊の原因になり得る
  • 大きくても症状が少なく、すぐには治療しない場合がある
  • 診断の基本は内診と超音波検査で、必要に応じてMRIや子宮鏡を追加する
  • 薬物療法は主に症状を抑える治療で、手術には子宮を残す方法と全摘術がある
  • 閉経後は縮小することが多いが、閉経後の増大や出血は精査が必要

子宮筋腫の種類

種類 できる場所 主な特徴
粘膜下筋腫 子宮内腔へ向かって突出する 小さくても過多月経、不正出血、貧血、不妊の原因になりやすい
筋層内筋腫 子宮の筋肉の中にできる 過多月経、生理痛、子宮内腔の変形、圧迫症状などが大きさ・位置により起こる
漿膜下筋腫 子宮の外側へ向かって発育する 月経症状は出にくいが、大きくなると頻尿、便秘、腹部膨満などを起こす

症状の強さは、筋腫の直径だけでは決まりません。子宮内腔に近いか、周囲の臓器を圧迫しているかが重要です。

子宮筋腫の主な症状

  • 月経量が多い、血の塊が出る
  • 月経が長く続く
  • 生理痛、腰痛、骨盤痛
  • 月経以外の不正出血
  • 鉄欠乏性貧血による疲労感、動悸、息切れ、めまい
  • 下腹部の張り、しこり
  • 頻尿、排尿しにくい、便秘
  • 性交時痛
  • 不妊、流産・早産などへの影響

これらの症状は、子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮内膜ポリープ、卵巣腫瘍、ホルモン変動などでも起こります。筋腫が見つかっても、症状の原因が本当に筋腫かを確認することが大切です。

早めに受診した方がよい症状

  • 短時間でナプキンがいっぱいになる出血
  • 息切れ、動悸、胸痛、ふらつき、失神しそうな感覚
  • 突然の強い下腹部痛
  • おなかの張りやしこりが急に目立つ
  • 閉経後の出血、または閉経後に腫瘤が大きくなる

大量出血や強い貧血症状、突然の激痛がある場合は、通常の予約を待たず当日中の受診や救急受診を検討してください。

子宮筋腫の検査・診断

検査 確認すること
問診・内診 出血、痛み、圧迫症状、妊娠希望、子宮の大きさ・形・硬さなど
経腟超音波検査 筋腫の場所、大きさ、個数、子宮内腔の変形、卵巣の状態
経腹超音波検査 性交経験がない方、経腟検査を希望しない方、大きな病変などを確認
血液検査 ヘモグロビン、鉄欠乏など貧血の程度
MRI 大きい・多発する病変、腺筋症や卵巣腫瘍との鑑別、手術計画、非典型的な画像の評価
子宮鏡検査 粘膜下筋腫や子宮内膜ポリープなど、子宮内腔の状態

診断の基本は内診と超音波検査です。[1]子宮頸がん検診の細胞診だけでは、筋腫の場所や大きさは分かりません。腫瘍マーカーだけで筋腫と子宮肉腫を区別することもできません。

健診で「子宮筋腫の疑い」と言われた場合の受診時期と検査

治療せず経過観察できる場合

症状や貧血がなく、画像が典型的な筋腫で、妊娠や周囲臓器への影響が少ない場合は、定期的な超音波検査で経過を確認します。

観察間隔は全員一律ではありません。初めて見つかったか、過去と比較して増大しているか、年齢、閉経までの期間、症状、妊娠希望などから決めます。「治療しない」ことと「放置する」ことは異なります。

子宮筋腫の治療が必要なケースを詳しく見る

子宮筋腫の治療法

治療 主な目的 例
対症療法 出血、痛み、貧血を軽くする 鉄剤、トラネキサム酸、NSAIDs
ホルモン治療 月経量や生理痛を軽くする LEP・低用量ピル、ミレーナなど
筋腫を一時的に縮小する治療 出血の改善、閉経までの橋渡し、手術前治療 GnRHアゴニスト・アンタゴニスト
子宮温存手術 筋腫を除去して子宮を残す 子宮鏡下・腹腔鏡下・開腹筋腫核出術
根治的手術 筋腫の再発と子宮からの出血をなくす 子宮全摘術
その他の処置 子宮を残しながら筋腫を縮小、または出血を軽減 子宮動脈塞栓術、子宮内膜焼灼術など

薬物療法の多くは筋腫そのものをなくす治療ではなく、症状を抑える治療です。手術や処置も含め、それぞれに長所と注意点があります。[1][2]

子宮筋腫と妊娠

子宮筋腫があっても、妊娠・出産する方は多くいます。妊娠への影響は、子宮内腔を変形させる粘膜下筋腫や一部の筋層内筋腫で大きくなりやすく、漿膜下筋腫では比較的少ないと考えられます。

妊娠希望がある場合は、筋腫の場所・大きさ・個数だけでなく、年齢、妊娠希望時期、過去の妊娠歴、排卵・卵管・精液所見なども確認し、妊娠を先に目指すか、筋腫核出術を検討するか判断します。[2]

子宮筋腫はがんになりますか?

