女性検診 – 横浜 婦人科 ポートサイド女性総合クリニック ~ビバリータ~

女性検診

 

子宮頸がんワクチンの「被害者」であり続けるデメリット

  前々回の記事で、子宮頸がんワクチンのせいで歩けなくなった・勉強ができなくなったなどの多彩な症状を訴えている状態が、実はワクチンとの因果関係はないといことをご説明しました。「ワクチンのせいではありません」と言うと、症状が出ている方がかわいそうではないかという声も聞こえてきます。でも、本当はワクチンは関係ない症状に対して「ワクチンのせいである」という思い込みを持ち続けることの方が、患者様ご本人のためにならないのです。
 現在「被害者の会」という立場で、主に接種した本人ではなくその親が中心となって「この症状はワクチンのせいであると認めろ」という訴えを起こしています。しかし、前述の通り因果関係はありませんので、おそらく国も製薬会社もその訴えを認めないでしょう。そうすると、「ワクチンのせいであると認めさせる」ために、現在出ている症状が改善しないという事態が起きてくるのです。なぜなら、症状がなくなったら訴え続けることができなくなるからです。ワクチンのせいにし続けるためには、「症状がある方がメリットがある」状態になってしまっています。しかも、症状が出ている本人と、訴えている人が異なるため、代理ミュンヒハウゼン症候群とよく似た親子関係になっていく可能性があります。

 これは、心理技術的アプローチで解析すれば、ごく単純なからくりです。被害者の会の方たちにとっては、被害者であり続けることに意味がある、という状態になってしまっているのです。なので、本来は症状が出て苦しんでいるご本人が一日も早く回復して元気になることが大切であるはずなのに、「ワクチンのせいである」と認めてもらうことが第一目標にすり替わってしまっています。「ワクチンのせいである」と言い続ければ言い続けるほど、症状は治らないということになってしまうのです。
 また、「ワクチンのせいである」つまり、自分の責任ではなく誰かまたは何かの責任であると解釈することを「他者原因」と言いますが、病気は他者原因のままでい続けると治りません。また、ワクチンのせいにし続けるということは、そのワクチンを接種させた誰かまたは自分を責め続けることになります。「罪悪感」を持ち続けることも、前に進むことを阻む大きな足かせになります。「罪悪感は正義の仮面をかぶってやってくる」と言います。罪悪感を持ち続けると、まるで問題解決に向けて一生懸命になっているような錯覚に陥るのです。実際は、罪悪感は本来の問題から目をそらすための隠れ蓑にしかなりません。

 このように、本当はワクチンのせいではない症状に対して、「ワクチンの被害者」という立場をとり続けることに、患者様ご本人対するメリットは何もないのです。
 私が、ワクチンの副反応に対する「でっち上げ」を見て一番気になったのはこの点でした。このままでは「被害者」扱いされている方たちがいつまでたっても救われない。自ら治る力までも奪われてしまう。それどころか、何の根拠もない治療を色々試されて、さらに「病人」に仕立て上げられてしまう。そう感じています。
 症状が出ている方にとって最も大事なことは何なのか、もう一度ニュートラルな立場に立って考えてみる必要があるのではないでしょうか。

日付:2017年10月12日  カテゴリー:日々の雑記,子宮頚がん,HPVワクチン

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「子宮頸がんワクチンで不妊になる」はウソ!

 前回の記事で、「副反応だ!」と騒がれている症状が実は子宮頸がんワクチンのせいで引き起こされるものではないということはご理解いただけたと思います。
 これ以外にも、子宮頸がんワクチンが広く広まるのを阻んでいると思われる、いくつかの「デマ」があるのです。

 例えば、最近見かけるようになったのが、このワクチンが「劇薬」に分類されていることを強調した「反対論」。ワクチンの添付文書の画像を貼り付けて、「劇薬」と書かれていることを指摘して「こんな危険な薬です」と訴えているわけですが、薬剤の分類つまりどんな薬品を「劇薬」とするかは明確な定義があります。なので、その定義に当てはまればどんな薬品も「劇薬」なのです。
 例えば、心臓の病気などの時に使う「ジゴキシン」という薬の添付文書を見れば、子宮頸がんワクチンと同じように「劇薬」の文字が印字されています。でも、この薬によって病気が改善している人もいます。投与量を間違えば、危険な症状が出る可能性もあります。だから「劇薬」と分類して医療者側が取り扱いに注意しましょうと促しているわけです。「劇薬」は、必ずしも「人体に害を及ぼす危険な薬」といういうわけではなく、使い方に注意が必要な薬剤であることを示しているのです。

