日々の雑記
山瀬まみさんが患った「子宮体がん」とは?症状・検査・治療を解説
2025年10月、タレントの山瀬まみさんが、子宮体がんの手術と、その後に脳梗塞を発症してリハビリを受けたことを公表しました。2026年7月には、手術前から不正出血が続いていたものの、当初は「更年期による変化かもしれない」と考えていたことも伝えられています。[1][2]
このニュースから知っていただきたい最も重要なことは、月経ではない出血が続くときや、閉経後に出血したときは、「更年期だから」と自己判断せず、婦人科を受診してほしいということです。子宮体がんで最も多い症状は不正出血で、少量の出血や血の混じったおりものだけのこともあります。[3]
なお、ご本人が公表していない進行期(ステージ)、組織型、悪性度、追加治療、予後や、脳梗塞の詳しい原因を外部から判断することはできません。手術で子宮・卵巣やリンパ節を摘出したという情報だけで、「進行がんだった」と推測することもできません。本記事では個別の病状を推測せず、公表された内容を入口として、子宮体がんの一般的な医学情報を解説します。
山瀬まみさんの公表内容から分かること・分からないこと
| 公表されていること | 公表情報だけでは分からないこと |
|---|---|
| 子宮体がんと診断されたこと | 正確な進行期、組織型、グレード |
| 子宮・卵巣・リンパ節を含む手術を受けたと語っていること | 各臓器を摘出・評価した医学的な理由と病理結果 |
| 手術後に脳梗塞を発症し、リハビリを受けたこと | 脳梗塞の詳しい原因と子宮体がんとの因果関係 |
| 不正出血が続き、当初は更年期の変化と思っていたこと | 出血の期間・程度、受診までの詳しい経過 |
がんの進行期は、画像検査だけでなく、手術で摘出した組織を詳しく調べて最終的に決まることがあります。リンパ節の評価は、転移を確認して正確な進行期や術後治療を決める目的でも行われるため、リンパ節を調べたこと自体は「すでに転移していた」という意味ではありません。[4]
子宮体がんとは
子宮は、妊娠したときに赤ちゃんが育つ「子宮体部」と、腟につながる「子宮頸部」に分かれます。子宮体がんは子宮体部にできるがんで、その多くは子宮の内側を覆う子宮内膜から発生するため、「子宮内膜がん」とも呼ばれます。
閉経前後から閉経後に多い病気ですが、若い年代でも発症します。とくに排卵が少ない状態が長く続く方、肥満・糖尿病がある方、リンチ症候群など遺伝的なリスクがある方では、年齢だけで判断せず、症状があれば検査を検討します。
子宮体がんと子宮頸がんの違い
| 比較項目 | 子宮体がん | 子宮頸がん |
|---|---|---|
| 発生する場所 | 子宮の奥にある体部。多くは子宮内膜 | 子宮の入口にある頸部 |
| 主な関連因子 | ホルモン・代謝・遺伝など複数の因子 | 主にハイリスクHPVの持続感染 |
| 気づくきっかけ | 不正出血、閉経後出血、血の混じったおりもの | 初期は無症状が多く、検診で見つかることがある |
| 主な検査 | 経腟超音波、子宮内膜の細胞診・組織診など | 子宮頸部細胞診、HPV検査、コルポスコピー・組織診 |
| HPVワクチン | 子宮体がんを予防するワクチンではない | 原因となるHPV感染の多くを予防できる |
一般的な子宮頸がん検診は、子宮体がんを見つけるための検査ではありません。頸部細胞診が正常でも、子宮体がんを否定することはできないため、不正出血があれば検診結果にかかわらず婦人科を受診してください。
子宮体がんでみられる症状
最も多い症状は、月経ではない時期の出血です。次のような変化があればご相談ください。
- 月経と月経の間に出血する
- 月経が長引く、以前より量が増える
- 性交後に出血する
- ピンク色・茶色・血の混じったおりものが続く
- 閉経したはずなのに、少量でも出血する
進行すると、下腹部痛、性交時痛、腰痛、排尿・排便の変化、下肢のむくみなどが出ることもあります。ただし、これらは子宮筋腫、ポリープ、ホルモン変動、腟や子宮頸部の病気などでも起こります。症状だけで子宮体がんとは判断できません。
「更年期の不正出血」と決めつけないでください
更年期には排卵が不規則になり、月経周期や出血量が変わることがあります。その一方で、子宮体がんや子宮内膜増殖症でも似た出血が起こります。一般に、最後の月経から1年以上月経がないことを確認して閉経と判断します。閉経後の出血は、1回・少量でも受診の対象です。
短時間でナプキンがいっぱいになる出血、強い腹痛、ふらつき・息苦しさ・冷汗などがある場合は、通常の予約を待たず、救急受診を含めて早めに医療機関へ相談してください。
子宮体がんの原因・リスク因子
子宮体がんには、エストロゲンの影響と関連するタイプと、エストロゲンとの関連が比較的少ないタイプがあります。次の項目は主に発症リスクと関連します。[5][10]
- 排卵が少ない状態が長く続く月経不順、PMOS/PCOS
- 肥満
- 糖尿病
- 出産経験がないこと
- 閉経が遅いこと
- 子宮がある方へのエストロゲン単独投与
- 乳がん治療薬タモキシフェンの使用
- リンチ症候群などの遺伝的要因
リスク因子があっても必ず発症するわけではなく、明らかなリスク因子がない方にも起こります。「本人の生活習慣が原因」と決めつけることはできません。
月経不順で長期間月経が来ない場合は、子宮内膜を守るために定期的に出血を起こす治療や、低用量ピル・黄体ホルモン薬などを検討します。ホルモン補充療法中やタモキシフェン服用中も、自己判断で薬を中止せず、予定外の出血があれば処方医または婦人科へご相談ください。
子宮体がんが疑われるときの検査
- 問診・内診:出血の時期や量、閉経の有無、服用薬、妊娠可能性、家族歴などを確認します。
- 経腟超音波検査:子宮内膜の厚さや不整、ポリープ、筋腫、卵巣の状態などを確認します。
- 子宮内膜細胞診・組織診:子宮の奥に細い器具を入れて内膜を採取します。細胞診を行うこともありますが、確定診断には組織診が重要です。
- 子宮鏡検査・子宮内膜全面掻爬:病変が疑われるのに外来検査で十分な組織が取れない場合などに検討します。
- MRI・CTなど:がんと診断された場合、筋層への入り込みやリンパ節・他臓器への広がりを調べます。
超音波で子宮内膜が厚いだけでは、がんと確定しません。反対に、画像だけで完全に否定できるとも限りません。子宮体がんかどうか、組織型やグレードを確定するのは病理検査です。腫瘍マーカーの血液検査だけで子宮体がんの有無を診断することもできません。[6]
子宮内膜の採取時には、生理痛に似た痛みを感じることがあります。閉経後や出産経験がない方などでは器具が入りにくく、検体が十分に取れない場合もあります。痛みが不安な方、過去に検査が難しかった方は、検査前にお伝えください。
症状がなくても「子宮体がん検診」を受けるべき?
症状がなく、特別に高いリスクがない方全員に、子宮内膜細胞診や超音波検査を定期的に行うことは、国が推奨する対策型がん検診には含まれていません。検診によって死亡率を下げる効果が十分に確認されていないためです。[5][7]
一方、不正出血や閉経後出血がある場合に行う検査は「検診」ではなく、症状の原因を調べるための診療です。次回の子宮頸がん検診まで待たずに受診してください。
リンチ症候群が疑われる家族歴がある方、子宮内膜異型増殖症の既往がある方などでは、一般の方と異なる管理が必要になることがあります。大腸がん・子宮体がん・卵巣がんなどが家族内で多い場合は、遺伝カウンセリングを含めてご相談ください。
子宮体がんの治療
治療は、進行期、組織型、グレード、遺伝子・分子学的な特徴、年齢、持病、妊娠希望などを総合して決めます。手術可能な場合は手術が中心で、摘出した組織の病理結果をもとに、追加治療が必要かを判断します。[4][8]
| 治療 | 主な役割 |
|---|---|
| 手術 | 子宮、卵管・卵巣などを摘出し、必要に応じてリンパ節や腹腔内を評価する |
| 経過観察 | 手術後の再発リスクが低い場合は、追加治療をせず定期診察を行うことがある |
| 薬物療法 | 抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬、黄体ホルモン薬などを病状に応じて使う |
| 放射線治療 | 手術が難しい場合、再発予防、再発部位の治療、症状緩和などを目的に行う |
| 緩和ケア・支持療法 | 診断時から、痛みや不安、治療の副作用など心身のつらさを和らげる |
なぜ子宮・卵巣・リンパ節を調べるのですか?
子宮体がんの標準的な手術では、原発巣のある子宮を摘出し、卵管・卵巣も摘出することがあります。年齢やがんの性質によっては卵巣温存を検討できる場合もありますが、全員に適する方法ではありません。
リンパ節については、画像所見、推定進行期、組織型やグレードなどをもとに、切除・生検を行うか判断します。施設や病状によっては、最初に流れ着くリンパ節を調べるセンチネルリンパ節生検が検討されます。
手術範囲は、がんの広がりを確認し、術後治療を適切に選ぶためにも決められます。したがって、「卵巣やリンパ節も取った=進行がん」「広い手術=予後が悪い」と単純に結びつけることはできません。
妊娠希望がある場合、子宮を残せますか?
子宮体がんの標準治療は子宮摘出ですが、妊娠を強く希望する若い方で、子宮筋層への浸潤がない類内膜がんグレード1など、厳しい条件を満たすごく早期の病変では、高用量黄体ホルモン療法による妊孕性温存を検討できる場合があります。子宮内膜異型増殖症も対象になることがあります。[8]
妊孕性温存治療には、効果が得られない可能性、血栓症などの副作用、治療後の再発リスクがあります。定期的な子宮内膜組織診が必要で、病変が消失した後は再発前に効率よく妊娠を目指すため、生殖医療科との連携を検討します。治療経験のある婦人科腫瘍専門施設で、標準治療との差を十分に理解して選択することが重要です。
子宮体がんと脳梗塞には関係がありますか?
