婦人科の病気

 

子宮筋腫の新しい治療法

 子宮筋腫の一般的な治療については、「薬物療法」や「手術療法」に関してご紹介していますが、新しく保険適応になった治療や、現在はまだ保険適応ではないけれど選択肢の一つとして考えることができる治療法があります。

 子宮動脈塞栓術(UAE)は、子宮筋腫を栄養している血管の中に、あえて血流を止める異物を流し込んで血管を詰まらせ、筋腫に栄養がいかないようにする治療です。筋腫への血流が途絶えれば、筋腫は小さくなっていきます。子宮全体を栄養している大きな血管はちゃんと血液が流れるようにしながら、筋腫の部分に枝分かれしている血管だけを詰まらせるので、子宮全体への悪影響は出ません。

 今まで、UAEは自費の治療だったために、治療費が数十万かかってしまい、なかなか選択しにくいものでした。昨年UAEに使われる「エンボスフィア」という医療材料が保険で使えるようになったので、この材料を使ってUAEを行う場合にのみ、治療が保険で受けられます。同じ治療でも、使う医療材料が保険適応外のものになると、治療に関わるすべての費用が自費になってしまいますので、注意が必要です。

 UAEのメリットは、手術と異なって入院期間も短く、治療の翌日から普通に動ける点や、薬物療法のように全身への副作用がないということです。デメリットとしては、十分に筋腫が小さくならない(症状が軽減しない)可能性があることや、まれに血流が途絶えた筋腫が「変性」という状態になり、そこに感染が起きて腹痛の原因になることがあります。

 UAEの治療が受けられる病院は、まだ限られていますので、治療法として考えてみたいなという場合は、まずどこで治療を受けたいのかを自分で検索し、現在のかかりつけ医に紹介状を書いてもらうのがスムーズでしょう。

日付:2015年8月22日  カテゴリー:子宮筋腫

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妊活セミナーについてのアンケートにご協力ください

8月または9月に、妊活WOMANさんとコラボで妊活初心者向けセミナーを開催したいと考えています。

開催日程を検討中なのですが、できるだけ参加ご希望の方がいらっしゃりやすい日程に設定できたらと思いまして、開催日時についての簡単なアンケートを行うことにしました。

現在妊活中の方、これから妊活を始めようと考えている方、ぜひご協力くださいませ。

http://sns-real.com/ninkatsu/289.aspx

日付:2015年7月3日  カテゴリー:不妊症,新着情報

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HPV感染と子宮頸がん

 今月は、自治体が配布している無料クーポンの使用期限が切れる月なので、「駆け込み検診」の患者様が増えていますね。クーポンが検診のきっかけになって異常が見つかるケースは、案外少なくありません。クリニックでも、普通に毎年検診を受けている方より、クーポンで検診を受ける方の方が異常が出る割合が多かったりします。

 子宮頸がん検診で異常が出ると、しばしば質問されるのがHPV感染との関係です。子宮頸がんの原因のほとんどは、HPVへの感染なので、細胞に異常が出ているということはHPVに感染している可能性が高いと言えます。HPVに感染しているかどうかは、HPV検査をすればすぐにわかります。
 みなさんが一番気にされるのは、このHPVがどこから感染したものなのか、そして今後HPVが「消えてくれるのか」ということです。HPVは性交渉によって感染するものなので、今までの性交渉の誰かから感染したものということは言えますが、誰からなのかを特定することは困難ですし、また特定する意味もありません。一度感染すると体から完全にいなくなることはないので、HPVを「退治する」ことを考えるのはあまり意味がありません。

 HPVは性交渉の経験がある女性の約8割が一生に一度は感染することがあるくらい、ある意味ありふれたウイルスです。私はよく、「子宮頸部の『風邪』みたいなものだ」とご説明しています。
 つまり、感染機会を持つところからがんになるまでの経緯を風に例えると理解しやすいのです。

*HPVに感染している人との性交渉=風邪をひいている人との接触
 風邪をひいている人のそばにいたからと言って全員にその風邪がうつるわけではありません。でも、手洗いやうがいやマスクなどでできるだけ感染しないように予防はします。
 HPVに感染している人と性交渉を行っても必ず感染するとは限りませんが、ワクチンやコンドームでの予防は大事です。