 また、以前から医学的には何の根拠もないなと感じながらも、あまりにもよく目にする「反対論」が「子宮頸がんワクチンで不妊になる」というデマです。こんな意味不明の指摘が出てしまった大元は、南出喜久治氏のYouTube動画「サーバリックス子宮頸がんワクチンによる民族浄化/弁護士 南出喜久治」なのだそうです。ワクチンに含まれている「アジュバント」という成分が、動物の避妊治療(去勢)に使われる薬剤にも含まれているので、子宮頸がんワクチンは「不妊にさせるワクチンだ」というこじつけ論が展開されているのです。
 「アジュバント」は多くのワクチンに含まれている成分です。これは、ワクチンの効果を賦活化(少量でも効きやすくする)するために、ワクチンとしての有効成分と合わせて配合されるものです。子宮頸がんワクチンは、HPVというウイルスに対する免疫抗体を作るためのものです。なので、この抗体を作りやすくして、なおかつ定着しやすくする目的で「アジュバント」が入っています。一方、避妊用のワクチンには「妊娠しなくするための成分」が入っており、その作用をサポートするために「アジュバント」が一緒に含まれています。要するに「アジュバント」が避妊効果を発揮するのではなく、あくまで「妊娠しなくするための成分」の作用をアジュバントが増強しているに過ぎないのです。子宮頸がんワクチンには、そもそも妊娠しにくくなる成分など入っていませんから、それがアジュバントを加えたからと言って「不妊になる」わけではありません。
 おかしなデマのからくりがご理解いただけましたか?

 ワクチン接種後の妊娠率については、接種した人と接種していない人で差がないというデータは出ています。もちろん、日本では接種開始後の年数が短いので、妊娠に対する影響について「日本人だけで」とったデータはまだありませんが、世界中で同じような内容の研究はされており、妊娠に対しては何も影響がなことがハッキリしています。
 また、デンマークのコホート研究では、妊娠中にこのワクチンを接種した場合の安全性について研究したデータがあります。主要な先天性異常・自然流産・早産・死産・低体重出征・発育不全などの項目について、ワクチン接種した人と接種していない人を比較した結果、両者に有意な差はなかった、つまり妊娠転機にリスクの変化はないという結論が出ています。
 詳細を知りたい方は、論文を参照してくださいね。
 N Engl J Med 2017;376:1223-1233

 このように、子宮頸がんワクチンを「危険なものである」と指摘する理論は、いずれも医学的には根拠がなかったり単なるこじつけだったりします。ネットや雑誌に載っているこれらのデマをうのみにして、本来予防できるはずのがんを予防しないことが賢明な選択なのかどうかは、各自がしっかり考えるべきだと思います。
 「子宮頸がんワクチンで不妊になる」よりも、子宮頸がんになって子宮を失う方がよほど確実に妊娠の機会を失います。私は少なくとも、自分の娘にそのような思いはさせたくないと考えます。

 どの情報が正しいのか、誰が言っているのかが正しいのかよりも、どのような選択をすることがトータルで見た時に「すべての女性の健康サポート」につながるのかを考えてこれらの情報をお伝えしています。
 あなたや大切な人の未来を守るお役に立てていただければ幸いです。

日付:2017年10月10日  カテゴリー:日々の雑記,子宮頚がん,HPVワクチン

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小林麻央さんの乳がんを引き起こしている背景は何?