がんがあると血液が固まりやすくなることがあり、手術、安静、脱水、年齢や持病なども血栓症のリスクに影響します。がんに関連する脳梗塞は「がん関連脳梗塞」と呼ばれ、トルソー症候群の一部として扱われることもありますが、脳梗塞には心房細動や動脈硬化など多くの原因があります。[9]
山瀬さんの脳梗塞が、どの機序で起きたかは公表情報だけでは判断できません。個別の因果関係は検査結果と治療経過を把握している医療チームが判断します。
顔の片側が下がる、片腕に力が入らない、言葉が出ない・ろれつが回らない、突然の激しいふらつきなどが現れた場合は、様子を見ず救急要請してください。
子宮体がんのリスクを下げ、早く見つけるためにできること
- 長期間月経が来ない状態を放置せず、月経不順の治療を相談する
- 無理のない範囲で適正体重を目指し、糖尿病を適切に管理する
- 子宮がある状態でホルモン補充療法を受けるときは、処方どおりに黄体ホルモンを併用する
- 予定外の出血や閉経後出血があれば、量が少なくても受診する
- 特徴的ながんの家族歴がある場合は、遺伝カウンセリングを検討する
これらを行っても、すべての子宮体がんを予防できるわけではありません。早期発見のために最も実践しやすい行動は、「いつもと違う出血を放置しない」ことです。
子宮体がんについてよくある質問
Q. 子宮頸がん検診を毎年受けていれば、子宮体がんも分かりますか?
いいえ。子宮頸がん検診は子宮頸部の細胞を調べる検査で、子宮体がんを目的とした検査ではありません。不正出血がある場合は、検診結果が正常でも婦人科を受診してください。
Q. 閉経後に一度だけ少量出血しました。様子を見てもよいですか?
閉経後出血は、一度・少量でも原因を確認した方がよい症状です。萎縮性腟炎など良性の原因も多いですが、自己判断せずご相談ください。
Q. 超音波で「子宮内膜が厚い」と言われたら、がんですか?
厚いだけでがんとは確定しません。年齢、閉経の有無、月経周期、ホルモン薬、出血症状などを確認し、必要に応じて子宮内膜の組織検査を行います。
Q. 子宮体がんは必ず子宮を摘出しますか?
手術可能な子宮体がんでは子宮摘出が標準です。ただし、厳しい条件を満たすごく早期の病変で妊娠を強く希望する場合は、専門施設で妊孕性温存治療を検討できることがあります。
Q. HPVワクチンで子宮体がんも予防できますか?
HPVワクチンは主にHPV感染による子宮頸がんなどを予防するワクチンで、子宮体がんを予防するものではありません。子宮体がんの早期発見には、不正出血を放置しないことが重要です。
横浜駅近くで不正出血・閉経後出血をご相談になりたい方へ
横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~では、女性医師が出血の時期や服用薬を確認し、必要に応じて内診、経腟超音波検査、子宮内膜検査などをご案内します。
子宮体がんが疑われる場合や診断された場合は、病状に応じて婦人科腫瘍を専門とする連携医療機関へご紹介します。
予約方法・診療時間はこちら
お電話:045-440-5577
この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月5日。本ページは一般的な医療情報であり、山瀬まみさん個人の病状を推測するものではありません。また、個別の診断・治療に代わるものではありません。
参考文献
- テレビ朝日.山瀬まみさんの公表内容に関する記事.2026年7月9日.
- ORICON NEWS.山瀬まみさんの子宮体がん公表に関する記事.2025年10月7日.
- 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん).
- 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん) 治療.
- 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん) 予防・検診.
- 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮体がん(子宮内膜がん) 検査.
- 厚生労働省委託 がん対策推進企業アクション.がん検診や就労支援に関するQ&A.
- 日本婦人科腫瘍学会.子宮体がん.
- 国立がん研究センター がん情報サービス.トルソー症候群/がん関連血栓症の特徴と治療.
- National Cancer Institute.Endometrial Cancer Causes, Risk Factors, and Prevention.
日付:2026年10月5日 カテゴリー:日々の雑記
横浜市のHPV単独検診とは?当院510件の結果と受けるメリット
横浜市では2025年1月から、30~60歳の子宮頸がん検診に「HPV検査単独法」が導入されました。HPV検査は、子宮頸がんの原因となるハイリスクHPVへの感染を先に調べ、陽性者だけに同じ検体で細胞診を追加する方法です。細胞診より高度な前がん病変を見逃しにくく、陰性の場合は将来の発症リスクが低いことをより確かに予測できます。[1][2]
当院では2025年1月~12月に、横浜市のHPV単独検診を510件実施しました。HPV陽性は38件(7.45%)で、陽性者のうち12件(31.6%)に細胞診異常がありました。精密検査によってCIN1以上が10件見つかり、そのうち30代の1人はCIN3と診断され、子宮を残す円錐切除術につながりました。[9]
子宮頸がん検診の目的は、症状が出てからがんを見つけることではなく、できるだけ「がんになる前」の異形成段階で発見することです。特に30代は、妊娠・出産を考える時期と子宮頸がんが増える時期が重なります。症状がなくても、対象となる時期に検診を受け、陽性後の追跡を中断しないことが重要です。
横浜市HPV単独検診の対象・費用・間隔
| 年齢 | 横浜市の検査方法 | 受診間隔 | 自己負担額 |
|---|---|---|---|
| 20~29歳 | 子宮頸部細胞診 | 2年度に1回 | 1,360円 |
| 30~60歳 | HPV検査単独法 | 原則、30歳から5歳刻みの節目年齢 | 2,000円 |
| 61歳以上 | 子宮頸部細胞診 | 2年度に1回 | 1,360円 |
HPV検査を受けるには、横浜市から届く受診券バーコードシールと本人確認書類が必要です。初回は受診日時点で30~60歳であれば受けられます。2回目以降の時期は、年齢と前回結果によって異なります。妊婦健診のクーポンを使用する30歳以上の妊婦は細胞診になります。[1]
※対象、費用、無料措置は変更されることがあります。受診時点の横浜市の案内をご確認ください。治療中・経過観察中の方は住民検診ではなく、主治医の指示による検査が必要です。
当院の2025年HPV単独検診510件の結果

2025年1月~12月の当院院内集計。CIN3の1人は円錐切除術につながりました。
| 集計項目 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 検査総数 | 510件 | ― |
| HPV陽性 | 38件 | 全受診者の7.45% |
| HPV陽性かつ細胞診異常 | 12件 | HPV陽性者の31.6% |
| CIN1以上を確認 | 10件 | 全受診者の2.0% |
| CIN2以上を確認 | 2件 | 全受診者の0.39% |
| CIN3を確認 | 1件 | 全受診者の0.20% |
※当院の実診療における院内集計であり、査読を受けた研究ではありません。組織診はHPV陽性者全員ではなく、トリアージ細胞診で異常があった方に実施しています。そのため、上記は「検診を起点に確認された病変の割合」であり、受診者全体の真の有病率を示すものではありません。[9]
院内データから分かる4つのこと
1.約13人に1人がHPV陽性でした
510件中38件がHPV陽性で、陽性率は7.45%でした。HPV陽性は「がんがある」という意味ではなく、子宮頸がんにつながる可能性のあるハイリスクHPVが検出されたという意味です。
2.HPV陽性者の約7割は、その時点の細胞診に異常がありませんでした
HPV陽性38件のうち、細胞診異常は12件でした。言い換えると26件(68.4%)では、トリアージ細胞診に異常が確認されませんでした。これは「もう検査不要」という意味ではありません。細胞がまだ変化していない段階でリスクを把握できたと考え、横浜市の案内に従って1年後にHPV検査を受け、陰性化したか、持続感染しているかを確認します。
3.細胞診異常12件のうち、組織診で10件にCIN1以上が見つかりました
細胞診異常の内訳はLSIL 7件、ASC-US 5件でした。組織診では、異形成なし2件、CIN1 8件、CIN2 1件、CIN3 1件でした。細胞診と組織診の診断名は必ずしも一致しないため、細胞診異常だけで病変の程度を決めず、コルポスコピー・生検で確認する必要があります。
4.CIN3の1人は30代で、円錐切除術につながりました
CIN3は浸潤がんではありませんが、治療せずに経過すると一部が浸潤がんへ進む可能性がある高度な前がん病変です。この方は円錐切除術を受け、子宮を残した治療につながりました。1人の事例を全員に当てはめることはできませんが、症状のない30代で検診を受ける意義を示す例です。
HPV陽性者の半数以上が30代でした

| 年代 | HPV陽性件数 | 陽性者38人に占める割合 |
|---|---|---|
| 30代 | 20件 | 52.6% |
| 40代 | 8件 | 21.1% |
| 50代 | 7件 | 18.4% |
| 60代 | 3件 | 7.9% |
今回の陽性者で最も多かったのは30代でした。ただし、年代別の受診総数を分母にした集計ではないため、「30代の陽性率が最も高い」とまでは言えません。
それでも30代は、子宮頸がんが増え始める時期であり、妊娠・出産を考える時期とも重なります。妊娠してから異形成や子宮頸がんが見つかると、検査・治療の時期と妊娠管理を同時に考える必要があります。妊娠を希望する方こそ、妊娠前を含め、対象時期の検診を後回しにしないことをおすすめします。
検出されたHPV型
| HPV型 | 検出件数 |
|---|---|
| 16型 | 7件 |
| 18型 | 3件 |
| その他のハイリスク型 | 34件 |
1人から複数の型が検出される重複感染があるため、型別の件数は延べ数で、合計はHPV陽性者38人を超えます。16型・18型だけでなく、その他のハイリスク型でも異形成や子宮頸がんにつながる可能性があるため、型名だけで自己判断せず、検診結果に示された次の検査を受けることが大切です。
なぜHPV検査単独法が有効なのですか?