*HPVへの感染=風邪がうつる
 予防をしていても風邪がうつることはあります。でも、ほとんど症状が出ないこともあれば、軽い症状で終わることもあります。
 HPVへ感染しても、ただウイルスが「いる」というだけで細胞に何も変化が起きない場合もあります。HPV感染が「性感染症(STD)」ではないと言われるのは、感染したこと自体はまだ「病気」とは言えないからです。

*HPVが細胞に変化を引き起こす(異形成)=風邪症状が出る
 風邪がうつった人の一部は、しっかり風邪症状が出ることがあります。でも、早めの治療を行ったり、自分の免疫力を高めればすぐに症状は改善し、重篤な病気を引き起こすまでには至りません。
 感染したHPVが細胞に変化を引き起こしてくるとがんの手前の「異形成」という状態になります。この段階ではまだ「がん」ではないので、変化が軽い「軽度異形成」や「中等度異形成」であれば、自分の免疫力を高めてウイルスの活動を抑えることで、細胞が正常化していくことが期待できます。変化の強い「高度異形成」であっても、円錐切除という手術(早期治療)で完治できます。

*HPVによる細胞の変化がさらにひどくなってがんになる=風邪をこじらせて肺炎になる
 本来風邪は、早めの治療できちんと対応すれば重篤な状態になることはありません。自然に治るものです。でも、対応が遅れたり極端に免疫力が下がったりしていると、「こじらせた」状態になって肺炎などの重篤な状態につながる場合があります。
 「異形成」の状態がさらに進むと「上皮内がん」を経て「浸潤がん」へと進行していきます。この状態にまで進んでしまうと、大掛かりな手術や放射線治療などが必要になってきます。HPVに感染した人の約1000人に1人が、何もしなければがんまで進行していきます。この状態まで進行しきる前に「早期治療」できるようにするのが、検診の役割なのです。

 子宮頸がんは、ワクチン接種と適切な検診で必ず予防できるものです。
 「めんどくさい」なんて言わずに、毎年しっかり検診を受けてくださいね。

日付:2015年3月12日  カテゴリー:子宮頚がん,子宮頸がん検診,日々の雑記

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妊娠を目指すなら基礎体温は必須?

 婦人科を受診すると「まずは基礎体温をつけましょう」と言われた経験のある方は、多いのではないかと思います。基礎体温は、ホルモンの状態や排卵の有無を簡単に非侵襲的に調べる方法として気軽に取り入れられるため、患者様ご本人も自主的につけていらしたり、診察の現場でも「とりあえず」で勧められることもしばしばあるようです。
 また基礎体温をつけることが、規則正しい睡眠を心がけたり、自分の体の状態と向き合うきっかけになる場合もあります。基礎体温のつけ方だけでも、その方の性格や生活のスタイルがある程度把握できます。

 ただ、基礎体温が2相に分かれているからと言って「絶対に排卵している」と言い切れない場合もありますし、年齢や状況と治療目的によっては、基礎体温が必ずしも必要とは限らないケースも多々あります。
 不妊治療を希望される方には、基本的には基礎体温をつけるようにお勧めしていますが、2人目妊娠をご希望の方にはあまり無理につけるようにと言わないようにしています。
 なぜなら、私自身が2人目の妊娠を目指す時に、2歳の娘を見ながら基礎体温を毎日つけるなんて絶対に無理だったからです。自分ができないことを、患者様に強要するなんてできません。

 2人目や3人目を目指す場合、上のお子さんがまだ小さいと睡眠のリズムが不規則だったり、早朝から子どもに起こされたりで、「起き上がる前に5分感じっとして体温計を加えるなんて無理!」というのが実際だと思います。
 私自身は、最初から基礎体温をつけることは諦めて、排卵日近くに2日に1回超音波検査をして卵胞を確認し、排卵日の2~3日前と排卵日直前にタイミングを合わせるようにしました。