子宮筋腫は良性腫瘍で、一般に、筋腫が子宮肉腫へ変化する病気とは考えられていません。子宮肉腫は筋腫とは別に発生する、まれな悪性腫瘍です。

ただし、子宮平滑筋肉腫などは画像や症状が筋腫と似ており、手術前に完全に区別できない場合があります。画像が典型的でない、閉経後に増大する、閉経後出血がある場合などは、MRIや専門施設での評価を検討します。[3]

子宮筋腫についてよくある質問

Q. 子宮筋腫が見つかったら必ず手術ですか?

いいえ。症状や貧血がなく、妊娠・周囲臓器への影響が少なければ、経過観察できる場合が多くあります。

Q. 何cmになったら手術ですか?

大きさだけでは決まりません。小さな粘膜下筋腫で治療が必要なことも、大きめでも経過観察できることもあります。

Q. 閉経すれば筋腫はなくなりますか?

多くは閉経後に縮小しますが、必ず消失するわけではありません。閉経後の増大や出血は精査が必要です。

Q. 筋腫があってもピルやミレーナを使えますか?

使用できる場合があります。ただし、血栓症リスク、子宮内腔の変形、筋腫の位置などから適否を判断します。

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手術やMRIなどが必要な場合は、病状とご希望に合わせて連携医療機関へご紹介します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月10日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本婦人科腫瘍学会.子宮筋腫.
  2. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.CQ214~CQ216.
  3. 日本婦人科腫瘍学会.子宮肉腫.
  4. ACOG.Uterine Fibroids.

日付:2026年10月10日  カテゴリー:婦人科の病気,子宮筋腫

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子宮筋腫の治療が必要なケース|大きさだけで決まらない判断基準

 

子宮筋腫は、「何cm以上なら必ず治療・手術」という大きさだけでは判断できません。小さな粘膜下筋腫が重い貧血を起こすこともあれば、大きめの漿膜下筋腫でも症状がなく、経過観察できることがあります。

 

治療の必要性は、症状、貧血、筋腫の場所・大きさ・個数、増大傾向、年齢、閉経までの期間、妊娠希望、画像所見を総合して決めます。[1][2]

 

経過観察と治療を分ける主な目安

経過観察になりやすい状況 治療を検討する状況
月経量や痛みに困っていない 過多月経、強い生理痛、骨盤痛がある
貧血がない 鉄欠乏性貧血を繰り返す
圧迫症状がない 頻尿、排尿困難、便秘、腹部膨満などがある
子宮内腔への影響が少ない 子宮内腔の変形や粘膜下筋腫がある
大きさが安定している 明らかな増大傾向がある
妊娠・分娩への影響が少ない 不妊、流産・早産などへの影響が疑われる
画像が典型的な筋腫 画像が非典型的で、他の腫瘍との鑑別が必要

1.過多月経・貧血がある

子宮内腔へ突出する粘膜下筋腫や、内腔を変形させる筋層内筋腫では、月経量が増えやすくなります。

  • ナプキンやタンポンを1~2時間もたず交換する
  • 夜用ナプキンでも漏れる
  • 大きな血の塊が繰り返し出る
  • 月経が長く続く
  • 健診で貧血を指摘された
  • 疲れやすい、息切れ、動悸、めまいがある

過多月経では、出血を減らす治療と、鉄剤などによる貧血治療を同時に行います。鉄剤だけで数値を戻しても、出血が続けば再び貧血になるため、原因への治療が重要です。

2.生理痛・骨盤痛が生活を妨げている

鎮痛薬を使用しても仕事や学校を休む、毎月寝込む、痛みが月経時以外にも続く場合は治療を検討します。ただし、強い痛みは子宮腺筋症や子宮内膜症を併存していることもあるため、筋腫だけが原因かを確認します。

3.圧迫症状がある

筋腫が大きくなると、膀胱、直腸、尿管などを圧迫することがあります。

  • トイレが近い、夜間も何度も排尿する
  • 尿が出にくい、残尿感がある
  • 便秘が悪化した
  • 下腹部の張りやしこりが気になる
  • 腰痛や下腹部の重苦しさが続く

腎臓から膀胱へ尿を運ぶ尿管が圧迫されると、水腎症や腎機能への影響が生じることもあります。症状が強い場合は、手術を含めて治療を検討します。

4.大きい・増大している・画像が典型的でない

大きな筋腫でも、症状や臓器への影響が少なければ経過観察できる場合があります。一方、比較的小さくても短期間で変化がみられる、MRIなどで典型的な筋腫に見えない場合は、詳しい評価が必要です。

子宮筋腫は良性で、通常、筋腫が子宮肉腫へ変化するわけではありません。ただし、子宮肉腫は筋腫と画像・症状が似ることがあり、閉経後の増大、閉経後出血、非典型的な画像所見などがある場合は専門施設への紹介を検討します。[3]