子宮頸がんの多くは、ハイリスクHPVの持続感染から始まります。細胞診が「すでに起きている細胞の形の変化」を見る検査であるのに対し、HPV検査はその前段階にある「発がんリスクの高いウイルス感染」を調べます。
複数の研究をまとめたCochraneレビューでは、CIN2以上を見つける感度は、代表的なHPV検査で89.9%、従来法の細胞診で62.5%、液状化細胞診で72.9%でした。一方、HPV検査は一過性感染も拾うため、細胞診より特異度が低く、不要な紹介・追加検査が増える可能性があります。[4]
つまり、HPV検査は「陽性者全員をすぐ生検する検査」ではありません。まず感度の高いHPV検査でリスクがある方を拾い、同じ検体の細胞診で精密検査が必要な方を絞り込みます。陰性の場合は高度病変を見逃す可能性が低いため、対象年齢と精度管理が守られれば、検診間隔を原則5年に延ばせます。欧州の無作為化試験をまとめた研究でも、HPV検査を基盤とした検診は細胞診より浸潤がんの予防効果が高いことが示されています。[5]
HPV検査後の流れ
| HPV検査 | トリアージ細胞診 | 横浜市の判定 | 次の対応 |
|---|---|---|---|
| 陰性 | 通常は実施しない | 精検不要 | 年齢に応じて1~5年後にHPV検査 |
| 陽性 | 異常なし | 要追跡検査 | 1年後にHPV検査 |
| 陽性 | 異常あり | 要確定精検 | 速やかにコルポスコピー・生検など |
HPV陽性・細胞診異常なしは、「異常なし」ではなく「1年後の確認が必要」という結果です。HPV検査単独法の効果は、陽性者が決められた追跡検査や精密検査を受けることで初めて得られます。
20代は、なぜHPV検査ではなく細胞診なのですか?
20代はHPVに感染する機会が比較的多い一方、その多くは一過性で、時間とともに検出されなくなります。20代全員にHPV検査を行うと、将来問題にならない感染まで多数拾い、不安や不要な再検査・コルポスコピーを増やす可能性があります。厚生労働省の検討でも、20代では一過性感染が多いことから、HPV検査単独法は30歳以降、20代は細胞診とされています。[3]
横浜市では20~29歳は2年度に1回の細胞診が対象です。細胞診は、すでに生じている細胞変化を直接確認するため、20代の検診方法として利益と不利益のバランスがよいと考えられています。
ただし、性交後出血、不正出血、血の混じったおりものなどがある場合は、年齢や検診時期にかかわらず診察が必要です。症状がある方は「次の検診」を待たず、婦人科を受診してください。
検診のメリットは、妊孕性を考えられる段階で見つけること
子宮頸がんは、HPVの持続感染からCIN1・CIN2・CIN3という異形成を経て、時間をかけて浸潤がんへ進むことが多い病気です。症状のない時期に検診を受ければ、がんになる前の異形成、またはごく早期の段階で発見できる可能性が高まります。
CIN1は直ちに手術をせず経過観察となることが多く、CIN2も年齢・妊娠希望・病変の経過などを踏まえて慎重に管理します。CIN3では円錐切除術などが検討され、子宮を残せる場合があります。ごく早期の子宮頸がんでも、条件を満たせば妊孕性温存治療が選択肢になりますが、病変が進行すると子宮摘出や放射線治療などが必要になる可能性が高まります。[6]
一方、円錐切除術などの子宮頸部治療は、将来の早産リスクを高めることがあります。[7]検診は必要な病変を早く見つけるために重要ですが、不要な治療を増やさないことも同じように大切です。そのため、HPV検査陽性だけで治療せず、細胞診・コルポスコピー・組織診を順に行って、本当に治療が必要かを判断します。
HPV検診だけでは不十分な点
- HPV陽性だけでは、感染が一過性か持続性か、異形成があるかは確定できない
- 陰性でも、将来の新しいHPV感染やすべての子宮頸がんを永久に否定するものではない
- 検査には偽陰性・偽陽性があり、100%の検査ではない
- HPV陽性後の1年後検査や精密検査を受けなければ、検診の効果が十分に得られない
- 不正出血などの症状がある方を診断する検査ではない
- 子宮体がん、卵巣がん、性感染症などをまとめて調べる検査ではない
検診は「受けて終わり」ではありません。結果を確認し、指定された次回時期を守るところまでが検診です。
検診を補完するのが、適切な時期のHPVワクチン接種です

HPV検診は、すでに起きている感染や細胞変化を早く見つける方法で、HPVへの感染そのものを防ぐ検査ではありません。これを補完するのがHPVワクチンです。
HPVワクチンは、ワクチンに含まれる型への新しい感染を予防します。既存のHPV感染を消したり、現在の異形成を治したりするものではないため、感染前の適切な年齢で接種するほど効果が期待できます。日本の定期接種は小学6年生~高校1年生相当の女子が対象です。[8]
ワクチンですべての発がん性HPVを防げるわけではなく、接種前に成立した感染への治療効果もありません。したがって、ワクチン接種後も対象年齢になったら検診が必要です。若い時期のワクチン接種で感染リスクを下げ、成人後の検診で前がん病変を見逃さないことが、子宮頸がん予防の二本柱です。
当院で横浜市HPV単独検診を受ける流れ
- WEBまたは電話で子宮頸がん検診を予約する
- 受診券バーコードシールと本人確認書類を持参する
- 問診後、腟鏡を使用して子宮頸部から検体を採取する
- 結果を確認し、次回検診・1年後追跡検査・精密検査のいずれかへ進む
採取そのものは通常短時間で終わります。月経量が多い日は正確な検査が難しいことがあるため、可能であれば出血の多い時期を避けてご予約ください。強い痛みが心配な方、性交経験がない方、妊娠中・妊娠の可能性がある方は事前にお伝えください。
横浜市のHPV単独検診についてよくある質問
Q. HPV陽性なら、子宮頸がんですか?
いいえ。HPV陽性はハイリスクHPVが検出されたという結果で、がんや異形成の診断ではありません。同じ検体の細胞診と、その後に必要な検査で病変の有無を確認します。
Q. HPV陽性でも細胞診が正常なら、もう心配ありませんか?
「要追跡検査」にあたり、1年後のHPV検査が必要です。持続感染しているか、陰性化したかを確認するまで追跡を中断しないでください。
Q. 20代でも希望すればHPV検査を受けた方がよいですか?
平均的なリスクの20代の住民検診では、横浜市は2年度に1回の細胞診を採用しています。20代は一過性HPV感染が多く、HPV検査を一律に行うと不要な追加検査が増えるためです。過去の異常や免疫低下などがある方は、一般の検診とは別に医師へご相談ください。
Q. HPVワクチンを接種していれば検診は不要ですか?
必要です。ワクチンはすべての発がん性HPV型を防ぐわけではなく、接種前の感染を治療するものでもありません。接種歴にかかわらず、対象年齢と検査間隔に従って検診を受けます。
Q. 30代で妊娠を希望しています。検診は妊娠後でもよいですか?
妊娠前に対象となる検診を済ませておくと、異常が見つかった場合の精密検査や治療時期を落ち着いて相談できます。すでに妊娠している方は、妊婦健診の案内に従って細胞診を受けてください。
Q. 不正出血がありますが、市の検診を予約すればよいですか?
不正出血、性交後出血、血の混じったおりものなどがある場合は、無症状者向けの検診ではなく婦人科診察を受けてください。症状に応じて保険診療で必要な検査を行います。
関連ページ
横浜駅近くでHPV単独検診をご希望の方へ
横浜駅から徒歩6分、ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~は、横浜市子宮頸がん検診の実施医療機関です。女性医師が検査を行い、HPV陽性後の追跡検査、コルポスコピー・組織診にも対応しています。専門医療機関での治療が必要な場合は、結果に応じてご紹介します。
WEB予約・予約方法はこちら
お電話でのご予約:045-440-5577
この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
更新日・最終医学確認:2026年10月2日。本ページは一般的な医療情報と当院の院内集計であり、個別の診断・検査・治療方針に代わるものではありません。横浜市の制度・費用は変更される場合があります。
参考文献・集計資料
- 横浜市.子宮頸がん検診 HPV検査.2026年9月11日更新.
- 国立がん研究センターがん対策研究所.HPV検査単独法による子宮頸がん検診.2026年4月1日更新.
- 厚生労働省.第32回がん検診のあり方に関する検討会 議事録.
- Koliopoulos G, et al. Cytology versus HPV testing for cervical cancer screening in the general population. Cochrane Database Syst Rev. 2017;8:CD008587. PMC.
- Ronco G, et al. Efficacy of HPV-based screening for prevention of invasive cervical cancer: follow-up of four European randomised controlled trials. Lancet. 2014;383:524-532. PubMed.
- 国立がん研究センター がん情報サービス.子宮頸がん 治療.
- Kyrgiou M, et al. Adverse obstetric outcomes after local treatment for cervical preinvasive and early invasive disease. BMJ. 2016;354:i3633. PubMed.
- 厚生労働省.HPVワクチン.
- ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~.2025年1月~12月 横浜市HPV検査単独法 院内集計(検査総数510件).