  小林麻央さんのブログを拝見すると、なぜ彼女が乳がんになったのかがハッキリとわかる言語パターンや家族背景が多数読み取れます。
 患者様との問診時も、その方がどのような言語パターンを使っているのか、どのような「思い込み」をベースに日々を過ごしているのか、どのような「○○すべき」「○○であるべき」といった意味のないルールに縛られているのか、などを読み取りながらお話を伺います。そうすると、「なぜその方がその病気を作り出しているのか」が見えてくるのです。
 患者様ご自身に、「あなたは何のためにわざわざ病気をやっているのですか?」と伺っても「何のことですか?」と思われるでしょう。小林麻央さんも、「わざわざがんという状態に好んでなるわけないじゃないか」と思うのが一般的かもしれません。でも、人は絶対に「自分にメリットがないこと」はしないのです。
 
 小林麻央さんの乳がんの特徴は、お母様も乳がんになっていらっしゃること、ご本人も若くして発症していること、現在すでにかなり進行しているという点です。
 医学的には、近い親戚に乳がんの方がいらっしゃる場合、「遺伝的要素」を考慮して40歳未満でも乳がん検診を受けることをお勧めしています。実際は、体質や遺伝子が母娘で似るせいで乳がんが発症するのではなく、「乳がんを発生させている根本的背景」が似るために、親子で同じ病気になったり、姉妹で同じ病気になったりしているのです。

 がんではありませんが、多発性の筋腫がある患者様で、お母様もお姉様も叔母様も筋腫という方がいらっしゃいました。その方のお母様は離婚なさっていて、姉妹そろって母親が父親の悪口を言ったり、「男って○○なんだから」という愚痴をしょっちゅう聞かされていたそうです。そして、ご自身も離婚なさっていました。さらに、職場環境が「男性優位」な環境で、お母様と同じように「対男性」への怒りや不満をたくさんため込んでいらっしゃいました。
 この方の「家族歴」は、筋腫が発生しやすい背景をしっかり家族で共有して受け継いでしまっているために引き起こされているのがハッキリと分かります。

 おそらく、小林麻央さんの家族的背景と「嫁ぎ先」の特性、そして、ご自身が結婚した時にお母様の乳がんが発見されているという背景を総合的にみると、「あるもの」を増幅させた形で母娘間で受け継いでしまっている可能性が考えられます。もちろん、ご本人から直接お話を伺ったわけではありませんから、推測でしかありませんが、もしそうであればその「あるもの」を解消すればがんという表現をやめることは今の段階でも間に合うと思われます。

 もしあなたが、自分自身の不調や病気を「遺伝だから」「体質だから」と勘違いして改善をあきらめているとしたら、何もあきらめる必要はありません。
 改善方法は、今夜私の師匠が開催する無料のWebセミナーでも聞くことができます。
 視聴をご希望の方はこちらから登録をお済ませくださいませ。
    https://1lejend.com/c/nH1b/Td7b/GVxOo/


 

★がんや婦人科腫瘍のご相談も承っております。
 カウンセリングをご希望の方は、メールかお電話でお問い合わせくださいませ。
   お問い合わせ先:045-440-5577(予約専用電話) info@vivalita.com

日付:2016年9月23日  カテゴリー:乳がん検診,日々の雑記

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子宮頚がん検診の精密検査

 職場の検診などが行われるシーズンだからなのか、子宮頚がん検診で異常を指摘された方からのお問い合わせが増えています。

 検診の結果の見かたについては過去の記事を参考にしていただけるとわかりやすいかと思います。

 子宮頚がん検診で異常を指摘された場合に行う精密検査は、「HPV検査」か「コルポスコピー検査と組織検査」です。

 HPV検査は、子宮頚がん検診を行う時と同じように子宮の出口を少しだけこする検査です。細胞診の結果が「ASC-US」だった場合にに必要になります。痛みや出血はほとんどありませんし、検査は数秒で終わります。だいたい1週間くらいで検査結果が分かります。この検査で「陽性」つまりウイルスがいますよという結果だった場合は、さらに「コルポスコピー検査と組織検査」が必要になります。

 コルポスコピー検査というのは、拡大鏡で子宮の出口の状態を観察する検査です。見るだけなので、この検査だけでは精密検査にはなりません。コルポスコピーで子宮の出口の状態を観察し、細胞の変化が強そうな部分を狙って組織をとるのが「組織検査」です。細胞をある程度まとまってかじり取るので、多少の痛みや出血を伴います。細胞の変化の程度をしっかりと観察するので、検査は5~10分くらいかかります。組織検査の結果は10~14日くらいで分かります。