5.妊娠への影響が疑われる

子宮筋腫があるだけで手術が必要になるわけではありません。妊娠への影響は、子宮内腔を変形させる粘膜下筋腫や一部の筋層内筋腫で問題になりやすく、漿膜下筋腫は影響が少ないことが多いと考えられます。

妊娠希望がある場合は、次の項目を確認します。

  • 子宮内腔の変形
  • 筋腫の場所・大きさ・個数
  • 過去の流産・早産・分娩障害
  • 年齢と妊娠希望時期
  • 排卵、卵管、精液所見など筋腫以外の不妊原因

妊娠希望がある方では、おおむね5~6cmが検討材料の一つになりますが、ガイドラインも大きさだけでは決めず、場所、個数、症状、成長、妊娠・分娩時期を含めた個別判断を勧めています。[2]

6.閉経まで待てるか

多くの子宮筋腫は、女性ホルモンが低下する閉経後に縮小します。そのため、閉経が近く、出血・貧血・圧迫症状を薬で安全に管理できる場合は、手術をせず閉経までつなぐ方法を選べることがあります。

ただし、「40代だから閉経まで我慢すればよい」とは限りません。閉経時期は正確に予測できず、重い貧血や圧迫症状を長く放置するデメリットもあります。閉経後に増大する、または出血する場合は、経過観察ではなく精査が必要です。

子宮筋腫は何cmで手術になりますか?

「10cm未満なら経過観察」「5cm以上なら必ず手術」という一律の基準はありません。

例 考え方
2cmの粘膜下筋腫+重い過多月経 小さくても治療・子宮鏡手術を検討することがある
6cmの筋層内筋腫+子宮内腔の変形+妊娠希望 年齢や不妊検査結果も含め、核出術を検討することがある
8cmの漿膜下筋腫+無症状 増大や臓器圧迫がなければ経過観察できる場合がある
閉経後に増大する腫瘤 大きさにかかわらず、肉腫などとの鑑別を含め精査する

治療が必要な場合の選択肢

目的 主な選択肢
出血・痛みを軽くする トラネキサム酸、NSAIDs、LEP・低用量ピル、ミレーナなど
貧血を改善する 鉄剤、必要に応じて静注鉄など+出血原因への治療
一時的に筋腫を縮小する GnRHアゴニスト・アンタゴニスト
子宮を残して筋腫を除去する 子宮鏡下・腹腔鏡下・開腹筋腫核出術
根治する 子宮全摘術
手術以外の処置を検討する 子宮動脈塞栓術、子宮内膜焼灼術など

子宮筋腫の薬物治療を詳しく見る
子宮筋腫の手術療法を詳しく見る

経過観察では何を確認しますか?

  • 月経量・日数、血の塊、不正出血
  • 生理痛、骨盤痛、圧迫症状
  • ヘモグロビンなど貧血の変化
  • 超音波による筋腫の大きさ・位置・個数
  • 妊娠希望や生活上の希望の変化

検査間隔は一律ではありません。初回診断か、過去と比較できるか、年齢、症状、増大傾向などから決めます。新しい症状が出た場合は、予定された受診日を待たずご相談ください。

子宮筋腫の治療判断についてよくある質問

Q. 筋腫が大きいと言われました。必ず手術ですか?

必ずではありません。症状、貧血、圧迫、増大、妊娠希望、画像所見を確認して判断します。

Q. 症状がなければ受診しなくてもよいですか?

治療不要でも、診断の確認と定期的な経過観察は必要です。医師から案内された時期に超音波検査を受けてください。

Q. 40代なら閉経まで薬で待てますか?

出血・貧血・圧迫症状を安全に管理できれば選択肢になります。ただし、閉経時期、症状の重さ、薬の副作用を踏まえて判断します。

Q. 妊娠希望があれば筋腫は取った方がよいですか?

すべての筋腫を取るわけではありません。子宮内腔への影響、年齢、不妊期間、他の不妊原因を確認して判断します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月10日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本婦人科腫瘍学会.子宮筋腫.
  2. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.CQ214~CQ216.
  3. 日本婦人科腫瘍学会.子宮肉腫.

日付:2026年10月10日  カテゴリー:婦人科の病気,子宮筋腫

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子宮筋腫の薬物治療|ピル・ミレーナ・GnRH治療の選び方

 

子宮筋腫の薬物治療には、「出血・痛み・貧血を軽くする治療」と「女性ホルモンを抑えて筋腫を一時的に縮小する治療」があります。薬だけで筋腫を完全になくすことはできませんが、症状を抑え、手術を避けたり、閉経まで安全につないだりできる場合があります。[1]

 

どの薬が合うかは、困っている症状、筋腫の場所、子宮内腔の変形、貧血、血栓症リスク、年齢、妊娠希望、閉経までの期間によって異なります。

 