日付:2026年10月2日 カテゴリー:日々の雑記
かかりつけ医が閉院してお困りの患者様・横浜駅近くで女医の婦人科をお探しの方へ
かかりつけが急に閉院してお困りの方は遠隔診療でも対応いたします
最近、これまでピルやホルモン補充療法(HRT) の処方をしてもらっていたかかりつけが急に閉院したため、急遽転院が必要になったとおっしゃって受診なさる方が増えています。
特に増えているのは下記のクリニックさんからの転院です。
田中クリニック横浜公園
みどりレディースクリニック横浜
かもい女性総合クリニック
かかりつけの医師が急なご病気になられたり、分院との統廃合で場所が変わってしまったりして、通える病院がなくなってしまったというケースが多いようです。
当院では、
*ピルやミニピル(黄体ホルモン剤)の処方
*ホルモン補充療法や漢方治療による更年期治療
*子宮頚部異形成の定期検査
*子宮筋腫や子宮内膜症の定期検査
などを引き継いで行うことが可能です。
当院は、横浜駅から徒歩6分という立地ですので、ご自宅がすぐ近くではなくても比較的通院していただきやすい場所にあります。
また、土曜日も終日診療しておりますので、平日の通院が難しい方も土曜日診療と遠隔診療を組み合わせて、利便性重視でご利用いただくことも可能です。
診察する意思は全員女性医師ですのでご安心ください。
⇒横浜駅近くの婦人科クリニック「ポートサイド女性総合クリニック」のご予約はこちらから。
紹介状は不要です
転院の場合、前の病院からの紹介状があった方が、これまでの経過が分かるため参考になります。
ただ、急な閉院の場合、紹介状がお手元にないケースがほとんどかと思われます。
前の病院で行った検査の内容や、処方されているお薬の内容を、ご本人が把握していらっしゃれば、受診時に口頭で確認させていただきますので、紹介状は必ずしも必要ではありません。
お薬手帳や、前の病院で受けた検査の結果が分かるものがあればお持ちいただけると大変助かります。
不要な検査は行いません
前の病院で必要な検査を受けていらっしゃる場合、当院で再度同じ検査を行う必要はありません。
何らかの異常があり、3~6か月ごとの定期的な検査が必要な状態であれば、時期をご相談して同じ検査を行う場合はございます。
また、子宮頚がん検診など、異常がなくても一定期間ごとに行った方がよい検査も、転院後に必要なタイミングで受けていただく場合がございます。
転院したら、また最初からすべての検査を行うというわけではありませんのでご安心ください。
遠隔診療でも対応しています
かかりつけに通院できなくなったけれど、まだ次の病院が確保できておらず、かつ、当院は通院するには遠いという場合、ひとまずお薬が途切れないように遠隔診療でつなぎ処方を行うことも可能です。
この場合は、次の病院が確保できるまでの緊急措置として、1~3か月分のお薬を継続処方でお出ししています。
遠隔診療をご希望の方は、「遠隔処方をご希望の方へ」をご参照ください。
日付:2026年9月29日 カテゴリー:日々の雑記
HPVワクチンについてよくある質問
患者様や保護者の方からよく頂くご質問についてまとめました
Q:本当に副作用は大丈夫だと言えるのですか?
A:ワクチンも「薬剤」なので副反応が全くないとは言い切れません。ごくまれに副反応が発生する場合があり、それが例え1万分の1の確率であっても、あなたが1万人に1人に該当することもあり得ます。ただ、統計学的には、ワクチン未接種の方と接種後の方の健康状態には大きな差がないという結果が出ています(名古屋スタディ参照)。風邪薬やサプリメントでも、健康被害が出ることはあります。そのリスクは気にせず、ワクチンだけを「特別に」恐れてしまうのはなぜなのかを考えてみるとよいかもしれません。
Q:これまでに重篤な副作用が出た人はいますか?
A:当院で2025年にHPVワクチンを接種した方は、延べ369名でした。このうち、重篤な副作用が出た方はいらっしゃいません。接種後に、迷走神経反射で気分不良や一時的な意識消失がみられた方が、2名いらっしゃいましたが、いずれも数分で回復なさり、その後の体調に問題はありませんでした。当院では、ワクチン接種前に血圧を測定させていただき、血圧が低めの方には「ベッドに横になった状態での接種」「接種後の安静時間を延長」「いきなり立ち上がらず段階的に安静解除」という対策をとらせていただいております。
Q:ワクチンを接種しなくても子宮頚がんになる人はそれほど多くないのではないですか?
A:日本では年間約1万人(人口10万人対16.4人)が子宮頚がんに罹患し、約2,700人(人口10万人対4.4人)が亡くなっています。特に20〜30歳代の若年層で罹患率・死亡率ともに増加傾向にあり、20代女性のがんの過半数を占めています。「年間1万人」が多いと感じるのか、「それほどでもない」と感じるのかは個人の判断となります。しかし、オーストラリアでは「ほぼ撲滅される可能性が高い」と言われている子宮頚がんが、日本ではまだ年間1万人「も」発生していることは、患者様の健康を守る立場としては憂慮すべき事態と考えています。
Q:検診を毎年受けていれば大丈夫なのではないですか?
A:検診は、がんになる前に「早期発見」することで、「進行した癌によって命を落とす」ことを予防するためのものです。がんになる前又は早期のがんの段階で治療を行うことにも大変意味があります。しかし、「子宮の手術が必要になる」ことを防ぐことができるわけではありません。高度異形成や上皮内癌に対して行う「円錐切除」という手術は、子宮頚部の長さが短くなるため、不妊や早産のリスクを作ることになります。また、子宮全摘を行えば、将来の妊孕性(妊娠できる可能性)がなくなります。たとえ手術が必要な段階まで進行しなくても、「異形成」というグレーゾーンの段階と診断されると、定期的な組織診が必要になったり、「いつか癌になるかもしれない」という不安を抱えたまま過ごさなければならなくなります。異形成を予防するためには、ワクチンが必要です。
Q:性行為の経験があるとワクチンを接種する意味がなくなりますか?
A:ワクチンはHPVへの感染前に接種することが重要です。そのため、感染リスクが発生する前、つまり、性行為の経験がないうちに接種することが推奨されています。ただ、たとえ性行為の経験があっても、短期間で数種類のHPVに同時に感染してしまうリスクは低いため、ワクチンの効果が「ゼロ」になるわけではありません。海外のデータでは、26歳までの接種であれば一定の効果はあるという結果も出ています。公費で接種できる年齢には上限がありますので(高校1年生まで)、できるだけ早く接種することをお勧めします。
日付:2026年9月14日 カテゴリー:日々の雑記
【横浜市の高校生医療費が無料に】生理痛や生理不順を我慢していませんか?高校生の婦人科受診について婦人科医が解説
【横浜市の高校生医療費が無料に】生理痛や生理不順を我慢していませんか?高校生の婦人科受診について婦人科医が解説
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
<<この記事の執筆者>>
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
2026年6月から、横浜市では高校生世代まで医療費助成の対象が拡大されました。
これにより、高校生の方も医療機関を受診しやすくなっています。
しかし、実際には
生理痛
生理不順
PMS(月経前症候群)
などで悩んでいても、
「婦人科はまだ早い」
「我慢するしかない」
「ピルは高そう」
と思っている高校生や保護者の方も少なくありません。
先日受診なさった高校3年生の方は、「ずっと生理痛を我慢していたけれど、受験に影響するのは困るので」ということでご相談にいらっしゃいました。
「医療費が無料になります」というお知らせを見て、「無料ならピルを試してみたい」と保護者の方に伝えてみたのだそうです。
実は、
高校生だからこそ婦人科を受診した方がよいケースがあります。
この記事では、
高校生の生理痛や生理不順
婦人科受診の目安
ピルやミニピルによる治療
横浜市の医療費助成
について解説します。
高校生でも生理痛は珍しくありません
高校生の生理痛は決して珍しいことではありません。
初めて生理が来て1~2年は無排卵のことも多く、そこまで生理痛が出ない場合もあります。
当院を受診なさる高校生の方からも、
「中学生の頃は大丈夫だったのに、高校生になったら生理が重くなった」
というお話をよく頂きます。
実際に、10代女性の多くが生理の時期に
お腹の痛み
腰痛
吐き気
頭痛
などを経験しています。
症状が軽く、日常生活に支障がないレベルであれば様子を見てもよいのですが、
次のような場合は単なる生理痛ではなく
「月経困難症」
の可能性があります。
◆生理痛のせいで学校を休む
◆生理のたびに保健室で寝ている
◆生理の時期は部活を休む
◆大会や練習に参加できない
◆痛み止めが効かない
◆生理のたびに痛み止めを何錠も飲む
◆生理のせいで勉強に集中できない
◆生理期の不調が定期試験にも影響する
これらは、いずれも治療を検討するレベルです。
例え症状が「我慢できる」レベルだと思っても、学校生活に支障が出ているということは、「QOL(生活の質)」は下がってしまっています。
よく、「この程度で相談していいのか迷っていました」というお声を頂くのですが、本人が「困った」と感じる場面がある時点でサポートが必要ということです。
遠慮なく相談にいらしてください。
生理痛による学業への影響
高校生の時期は
定期試験
受験勉強
部活動
修学旅行などの学校行事
など重要なイベントがたくさんあります。
生理痛や過多月経によって、本来発揮できる能力が発揮できないことは、
将来にとって大きな損失です。
また、修学旅行や文化祭など、その年齢でしか体験できないイベントが、「生理のせいで楽しめない」ことは、できれば避けられた方がよいのではないかと感じています。
高校生の生理不順も放置しない方がいい
高校生の頃は、まだ生理の周期が整いきらず、なんとなく生理不順気味というケースはよくあります。
ただし、
以下の場合は受診をおすすめします。
生理が2~3か月来ない
周期が極端にバラバラ
出血量が多すぎる
出血期間が10日以上続くことが多い
貧血がある
背景に
卵巣機能の低下
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
などが隠れていることがあります。
また、スポーツをする人で、生理の周期が長かったり、長期間の無月経の場合、必要な女性ホルモンが不足して骨がもろくなってしまう場合があります。
実際、1年以上無月経のままになっていた長距離選手の方が、疲労骨折で競技を続けられなくなったケースや、減量のせいで無月経になったバレリーナの方が疲労骨折を繰り返してしまっていたケースもあります。
生理について、少しでも気になることがあれば、
まずは受診してみることをお勧めします。
生理痛は我慢するものではありません
昔は「生理痛は病気ではない」と言われることもありました。
しかし現在は、「生理痛は病気のサイン」「つらい症状はコントロールするもの」という考え方が主流です。
毎月つらい思いをしているなら、我慢する必要はありません。
生理痛の治療は、
鎮痛剤
漢方薬
ピルやミニピル
など、高校生でも安心して服用できるものです。
全て保険適用なので、横浜市の高校生なら検査も治療も無料になります。
高校生でもピルは飲めます
「ピルは大人が飲むもの」と思われがちですが、高校生でも服用は可能です。
実際に、当院では
月経困難症
生理不順
PMS
ニキビ
などの治療として、10代からピルを処方させていただいています。
10代~30代で通院中の方の約6割が、ピルまたはミニピルを服用なさっています。
ピルの効果
ピルには
生理痛を軽くする
生理周期を整える
出血量を減らす
PMSを改善する
などの効果があります。
ピルは高いと思っていませんか?高校生は無料です!