 妊娠を目指す場合、基礎体温はつけられるならつけた方がよいのですが、次のような条件を満たしていれば無理につける必要はないと考えています。
  

  *きちんと排卵していることが確認できている
  *黄体機能が正常であることが確認できている
  *月経周期がほぼ安定している又は排卵を確認できるまで月に2~3回超音波検査を受けに通院できる

 

 排卵の確認は、超音波検査とホルモンの検査を組み合わせれば可能です。排卵の時期に成熟卵胞があり、その数日後にその卵胞がきちんと黄体になっている(未破裂黄体化のう胞になっていない)ことが確認でき、ホルモン基礎値にも黄体機能にも異常がなければ、ほぼ排卵周期と思っていいでしょう。月経周期が安定してればなおさらです。
 月経不順がある場合は、検査した時にたまたま排卵していて、そのほかの周期は無排卵ということもありうるので、毎月卵胞確認をした方が確実ではあります。

 黄体機能は、通常「基礎体温が上がったら採血に来てくださいね」と言われますが、超音波検査で排卵直前の卵胞が確認できれば、その4~5日後には高温期に入っているはずなので、基礎体温をつけていなくても採血の時期を見測ることが可能です。

 月経周期が安定している方の場合は、基礎体温をつけなくても「一番妊娠しやすい時期」がだいたい特定できます。
 排卵してから次の月経が来るまでが14日間というのは、ほぼ個人差なく決まっているのです。なので、28日周期の方であれば月経初日から14日目くらいが排卵日であると予測できます。
 効率よく妊娠を目指すには、排卵日当日より2~3日前からタイミングを合わせておくことが重要なので、月経周期が28日なら月経初日から11~14日目の期間に集中的にタイミングを合わせれば、基礎体温とにらめっこする必要はありません。
 月経周期が毎月40日くらいなのであれば、チャンスは月経初日から23~26日目くらいということになります。

 月経周期が不安定な場合は、毎月の卵の育つペースがまちまちなので、基礎体温をつけずに自分でタイミングを合わせることは難しくなってきます。
 毎月排卵するタイミングが異なるので、超音波検査で卵胞の育ち具合を時間を追って見ていき、卵胞が16㎜以上になってきたらその日から3日間くらいタイミングを合わせ続けるか、卵胞が18㎜を超えた段階で排卵誘発の注射をして、注射当日と翌日にタイミングを合わせるといったことが必要になってきます。
 

 いずれにしても、一定の条件を満たせば、基礎体温がなくても妊娠を目指すことは可能です。
 「基礎体温もつけられないなんて、ダメな私・・・」なんて、申し訳なく思う必要はありません。
 自分にできる方法で、できる範囲で、自分の体と向かい合っていけばいいのではないでしょうか。

日付:2014年7月21日  カテゴリー:不妊症

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妊娠中のトラブル~貧血~

 女性は月経があるために貧血気味の方も多いのですが、妊娠中は特に貧血になりやすくなります。
 妊娠すると、体をめぐっている血液の量を増やすために、血液が薄まった状態になります。なので、普段は貧血ではない方でも貧血傾向になる場合があります。
 軽い貧血であれば食事で鉄分が多いものを摂ったり、サプリメントで改善する事が可能です。
 食事は、赤身の魚や肉類・アサリやシジミなどの貝類・緑黄色野菜・プルーンなどを積極的に摂るといいでしょう。
 サプリメントでは「ヘム鉄」や「葉酸」が含まれているものがお勧めです。
 血液検査で「ヘモグロビン」の値が10以下になっているようであれば、鉄剤による治療が必要です。
 特に、妊娠後期は貧血が進行しやすいので、出産直前に貧血があるようであればきちんと治療しておいた方が安心です。出産時の出血は、多いと500mlを超えてしまう事がありますので、出産前に貧血だと産後はさらに貧血になってしまうからです。
 妊娠したら、例え普段貧血でなくても、鉄分の多い食品を積極的に摂って、バランスのいい食事を心がけることが、貧血予防につながります。