薬物治療の2つの目的

治療目的 主な薬 筋腫の大きさ
症状を軽くする 鉄剤、トラネキサム酸、NSAIDs、LEP・低用量ピル、ミレーナ 基本的に筋腫を消失させない
月経を止め、筋腫を縮小する GnRHアゴニスト・アンタゴニスト 治療中は縮小するが、中止後に再増大することがある

鉄剤:貧血を改善する

過多月経による鉄欠乏性貧血がある場合は、内服鉄剤を使用します。貧血が重い、内服で胃腸症状が強い、十分に吸収できない、早く改善する必要がある場合などには、静注鉄を検討することがあります。

鉄剤は不足した鉄を補う薬であり、出血量を減らす薬ではありません。過多月経が続く場合は、出血を減らす治療も同時に行わないと、貧血を繰り返す可能性があります。

トラネキサム酸:月経量を減らす

トラネキサム酸は、血液のかたまりが分解されるのを抑え、月経量を減らす非ホルモン薬です。一般に月経量が多い時期に服用します。

向いていることがある方

  • ホルモン剤を希望しない
  • 妊娠を希望している
  • 月経量の多さが主な症状

血栓症の既往やリスク、腎機能、併用薬などによっては使用できない場合があります。自己判断で市販薬や他の止血薬と併用せず、医師・薬剤師へ確認してください。

NSAIDs:生理痛を軽くする

ロキソプロフェン、イブプロフェンなどのNSAIDsは、生理痛を軽くする鎮痛薬です。月経開始直前または痛み始めに服用すると効果が得られやすい場合があります。

胃潰瘍、腎疾患、NSAIDsで悪化する喘息、薬剤アレルギー、妊娠可能性、抗凝固薬などの併用には注意が必要です。痛みが毎月強い場合は、鎮痛薬だけを続けず、子宮腺筋症や子宮内膜症の併存も確認します。

LEP・低用量ピル:月経量と痛みを軽くする

LEP・低用量ピルは子宮内膜を薄く保ち、月経量や生理痛を軽くします。ただし、筋腫をなくす薬ではなく、子宮筋腫そのものを小さくする効果を目的に処方する薬ではありません。

日本では、月経困難症の治療用LEPと避妊目的のOCは、承認・保険上の位置づけが異なります。子宮筋腫があっても、月経困難症などの症状と安全性の条件を満たせば、LEPが選択肢になることがあります。

主な注意点

  • エストロゲンを含む製剤では、まれですが血栓症が重要な副作用
  • 前兆のある片頭痛、血栓症の既往、高血圧、年齢と喫煙状況などから適否を判断
  • 服用開始後に不正出血、吐き気、頭痛、乳房の張りなどが起こることがある
  • 大量出血や重い貧血がある場合は、他の治療を優先することがある

生理痛に使うピルの効果・副作用を詳しく見る

ミレーナ:過多月経を長期間抑える

ミレーナ(LNG-IUS)は子宮内で黄体ホルモンを放出し、子宮内膜を薄くして過多月経と生理痛を軽くします。最長5年間使用でき、毎日の服薬が不要です。

出産経験がないことだけを理由に使用できないわけではありません。ただし、筋腫によって子宮内腔が強く変形している場合は、挿入できない、正しい位置に保てない、自然脱出する可能性があります。

主な注意点

  • 挿入時の痛み
  • 装着後数か月の不正出血
  • 位置ずれ・自然脱出
  • まれな感染・子宮穿孔
  • 筋腫自体を小さくする治療ではない

ミレーナの効果・デメリットを詳しく見る

GnRHアゴニスト・アンタゴニスト:一時的に月経を止めて筋腫を縮小する

GnRHアゴニスト・アンタゴニストは、卵巣からのエストロゲン分泌を抑え、月経を止めて筋腫を縮小させる治療です。注射、点鼻薬、内服薬などがあります。

主な使用目的

  • 重い過多月経や貧血を短期間で改善する
  • 手術前に筋腫を縮小し、貧血を改善する
  • 閉経が近い方を閉経までつなぐ
  • 持病などで手術が難しい方の症状を一時的に抑える

主な副作用・限界

  • ほてり、発汗、頭痛、不眠、気分変化などの更年期様症状
  • 長期使用による骨密度低下
  • 不正出血
  • 治療終了後の月経再開と筋腫の再増大

骨量低下などのため、通常は漫然と長期連続投与する治療ではありません。使用できる期間や開始時期は製剤ごとに異なり、治療目的と閉経までの期間を確認して処方します。[1][2]

GnRHアンタゴニストのレルゴリクス(レルミナ)は内服薬ですが、妊娠中には使用できず、粘膜下筋腫では大量出血に注意が必要な場合があります。処方時の指示どおりに服用してください。[3]

薬物治療の比較

治療 出血 痛み 筋腫縮小 妊娠希望中
鉄剤 減らさない 効果なし なし 使用可能
トラネキサム酸 減らす 限定的 なし 状況により使用
NSAIDs 多少減ることがある 軽減 なし 時期・薬剤に注意
LEP・低用量ピル 減らす 軽減 目的としない 服用中は妊娠を目指さない
ミレーナ 大きく減らす 軽減 なし 装着中は妊娠を目指さない
GnRH治療 月経を止める 軽減 一時的に縮小 治療中は妊娠を目指さない