避妊目的のピル(OC)は自費ですが、治療目的の場合は保険適用になります。
さらに、横浜市の高校生医療費助成の対象となる場合、実質の自己負担額は「0」です。
そのため、「ピルは高いから無理」と思っていた方も、以前より治療を受けやすくなっています。
※助成内容は変更される場合がありますので、受診時にご確認ください。
高校生の婦人科受診は全く珍しくありません
当院でも
生理痛
生理不順
PMS
で受診される高校生はたくさんいます。
婦人科は妊娠した人だけが行く場所ではありません。
女性の健康を守るための診療科です。
婦人科ではどんな検査をする?
高校生の場合、性行為のご経験がなければ内診は行いません。
生理痛や生理不順のご相談の場合、卵巣の腫れなどの確認のために超音波検査は必要です。
ご本人に検査方法を確認させていただき、
経腹超音波検査(お腹の上からのエコー)
経直腸超音波検査(お尻からのエコー)
を行います。
経腹超音波検査は、内科で受ける超音波検査と同じです。
痛みはありません。
痒みやおりものが気になるという場合も、内診は行わず、外側の皮膚の状態を目で見て確認したり、表面のおりものだけぬぐい取る検査を行います。
「婦人科に行ったら内診されるから、受診をためらってました」という高校生の方もいらっしゃいました。性交経験がない場合は、内診は行いませんので安心して受診なさってください。
女性医師だから安心
ポートサイド女性総合クリニックでは、必ず女性医師が診療しています。
「女性医師だと思って受診したら曜日によっては男性医師だった」
「女性医師を希望していたが男性医師に対応された」
というご相談もありますが、当院は全員女性医師ですのでご安心ください。
初めて婦人科に行く
男性医師は不安
生理の相談をしづらい
という方も安心してご相談いただけます。
保護者の方も一緒に診察室へ入れます
高校生の受診では、保護者の方が一緒に説明を聞くことも可能です。
もちろん、ご本人の希望を尊重しながら診療を行います。
ご本人がお1人での診察を希望されましたら、保護者の方には待合室でお待ちいただいております。
横浜駅徒歩圏内なので通いやすい
当院は横浜駅徒歩圏内にあります。
そのため
横浜市内
川崎市
湘南エリア
東京都内
からも通院しやすい立地です。
学校帰りにも受診しやすくなっています。
よくある質問
Q 高校生でも婦人科に行っていいですか?
もちろん大丈夫です。
生理痛や生理不順はよくある受診理由です。
Q 高校生でもピルは飲めますか?
医師の診察の上で処方可能です。
Q ピルは将来妊娠しにくくなりますか?
そのようなことはありません。
Q 生理痛で婦人科に行く人は多いですか?
とても多いです。
まとめ
横浜市では高校生まで医療費助成が拡大され、
これまでより婦人科受診のハードルが下がっています。
生理痛
生理不順
PMS
で悩んでいる場合は、我慢せず婦人科に相談してください。
生理痛は「我慢するもの」ではなく、適切にコントロールできる症状です。
女性医師が丁寧に診察いたしますので、安心してご相談ください。
日付:2026年9月11日 カテゴリー:日々の雑記
【すぐーるの案内を見た横浜市の保護者の皆さまへ】HPVワクチンを受けるべき?迷ったらまず相談を|子宮頚がんを予防する大切な選択
【横浜市の保護者の皆さまへ】HPVワクチンを受けるべき?迷ったらまず相談を|子宮頚がんを予防する大切な選択
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
<<この記事の執筆者>>
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「すぐーるでHPVワクチンのお知らせが届いたけれど、本当に受けた方がいいの?」
「副作用が心配」
「どこの病院で相談したらいいかわからない」
横浜市では、小学6年生から高校1年生相当の女の子を対象に、HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の公費接種を行っています。学校連絡システム「すぐーる」から案内が配信されたのをきっかけに、ワクチンについて改めて考えるようになったという保護者の方もいらっしゃるでしょう。
しかし実際には、
情報が多すぎて判断できない
本当に安全なのかわからない
子どもに受けさせるべきか迷っている
という声も少なくありません。
この記事では、婦人科医の立場からHPVワクチンの効果や安全性、接種をおすすめする理由について詳しく解説します。
子宮頚がんは若い女性にも起こる病気です
子宮頸がんは、子宮の入り口(子宮頚部)にできるがんです。
「がんは高齢者の病気」
というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、子宮頸がんは20代・30代の若い女性にも発症します。
その前段階である
軽度異形成
中等度異形成
高度異形成
は10代後半から20代前半でも見つかることがあります。
当院でこれまでに経験した子宮頸部異形成の手術(円錐切除術)の最年少患者さんは19歳でした。
まだ妊娠・出産を考える前の年齢で手術が必要になることは、リプロダクティブヘルス(将来の妊娠・出産を含めた健康)の観点からも、できれば避けたいことです。
そのためにも、
「異形成ができてから治療する」
のではなく、
「異形成を作らない」
ことが重要になります。
HPVワクチンで子宮頸がんの80〜90%を予防できます
子宮頸がんの原因のほとんどは「HPV(ヒトパピローマウイルス)」というウイルスです。
現在使用されている9価HPVワクチンは、
子宮頸がんの原因となる主要なHPV感染を予防でき、
子宮頸がんの80〜90%を防ぐことができるとされています。
実際に海外では子宮頸がんが激減しています

HPVワクチンの効果については、
オーストラリアやイギリスなどで非常に大規模なデータが報告されています。
特にオーストラリアでは、
若年女性の高度異形成が大幅に減少し、
将来的には
「子宮頸がんがほぼ根絶される国」
になる可能性があるとまで言われています。
イギリスでも、
思春期に接種した世代では子宮頸がんの発症が大きく減少したことが報告されています。
つまり、
HPVワクチンは「理論上効くかもしれないワクチン」
ではなく、
すでに世界中で効果が証明されているワクチンなのです。
副作用はどのくらいあるのでしょうか?
保護者の方が最も心配されるのは副作用です。
当院では2025年の1年間に延べ369名へHPVワクチンを接種しました。
その結果、
接種後の迷走神経反射による失神:2名
接種部位の腫れや痛み:4〜5名
がありました。
しかし、重篤な副作用は0件でした。
もちろん副反応が全くないワクチンではありません。
しかし実際の接種現場では、多くのお子さんが大きな問題なく接種を終えています。
接種するか迷っているなら、まず相談してください。
当院では、
「まだ接種するか決めていない」
という段階でのご相談も歓迎しています。
実際に、保護者の方が
★ネットの情報を見て不安になった
★本当に必要なのか聞きたい
★副作用について詳しく知りたい
という理由で来院されることも少なくありません。
接種するかどうかは、十分な情報を得たうえで決めることが大切です。
「HPVワクチンについてよくある質問」もご参照ください。
無料メール相談も行っています
受診する前に質問したい方のために、当院ではメールやラインでの相談も受け付けています。
注)HPVワクチン接種に関するご相談に限ります
◆ワクチン接種に関するメール相談はこちら⇒info@vivalita.com
メールタイトルに「HPVワクチンについて相談希望」と書いて、お気軽にご連絡ください。
費用はかかりません。
高校1年生は今が重要です
現在高校1年生相当の方は、公費接種の期限が来年3月末までです。
3回接種を無料で完了するためには、
遅くとも9月頃までに1回目を開始する必要があります。
「そのうち考えよう」
と思っていると、
無料で接種できる期間に間に合わなくなる可能性があります。
できるだけ早めに、1回目の接種をスタートすることをお勧めします。
夏休みはワクチンデビュー・婦人科デビューに最適です
学校がある時期は、部活や習い事で忙しく、なかなか受診のタイミングが取れないという方も少なくありません。
そのため、夏休みは
★HPVワクチンデビュー
★婦人科デビュー
に最適な時期です。
夏休みになって、初めて婦人科に来るお子さんもたくさんいらっしゃいます。
HPVワクチンについてだけではなく、生理痛や月経移動など、日頃気になっていたことなども一緒にご相談いただけます。
受験生にもおすすめの接種スケジュール
受験を控えている中学3年生の場合、
7~8月に1回目を接種すると、
2回目が9~10月頃・3回目が1~2月頃になります。
3回目の接種は、少し遅らせても大丈夫です。
インフルエンザワクチンの接種シーズンと重なりにくく、
受験勉強への影響も少ないスケジュールです。
当院は協力医療機関・女性医師が対応するので安心です
当院ではHPVワクチン接種も女性医師が担当しています。
また、
保護者同伴可能
初めての婦人科受診でも安心
無理に接種をすすめない
ことを大切にしています。
まずは相談だけでも構いません。
当院は、横浜駅から徒歩でいらっしゃれるので、学校帰りにお立ち寄り頂く場合も便利です。
横浜駅近くで女医だけが診察している婦人科をお探しでしたら「ポートサイド女性総合クリニック」で、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q:HPVワクチンは本当に安全ですか?