 当院では、HPV検査もコルポスコピー検査と組織検査も承ることが可能です。検査の所要時間が異なるために、ご予約の際に子宮頚がん検診の結果を確認させていただいております。ご予約をご希望の場合は、お手元に検診結果をご用意いただいてからお電話いただくとスムーズです。

 ご予約はお電話でのみ承っております 予約専用電話045-440-5577

日付:2016年8月9日  カテゴリー:子宮頸がん検診

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子宮頚がん検診でLSILやHSIL

 秋の検診シーズンに入ったせいか、横浜市から検診のお知らせが郵送されたせいなのか、ここ最近「検診で異常を指摘されました」という内容のご予約やお問い合わせが増えています。

 子宮頸がんの検診結果は、以前の「クラス分類」から新しい「べセスダ分類」の表記に変更されてきている検診施設が多いようですが、各表記の意味はあまり詳しく解説されていないことが多く、結果を受け取って慌ててお電話して来られる方も少なくありません。

 結果の「ASC-US」についての解釈は、過去の記事「子宮頸がん検診でASC-USだった場合」をご参照ください。

 結果が「LSIL」の場合、細胞を見る限りは「軽度異形成」を疑う変化がありますよ、ということを意味します。また、ASC-USよりもHPVへの感染を強く疑う所見が見られる場合も「LSIL」になります。「異形成」というのは、正常な細胞とがん細胞の間のグレーゾーンの細胞を指すもので、細胞の変化の程度によって軽度→中等度→高度と徐々に進んでいきます。細胞診の結果が「LSIL」だった場合は、この「異形成」の中でも「軽度異形成」つまり、白に近いグレーの可能性が高いということを意味してます。ただし、細胞診はブラシなどでこすり取った表面の細胞のみを見ていますから、本当に「軽度」までの異常なのか、それ以上進んだ病変がないかを確認するために、より詳しい検査として「コルポスコピー検査」と「組織診」が必要になります。

 コルポスコピー検査は、子宮頸部(膣の方から見える部分)を拡大して、異形成を疑う変化がないかを目で見て確認する検査です。組織診はコルポスコピーで覗いてみて、「ここが異常がありそうだ」と思われる部分を、少しまとまった組織としてかじり取る検査です。鳥のくちばしのような形をした検査用の器具で、子宮頸部の一部をパチンとかじり取ります。取る瞬間に鈍い痛みを感じることがありますが、もともと子宮頸部は知覚的に鈍い場所なので、それほど強い痛みはなく検査は無麻酔で行えます。

 がん検診の結果が「HSIL」の場合は、細胞の変化のレベルが「LSIL」よりも進んでおり、「中等度異形成」や「高度異形成」が疑われるということを意味します。この場合も、「LSIL」の時と同じように、まずはコルポスコピー検査と組織診を行います。

 組織診断の結果が、「高度異形成」や「上皮内癌(がんの初期)」だった場合はその時点で治療、つまり手術が必要になります。高度異形成まで変化が進んでしまうと自然に正常化する可能性は低く、がんに進んでいくリスクが高いからです。この段階で適切な方法で手術を受ければ、がんになってしまう前に「完治」することが期待できます。

 組織診断の結果が「軽度異形成」や「中等度異形成」の場合は、基本的には定期的な細胞診を繰り返して、異常が進んでいかないかを注意してみていきます。最近は、どのHPVの型に感染していると、異形成からがんに進むリスクが高いのかということまでわかってきたため、組織診が「軽度異形成」や「中等度異形成」だった場合は、HPVの型を調べる「タイピング検査」を追加する場合もあります。感染しているウイルスの型が「がんに進む可能性が高いタイプ」なのか「それほど悪さはしにくいタイプ」なのかを調べることで、厳重注意が必要なのかそれほど心配しなくていいのかを区別することができるのです。

 検診で異常指摘されたので精密検査をご希望という方は、お電話でご予約を承っております。

 予約専用電話 045-440-5577

日付:2015年10月30日  カテゴリー:女性検診,子宮頸がん検診

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がん検診を受けるとがんになる?!