日付:2011年5月31日  カテゴリー:妊娠中のトラブル

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妊娠初期のトラブル~肩こり・首こり~

 妊娠中~産後の時期は、様々な要因で肩こりや腰痛が起こりやすいのですが、特に妊娠初期はホルモンの影響で肩こりや首こりがひどくなりやすく、そのために頭痛を引き起こすこともあります。
 コリがひどい時はマッサージなどでほぐしても問題ありませんが、マッサージ店や整体院などの多くが妊娠中は施術できないことになっているため、辛い時は家族にマッサージしてもらうといいでしょう。
 基本的に治療は必要なく、妊娠中のホルモンバランスに体が慣れてくれば症状が軽くなってくることも多いのですが、コリがあまりにもひどい場合は、葛根湯を処方することもあります。
 筋肉をゆるめるような薬は妊娠中は服用できないため、薬を希望する場合は必ず産婦人科で相談して下さい。
 肩こりや首こりに対して自分でできる改善方法をいくつかご紹介しておきましょう。
 *ホットタオル(ゆるめに絞ったタオルを電子レンジで温めると簡単に作れます)で肩や首を温める
 
 *熱めのシャワーを勢いよく肩や首に当てる
 
 *携帯・パソコン・テレビをできるだけ見ない
 *頚椎体操をする
    息を吐きながら頭の重みを感じてゆっくり首を前に倒します。
    息を吸いながら頭を起こし同じように後ろに倒します。
    息を吸いながら頭を起こし同じように左右に倒します。
    これを3セットずつ朝起きた時や入浴時などに行います。

日付:2011年5月6日  カテゴリー:妊娠中のトラブル

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妊娠初期~中期のトラブル~頭痛~

 妊娠初期~中期にかけて頭痛を訴える方は少なくありません。妊娠したとたんに多量の女性ホルモンが出るため、ちょうど月経前の頭痛と同じような感じで頭が重く感じられる事があります。
 また、肩こりや首こりがひどくなって頭痛を引き起こしたり、目が疲れやすくなるために目の奥や眉間の辺りがスッキリしない状態が続く事もあります。
 コリのせいで頭痛が起きている場合は、首や肩のストレッチが有効です。痛み止めを飲むよりも、葛根湯などの体を温める成分が入った漢方薬で治療した方がいいでしょう。
 目の疲れからきている場合は、ホットタオルでアイパックをしたり、パソコンやテレビを見る時間を減らすなどの工夫で対応できます。
 痛みがひどい場合は頭痛薬を飲むこともできますが、一般の頭痛薬は妊娠中は飲まない方がいいものもありますので、必ず産婦人科で処方してもらうことをお勧めします。
 妊娠に伴って出現した頭痛は、妊娠中期(安定期頃)には自然に治まってくる事が多いので、あまり心配しなくても大丈夫です。
 症状が辛い場合は、早めに産婦人科で相談してみましょう。

日付:2011年4月25日  カテゴリー:妊娠中のトラブル

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耳管開放症~体験談版~

 妊娠前から、急激に体重が減った時や、ダンスのレッスンで多量の汗をかいて脱水気味になった時に、一時的に耳管開放症の症状が出現する事がありました。
 ただ、通常は充分な水分を摂ればすぐに耳の聞こえ方は元に戻っていたんですよね。
 妊娠5ヶ月を過ぎた辺りから、唾液を飲み込んだ時に耳管が開いて元に戻らなくなる感じが度々出現するようになりました。
 自覚症状としては、つばを飲んだ後から耳がふさがったようになり、自分の声が響いて耳が聞こえにくくなります。自分の声が大きめに聞こえるので、自分が実際はどのくらいの大きさで話しているのかが分かりません。
 この症状、決まって午後になると出現していました。午前中は耳も普通に聞こえるし、唾液を飲み込んでもなんともないんです。
 お昼休憩が終わって、午後の診療に入ったとたんに、つばを飲むたびに耳がおかしくなるので、患者さんとの会話をするのがとっても困難でした。息を止めて耳の方に圧力をかけるように軽くいきむと耳が詰まった感じがとれるのですが、次につばを飲み込むとまた元に戻ってしまうんです。
 会話の途中で何度も息を止めながら、瞬時に軽くいきんで「耳抜き」をし、何とか診療はできていましたが、私自身の声のボリュームがうまく調整できていなかった時もあったんじゃないかと思います。
 妊娠前の時のように、脱水に気をつければ改善するかと思って午後はできるだけこまめに水分を摂るようにしていたのですが、全く改善せず・・・
 結局、薬を飲むこともできないので分娩まで特に治療もせずに経過を見ていました。
 分娩の直前まで症状は続いていたのですが、産んだとたんにウソのようになんともなくなりました。
 耳鼻科の本にも、「妊娠に伴う一時的なものは出産すれば治るので治療しなくてもよい」と解説されているので、やはりこれといった治療法はないようですね。