重篤な副作用は非常にまれです。当院でも2025年に369名へ接種を行いましたが、重篤な副作用はありませんでした。
Q:ワクチンを打てば子宮頸がん検診は不要ですか?
いいえ。将来的には子宮頸がん検診も必要です。
Q:まだ小学生ですが相談できますか?
もちろん可能です。保護者の方だけの相談も受け付けています。
Q:接種するか迷っています
まずはご相談ください。メール相談も可能です。
何がご不安なのかを伺って、納得して接種する・しないをご選択いただけるようにサポートいたします。
まとめ
HPVワクチンは、将来の子宮頸がんを予防するための大切な選択肢です。
横浜市では公費で接種できる期間が決まっています。
「受けるかどうか迷っている」
という段階でも構いません。
まずは正しい情報を知ることから始めてみませんか。
当院では女性医師が丁寧にご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。
日付:2026年9月10日 カテゴリー:日々の雑記
【横浜でHPV検査を受けるなら】HPV陽性とは?子宮頸がんとの関係・ASC-USやLSILと言われた時の対応
【横浜でHPV検査を受けるなら】HPV陽性とは?子宮頸がんとの関係・ASC-USやLSILと言われた時の対応を婦人科医が解説
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
<<この記事の執筆者>>
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
近年、
「HPV検査を受けてくださいと言われた」
「HPV陽性だったけれど大丈夫?」
「ASC-USと言われて不安」
というご相談が増えています。
他院で受けた検診で異常を指摘されたとご相談にいらっしゃるのは、20代~50代まで幅広い年齢層の方々です。20歳を過ぎて、初めて検診を受けて見たらいきなり異常を指摘されたというケースも少なくありません。
横浜市では自治体のがん検診として、2025年1月から、30歳~60歳の方を対象に「HPV単独検診」を行っています。
「横浜 HPV検査」
という検索も増加しています。
HPVとは?
HPV(ヒトパピローマウイルス)は
子宮頸がんの原因となるウイルスです。
性交経験のある女性の多くが一度は感染すると言われています。
しかし、
HPVに感染したからといって
すぐにがんになるわけではありません。
多くの場合はHPVが陽性でも細胞診には異常が出なかったり、自然にHPVが陰性化します。。
HPV陽性とは?
HPV陽性とは
ハイリスク型HPVに感染していることを意味します。
ただし、
HPV陽性=子宮頸がん
ではありません。
実際には
- HPV陽性
↓ - 軽度異形成
↓ - 中等度異形成
↓ - 高度異形成
↓ - 子宮頸がん
という長い経過をたどります。
ASC-USと言われたら
ASC-USとは
「正常とは言えないが、明らかな異常とも言えない」
という状態です。
グレーゾーンの結果です。
ガイドラインでは
まずHPV検査を行うことが推奨されています。
LSILと言われたら
LSILは
軽度異形成を示す結果です。
HPV感染による変化が考えられます。
若い方では自然に改善することもありますが、
通常はコルポスコピー検査が必要になります。
コルポスコピー検査とは?
子宮頸部を拡大して観察する検査です。
必要に応じて組織を採取します。
当院でも実施しています。
HPV検査は痛い?
検査方法は子宮頸がん検診と同じです。
ブラシで細胞を採取するだけなので、
通常は数秒で終わります。
HPVワクチンを打っていても検査は必要?
必要です。
ワクチンは非常に有効ですが、
すべてのHPV感染を防げるわけではありません。
横浜でHPV検査を受けるなら
ポートサイド女性総合クリニックでは
- HPV検査
- ASC-USフォロー
- LSILフォロー
- コルポスコピー検査
に対応しています。
女性医師が丁寧に説明しながら診療を行っています。
よくある質問
HPV陽性は彼氏にうつりますか?
HPVは性交渉で感染するウイルスです。
HPV陽性は浮気を意味しますか?
必ずしもそうではありません。
感染時期は特定できません。
HPV陽性だと妊娠できますか?
妊娠には影響ありません。
HPV陽性は自然に治りますか?
多くの場合は自然に陰性化します。
【横浜駅の婦人科 女医が解説】ピルで転院を考えるのはどんな時?ご相談で多いケースをご紹介します
【横浜駅の婦人科女医が解説】ピルで転院を考えるのはどんな時?他院からのご相談で多いケースをご紹介します
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
<<この記事の執筆者>>
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
「今の病院でピルを処方してもらっているけれど、このまま続けてよいのだろうか」
「副作用がつらいのに同じ薬しか処方してもらえない」
「もっと相談しながら治療を続けたい」
当院には、このようなお悩みで他院からご相談や転院を希望される方が増えています。
ピルは長期間服用することも多いお薬です。
だからこそ、
- 自分に合った種類を選ぶこと
- 無理なく継続できること
- 気軽に相談できること
が大切です。
今回は、横浜で婦人科をお探しの方へ向けて、当院で実際によくいただくご相談をご紹介します。
当院で増えている「ピルの転院相談」
当院は横浜駅から徒歩圏内にあり、女性医師が診療を行っています。
そのため、
- 生理不順
- 月経困難症
- PMS
- 避妊
- 月経移動
などを目的にピルを服用されている方から、転院相談を受ける機会が増えています。
その中でも特に多いケースをご紹介します。
★★今のピルで副作用が続くのに変更してもらえない
ピルを飲み始めた頃には、
- 吐き気
- 頭痛
- 不正出血
などが起こることがあります。
これらは通常1~2か月程度で改善することがほとんどです。
しかし3か月以上続いている場合は、別のピルの方が合っている可能性があります。
実際に当院でも、
「何か月も頭痛が続いているのに同じ薬しか出してもらえない」
というご相談を受けることがあります。
ピルにはさまざまな種類があり、相性にも個人差があります。
当院では保険適用のLEP製剤、自費ピル、ミニピルを含め、患者様の状態に合わせて選択しています。
★★治療目的なのに自費ピルしか処方されていない
生理痛や月経困難症の治療目的であれば、保険適用となるピルを使用できる場合があります。
ピルは数か月ではなく、何年も継続することが少なくありません。
そのため、
治療効果だけでなく経済的な負担を軽くすることも大切です。
当院では、
症状や保険適用条件を確認した上で、できるだけ負担の少ない方法をご提案しています。
★★毎月通院しなければならない
転院相談で意外と多いのが、
「毎回1シートしか処方してもらえない」
というお悩みです。
飲み始めの時期は安全確認のため短期間処方が望ましいことがあります。
しかし、
副作用もなく症状も安定している場合には、
- 保険ピル:3シート
- 自費ピル:6シート
まで処方可能です。
当院では、患者様の通院負担を減らし、治療を継続しやすくすることも重要と考えています。
また、状況によってはオンライン診療にも対応しています。
★★半年ごとに血液検査や超音波検査を受けるよう言われた
ピルを服用している方から、
「毎回検査を受けないと処方できないと言われた」
というご相談を受けることがあります。
子宮内膜症や子宮・卵巣の病気がある場合は定期検査が必要になることがあります。
一方で、
病変がない場合や避妊目的の場合は、
日本産科婦人科学会のガイドラインでも、
ピル処方に必要なのは
- 問診
- 血圧測定
- 体重測定
が基本とされています。
当院では、職場健診などの結果も活用し、不要な検査負担をできるだけ減らしています。
★★医師に相談できず受付で薬を受け取るだけ
ピルの服用中は、
- 不正出血
- 頭痛
- むくみ
- 気分の変化
など、気になることが出てくる場合があります。
そのような時に、気軽に相談できる環境は大切です。
当院では、
毎回必ず医師または看護師が体調を確認し、不安なことがあれば相談できる体制を整えています。
★★40歳を過ぎたらピルは飲めないと言われた
これは誤解されやすいポイントです。
確かに年齢とともに血栓症リスクは上昇します。
しかし、
40歳以上=絶対に服用できない
というわけではありません。
ガイドラインでは「禁忌」ではなく「慎重投与」とされています。
当院でも、
- 喫煙しない
- 高血圧がない
- その他の血栓症リスクが低い
など条件を満たす方には、十分な説明を行った上で40歳以降も継続処方しています。
横浜駅近くでピルについて相談できる婦人科をお探しの方へ
ピル治療は、
単に薬を処方するだけではありません。
- 本当にそのピルが合っているか
- 他の選択肢はないか
- 費用負担は適切か
- 続けるべきかやめるべきか
を定期的に見直すことも大切です。
当院では女性医師が診察を担当し、一人ひとりのお悩みに合わせて治療方針をご提案しています。
今の治療に疑問や不安がある方は、転院するかどうかを決める前でも構いません。
まずはお気軽にご相談ください。
よくあるご質問(FAQ)
当院では毎月のように「今のピルが合わない」「もっと相談しながら治療を続けたい」といった転院相談をいただいています。実際によくいただく質問をまとめました。
Q:ピルだけ処方してもらうために転院することはできますか?
はい、可能です。
現在服用中のピルが合わない場合や、処方内容について相談したい場合など、ピル治療のみを目的とした転院も珍しくありません。
当院では現在の服用状況や体調を確認したうえで、継続処方や変更をご提案しています。
Q:他院で処方されているピルと同じものを処方してもらえますか?