 最近、初診時に明らかにがんだと診断しなければいけないケースが続きました。

 どなたも共通しているのが、これまでに1度も検診を受けていないか5年以上検診の間隔があいてしまっていることと、症状が出てから受診されるまでに数ヵ月が経っているという点です。


 どちらも、がんを早期発見するために必要なことと、真逆の行動なのは言うまでもありません。


 命に関わるようながんにならないようにするためには、予防できることは予防する・定期的な検診を受ける・気になる症状が出たらただちに受診する、という事が重要です。


 子宮頸がんの場合だと


  予防する=性交開始年齢を遅くする・ワクチンを打つ


  検診を受ける=年に1度の細胞診または3年に1度の細胞診とHPV検査を受ける


  症状が出たら=不正出血やおりものが気になったら受診する


ということになります。



 自然療法派の方の中には、検診を受けると返ってがんになるから検診は受けない、という方もいらっしゃるようですが、検診を受けていない事ががんの発見を遅らせてしまうことは、実際の症例から火を見るより明らかです。


 検診を受けないという選択をするのは個人の自由ですが、検診を受けない方がよいと人に勧めるのは明らかに間違いです。



 検診は「がんになったらどうしよう」と不安に思いながら受けるものではありません。「健康であることを確認する」ために受けるんです。そして、万が一異常が見つかっても、それが命に関わるようなレベルになる前に対処できるから意味があるのです。



 もちろん、検診や健診の結果の見方によっては、不要な心配を増やしたり、病気を自ら作り出してしまうことになる場合もあります。検診を受けることが問題なのではなくて、どこからを「異常」と判断するか、結果の読み方の問題です。


 子宮頸がんの細胞診による検診は、色々ある検診の中でも最も受ける意味がある(がんの予防につながる)検診としてランク付けされています。自分の子宮を大切にするなら、自分の子宮を信じているのなら、きちんと年1回のがん検診を受けましょうね。


日付:2015年9月24日  カテゴリー:子宮頸がん検診

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HPV感染と子宮頸がん

 今月は、自治体が配布している無料クーポンの使用期限が切れる月なので、「駆け込み検診」の患者様が増えていますね。クーポンが検診のきっかけになって異常が見つかるケースは、案外少なくありません。クリニックでも、普通に毎年検診を受けている方より、クーポンで検診を受ける方の方が異常が出る割合が多かったりします。

 子宮頸がん検診で異常が出ると、しばしば質問されるのがHPV感染との関係です。子宮頸がんの原因のほとんどは、HPVへの感染なので、細胞に異常が出ているということはHPVに感染している可能性が高いと言えます。HPVに感染しているかどうかは、HPV検査をすればすぐにわかります。
 みなさんが一番気にされるのは、このHPVがどこから感染したものなのか、そして今後HPVが「消えてくれるのか」ということです。HPVは性交渉によって感染するものなので、今までの性交渉の誰かから感染したものということは言えますが、誰からなのかを特定することは困難ですし、また特定する意味もありません。一度感染すると体から完全にいなくなることはないので、HPVを「退治する」ことを考えるのはあまり意味がありません。

 HPVは性交渉の経験がある女性の約8割が一生に一度は感染することがあるくらい、ある意味ありふれたウイルスです。私はよく、「子宮頸部の『風邪』みたいなものだ」とご説明しています。
 つまり、感染機会を持つところからがんになるまでの経緯を風に例えると理解しやすいのです。

*HPVに感染している人との性交渉=風邪をひいている人との接触
 風邪をひいている人のそばにいたからと言って全員にその風邪がうつるわけではありません。でも、手洗いやうがいやマスクなどでできるだけ感染しないように予防はします。
 HPVに感染している人と性交渉を行っても必ず感染するとは限りませんが、ワクチンやコンドームでの予防は大事です。

*HPVへの感染=風邪がうつる
 予防をしていても風邪がうつることはあります。でも、ほとんど症状が出ないこともあれば、軽い症状で終わることもあります。
 HPVへ感染しても、ただウイルスが「いる」というだけで細胞に何も変化が起きない場合もあります。HPV感染が「性感染症(STD)」ではないと言われるのは、感染したこと自体はまだ「病気」とは言えないからです。