年齢・妊娠希望による選び方

状況 検討しやすい治療
妊娠を目指している 鉄剤、トラネキサム酸などを症状に応じて使用。筋腫の場所によって手術も検討
妊娠希望は将来 LEPなどで症状を管理しながら、筋腫の増大と妊娠時期を確認
長期に過多月経を抑えたい 子宮内腔の変形が強くなければミレーナを検討
手術前の重い貧血がある 鉄剤とGnRH治療などで出血・貧血を改善してから手術を検討
閉経が近い 症状と骨・心血管リスクを確認し、GnRH治療などで閉経までつなぐ方法を検討

薬から手術・処置へ切り替える目安

  • 薬を使っても過多月経や貧血が改善しない
  • 薬の副作用が強い、または安全上使用できない
  • 頻尿、排尿困難、便秘などの圧迫症状が強い
  • 妊娠への影響が疑われる
  • 筋腫が大きい・増大している
  • 画像が典型的でなく、病理診断が必要

薬を始めたら必ず閉経まで続けるわけではありません。症状、貧血、生活への影響、妊娠希望の変化に応じて、治療を見直します。

子宮筋腫の薬についてよくある質問

Q. 薬で子宮筋腫はなくなりますか?

基本的になくなりません。GnRH治療中は縮小しますが、中止後に再増大することがあります。

Q. ピルを飲むと筋腫が大きくなりますか?

ピルは筋腫を小さくする薬ではありませんが、月経量や痛みの改善に使うことがあります。筋腫の状態と安全性を確認し、定期的に経過をみます。

Q. 出産経験がなくてもミレーナを使えますか?

使用できる場合があります。出産経験だけで決めず、子宮の大きさ・形、内腔の変形、挿入時の痛みなどを確認します。

Q. レルミナを長く飲み続けられますか?

骨量低下などのため、通常は漫然と長期連続使用しません。使用期間は電子添文と治療目的に沿って医師が判断します。

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この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月10日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の処方・診断に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本婦人科腫瘍学会.子宮筋腫.
  2. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.CQ215・CQ216.
  3. PMDA.レルミナ錠40mg 医療用医薬品情報.
  4. NICE.Heavy menstrual bleeding: assessment and management(NG88).

日付:2026年10月10日  カテゴリー:婦人科の病気,子宮筋腫

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子宮筋腫の手術|子宮全摘・筋腫核出・子宮鏡手術を比較

 

子宮筋腫の手術方法は、筋腫の大きさだけでなく、症状、位置・個数、妊娠希望、年齢、過去の手術歴によって選びます。子宮を残す「筋腫核出術」と、子宮ごと摘出する「子宮全摘術」が中心で、粘膜下筋腫では腟から行う子宮鏡手術が適することもあります。[1][2]

 

手術が必要か、どの術式が可能かは個別に判断します。「何cmなら必ず全摘」「腹腔鏡なら必ずよい」という決め方ではありません。

 

子宮筋腫で手術を検討するケース

  • 過多月経や貧血が薬物治療で十分に改善しない
  • 強い月経痛、骨盤痛、圧迫感が続く
  • 頻尿、便秘、尿管の圧迫など周囲臓器への影響がある
  • 子宮内腔を変形させる筋腫が妊娠・不妊治療に影響すると考えられる
  • 筋腫が大きい、数が多い、増大している
  • 画像が典型的でなく、ほかの病気との区別が必要

症状がなく、妊娠や周囲臓器への影響が少なければ、定期的な診察と超音波検査で経過をみる選択もあります。

主な手術方法の比較

手術方法 向くことが多いケース 主な特徴・注意点
子宮鏡下筋腫摘出術 子宮内腔へ突出する粘膜下筋腫 腹部を切らず、子宮口から器具を入れて切除する。大きさや突出率によっては複数回の手術が必要
腹腔鏡下・ロボット支援下筋腫核出術 子宮を残したい方で、位置・大きさ・個数が適応範囲にある場合 小さな創で行う。出血、癒着、再発、将来の分娩方法などを事前に確認する
開腹筋腫核出術 非常に大きい、多数ある、深い位置にあるなどの場合 広い視野で対応しやすい一方、創が大きく、回復に時間を要する傾向がある
子宮全摘術 妊娠希望がなく、症状を根本的に解決したい場合 筋腫の再発はないが、その後の妊娠はできない。腹腔鏡、ロボット、腟式、開腹などの方法がある

子宮鏡手術は、ガイドラインでは一般に直径3cm以下で、筋腫の50%以上が子宮内腔へ突出する場合が目安とされています。ただし、施設の経験や機器によって適応は異なります。[2]

筋腫核出術と子宮全摘術、どちらを選ぶ?