多くの場合、可能です。
副作用がなく症状も安定している場合は、同じピルを継続して処方できます。
一方で、
- 頭痛
- 吐き気
- 不正出血
などの症状が続いている場合は、別の種類への変更をご提案することもあります。
Q:今飲んでいるピルが合わない場合は変更できますか?
はい。
ピルには複数の種類があり、人によって合う・合わないがあります。
当院では、
- 保険適用のLEP製剤
- 自費の低用量ピル(OC)
- ミニピル
などから患者様に適したものをご提案しています。
Q:ミニピルについて相談できますか?
もちろん可能です。
ミニピルはエストロゲンを含まないため、
- 片頭痛がある方
- 40歳以上の方
- 血栓症リスクが気になる方
などに選択肢となることがあります。
現在服用中のピルが合わない方もお気軽にご相談ください。
Q:月経困難症なのですが、保険でピルを処方してもらえますか?
月経困難症や子宮内膜症などの治療目的であれば、保険適用となる場合があります。
診察のうえ、症状や既往歴を確認し、保険適用の対象になるか判断いたします。
Q:ピルを飲んでいると毎回血液検査が必要ですか?
通常は必要ありません。
日本産科婦人科学会のガイドラインでは、ピル処方に必要な基本的な確認項目は、
- 問診
- 血圧測定
- 体重測定
とされています。
ただし、
- 子宮内膜症がある場合
- 他の病気がある場合
- 長期間採血をしていない場合
などは検査をおすすめすることがあります。
Q:40歳を過ぎてもピルを飲むことはできますか?
40歳以上でも服用できる場合があります。
年齢だけで一律に中止するのではなく、
- 喫煙の有無
- 高血圧
- 肥満
- 血栓症の既往
などを総合的に判断します。
当院でも、リスクが低い方には十分な説明を行ったうえで継続処方しています。
Q:ピルは何シートまでまとめて処方してもらえますか?
症状が安定している場合は、
- 保険適用のピル:最大3シート
- 自費ピル:最大6シート
まで処方可能です。
副作用や体調変化がないことを確認したうえで判断しています。
Q:ピルを飲んでいても医師に相談できますか?
はい。
当院では、薬だけをお渡しするのではなく、毎回医師又は看護師が体調の変化やお困りごとがないか確認しています。
不正出血や頭痛など、気になる症状がある場合は遠慮なくご相談ください。
Q:横浜で女性医師にピルの相談をしたいのですが可能ですか?
はい。
当院では女性医師が診療を担当しています。
生理痛や生理不順、PMS、避妊、月経移動など、ピルに関するお悩みについてお気軽にご相談ください。
Q:転院する場合、紹介状は必要ですか?
多くの場合は必要ありません。
お薬手帳や現在服用中のピルの名称が分かるものをご持参いただければ診療可能です。
ただし、治療中の病気がある場合や詳細な経過確認が必要な場合は、紹介状をお願いすることがあります。
新しい横浜市子宮頚がん検診についてよくあるご質問【横浜駅近く女医の婦人科】
★2025年1月から横浜市子宮頚がん検診が変わりました
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
<<この記事の執筆者>>
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック院長
横浜駅徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療。
参考文献:日本産科婦人科学会誌・産婦人科診療ガイドライン
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
*30歳未満・61歳以上は今まで通り
*30歳~60歳(2025年4月1日の時点で)の方は
・補助が使える年齢が5年ごとの節目年齢(30歳・35歳・・・)
・検査の方法が「HPV単独法」
・自己負担額は2,000円
・以下の方は検診の対象外となります
ア:子宮頚部を有さない方
イ:子宮頚部浸潤癌の治療中又は過去なったことがある方
ウ:異形成や上皮内がんなどの「前がん病変」の経過観察中の方
エ:性交経験が一度もない方
・横浜市から届いたバーコードを持参する
(バーコードがないと検査ができません)
注)節目年齢ではないのに検診用バーコードが届くことがあります
2025年1月から移行するため最初の5年間は節目年齢ではない方にも案内が届きます。 2024年4月~12月の期間に横浜市の子宮頚がん検診を受けている節目年齢ではない方は、バーコードが届いても検査を受けられるのは2026年4月以降になります。
質問1:案内が届いたらすぐに受けないといけませんか?
2024年4月~12月に横浜市の補助を使って子宮頚がん検診を受けている方は、届いたバーコードで検診を受けられるのは2026年4月以降です。
それまでは、バーコードをなくさないように保管しておいてください。
前回の検診が2024年3月より前であればいつでも検査は可能です。
特に、ここ2~3年検診を受けていないという方は、お早めに受けることをお勧めします。
質問2:筋腫の手術で子宮をとっていますが検査は可能ですか?
子宮をすべて取っている(子宮全摘を受けている)方は、上記「対象外になる方」の「ア:子宮頚部を有さない方」に該当します。
そのため、子宮全摘後は横浜市の補助を使用して子宮頚がん検診を受けることはできません。
一般的に、良性疾患(子宮筋腫や子宮腺筋症)で子宮全摘をした後は、「子宮がん検診」が不要になります。
質問3:過去に子宮頚がん検診で異常が出たことがありますが検査は受けられますか?
現時点で、まだ異常が残っており、「異形成」を経過観察中の方は横浜市の補助を使った検診をご利用いただくことはできません。
過去に「異形成」を指摘されて、現在は完全に正常に戻っている場合や、「異形成」で手術を受けてその後ずっと正常な場合は、検査が可能です。
完全に正常に戻っているかどうかが分からない場合は、「過去2回分の検査結果が『NILM』かどうか」をご確認ください。
質問4:HPVが陽性だともう一度検査を受けないといけないのですか?
検診の結果で、HPVが陽性だった場合は「自動的に」細胞診が追加されます。そのため、再度検査にお越しいただく必要はありません。ウイルスの検査のためにぬぐい取った検体でそのまま細胞診を行います。
また、検査代金に細胞診が追加になった場合の料金も含まれているため、細胞診が追加になっても追加の料金はかかりません。
質問5:HPV単独検診は5年ごとにですが本当に5年間もあけて大丈夫でしょうか?
今回の横浜市の検診事業の目的は、「進行した癌で命を失うことを防ぐ」ことが目的です。そのため、「できるだけ早い段階で異常を見つける」ことが目的にはなっていません。
つまり、5年前の検査が「異常なし」でも、5年後に検査を受けた時に「異形成です」「早期のがんです」という結果になる可能性はあるということです。
例え検診で異常がなくても、不正出血やおりものの異常があれば、その段階で細胞診を受けるようになさってください。
妊娠検査薬が陰性でも妊娠している?性交後2週間・3週間の再検査時期
「性行為から2週間後に妊娠検査薬を使ったら陰性でした。妊娠していないと考えて大丈夫ですか?」
この質問は、婦人科でとても多くいただきます。
結論からお伝えすると、妊娠の可能性がある性交から2週間後の陰性だけでは、妊娠を完全には否定できません。最後の妊娠可能性のある性交から3週間後を目安に、もう一度検査してください。[2]
性交した日と、排卵・受精・着床の日は同じとは限りません。排卵が予想より遅れた場合や、性交から数日後に受精した場合は、2週間後の時点では尿中のhCGがまだ検査薬の検出基準に達しておらず、妊娠していても陰性になることがあります。
なお、その性交より後にも避妊をしなかった、コンドームが破れた・外れた、ピルを飲み忘れた状態で性交したなどの機会があれば、最も新しい性交日から数え直す必要があります。
性交後2週間の妊娠検査薬が陰性だった場合の対応
今すべきことを、先にまとめます。
- 検査した日が、最後の妊娠可能性のある性交から何日後か確認する
- 2週間後の陰性であれば、性交から3週間後に再検査する
- 再検査も陰性なのに生理が来なければ、婦人科へ相談する
- 陽性、判定が不明瞭、結果が一致しない場合は婦人科へ相談する
- 強い腹痛・出血・めまいなどがあれば、検査結果にかかわらず早急に受診する
「2週間後に陰性=絶対に妊娠していない」ではなく、「まだ早い可能性があるため、3週間後に確認する」と考えてください。
妊娠検査薬は性行為から何日後に使う?
| 検査する時期 | 陰性結果の考え方 | 次の対応 |
|---|---|---|
| 性交から1週間後 | 妊娠していても反応しない時期です。判定には早すぎます。 | 検査薬の説明書に記載された時期まで待ちます。 |
| 性交から2週間後 | 陽性になる方もいますが、陰性でも妊娠を否定できません。 | 最後の妊娠可能性のある性交から3週間後に再検査します。 |
| 性交から3週間後 | 説明書どおりに検査して陰性なら、その性交による妊娠の可能性は低いと考えられます。 | 生理が来ない、検査に不安がある、症状がある場合は婦人科へ相談します。 |
| 生理予定日の約1週間後 | 日本の一般的な妊娠検査薬で、使用開始時期として示されている目安です。 | 製品の説明書を優先し、陰性でも生理が来なければ再検査または受診します。 |
日本で販売されている一般的な妊娠検査薬には、「生理予定日の約1週間後から」と記載されている製品があります。製品ごとに検出感度や使用方法が異なるため、必ず手元の説明書を確認してください。[1]
一方、生理不順で次の生理予定日が分からない場合は、最後の妊娠可能性のある性交から21日後が分かりやすい検査時期です。英国NHSも、生理予定日が分からない場合は最後の避妊なしの性交から少なくとも21日後の検査を案内しています。[2]
なぜ性交後2週間では陰性になることがあるのですか?