*HPVが細胞に変化を引き起こす(異形成)=風邪症状が出る
 風邪がうつった人の一部は、しっかり風邪症状が出ることがあります。でも、早めの治療を行ったり、自分の免疫力を高めればすぐに症状は改善し、重篤な病気を引き起こすまでには至りません。
 感染したHPVが細胞に変化を引き起こしてくるとがんの手前の「異形成」という状態になります。この段階ではまだ「がん」ではないので、変化が軽い「軽度異形成」や「中等度異形成」であれば、自分の免疫力を高めてウイルスの活動を抑えることで、細胞が正常化していくことが期待できます。変化の強い「高度異形成」であっても、円錐切除という手術(早期治療)で完治できます。

*HPVによる細胞の変化がさらにひどくなってがんになる=風邪をこじらせて肺炎になる
 本来風邪は、早めの治療できちんと対応すれば重篤な状態になることはありません。自然に治るものです。でも、対応が遅れたり極端に免疫力が下がったりしていると、「こじらせた」状態になって肺炎などの重篤な状態につながる場合があります。
 「異形成」の状態がさらに進むと「上皮内がん」を経て「浸潤がん」へと進行していきます。この状態にまで進んでしまうと、大掛かりな手術や放射線治療などが必要になってきます。HPVに感染した人の約1000人に1人が、何もしなければがんまで進行していきます。この状態まで進行しきる前に「早期治療」できるようにするのが、検診の役割なのです。

 子宮頸がんは、ワクチン接種と適切な検診で必ず予防できるものです。
 「めんどくさい」なんて言わずに、毎年しっかり検診を受けてくださいね。

日付:2015年3月12日  カテゴリー:子宮頸がん検診,日々の雑記,子宮頚がん

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横浜市の無料クーポンをお持ちの方へ

 横浜市から6月末に配布されている「子宮頸がん検診無料クーポン」の使用期限は、3月末までです。

 

 無料クーポンは4月2日の時点で20歳・25歳・30歳・35歳・40歳になっている人に配布されています。もし対象年齢なのに手元にクーポンがない、またはクーポンを紛失してしまったという方は再発行の手続きもとれますので、お早目にお住まいの区役所に問い合わせてみることをお勧めします。

 クリニックでも無料クーポンでの検診を承っております。毎年、使用期限ギリギリに駈け込んで来られる方が多くいらっしゃいますので、3月中旬以降は大変混み合います。まだクーポンを使用なさっていない方は、今のうちに受けておいた方がいいでしょう。ギリギリに受けようと思っていたら月経が来てしまって受けられなかったというケースも多々見受けられますので、余裕をもってクーポンをご利用なさってくださいね。

 実は、クリニックではクーポン利用で検診を受けた方のほうが異常が発見される割合が多いのです。これは、普段検診を受けていない方が「せっかく無料で受けられるのだから受けておこう」と受けてみる、というパターンが多いからだと推察されます。クーポンがなくても毎年受けていただきたい検診ですが、クーポンを良いきっかけとして上手に活用していただけるといいなと思います。

日付:2014年1月22日  カテゴリー:子宮頸がん検診,新着情報

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子宮頸がんワクチンは打つべき?

 国が「子宮頸がんワクチンの接種を積極的に推奨しない」なんて、中途半端な指針を発表してしまったせいで、現場も娘さんを持つお母さんも混乱してしまってるようですが。
 女性の性と健康を守りたいという思いから活動しているいち産婦人科医の立場からも、子宮頸がんのリスクを抱えうる一人の女性という立場からも、そして二人の娘を持つ(お腹の中の子も含めて)母親という立場からも、このワクチンの接種を「推奨しない」つもりは全くありません。
 私自身の個人的スタンスは、「必要がある人には勧めるけれど強要はしない」という立ち位置です。接種しないという選択に対してあれこれ言うつもりはありません。ただ、その選択の根拠が間違った情報によるものであるとしたら、それは正していきたいと考えています。