比較項目 筋腫核出術 子宮全摘術
子宮 残す 摘出する
妊娠 術後に目指せる できない
月経 続く なくなる
筋腫の再発・新生 残った筋腫の増大や新しい筋腫が生じる可能性がある 子宮筋腫は再発しない
主な選択理由 妊娠希望、子宮を残したいという希望 再治療を避けたい、症状を根本的に解決したい

子宮全摘術で卵巣を残した場合、通常は手術直後に女性ホルモンがなくなるわけではありません。月経はなくなりますが、卵巣機能と更年期症状は別の問題です。卵巣を同時に摘出するかどうかは、年齢、卵巣の病気、遺伝的リスクなどを含めて相談します。

妊娠を希望する方の手術

妊娠希望があっても、すべての筋腫を手術するわけではありません。特に子宮内腔を変形させる粘膜下筋腫や一部の筋層内筋腫では、妊娠への影響を考えて核出術を検討します。無症状で子宮内腔への影響が少ない筋腫では、手術による癒着や子宮の傷とのバランスを考えます。[2]

術後に妊娠を開始できる時期は、筋腫の位置、子宮筋層を切開した深さ、縫合の状態によって異なります。また、将来の分娩で帝王切開が勧められるかどうかも術式によって変わります。手術を受ける施設で、妊娠開始時期と分娩方法を確認してください。

手術前に確認すること

  • 超音波・MRIによる筋腫の位置、大きさ、個数
  • 血算、鉄・フェリチンなど貧血の評価
  • 妊娠希望と子宮温存の希望
  • 子宮頸がん検診歴、必要に応じた子宮内膜の評価
  • 過去の手術歴、内科疾患、服用薬
  • 輸血・自己血貯血の可能性

貧血が強い場合は、鉄剤や月経量を減らす薬で手術前に改善を図ります。筋腫を一時的に縮小して出血を減らす目的で、GnRHアゴニスト・アンタゴニストを使うこともあります。

腹腔鏡手術と筋腫の細切について

腹腔鏡手術では、摘出した筋腫や子宮を小さな創から取り出すため、組織を細かくする処置が必要になることがあります。

頻度は低いものの、手術前に診断できなかった悪性腫瘍を細切すると、組織が腹腔内へ広がるおそれがあります。そのため、年齢や画像所見などを評価し、細切せずに取り出す方法や回収袋の中で行う方法を含めて、手術施設から説明を受けます。[3]

手術以外の処置

子宮動脈塞栓術(UAE)

筋腫へ血液を送る動脈を塞栓し、筋腫を縮小させる治療です。子宮を温存できますが、治療後の痛み、感染、卵巣機能への影響、再治療の可能性があります。将来の妊娠への影響は不確実な点があるため、妊娠希望がある方は慎重に検討します。[2]

集束超音波治療(FUS)など

MRIなどで位置を確認しながら超音波を集め、筋腫を加熱する方法があります。適応となる筋腫が限られ、実施施設も限定されます。妊娠希望、再治療の可能性、保険適用・費用を含めて確認が必要です。

手術の主なリスクと回復

子宮筋腫の手術では、出血・輸血、感染、血栓症、周囲臓器の損傷、癒着、麻酔合併症などが起こる可能性があります。筋腫核出術では筋腫の再発や、出血のため予定していた術式を変更する可能性についても説明を受けます。

入院期間や仕事復帰までの時間は、子宮鏡・腹腔鏡・開腹といった術式だけでなく、手術範囲、合併症、仕事内容によって異なります。固定の日数で考えず、退院後の運動、入浴、性交、仕事復帰の目安を手術施設に確認してください。

手術を決める前に確認したい質問

  • 手術を勧める一番の理由は何か
  • 経過観察や薬物治療を続けた場合の見通し
  • 子宮を残す方法は可能か、その利点と欠点
  • 予定する術式と、途中で変更する可能性
  • 輸血、再発、合併症の可能性
  • 妊娠開始の時期と将来の分娩方法
  • 入院、仕事復帰、費用の目安

子宮筋腫の手術についてよくある質問

Q. 筋腫が10cmなら子宮全摘ですか?

大きさだけでは決まりません。位置、個数、症状、妊娠希望、手術施設の対応範囲を確認し、核出術・全摘術・術前治療などを検討します。

Q. 子宮全摘をするとすぐ更年期になりますか?

卵巣を残せば、通常は直ちに卵巣ホルモンがなくなるわけではありません。月経がなくなることと、卵巣機能がなくなることは同じではありません。

Q. 腹腔鏡手術なら必ず早く退院できますか?

一般に開腹手術より創が小さい傾向がありますが、入院・回復期間は手術内容と経過によります。

Q. 筋腫核出術をすれば妊娠しやすくなりますか?

子宮内腔を変形させる筋腫などでは改善が期待される場合がありますが、年齢や卵管・精子など他の要因も関係し、手術で妊娠が保証されるわけではありません。

横浜駅近くで子宮筋腫の手術について相談したい方へ

横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、症状、超音波所見、貧血、妊娠希望を確認し、薬物治療を続けるか、手術を検討するかをご説明します。

手術が必要な場合は、希望する術式や妊娠計画も踏まえて連携医療機関へご紹介します。

WEB予約・診療時間はこちら
お電話:045-440-5577

この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月10日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・手術方針に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本婦人科腫瘍学会.子宮筋腫.
  2. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.CQ214~CQ216.
  3. U.S. Food and Drug Administration.Perform Only Contained Morcellation When Laparoscopic Power Morcellation Is Appropriate.2020.
  4. American College of Obstetricians and Gynecologists.Uterine Fibroids.