主な理由は、性交日から排卵日までに数日のずれがあり得ることと、着床後にhCGが増えるまで時間が必要なことです。
妊娠が成立しやすい「妊娠可能期間」は、一般に排卵日までの5日間と排卵日を合わせた約6日間と考えられています。つまり、性交の数日後に排卵・受精する可能性があります。[4]
例えば、性交が排卵日の5日前だった場合、性交から2週間後でも排卵からは約9日しかたっていません。さらに、妊娠検査薬が検出するhCGは着床後に増え始めるため、この時点では妊娠していても陰性になる可能性があります。[3][5]
生理周期が規則的な方でも、排卵日は毎回まったく同じとは限りません。生理管理アプリの排卵予定日や、下腹部痛・おりものの変化だけで、実際の排卵日を正確に確定することはできません。[4]
妊娠検査薬が反応する仕組み
市販の妊娠検査薬は、尿中のhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が一定濃度以上あるかどうかを調べる検査です。
hCGは、受精卵が子宮内膜に着床した後、将来胎盤になる組織から作られ始めます。そのため、妊娠が成立していても、検査時期が早くhCGが少なければ陰性になります。FDAは、28日周期の場合、尿中hCGが検出される時期の目安を排卵後12~15日と説明しています。[3]
妊娠検査薬は「妊娠しているかどうか」を直接見ているのではなく、検査した時点で尿中hCGが検出基準を超えているかを判定しています。したがって、陰性結果は検査時期と使用方法を合わせて解釈する必要があります。
陰性だったら、いつ再検査すればよいですか?
性交から2週間後に陰性だった場合
最後の妊娠可能性のある性交から3週間後に再検査してください。それまでに生理が来ても、出血量や期間が普段と大きく異なる場合は、通常の月経とは限らないため相談をおすすめします。
生理予定日より前、または生理予定日当日に陰性だった場合
使用した製品が指定する時期より早ければ「フライング検査」です。陰性でも判断できないため、説明書に記載された時期に再検査してください。
生理予定日の約1週間後に陰性だった場合
周期が規則的で、説明書どおりに検査できていれば妊娠の可能性は低くなります。ただし、排卵が遅れた可能性や周期のずれがあるため、生理が来なければ数日から1週間後に再検査するか、婦人科へ相談してください。一般用妊娠検査薬の説明書でも、陰性後に月経が始まらない場合は再検査または医師への相談が案内されています。[1]
性交から3週間後も陰性だった場合
その後に妊娠可能性のある性交がなく、検査薬を正しく使用できていれば、3週間前の性交による妊娠の可能性は低いと考えられます。それでも生理が来ない場合は、妊娠以外の原因も含めて婦人科で確認しましょう。
妊娠検査薬が偽陰性になる主な原因
妊娠しているのに検査薬が陰性になる「偽陰性」は、主に次のような場合に起こります。
- 検査時期が早い:hCGがまだ検出基準に達していない
- 排卵が予想より遅れた:考えていた生理予定日や妊娠週数がずれている
- その後にも性交があった:最後の妊娠可能性のある性交からの日数が足りていない
- 尿が薄かった:多量の水分摂取後などで、尿中hCG濃度が低くなった
- 使用方法を間違えた:尿量、浸す時間、待ち時間、判定時間などが説明書と異なった
- 検査薬の状態に問題があった:使用期限切れ、不適切な保管、確認線が出ていないなど
検査時期が早い場合や結果に疑問がある場合は、極端に水分を多く取った直後を避け、朝起きて最初の尿で再検査すると判定しやすくなることがあります。ただし、日本の一般的な妊娠検査薬には朝・昼・夜のどの尿でも検査できる製品もあるため、最優先するのは製品の説明書です。[1][3]
妊娠検査薬が陰性なのに生理が来ない原因
妊娠検査薬が適切な時期に繰り返し陰性であれば、生理が来ない原因は妊娠以外かもしれません。
- 一時的な排卵の遅れ
- ストレス、睡眠不足、生活環境の変化
- 急な体重減少・体重増加、食事不足、過剰な運動
- PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)
- 甲状腺機能異常、高プロラクチン血症
- 年齢に伴う卵巣機能の変化
- ピルや緊急避妊薬の開始・中止・飲み忘れなどによる出血時期の変化
「生理が来ない=妊娠」とは限りませんが、妊娠の可能性を適切な時期の検査で確認することが最初の一歩です。そのうえで陰性が続く場合は、生理不順・無月経の原因を調べます。
再検査で陽性・判定が不明瞭だった場合
妊娠検査薬が陽性の場合は、妊娠している可能性が高いと考えられます。ただし、検査薬だけでは次のことは分かりません。
- 子宮内に妊娠しているか
- 異所性妊娠ではないか
- 妊娠が順調に進んでいるか
- 実際の妊娠週数
陽性を確認したら、婦人科へ連絡して受診時期をご相談ください。受診が早すぎると超音波検査で妊娠部位を確認できず、後日もう一度検査が必要になる場合があります。
判定線が薄い、製品によって結果が異なる、確認線が出ていないなど、判定に迷う場合も自己判断で結論を出さず、説明書を確認して新しい検査薬で再検査するか、婦人科へご相談ください。
陰性でも、腹痛・出血・めまいがある場合は注意してください
次の症状がある場合は、妊娠検査薬が陰性でも、結果だけで様子を見ないでください。
- 片側を中心とした強い下腹部痛
- 突然の激しい腹痛、徐々に強くなる腹痛
- 普段の生理とは異なる出血、大量出血
- 肩先の痛み
- 強いめまい、ふらつき、冷や汗
- 意識が遠のく、失神する
異所性妊娠など、早急な評価が必要な状態を除外する必要があります。異所性妊娠では、妊娠検査薬がまだ陽性になっていない段階でも症状から受診が必要になることがあります。[6]
突然の激しい痛み、意識が遠のく、失神、大量出血がある場合は、診療時間を待たず救急医療機関を受診するか、119番へ連絡してください。
妊娠検査薬の陰性についてよくある質問
Q. 性交後2週間で陰性なら、妊娠していないと考えてよいですか?
まだ妊娠を否定できません。排卵・受精が性交の数日後になった場合は、hCGが十分に増えていない可能性があります。最後の妊娠可能性のある性交から3週間後に再検査してください。
Q. 性交後3週間で陰性なら、妊娠していませんか?
その後に妊娠可能性のある性交がなく、説明書どおりに検査して陰性なら、その性交による妊娠の可能性は低いと考えられます。生理が来ない、検査に不安がある、腹痛や出血がある場合は婦人科へ相談してください。
Q. 生理予定日の1週間後も陰性ですが、生理が来ません
排卵が遅れ、生理予定日自体がずれている可能性があります。数日から1週間後に再検査するか、婦人科で妊娠以外の生理の遅れも含めて確認しましょう。
Q. フライング検査で陰性でした。その後、陽性になることはありますか?
あります。検査時期が早いと、妊娠していても尿中hCGが検出基準に達していないためです。使用した製品の説明書に記載された時期に再検査してください。
Q. ピルを飲んでいると妊娠検査薬が陰性になりますか?
通常、低用量ピルなどに含まれるホルモンが妊娠検査薬の反応を妨げることはありません。妊娠検査薬はhCGを検出するためです。ただし、ピルの飲み忘れなどで妊娠の可能性がある場合は、適切な時期に検査してください。[2]
Q. コンドームを使っていても、生理が遅れたら検査した方がよいですか?
コンドームが破れた・外れた・途中から装着したなど、避妊が不十分だった可能性がある場合や、妊娠が心配な場合は検査してください。性交からの日数が短い陰性では判断できないため、検査時期も確認しましょう。
横浜駅近くで妊娠の可能性・生理の遅れを相談したい方へ
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~は、横浜駅から徒歩6分の婦人科です。日本専門医機構認定産婦人科専門医の女性医師が、妊娠検査薬の結果、生理の遅れ、生理不順、避妊について診察します。
妊娠の可能性に関するご相談では、性交日、最終月経、普段の周期、妊娠検査薬を使用した日と結果が分かると、受診時の判断に役立ちます。可能であればメモしてお持ちください。
妊娠に関するご相談の初診予約は、お電話で承っています。
予約専用:045-440-5577
診療時間:10:00~13:00/14:00~18:00
休診日:水曜・日曜・祝日
まとめ
- 性交後2週間の妊娠検査薬が陰性でも、妊娠は完全には否定できない
- 生理予定日が分からない場合は、最後の妊娠可能性のある性交から3週間後に再検査する
- その後にも性交があれば、最も新しい性交日から数え直す
- 性交後3週間の検査が陰性でも生理が来なければ、婦人科へ相談する
- 強い腹痛・出血・めまい・失神があれば、陰性でも早急に受診する
大切なのは、1回の陰性だけで判断せず、「いつの性交について、いつ検査したか」を確認することです。
この記事の執筆・医学監修
清水なほみ 医師
日本専門医機構認定産婦人科専門医
ポートサイド女性総合クリニック~ビバリータ~ 院長
横浜駅から徒歩6分。婦人科診療、ピル外来、月経不順、月経困難症、PMS、子宮頸がん検診などを専門に診療しています。
本ページは一般的な医療情報を提供するもので、個別の診断に代わるものではありません。症状が強い場合や判断に迷う場合は、医療機関へご相談ください。
更新日:2026年8月19日
最終医学確認:2026年8月19日
参考文献
- ロート製薬.ドゥーテスト・hCG 妊娠検査薬|正しい使い方・判定方法.
- National Health Service. Doing a pregnancy test.
- U.S. Food and Drug Administration. Pregnancy: Home Use Tests.
- Practice Committee of the American Society for Reproductive Medicine. Optimizing natural fertility: a committee opinion. Fertil Steril. 2022;117(1):53-63. ASRM.
- Gnoth C, Johnson S. Strips of Hope: Accuracy of Home Pregnancy Tests and New Developments. Geburtshilfe Frauenheilkd. 2014;74(7):661-669. 全文.
- National Health Service. Ectopic pregnancy: Symptoms.
日付:2026年8月19日 カテゴリー:日々の雑記