日付:2011年4月24日  カテゴリー:妊娠中のトラブル~体験談版~

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妊娠中のトラブル~耳管開放症~

 耳管開放症は妊娠中のみに起こるものではありませんし、頻度もそれ程高いものではありませんが、時々見られるマイナートラブルの1つです。
 耳管というのは耳の奥と中耳(鼓膜の奥)をつないでいる器官で、耳管の入り口が開いたり閉じたりすることで中耳の中の圧力を調整しています。この耳管の入り口がうまく開閉しなくなることで耳に異常が起きてしまうのが耳管開放症です。
 耳管開放症の主な症状は、耳が塞がれた感じ・自分の声が響いて聞こえる・自分の呼吸の音が大きく聞こえる・耳が聞こえにくい・耳鳴り・めまい、などです。
 耳鼻科で検査をしても、耳管開放症だとはっきり分からないこともあるそうです。
 原因はストレスや疲労だと言われていますが、急激な体重減少や妊娠によって引き起こされる事もあります。
 積極的な治療はなく、頭を下にしたり、ダイビングの時にやるような「耳抜き」をすると一時的に聞こえ方が改善する場合があります。また、漢方薬の「加味帰脾湯」が有効な場合もあるそうです。
 妊娠によって引き起こされた耳管開放症の場合は、妊娠が終われば、つまり出産後は改善することが多いので、あまり心配する必要はありません。
 ただ、耳の聞こえにくさが出現した場合、それが耳管開放症によるものなのかどうかは自己判断せずに、一度は耳鼻科で診てもらった方が安心です。

日付:2011年4月19日  カテゴリー:妊娠中のトラブル

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妊娠中期・後期のトラブル~切迫早産~

 妊娠22週0日~35週6日の期間に、子宮の収縮が起きたりして「早産になりそうな状態」になることを切迫早産といいます。
 切迫早産の症状は、子宮の収縮(お腹が張る)や出血です。自覚症状の他に、子宮口の開大や子宮頚管長の短縮が見られることがあります。
 切迫早産の程度は、動き回ったり長時間たちっぱなしだった時に時々子宮の収縮が起きる程度の軽いものから、子宮口が開いたり子宮頚管長が2センチ以下に短くなって絶対安静が必要になるような重いものまで様々です。
 子宮の収縮だけであれば張り止めの薬(ウテメリン)を飲んで子宮収縮を抑えることができれば入院の必要はあまりありません。ただ、基本的に安静にする必要があります。
 入院しなければいけない切迫早産は、子宮口が開いている場合・子宮頚管長が3センチ未満に短縮している場合・出血が止まらない場合、などです。
 この場合は、入院して張り止めの薬を点滴したり、トイレもベッドサイドや車椅子で移動するくらい寝たきりの状態で安静を保ったりします。
 子宮の収縮が度々あると、赤ちゃんの体重の伸びが悪くなったり、早い時期に破水するリスクになるので、強い張りがある時はそれを抑える必要があります。
 張り止めの薬であるウテメリンは、動悸・息切れ・頻脈などの副作用が出る事がありますが、自己判断で飲まなかったりするのは危険です。当帰芍薬散という漢方薬にウテメリンの副作用を軽減する働きがありますので、どうしても辛い場合は医師に相談してみるといいでしょう。

日付:2011年4月19日  カテゴリー:妊娠中のトラブル

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