日付:2026年10月10日  カテゴリー:婦人科の病気,子宮筋腫

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女性の貧血の原因|生理・過多月経・子宮筋腫との関係

 

月経のある女性では、過多月経による鉄欠乏性貧血がよくみられます。しかし、貧血を「女性だから」「生理があるから」と決めつけてはいけません。子宮筋腫や子宮腺筋症による出血のほか、妊娠、消化管出血、鉄の吸収障害、慢性疾患、血液の病気などが隠れていることがあります。

 

貧血では、鉄を補うだけでなく、なぜ鉄が不足したのかを調べることが大切です。月経量が多い方は、婦人科で出血の原因を確認しましょう。[1][2]

 

貧血とは?ヘモグロビンと鉄欠乏の違い

貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が低くなり、全身へ酸素を運ぶ力が不足した状態です。基準値は年齢、妊娠の有無などで異なります。成人の非妊娠女性では、一般にヘモグロビン12g/dL未満が貧血の目安になります。[3]

一方、鉄欠乏は体内の貯蔵鉄が減った状態です。鉄の蓄えをみる代表的な検査がフェリチンです。ヘモグロビンがまだ正常でも、フェリチンが低く、鉄欠乏が先に進んでいることがあります。感染や炎症があるとフェリチンが高く見えることがあるため、結果はほかの検査と合わせて判断します。[4]

貧血・鉄欠乏でみられる症状

  • 疲れやすい、だるい
  • 階段や運動で息切れ・動悸がする
  • めまい、立ちくらみ、頭痛
  • 顔色が悪い
  • 集中しにくい、仕事や学業の能率が落ちる
  • 爪がもろい、抜け毛が気になる
  • 氷を無性に食べたくなる
  • 脚がむずむずして眠りにくい

ゆっくり貧血が進むと、体が慣れて症状を自覚しにくいことがあります。「元気だから大丈夫」とは限らず、過多月経がある方は血液検査で確認することが重要です。

生理による貧血を疑うサイン

  • 夜用ナプキンでも1~2時間で交換が必要
  • ナプキンとタンポンを併用しても漏れる
  • 大きな血の塊が繰り返し出る
  • 月経が8日以上続く
  • 以前より月経量が増えた
  • 月経中に外出や仕事・学校を制限している
  • 健診で貧血を繰り返し指摘される

月経量を正確に測る必要はありません。生活に支障が出るほど多いと感じる場合は、過多月経として相談できます。大量出血だけでなく、少量の出血が長く続いて鉄欠乏になることもあります。

月経量を増やす主な婦人科の病気

原因 特徴
子宮筋腫 特に子宮内腔へ突出する粘膜下筋腫は、小さくても過多月経・貧血の原因になる
子宮腺筋症 過多月経と強い月経痛を伴うことが多い
子宮内膜ポリープ 過多月経、不正出血、月経の長期化の原因になる
排卵障害 思春期、PCOS、周閉経期などで出血が不規則・大量になることがある
子宮内膜増殖症・子宮体がん 不正出血や過多月経を起こす。年齢やリスクに応じて子宮内膜検査を検討する
妊娠に関連する出血 妊娠の可能性がある時の出血は、流産・異所性妊娠などとの区別が必要

抗凝固薬などの薬、血液が固まりにくい病気、銅付加IUDなども月経量に影響することがあります。問診では、服用薬と出血しやすさも確認します。

生理以外で女性が鉄欠乏・貧血になる原因

  • 妊娠・授乳:必要な鉄の量が増える
  • 食事からの摂取不足:極端なダイエット、偏食など
  • 消化管からの出血:胃・十二指腸潰瘍、痔、大腸の病気など
  • 吸収障害:胃や腸の手術後、消化器疾患など
  • 献血・鼻出血など:繰り返す失血
  • 慢性疾患:腎臓病、炎症性疾患、悪性疾患など
  • 血液の病気:溶血、骨髄疾患、遺伝性疾患など
  • 鉄以外の栄養不足:ビタミンB12・葉酸欠乏など

月経量が多くない方、閉経後の方、鉄剤を飲んでも改善しない方では、婦人科以外の原因も評価します。閉経後の鉄欠乏性貧血を月経の影響として扱うことはできません。

貧血ではどんな検査をしますか?