 また、接種は勧めるけれど急がせるつもりもありません。つまり、11歳や12歳ですぐに接種した方がいいですよ、と言うつもりはありません。このワクチンの有効性を十分に得ようと思ったら、HPVに感染する前=性交渉を開始する前に接種する必要があります。「性交渉前」という時期が、必ずしも11歳や12歳で終わるわけではないので、例えば16~17歳まで性行動を控えられると思われれば、その時期を待って本人にワクチンの必要性を説明し、接種するかどうかの意思確認をしてもいいわけです。セックスを待てるのであれば、痛みに敏感な&筋肉が未発達なローティーンで接種しなくても済みます。
 私なら娘に、「セックスはとても素晴らしいラブコミュニケーションの方法だけど、お母さん的にはあまり早くからセックスはしてほしくないなと思っているよ。でもすごく好きな相手ができて、もしかしたらセックスするかもしれないと思ったら、その前に知っておくべきことやしておくべき予防があるからちゃんとお話ししようね」と伝えると思います。

 そもそも、今回国が「推奨しない」とした理由は、ワクチン接種後に原因不明の痛みを訴える人が予想外に多かったから、ということのようですが、実際クリニックで同じワクチンを接種した人の中で、何日も続く強い痛みを訴えたり全身の痛みを訴えた方はいらっしゃいません。
 ワクチンの安全性を検証する委員会のメンバーに産婦人科医が1人も含まれておらず、多くが小児科医であったことから推察すると、検討対象となった症例の多くは低年齢の方であった可能性が考えられます。11歳と18歳では、腕の筋肉の発達具合も違いますし、痛みに対する過敏さも異なります。何より、筋肉注射に慣れていない医療者が打てば、ワクチンの種類に関係なく痛みを訴える人が増える可能性はあり得ます。

 同じワクチンが世界100か国以上で認可され、中には大規模に接種をしている国があるにもかかわらず、日本が問題にしている副反応は何も問題になっていません。
 なので、個人的には今回のワクチン安全性の検討の内容そのものに疑問を持たずにはいられません。

 もちろん、ワクチンで副反応が起きるケースがゼロではありませんから、「100%絶対に安全なワクチンですよ」ということはできません。きちんと副反応によるデメリットもご説明したうえで、最終的には接種するかどうかを決めていただくことになります。
 ただ、錯綜している情報に惑わされないで、もう一度このワクチンの必要性について考えてほしいなと思うのです。
 私がワクチン接種を勧める理由は次のようなものです。

 *10代のうちに性行動を開始しないことを期待するのは現実的ではない
 *HPVはいったん感染すると治療はできないので感染前の予防が非常に大事
 *ワクチンの効果は16型・18型だけでなく他の型にも有効性が確認されている
 *副反応の出現頻度と子宮頸がんの罹患率は比べ物にならないほど副反応が少ない
 *日本人の子宮頸がん検診受診率はわずか20%程度で若い人ほど受けていない
 *検診で早期発見できない子宮頸がんがありその原因のほとんどがHPV18型
 *ワクチン接種することで産婦人科とつながるきっかけを持つことができ検診につなげられる

日付:2013年6月24日  カテゴリー:HPVワクチン

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子宮頸がんワクチンの助成について

子宮頸がんの予防ワクチン「ガーダシル」と「サーバリックス」の公費助成について、横浜市から来年度も継続するとの通知が来ました。
4月以降も引き続き、対象年齢の方は無料接種が可能になります。
昨年10月以降に接種を開始した方は、3回目の接種が自費になるかもしれないとご説明させていただいておりましたが、4月以降に接種しても無料になりますのでご安心ください。
また、公費助成が終了するかもしれないとのことで接種を控えていた方は、今年度中に接種すれば無料となりますのでこの機会に再度ご検討頂ければと思います。
詳しくはご予約の際にお電話でご確認くださいませ。

日付:2012年3月24日  カテゴリー:新着情報,HPVワクチン

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清水(旧姓:須藤) なほみ
ポートサイド女性総合クリニック
~ビバリータ~ 院長
歌って踊れる産婦人科医
 
「全ての女性は美しくなる権利がある」をコンセプトに、女性の美と健康をサポートするために女性医療を皆様のもとにお届けしています。
5歳から始めたクラシックバレエは、ミュージカルとの出会いでコンテンポラリーダンスに変身しました♪
 
所属学会:日本産婦人科学会・日本思春期学会・日本性感染症学会・日本不妊カウンセリング学会
 
日本家族計画協会認定思春期保健談員
不妊カウンセリング学会認定カウンセラー