血液検査

  • 血算:ヘモグロビン、ヘマトクリット、赤血球数、MCVなど
  • 鉄の評価:フェリチン、血清鉄、総鉄結合能・トランスフェリン飽和度など
  • 必要に応じて:腎・肝機能、炎症反応、ビタミンB12、葉酸、甲状腺機能など

婦人科の検査

  • 月経量、不正出血、痛み、妊娠可能性についての問診
  • 内診・超音波検査
  • 年齢・症状に応じた子宮頸がん検診、子宮内膜検査
  • 必要に応じてMRI、子宮鏡検査など

過多月経では、NICEのガイドラインも全血球計算を行うことを推奨しています。[2]月経だけで説明できない場合は、便潜血、消化管内視鏡などを内科・消化器科で検討します。

婦人科と内科、どちらを受診する?

症状・状況 主な相談先
月経量が多い、不正出血、強い月経痛がある 婦人科
月経がない、または閉経後なのに鉄欠乏性貧血がある 内科・消化器科を含む原因検索
過多月経も胃腸症状もある 婦人科と内科の両方
息苦しさ、失神、胸痛、動悸が強い 当日中の医療機関受診。症状が重ければ救急

まず受診しやすい診療科で血液検査を受け、結果に応じて連携する方法でも構いません。

鉄欠乏性貧血の治療

1.不足した鉄を補う

多くは経口鉄剤で治療します。吐き気、胃痛、便秘・下痢などが出る場合は、製剤、服用方法、投与間隔を調整できることがあります。貧血が強い、吸収が悪い、経口鉄剤が使えない、早い改善が必要な場合などには静注鉄剤を検討します。

ヘモグロビンが改善しても貯蔵鉄が十分に回復していないことがあるため、自己判断ですぐ中止せず、血液検査で確認します。サプリメントの鉄含有量は治療薬より少ないことがあり、中等度以上の貧血をサプリだけで治そうとしないでください。

2.出血の原因を治療する

月経による失血が続けば、鉄剤だけでは再発しやすくなります。原因と妊娠希望に応じて、トラネキサム酸、LEP・低用量ピル、黄体ホルモン製剤、ミレーナ、GnRH治療、子宮鏡手術、筋腫核出術、子宮全摘術などを選びます。[1][2]

3.食事は治療を補う

赤身肉、魚、貝、大豆製品、青菜などを組み合わせ、バランスよく摂ることは大切です。ただし、すでに貧血がある場合は食事だけで短期間に補うことが難しいため、必要な治療を受けましょう。

早めの受診・救急受診が必要な症状

  • 1時間ごとにナプキンを替えるような出血が続く
  • 立てないほどのめまい、失神
  • 安静にしていても息苦しい、胸が痛い
  • 脈が非常に速い、冷汗が出る
  • 妊娠の可能性があり、出血と腹痛がある
  • 閉経後に出血した

緊急性はヘモグロビンの数字だけでは決まりません。出血の速さ、症状、妊娠、心臓・肺の病気などを含めて判断します。

女性の貧血についてよくある質問

Q. ヘモグロビンが正常なら鉄不足ではありませんか?

正常でも、貯蔵鉄を示すフェリチンが低い「鉄欠乏」の段階があります。症状や月経量を踏まえて検査します。

Q. 健診で貧血と言われました。鉄サプリを飲めばよいですか?

先に原因を確認することが大切です。過多月経があれば婦人科で評価し、月経量が多くなければ消化管などほかの原因も検討します。

Q. 鉄剤を飲むと便が黒くなりました。大丈夫ですか?

鉄剤で便が黒くなることはあります。ただし、タール状の便、腹痛、ふらつきなどがある場合は消化管出血との区別が必要なため受診してください。

Q. 子宮筋腫が原因なら必ず手術ですか?

必ずではありません。筋腫の位置、症状、貧血、妊娠希望に応じて、薬物治療、ミレーナ、手術などから選びます。

横浜駅近くで過多月経・貧血をご相談になりたい方へ

横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、月経量や不正出血を伺い、超音波検査、血液検査などで貧血の原因を確認します。

鉄を補う治療と、出血を減らす治療を組み合わせ、妊娠希望や生活に合わせて治療法をご提案します。

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お電話:045-440-5577

この記事の執筆・医学監修

清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長

更新日・最終医学確認:2026年10月10日。本ページは一般的な医療情報であり、個別の診断・治療に代わるものではありません。

参考文献

  1. 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会.産婦人科診療ガイドライン―婦人科外来編2023.CQ214~CQ216ほか.
  2. National Institute for Health and Care Excellence.Heavy menstrual bleeding: assessment and management(NG88).
  3. World Health Organization.Guideline on haemoglobin cutoffs to define anaemia in individuals and populations.2024.
  4. World Health Organization.WHO guideline on use of ferritin concentrations to assess iron status in individuals and populations.2020.
  5. Ning S, Zeller MP. Management of iron deficiency. Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2019;2019(1):315-322.

-daysurgery.com/”>RENA CLINIC(レナクリニック)

日付:2026年10月10日  カテゴリー:子宮内膜症,子宮筋腫

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